2025-05-30 39:29

#3 :フードテックの現在地(前半)〜フードテックの定義と食に関わる社会課題〜

なぜ今、食の進化が求められているのか。食に起因する社会課題の顕在化を軸にフードテックの現在地について、そもそもフードテックって何?という所から切り込んで行きます!


・パーソナリティ

株式会社UnlocX:田中宏隆・岡田亜希子

たべものラジオ:武藤太郎・武藤拓郎


▼メッセージ・出演希望等

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▶株式会社UnlocX : https://unlocx.tech

▶たべものラジオ:https://tabemonoradio.com

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サマリー

フードテックという言葉の曖昧さとその進化について議論され、特にデジタル技術やバイオ技術が食に与える影響が考察されています。今回のエピソードでは、フードテックの定義、歴史的背景、そして最新のトレンドが深掘りされています。フードテックは、テクノロジーが食に与える影響と、新たな技術の進化が考察され、食品業界の変革を促す重要なキーワードです。このエピソードでは、フードテックの定義や、その社会的な課題への対応について深く掘り下げて議論されています。フードテックは、食に関わる社会課題の解決に向けた最新の技術やアプローチを指します。本エピソードでは、食糧自給率の低下や健康問題、地球環境への影響などがフードテックの重要な背景として取り上げられ、これらの課題解決のための次世代のソリューションについて議論されています。フードテックの定義や現在の社会課題の流れを探る中で、経済や技術の進化に伴う食品産業の課題が明らかにされています。特に日本の食品業界における働きやすさや事業生計問題が喫緊の課題として浮上しており、この問題を解決するためにはテクノロジーの活用が不可欠です。

家族との外食体験
田中さん、岡田さん、ちょっと聞いてもらっていいですか。
はい。
お前ら家族で外でご飯食べてたんですよ。
うん。
で、うちちっちゃい子供が2人いるので、
はい。
ちっちゃい子供たち用の子供椅子とか、そういうのいろいろと用意しなきゃいけなくて。
うん。
で、なんか水が欲しいとかなんかごちゃごちゃしているうちにですね、
うん。
あっという間に、
うん。
食べ物出てきちゃったんですよ。
はいはい。
これ、ちょっと僕思ったんですけど、
うん。
1人じゃなくて、家族とか、
うん。
友達とか、一緒にご飯行った時、
うん。
料理が出てくるまでの時間って、僕意外と楽しみにしてたんだなって、
あー。
気づいたんですね。
おー。
分かります。
うん。
ありますよね。
うん。
で、一方でなんかこう、あんまり長いとぐだったりもするじゃないですか。
うんうんうん。
皆さんね、あの、外食に行った時に、その料理が出てくるまでの待ち時間って、
うん。
どうしてるんだろうなっていう風に思ったんですよね。
え?
あー。
え、どうされてます?普段。
なんか最近は、結構タブレットとか、そのQRコードをスマートフォンで読んで、
うん。
で、そこからメニューで選ぶっていうところ、結構増えてきているから、
はい。
なんかそうすると、なんか注文した後もいろいろ見ちゃうっていう。
あー。あるかもですね。
はい。
紙のメニューでも、まあ職業病なのかもわかんないですけど、じっくり見ちゃうかもしれないですね。
紙のメニューって結構持ってかれること多いんですよね。
あー。
注文した後って。
あ、確かに。
でもタブレットとか、スマートフォン上だとずっとそれが残ってるから、結構それを見続けたりすることもあるかな。
僕も、そうね、確かによくあるのは、まあみんなで普通に打ち合わせの続きをしちゃったりとかしますけど。
そうね。
で、たまにパソコン開いて説明しようと思ったら来ちゃったみたいなのがありますが、
僕もおっしゃる通り、すごい来るまでの、最初の食べ物が来るまでの時間がものすごくワクワクするんですよね。
うん。
ただ、すごい選ばないといけないので、たまにやるのが、岡田さんが言った通り、メニュー1個置いてもらって、
そのお店のメニューをひたすら眺めて、次何食べようかな、足りなかったらしたらこれ頼もうかなとかですね。
本当にこの頼んだ量で正しかったのかなとか、そういったようなシミュレーションをして、
過ごした間に来て、じゃあ食べてみてから判断しますかみたいな。
多いか少ないかはみたいな。
そんな時間を使いますね。
思いっきりビジネスっぽいですね。
いや、そうね、でもすごい大事な時間なんで、僕実は待ってる時間が一番好きですね。
そこが幸せマックスで、食べた瞬間が下がり始めるタイミングなんですよ。
