人間の困難と解決
神さまラボ
ところで、人間というのは、何か困難にぶつかった時に、どうするんじゃ?
大概の場合は、自分の得意なことで解決したり、
誰かに手伝ってもらって、根気よく一人で解決したり、いろいろです。
人それぞれです。
神さまが、そんな風に作ったから、いろんな方法でみんなやってますよ。
なるほどな。
その得意なことで解決するっていうのは、これは面白そうじゃん。
まあ、これができたら一番いいんですけどね。
なんで?できる奴もおるか?
いや、神さま、自分が得意とすることを、分かっている人間ばっかりだったら、苦労しないんですよ。
おお、なるほど。
自分の何が得意かということに、気づかぬ人間がおると。
それはかわいそうじゃん。
ですから、気づかせてやってほしいんですよね。
気づかせる。
なるほど、なるほど。
僕は、私は、これが得意だから、これで解決しようということで。
それを自らが気づけば、いろいろ解決できて楽しいの。
そうなんですよ。
だから、そこを気づかせてやってほしいんですよ。
まあ、目の前にいるこの私もそうなんですけど、分かってないですよね、自分の得意なこと。
ほう、なるほど。よし、じゃあ、何度も何度も呼びかければいいんじゃない?
何度も呼びかける。呼びかけることができるんですか、神さま。
まあ、直接話はできるだろう。
ちょっと待ってください。なんで今話できてるんです、私、神さまと。
特別サービス期間中じゃ。
ああ、そうなんですか。まあ、それはいいとして。
特別サービス期間中以外で、神さまが私たち人間に語りかけるとか、話しかけるとか、どうやってやるんです?
秘密じゃぞ。特別じゃぞ、今。
どうするのに、何度も同じことが目の前に起きれば、いつか気づくだろうと思うんじゃ。
なんと、そういうことですか、からくりは。
はあ、人生で何度も何度も同じような失敗をしたり、同じような似たような嫌なことが起きたりするのは、
あんた、神さま、あんたがやってたんか。
これこれこれ、だんだん言葉が荒々しくなってるから、そうじゃない。
やっとるんかというよりも、そういう方法しかないじゃ。
そうやって何度も何度も同じことにぶつかっておると、さすがに、お、これかと。
なるのじゃよ、普通、なるのじゃよ。
なるほどね、神さまは苦労を知らないね。
苦労、苦労って何じゃろう。苦労も、分からんからの人間にいろいろと体験してもらってるの。
神さまは教えてもらってるんじゃ。苦労の苦労の。
何度もいろんなことを語りかけられて、それ気づかないままにね、ずっとただただ苦しんだり悩んだり、
時には心が折れたりして、そういう人間いっぱい下界でゴロゴロいるんですよ。知ってます?
知らんかったの。
知らんかったの。はあ。
いや、そんなことよりもじゃの、面白そうじゃの、しかし人間というのは。
はあ?どこがです?
知らん。だから、自分のことを知らないで、何かことが起きたら、自分のことを新発見したりじゃの、
こんなこと大変じゃって言いながら解決したりの、いろいろ面白そうじゃの、これ、人間。
神さまの観察
ああ、こういうからくりがあったんですか。神様、人間をなんでこんなふうに使うんですか。
神様、直接この世界に降りてきて、自分でいろんなことを体験なさったらどうです?
いや、それができたら、こんなまどろっこしいことはせんのじゃ。
そもそも、この世界は、わしが作ったんじゃの。
どうしたんですか、いきなり。わかってます、そんなことぐらい。
だろ。わしが作った世界に、わしは入っていけるのじゃよ。
ええ、そんなもんですかね。
たまにの、たまにに、人間の世界、わしも勉強して、ちょっと聞きかじったところによると、自作自演っていうのがあるな。
自作自演?なんかなんかこう、え、犯罪の話ですか。
違う。えっと、ほら、あれじゃ。映画、シネマじゃ。シネマ、映画映画。
たまに、監督と主演が同じ名前の映画があるじゃろ。
ああ、ありますね。具体的にここでは言いませんけど、ありますね。
あれじゃよ。あんなこと神様ではできん。人間はすごいの。よく考えてるの。おもしろいなあ。
自分が作った世界に、自分が主演の主役で、はあ、ええの、人間は。
で、神様はできないんですか。何がどうあっても。
できないんじゃなあ。うーん、なんかできないんじゃなあ。
なんだそのふわっとした。できそうかもしれんじゃん。
できんのじゃって、での、なんかわくわくするわけじゃの。でも、わしは入っていけんからの。
だから、おまえらみたい。
おまえら、言葉に気をつけてください。
ああ、じゃあ、人間たちみたいなものを、この世界にいっぱいいっぱい生み出したんじゃ。
そしたら、あっちでもこっちでも、いろんな体験をしている。見ていて楽しい。
でも実感はいまいちわかんから、まあそのものが寿命が終わってこっちに帰ってきたら、いろいろとの報告を受け取るわけだが、
あ、所詮報告じゃ。うーん、実感を体験したわけじゃないから、なんともこうね、もどかしい感じがするんじゃ。
なんとなくわかるような気がしての。
その、わたしたちが神様の代わりにいろいろ体験したことを、神様がそれを義理体験なさっていると。
うーん、まあ、うまいこと言うな。
それで、何がいいんです、それの。なんか役に立っているんですか。この世の中というか宇宙全体で。
うーん、立っとる。
例えば。
うーん、空っぽなんじゃ、最初は。
空っぽのところにいろんな体験による記憶じゃ。
それから体験によるやり直しとか、再チャレンジとか、いろいろ人間の言葉に当てはめるとそういうものになるじゃけど。
そういうものがねりねりとねり回されているうちに、最初は何もなかった、このうっせえスープみたいなの、味噌汁の上澄みみたいなのを、
神様、いろいろよく知ってますね。
そういう上澄みのような、うっせえ破けない世界が、だんだんはっきりとしてくるんじゃ。
それってどうしても必要なんですか?