どんどんどんどん量が少なくなって冷めていくときに、これ冷めていく、終わっちゃう、終わっちゃうなみたいな感じなんで。
待ってる時間は妄想してるだけでも実は私は幸せになってしまうかもしれない。
実に面白いですね。
フードテックの定義
これね、僕ちょっと思ってたんですけど、料理が来るまでの時間って、ワクワクとか希望の時間だと思うんですよね。
なんだっけ、ちょっとうろ覚えなんですけど、ローマ帝国時代の哲学者で、トマス・アキナスっているじゃないですか。
あの人の感情論か何かのところで、愛とは何かとか、希望とは何か、絶望とは何かみたいなことが語られてるの、ちょっとうろ覚えで読んだんですよね。
その時に、善なるもの、自分が良いと思っているものと距離があって近づいていくこの時間は希望だと。
で、悪いものに向かっているときは絶望だとか、そのようなことを言ってたんですよね。
ちょっと違ってるかもしれないですけど。
未来に向かってワクワクしている瞬間ってのは本当に幸せで希望の持てる時間なんだろうなっていうふうに思ったので、
これでもし本当に苦手なものとかまずいもの出てきたら絶望なんだろうなとか。
でもなんかちょっと不安なのは、一人だけすごく出てくるのが遅いみたいなことがあるじゃないですか。
とか、2人とか3人ぐらいで食べていて自分だけ来てないみたいな時っていうのの微妙な空気感っていうのはありますよね。
なんか先に食べていいのか。
僕でもそれだとしたらちょっと違う話なんですけど、よくね、うちのオフィスの休会でイベントをやるときに、
すごいお気に入りのケータリングが来ると分かっているときは、もう朝から1週間ぐらい前から待ち時間なわけなんですよ。
だから毎日は楽しみだな、金曜日の夜楽しみだなっていう。
たぶんすごい抗議の待ち時間っていうのはそういうふうにも定義できるなって思ったりもしました。
確かに食いしん坊、万歳です。
いやそうなんですよ。やっぱりさっきの戸松幸夏の話はすごいなと思って、
やっぱり希望に対する時間をその希望っていうのをやっぱり食べたい食とか、
作ってもらいたい人の食事とかなんかそういったようなところに設定すると、
すごく小さな幸せが積み重なっていけるなっていう感じがしました。
いいですね。
未来への希望の時間を楽しみにしていく番組ということで。
いいですね。
じゃあタイトルコール行きます。
食べ物インテグラル
この番組では、食をテーマに食にまつわるニュース、人物などから変化し続ける現在地を学び、
食の未来像をあらゆる視点で探っていきます。
MCを務めますのは、食べ物ラジオの武藤太郎と、
UNLOCKSの田中裕孝。
UNLOCKSの岡田亜紀子です。
本日もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
それでは早速参りましょう。
岡田さん、本日はどんなテーマでお話をしていただけますでしょうか。
今日は、つまりフードテックの現在地っていうテーマでちょっと話していきたいなというふうに思います。
と言いますのも、
ちょっと前回までこの食べ物インテグラルっていう番組を立ち上げた思いっていうのをお話ししてきて、
ここからちょっといろんな、今何が起きているのかっていうニュースとかトレンドとか色々お伝えしようと思ったんですけど、
実は結構重要なポイントを忘れてまして、思い出しました。
実はフードテックっていう言葉はめちゃくちゃ曖昧な言葉で、
多分人によって全然イメージが違うんですよね。
だからちょっと今改めてフードテックって何なのか、今どういう状態なのかっていうところを一回ちょっとこのメンバーで話して、
多分このメンバーの中でもそれぞれ結構視点が実は違うっていう話なので、
ちょっとそこら辺から掘っていって、今の現在地っていうのをちょっと考えてみたいなというふうに思います。
いいですね。
そもそもなんですけど、これ僕も何かの食べ物ラジオの方かな、フードテックに関することちょっとだけ触れまして、
喋り出したらあれフードテックってどこからどこまでを言うんだろうっていう、
なんか食に関する技術だなあくらいには思うんですけど、
食に関するものってむちゃくちゃいっぱいあるじゃないですか。
それこそ人類史ぐらいのサピエンス全史ぐらいの勢いでいくと火とか始まっちゃいますもんね。
始まります。
これ定義どうなってるんですか、今。
私たちも実はこの定義をするのがすごく難しかったんですけども、
一旦私たちとして定義してみたことをちょっと読み上げますと、
食のシーンにデジタル技術、特にIoTとかあとはバイオとかですね、
そういったものが融合してくることで起こるイノベーションのトレンドの総称ですね。
もともと確かに火もそうだし、あと刃物とか、
あと冷やすのね、食べ物ラジオの回でもありましたけど、
ああいう冷蔵庫とか家電とか、いろんなものがもともとやっぱりフードテックとしてはあったわけなんですけれども、
今特になぜ急になんとかテックっていう総称の中で呼ばれるようになったかっていうと、
例えばデジタルが発達してきた後でインターネットに家電がつながるとか、
あとスマートフォンから何か操作するとか、そういうものが増えてきたり、
最近ですと代替肉とかそういう話もあるんですけど、
バイオの技術がどんどん進化していくと、
ものすごく精度の高い部分で分子構造から肉に見せていこうみたいな、
あとはバイオ肉みたいな、細胞をバイオして何かの素材にすごく見せていくっていう、
もう見せていくというか、もうそのものなんじゃないかっていうぐらい、
本物に近いものを作っていくみたいなことがやっぱり出てきたときに、
これはちょっと今までの技術とは少し角線を引きするなっていうところがあって、
フードテックって呼ばれるようになってきたかなというふうには思います。
ただ私たちもやっぱり見れば見るほど、何かこれなのだって一義的に決まるというよりは、
やっぱりあらゆる技術の集合体だなという気がしていて、
なんていうか、IoTって言っても、インターネットブルーシングスっていう、
そのもの自体にセンサーとかがついてネットにつながるっていう、
Bluetoothとかそういういろんな技術がありますけど、
そういうものも別にフードに限らずいろんなところにあって、
それが職にも来たっていう感じですよね、どっちかっていうとね。
だからデジタルとかAIとかIoTとかバイオとかいろいろ言うけど、
その領域でいろんなイノベーションが起こっていたものが、
職の領域にも来たなっていうところがあるんで、
やっぱりその技術の集合地っていう考え方が一番近いかなというふうには思いますね。
フードテックの進化
僕の方もちょっといいですかね。
フードテックっていう言葉が最初出てきたとき、
まさに今岡田さんが言ったようなところからスタートしてきていてですね、
いわゆるその最先端技術ですね、
特に2015年以降ものがネットにつなぐようになったとか、
バイオエンジニアリングが出てきたとかですね、
そういうことで言っていたんですが、
その時に出てきた、もう一つ出てきた言葉が、
競技のフードテックと講義のフードテックとか、
フードテック、今は2.0なんじゃないかって議論も実は出たんですよね。
1.0っていうのは、7、8年前に、
5年くらい前かな、1.0って言ってた時代は、
まだ食べ物ラジオを聞く前だったので、
80年くらい前までしか見てなかったんですよね。
昔から食品の加工技術とかってテクノロジーじゃないですか、
いわゆる世の中に浸透していって、
いろんな現場に実装されていくその食のテクノロジーっていうのは、
今の食品メーカーが作ってきたのが1.0だとすると、
今、必ずしも食品じゃない人たちが入ってきて、
食の進化をドライブするのがフードテック2.0じゃないかみたいなことを話していました。
ちょうどまさにAIとかIoTとかバイオエンジニアリングとか、
フードテックの概念
ちょっと食の中で聞き慣れないような言葉が入ってきたので、
それがフードテックというような形で動いてきたんですけど、
これもやっぱりまだ競技だなと思っていて、
やっぱりフードテックっていうのはテクノロジーと本当に、
フロムデジタルとアナログも全部入っていて、
講義で言うとですね。
カテゴリーもフードという、日本だと食品みたいな形で訳されるんですけど、
世界だとやっぱりフードっていうのはフードなので、
口に入るもの全般関わるものが全てフードインダストリーだよねみたいな考え方って
やっぱりあるんですよね。
そう考えていくと、私たちも実感値として、
まさにフードテックと言いながらも、
それアグリのほうも関係あるよねとか、レストランも関係あるよねとか、
あとヘルスも関係あるよねとかですね。
なのでフードテックというのは、
狭く見るともう本当に Y 消化できるんですけど、
私たちが見ているのは、
食の進化がテクノロジー技術によって変わっていく、
そのきっかけとなる技術やサイエンスの創生というような、
テックなんでね、サイエンスはもう一つ上流にあるんですけども、
やはり講義のフードテックと競技のフードテックっていう考え方で見るのがすごい大事かなというふうに思ってますね。
テクノロジーの進化
だから最近、私たちは本当に全部、全部なので見ていますね。
なるほど。
いろいろとフードテックがわかりづらいというか、
一般的に認知がされづらいのって、なんとなく広すぎるのかなっていう気がするんですよね。
今おっしゃった通りにね、フードってキッチンもあるし、
あとはコールドチェーンみたいな物流もあれば、
アグリテックと呼ばれる農業生産分野もあれば、海のこともあればみたいなところで、
いろんな科学技術が持ち込まれているっていう感じですよね。
今お話しだと、科学技術の中でも比較的直近のものを捉えて、
フードテックって呼んでいるようなイメージですか?