うーん、あんまりカスカスで中身がないと、いつかバラバラになって消滅するからな。
せっかく作ったものがバラバラになって消滅するのは面白くないだろう。
うーん、だから、中身を濃くして、どんな風に変わっていくのかなと、神様が観察してるんじゃよ。
あー、観察ね。うーん、観察、なるほどね。
まあ、あんまり難しく考えなさんな。
わしの手となり、足となり、耳となり、目となり、口となり、鼻となり。
歌あんでいいですよ、神様。
とにかく、そういう感じで楽しんでおくれよ。
楽しむ、楽しめないことも結構ありますよ。
神の代理人としての役割
うーん、まあでも、さっき言った、その一つの楽しみのようで楽しめないその一つに、何かが壁にぶち当たって、それを解決するときに。
人それぞれ解決の仕方が違って、これまた観てて面白い。
観てるほうが面白いでしょうね、そりゃ。
うーん、だけど、思い出してほしいんじゃ。
決して、わしは、人間たちを苦しめようとか、いじめようとかの、そんなことをみじんも思っとらん。
ただ、わしの代わりにいろいろと体験してほしいの、と思ったんじゃよ。
だから、わしが、さっき言ったように、お前たちに話しかけることができるのじゃよ。
今は今、特別サービス期間中だからね、特別なんじゃけども、普段はできるのじゃね。
だから、何か出来事を起こしたり、物事を動かしたりして、体験させて、
自分の性格とか、好きなこととか、得意なこととか、生きたい方向とかの、そういうのを気づいてもらえたら大変ありがたいの。
分かったような、分からんような、でも、私も言いたいことを言ったんで、ちょっとすっきりしました。
普段、神社に行ってもどこに行っても、はーってさ、手を合わせて、ありがとうございますとかって言わないと、
バチが当たりそうな気がして、萎縮してるんですよね、人間って、神様の前では。
ああ、あれは神じゃないの。あれは神というか、わしじゃない。
ああ、そうなんですか。
わしのようなものを人間が考えれば、勝手に作りよったんじゃ。
ああ、そうなんですか。
うん。わしは何も一言も言うとらんよ。
でも、人間は昔から感が良くても、何か自分たちとは違う存在というものをどこかで感じとる。
わしはみんなの、人間たちの記憶を消して、このようにおろしとるんじゃがの。
何か記憶が残っとるのか、感が働くのか分からないみたいな、そういうのがあっての。
でも、昔からそういう偶像性があるんじゃね。
でも、わしじゃないからといって、損はないよ。
手を合わせたり、ありがとうございます。その気持ちは持ってて損はない。
損はないか。確かに、あれですよね、心がちょっと落ち着くんですよね。
おお、なかなか、なかなか良い心分けじゃよ。
まあ、とにかく私は神様の代理で生きとるんですね。
まあ、そう言ってしまったら、あんたもおもろくないじゃろ。
自分の主体を持って生きとると思ってええよ。
ですけど、何かね、最近思ったんですよ。
あんまり、私、私って、自我っていうんですかね、私っていうのを表面に出して生きてるとね、辛くなる時があるんですよ。
それで、なんでかなと思った時に、もしかしてって思ったんですよ。
神様は、自分がここに来ればいいところを、私たち人間を使って、いろいろとこの世界のことを体験しようとしてるんじゃないかなって、その手足になってる。
だから、あんまり深刻にならんでもいいのかなって、そう考えたんですよ。
なって代理人だから。
神社での祈りと人間の気持ち
そしたらね、ずいぶん気が楽になったんですよ。
そして気が楽になったら、急にこうやってお話しできるようになったんですよ。
うーん、なるほどな。
私もなんでか知らんけど、急にあんたが目の前に現れて、私と話しとるの?
サービス期間中ですよね。
ああ、そうそう。サービス期間中って言うのもあるんじゃないか。
そのサービス期間中にの、受け取れるものと受け取れないものがおっての、あんたの場合はあれだな、楽になりたいと思って、ちょっと心を緩めたんじゃない?
まあ、そういうことですかね。
まあ、いいじゃろ。これはあんたの夢かもしれんしな。
まあ、どっちでもいいです。とにかく気が楽になったんで。
でも、生きることをいい加減に生きようって思ってるわけじゃないんで。
そこのとこはちゃんといい人間なんでね。
罰は与えないでくださいね。
罰とか罰とかそもそもそんなもんないよ。
してないよ。神様は。
しないよ。
しないんじゃ。
なんかあれですね。
まあいいや。
そういうことでお願いします。
じゃあ、またね。