そうですね。
そうですね。
やっぱり言われるようになったのは、そこからかなと思います。
もちろん、食とテクノロジーの関係っていうのは、
もうそれこそ秘を発明、発明じゃないな、発見したとき、
それが自分たちが食べるものを料理するっていうところに、
発展したところからもうすでに、それはテクノロジーだし、
魚を捕まえるための槍とか、漁船とか、
もう本当にそういうところからあったと思うんですけれども、
ある種フードテックっていう言葉で言われるようになったのは、
直近の、やっぱりここ何年かな?
2010年代くらいかなですかね、多分ね。
そういうところから多分スマートフォンとか、
そういうデジタルっていうものが、
どんどんその日常の生活の中にどんどん染み出して、
出てきたみたいなところから始まってきたかなっていう言葉ありますよね。
なんかこのフードテックという言葉が最初出てきたときに、
私たちもこれ気をつけないとバズワード化するなって思ったんですよね。
すごいパワーワードで、当時フィンテックとか本当にホッと上がってきて、
で、やっぱりパワーワードなんで注目もされる一方で、
パワーワード化してしまうと、
その本質的に何を意味してるのかっていうのがズボッと抜け落ちるっていうことが
起こりがちだなというふうに思っていたので、
やっぱりキーメッセージは、そのフードテックっていうものは、
通じて見えてくるのは、今の食というものですね。
食にまつわる経験とか、あとはその生産とか販売とか調理とかに関わるものが、
進化するタイミングに来てるんだというようなメッセージだなというふうに捉えていただくといいような気がしていて、
なので、フードテックの中で何が来るんですかっていう質問は、私たちはほぼ答えないようにしてるというか、
分かんないんですよ。ぶっちゃけな話言うと。
そうじゃなくて、これだけのテクノロジーが生まれてるのは何かしら、
今だと続かない都合が悪いこととか、今だと何か足りてないとか、
何かもっと良くしたいというような要望とか希望とか、場合によっては欲望があるんだよねっていうようなことかなと思っていますので、
こういった食の進化が起きているということを考えるための考え方として、
社会課題の顕在化
フードテックというのを捉えていただくという考えもあるのかなと思います。
ますます複雑になった気がしますけどね。
僕、線引きがよく分からなくてですね。
例えば、シーフードの話をしたときに、海上養殖とか、近代が開発したようなマグロの養殖だとか、
ああいうのって割とフードテックの文脈で言われるような気がするんですよ。
一方で、もうちょっとアナログに近いのかも分かんないですけど、
例えば魚群探知機が死ぬほど進化して、漁獲がうまくできるようになりましたなのか、
一本釣りのリールが死ぬほど性能が上がって、リニアを使って巻き上げますとか、
なんかよく分かんないですけど、そういうのが仮にあったとすると、
後者のものってあんまりフードテックと呼ばれないような気がするんですよね。
なんかその辺にぼやっとした、見えない、壁のようなものがあるような気がするんですけど、
その辺ってどっか線引き発揮したりします?
いやなんか正直あんまり線引きなくて、場合によってはもう海のものはマリンテックとかオーシャンテックといったりとか、
そういう別の領域、近いところに何か寄せていくみたいな動きはありますね。
なので、例えば本当に陸上養殖とかっていうものは、
人によってはフードテックじゃなくてあれはディープテックですみたいな言い方もあるんですけど、
なのでテクノロジーにはいろんな属性があっていいと思ってて、
一対一対応じゃないと思うんですよね。
なので農業系のソリューションとか、例えば漁業系のソリューションは一面取るとオーシャン系のテクノロジーだし、
ある時はマリン系のテクノロジーとも言えるし、ある時は、
例えば文化を残すんだったらカルチャー系のものかもしれないし、もちろん食べるものなのでフード系とも言えますし、
なのでいろんな文脈がくっついてるんだよっていうことを理解するほうが大事かなっていうふうに思いますので、
線引きというよりも属性なのかなどうなんだろう。
そんな感じもしますけど。
なんか岡田さんずっと考え込んでますけどどうですか。
いや確かにその線引きってすごい難しいなと思って、
ちょっと今思い出していたのが全然話変わるんですけど、
昔は音楽プレイヤーだと思っていたものが突然電話になるとか、
それが突然地図になるとか、それが突然ゲーム機になるとかですね。
そういう携帯電話スマートフォンっていうところの進化、
特にiPodだったところからのiPhoneでiPadでっていう風な進化をしたときに、
なんか定義って難しくてですね、いつも。
確かに。
ちょっと思い出したのと、
実はフードテックの定義っていうところは大事なんですけども、
そのあえてぼやっとさせておくっていうのが実はすごい重要で、
今タローさんがおっしゃっていただいたように、
魚群探知機とかそういうのももしかしたらものすごく発達してくるかもしれなくて、
例えば今海底のGoogleマップってまだないんですってね。
実は海の中って実は全然まだ分かってなくて、
そういうこともあってそっちの開発は進んでるんですけども、
もしかしたらそういう魚群探知機みたいなものがすごく進化して、
そういう地図を作るとかなくてはならないものにもしかしたらなるかもしれないので、
なんか関係ないって言い切れないっていうか常に。
そうか。
今は注目が集まってないだけかもわかんないってことですよね。
そう。
もしかしたらめちゃくちゃサスティナブルな魚籠ができるような魚群探知機が出てきたら、
もうこれは完全にフードテックだと。
っていう考え方もできるし。
なんかそのサスティナブルとかリジェネラティブの文脈に乗ってるかどうかでも、
世の中の反応違うかもかもですね。
だから全く違う魚群探知機の違うアプリケーションが出てくる可能性もあるから、
魚だけじゃなくて他のこともわかるとか。
私全然専門家じゃないんで今すごく適当に言ってますけど、
でもこういろんなハイテク製品とかいろんなものがいろいろ進化していったことを考えると、
これからどうなるかっていうのは誰もわからないなと思って。
確かに。
あとそもそも○○テックっていう言葉の使われ方自体が、
これは人によって賛否あるかもしれないですけども、
端的に言うとやっぱり大きな投資とかを、これは投資家でもそうですし企業でもそうですし、
動かしていくときにここに魚がいますよみたいな形で使うケースもあるじゃないですか。
なので人によってはそれはすごく扇動的だみたいなことを批判される方もいますし、
私はそれどっちも正しいなと思っているんですけども、
やっぱり大事なのはなぜフードテックという言葉が出てきているのか。
フードテックという言葉のレイヤーで留まるんじゃなくて、
アグテックもレストランテックでもリテールテックでも何でも一緒なんですけど、
その先の世界にあるいわゆる社会とか人がどういうふうに状態で、
それをどうしたいからこういうペケペケテックというものが注目されるようになったのかみたいなことを考えるというような、
考え方がすごい大事だなというふうに思っています。
ちょっとそんな中で、じゃあ一体フードテックというものがどういうような社会課題とかを解決しようとしているのかっていうところも、
ちょっと事例的に挙げていくと皆さんも想像しやすいんじゃないかなというふうに思うんですけども。
ぜひ具体例欲しいです。
ちょっとね、これよく私たちがいろんな場でお話しするときに、
なんで今この食の進化が求められているのかっていうようなことでお話しするんですね。
これなぜフードテックというよりも、なぜ食の進化なのかっていうところをまずお伝えするんですね。
先ほども話した通り、何かして今の食に課題とか満ち足りてないものがあるから、
何かしらそれをテクノロジーで解決しようみたいな、テクノロジーってより良くするために、
皆さん信じてやってる部分も多分にある部分があるので、
そういったなぜ食の進化を求められているのかっていうところに着目すると、大きく二つのドライバーがあるというふうに私たち見ています。
一つが、食に起因する社会課題が顕在化してきたぞというようなところで、
これはまさに現代病なのかもしれないですけども、よく言われてるのは食品ロスですよね。
フードロス、フードウェイストが3分の1捨てられてるとかですね。
フードテックの背景
なので、最近だとアップサイクルとか、フードロスとか、保存期間を伸ばすようなソリューションが出てきたりとか、
あと、プロテインクライシス、これなんかもタンパク質危機みたいな言い方しますけども、
中酸素が増えることによって、みんながより、例えば具体的に言うと牛肉を食べたいとなるとですね、
牛肉ってものすごい環境負荷が高いので、地球が何個あっても足りないよっていうときに、
それで大体プロテインでお肉を本物じゃない形で食べるためにプラントベースとか、
あるいはその培養して食べるようなバイオカルチャードミートとか、
あと、発酵させてですね、微生物を発酵させて作るセミス発酵とかバイオマス発酵とか出てきたりもしてますよね。
あとは気候変動の問題の解決手段として、食のインパクトがすごいでかいぞみたいなことも、
結構これは定量的にも出てまして、ドローダウンというですね、2017年に出た、
日本語訳だとドローダウン、地球温暖化を逆転させる100の方法というような書籍が出ていて、
これもかなり読まれているものなんですけども、
それ100個ある手段のうち、食って何位ぐらいかわかりますか。
何位って言ったらわかんないですね。
トップ20の中に食とか脳に関わるものっていくつぐらい入ってると思いますか。
トップ20の中で10個ぐらい入ってるじゃないですか。
いいですね、そうなんですよ、8個入ってまして、
しかも第3位と第4位が食糧廃棄の削減と植物性中心の食生活の3位と4位なんですよ。
これを足すと実は1位になるみたいなことが出てまして、
やっぱり食っていうものをうまく解決すると今の地球環境ですね、
気候変動の解決策になるよということで、
ここなんかは結構グローバルでも特にヨーロッパとか中心にガンガンガンとやってきていますよね。
食糧自給率の課題
あとはやはり日本の問題で言うと食糧自給率の問題ですね。
これはカロリーベースがどんどんどんどん下がってきていて今37%、38%
さらに飼料とか種子とか肥料まで入れるとですね、
実質10%下回るぞみたいなところまで来ていて、
これはこれまで輸出輸入の大きな枠組みの中で、
農産品とかを含めて食料を輸入して工業品を輸出するみたいな日本の大きなモデルの中で、
自由経済の中で成り立ってたモデルなんですけども、
それがですね、やはりこの昨今の感染症とかですね、
あとはパンデミックや戦争紛争とかですね、
最近アメリカもそうですけども受け貸していくような国の中で、
こういった自由経済というものが前提にならなくなったときに、
これさすがにやばいんじゃないのかなってところで、
それこそもっと農業の生産性を上げましょうとか、
あと食べるものを買いましょうとか、
そういったような問題も出てきますし、
あともう少し大きな塊で言うと健康ですね、
食べ過ぎによる健康被害ありますよね。
なのでそこに対して、
そこなんかパーソナライゼーションのサービスとか出てきていますし、
要は今まで食べ物が足りなかったので、
低栄養だったのでそれを満たすというのが来たんですけど、
今、下栄養になって、それが新たな肥満とか糖尿病とかですね、
引いては最近は認知症まで含めて、
食が影響してるんじゃないかなみたいなことも言われだしてる中で、
食というものを通じて、
いかに健康に長寿に生きるのかみたいなことがテーマになってきてますね。
それなんか最近だとロンジャビティみたいな、
それがロンジャビティ、ロングエビティってロンジャビティですね。
社会課題のドライバー
要は健康に長寿にっていうような方訳が合ってるんじゃないかなみたいなことを議論するんですけど、
明確な訳語はないですけども、
こういう動きがあったりとかですね、
そんなのが一つ社会課題のちょっと大きなですね、ドライバーになっていて、
結構これなんかもよく言うんですけど、
今の食産業って最近だとトゥルーコストアカウンティングみたいな、
実際に負荷がかかっているコストを計算してみようみたいなことをやるんですけど、
これは2019年の発表なんですけども、
これアメリカのThe Food and Land Use Coalitionというですね、
団体が出したレポートなんですけども、
その当時グローバルの食のですね、
時価総額って一度ちょっと100円でポンって計算しちゃうと、
1000兆円ぐらいあった、あるんですよ。
だけどその裏側で、実は健康被害に関するコストとか、
あるいは環境コストとか廃棄コストとかを足していくと、
1200兆円のコストがかかってるっていうレポートが出て、
要は今の食産業って実は全然利益出てないじゃんっていう。
ご飯を作るのに1000兆円かかっていて、
食による健康被害やなんやかんやの問題が、
1200兆円赤字みたいな感じだから、
そうなんですよ。
トータルマイナス200兆みたいなイメージですか。
そうなんですよ。
企業の時価総額の合計らしいんですけど、
この1000兆円っていうのは、
そのコストの1200兆円っていうのは、
食に起因するいわゆる課題を解決するのにかかってるコストなので、
負担してる主体者が別なんですよ。
国とか自治体とか個人とかですね。
そうすると、なんかおかしくない?この食産業みたいなことで、
じゃあ、この食に起因する社会課題を解決するために、
テクノロジーを使おうじゃないかと。
そうすると、このデジタルとか、バイオエンジニアリングとか、バイオテクノロジーとか、
ディープテックとかも含めて、いろんなの使えるよね。
だったら解決しようぜっていうのが、大きい一つのドライバーになってます。
これが食に起因する社会課題のドライバーで。
ここまででごめんなさい。
僕なりに、僕の理解が合ってるかどうか確認したいので、まとめてみていいですか。
食の課題みたいなものとか、食の進展進化みたいなものっていうのは、
個人の健康からもっと広げていって、どんどんどんどん広げていくと、
国単位だったり、グローバルになって、いろんなサイズの課題があちこちにありますと。
それはざっくりと、収支で言ったらプラス1000兆円に対してマイナス1200兆円の、
収支200兆円くらいコストの方がでかいですよという課題があって、
それを課題解決しようという取り組みの中で使われている科学技術とか、
知恵とかそういったものを総称して、ざっくりフードテックって呼んでる。
そんなイメージで何となく合ってますか。
そうですね。
合ってるんですけど、必ずしも経済的に問題だからというのは一つの側面で、
それ以外にはやっぱり人が長生きできなくなるとか、最後晩年しんどくなるとか、
あとそもそも地球環境自体がもう持たなくなってくるみたいな、
いわゆる人間中心でその経済って進めてきたけど、人間中心と経済中心でいくと、
地球環境とか、あるいはもっと言うといろんな文化とかも含めてなくなっちゃうよね、
とかいうときに、それを解決するためにいろんなテクノロジーを使っていこうと。
で、それを総称したものがフードテックかどうかっていうのは、これはちょっとまた解釈が入るんですけど、
そこにいろんなテクノロジーを使って、ある人はこれはバイオテックって言ったりとか、
ある人はこれをアグリテックって言ったりとか、ある人はこれをフードテックって言うんですけども、
ただ我々が見ているフードテックというのは、こういった職に起因する社会課題を解くテクノロジー全般をフードテックと捉えているというのが工技で、
ものすごく狭く言ったら、例えば大体プロテインとか、
例えば機能性職員の開発とかですね、こういったようなものがフードテックに入ったりしますけど、
人から見るとこれヘルステックじゃないとかってデジタルヘルスじゃないみたいな人もいたりしますよね。
なるほど。
そっかそっか。
ちなみにこの番組ではというか、アンロックス的にというのか、
我々としては競技と言えば工技で考えていくイメージですか?
普段取られてる感じ。
そうですね、工技ですね。
そうですね、じゃなかったらSKSに不動産会社とか来ないですもんね。
なのでそのおっしゃる通りで、僕らも立ち上げた時にいろんな方に、
いや分かるけどフォーカスはどこだっていろんな人に何回も聞かれて、
確かに答えたいけど、フォーカスって答えた瞬間になんか違うんだよなと思って。
そうですよね、フォーカスって絞り込むって意味ですもんね。
でも見てるのって魚眼レンズで全部見回すみたいな感じですもんね。
フォーカスするっていうのはビジネス上は大事なポイントだし、
企業的にも大事だと思うんですけど、
それやった瞬間に食ってまた歪になるんじゃないかなっていう、
縦割りと個別最適化が起こっちゃうような気がしてますので、
そういったような言い方をなるべくしないように頑張ってるって感じです。
今のお話聞いて一つ思い出しました。
どっかの偉い人が言ってたんで誰だったか忘れちゃったんですけど、
何か課題があった時にその課題を解決しようと思って、
原因を追求して掘り下げていくと。
その根っこになってるものを取り除けばその課題は消えるはずだという考え方をしますと。
それはもう西洋合理的な判断基準だというふうに言ってたと思うんですけど、
ただこの原因となるものが悪いと思われるものも支えてるんだけども、
一方で良きものも支えてる可能性があるっていうことを、
僕継承をならすことでおっしゃってたような気がするんですよね。
それを見るためには一個にフォーカスしてしまうと、
本来良きものをもう一緒に潰してしまうリスクがあるよねっていうことですよね。
っていうイメージで僕は受け取りました。
その通りですね。
本当にこれ、生物多様性みたいな議論とも実は絡むんですけど、
一つの悪い原因と思われてるものが、他の生態系に実はポジティブの効果があって、
それって人間が計り知れない部分があるので、そもそも分かってない可能性があるよね。
その時に、この話言い出すと結構ヤバい世界に行ってしまうんですけど、
私はでもそのレベル感で、この食のいわゆるビジネスというか、
新しい食産業とかですね、食の未来というのは語るべきなんじゃないかなというふうにやっぱり強く思いますしね。
なんかやっぱり時間軸がいろいろありますよね。
本当に今すぐ解決しないといけないこと、そのためのソリューションと、
本当にこれから100年に越して何か考えないといけない話と、
なんかますますややこしくしてしまったような気もするんですけど、やっぱりそこがあるから、
農業って別に明日変わる話でも全然ない話。
だから、なんかそういう意味では、
フードテックの定義と課題
それぞれの業界でなんか違うタイムラインでみんな動いているんだが、
社会全体では最適にしていかないといけないっていう。
これむずいっすよね。
なんか今は食ではないですけど、世界全体の動きで経済が新自由主義に行きすぎちゃったよねみたいなのはあるじゃないですか。
この課題ってどこから来たかというと、1800年代後半だったりするわけですもんね。
そういう100年単位、200年単位のスパンでも見なきゃいけないけど、
一方で窒息しそうになっている人に酸素ボンベ渡さないと、
死んじゃうから100年後とかもう無理だよみたいなのもあるんで、
それ両方見なきゃいけないってことですね。
そうですね。
だからその通りで、
今言った食に近づく社会課題っていうのは結構地球目線のものが多いじゃないですか。
だけど最近この中でも一つ出ているのは、
今の日本の足元の食品産業とかっていうのは、
結構本当に事業生計問題とか働きやすさとかを含めて、
実はそこってもう喫緊とかないといけないから、
待ったなしの状態になっているっていうのは、
最近結構日本の食品のいわゆる中小の本当に経営者の方々とお話しさせていただいて、
要はあれなんですよね、
今お話したのってすごい強目的の一等星、二等星とかの課題なんですよね。
で、やっぱり3,4,5の課題があって、
これは星の明かさじゃなくて、星自体は遠くに見えるだけで光ってるじゃないですか。
絶対的な定義に言うと。
だからやっぱりそういったところまで含めて見たときに、
テクノロジーというものがありとあらゆる人たちにやっぱり使える状態にならないといけないので、
なんか1個のテクノロジーにフォーカスしてフードテックだから、
じゃあ大体プロテインの技術があれば世の中全て解決できますっていうのは、
いやいやそんなことはないでしょうっていう、
これよく大先輩からも骨太の議論をしないといけないよね、時給率はと。
なんとなく、いやこのシルバーブレッドみたいなですね、
もうこれ一発入れては治るみたいなものはなくて、
それをやっぱり総合的に見ていく必要があるよねっていう話がありますねと話しつつ、
これもう40分くらい経ってしまったんですけども、
今僕もそれを気にしていました。
じゃあ一旦そのもう一つ二つ目の大きなドライバーがあるんですけど、
それはちょっと次回以降に語るということで、
一回前半はここで締める感じにしますかね。
次回のテーマ
食の定義についてはここまで。
後編でお話しする内容、残りの二つテーマだけお聞きしていいですか。
一つは先ほど言った食の進化が起こる背景の、今一つだけ言ったんですよね。
食に近づける社会課題の存在なんですけど、
次回はその二つ目の大きなドライバーで、
食に多様な価値があるよという、それにみんな気づき出したというところをお話しつつ、
あとはもう少しこれから食の進化を考える時の大切な考え方を
岡田さんにジェネラティブとか話す感じにしますかね。
次回は食の多様な価値とその先の進化へということですね。
では本日はここまでということです。
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それではまた次回お会いしましょう。
お聞きいただきありがとうございました。
ありがとうございました。
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