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お聞きの皆様、おはこんばんちは、現役リフォームプランナーの寸尺かんなです。
今日はインテリアについてお話ししようと思います。
実は私は、リフォームの業界に入る前は、インテリアの仕事をずっとしておりました。
一番最初に就職した会社は、Yという頭文字で始まる、結構古いインテリアの会社に勤めていました。
もともとは照明を作っている会社で、戦後、松下パナソニックと私がいた会社、この2社が照明のメーカーのような大きな役割だったのです。
決定的に姿勢が違ったのが、パナソニックというのは明るいナショナル、若い方は知らないかもしれませんが、パナソニックは以前はナショナルという名前の会社でした。
明るいナショナルというコンセプトで、隅々まで暗かった戦後の貧しい日本を明るくしたいという松下幸之助の思い出です。
部屋の隅から隅まで明るくするということで、蛍光灯を中心とした明かりを普及させた人であり会社です。
それに対して私がいた会社は、ずっとお金持ちのお坊ちゃんで、海外にずっと滞在していたのです。
海外に行っても全部光がオレンジ色だって、海外に行ったことある方は気づかれたことありませんか?
白い光よりもオレンジ色の暖かい明かりが欧米は中心なんですよね。
この明かりが美しいなぁと思って、それを日本に持ち帰ってきたのが私がいた会社の最初の創業者なんですね。
松下は自社でいろんなものを開発して作っていって、なるべく安くでもたくさん生産してという製造の会社になっていくんですけれども、
私がいた会社の方は海外の品質が良くてセンスが良くて美しいものをとにかく輸入するという、
どちらかというと商社のような業態の会社になっていきました。
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自社でも製品を開発して作ったりもしてるんですけれども、輸入業もやるというちょっと面白いユニークな会社の形態でした。
おそらく日本で最初にフリッツハンセンという北欧の会社、あと照明でルイスポールセン、この2つのブランドはおそらくインテリアがちょっと好きな方全員知ってるんじゃないかと思う2大ブランドですね。
どちらもデンマークの会社なんですけれども、この辺りの商品の代理店になったんですよね、最初に。
日本でこれらの商品を買おうと思うと、私がいた会社で買うしかなかったんですよね。
今みたいにネットで並行輸入とかそういったこともまだ始まってなかったので、さらに海外の特に照明器具とかは電圧とかが当然違いますので、日本仕様に合わせて加工する必要もあったので、自社製造もできるワイ社と呼びますね。
ワイ社で代理店を任せるということで、日本ではこういった人気ブランドを扱っている会社でした。
本当に私はインテリア大好きで、何としてでもこの会社に入りたいと願って、当時本当に就職厳しかったんですけれども、運良く今思うと、
誰も嬉しくも何ともないような弱小の部署がちょうど人が足りないということで、運良く潜り込めまして、そこに一応入ることができたんですよね。
とにかく今、私長年ずっと仕事してきたんですけれども、やっぱり一番最初に入った会社、しかも本当に自分が好きで好きで、そこの製品が恋焦がれて、恋愛みたいなものですよね。
本当に好きだったので、結局このワイ社のDNAが今でも一番強いなと思いますね。
まず、先ほど言ったみたいに、照明はオレンジなんですよ。オレンジ以外は照明じゃないっていうね。
パナソニックの白い蛍光灯とかっていうのは、とにかく目が疲れるし、何でも青く見えるんですよね。
顔色も悪く見えるし、事務所とかで仕事する分には均一な明かりなので、いいとされてるんですけれども、それは本当に思い込みっていうんですかね。
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実際海外の図書館とか行くと分かるんですけれど、図書館の光って、やっぱりそこでいっぱい本を読んだり勉強したりする場所ですよね。
でもそういうところもね、ちゃんと欧米はスタンドのオレンジの光を使うんですよ。
ちゃんと陰影があるんですよね。全部ムラなく均一に全体を照らすんじゃなくて、極部照明と言いまして、絶対照らしたい部分でちょっと暗闇があって、またその極部に光を当ててっていうふうに、ちゃんと陰影をつけて立体感を出すんですよね。
そういったテクニックとか、明かりの演出方法とかっていうのは徹底的にこの会社で私は叩き込まれているので、真っ白な光とかがいるともうちょっと中に正直入れないっていうぐらい拒絶反応があるんですよね。
あと、ルイスポールセン。これは本当に照明器具の一流ブランドなんですけれど、ここで一番有名なのってたぶんPH5っていう、もう皆さんね、いろんなご自宅でもね、ここだけは一点豪華主義で、もう昔から憧れてたんだっていうのでね、新婚のご家庭でもね、ここだけ奮発して、ペンダントライトを購入されるみたいな人が今もいます。
これとかね、アーティチョークっていうね、私たちの頃は松ぼっくりって普通に呼んでて、野菜のね、このアーティチョークをイメージした有名なペンダントライトがあるんですけども、こういったものもですね、一度もしね、どこか、たまにレストランとか美容室とかでね、こういった照明使っているとこあるんで、もし見る機会があったらじっくり見てほしいんですけれども、
どの角度から見ても、絶対に電球が見えないように設計されているんですよ。これはね、もう今も結局このPH5とかアーティチョークを真似した安物っていっぱい出てるんですけども、もうね、ピッとこう覗き込むと、もうちらってランプが見えちゃうんですよね。
これはね、本当もう幻滅っていうんですかね、ルイスポール星なんかでは本当によくできていて、このアーティチョークのいっぱい羽が周りにバーってついているようなデザインなんですけども、これもちゃんとですね、明かりが乱反射うまくして、本当に美しく光が反射できるように全部傾きとかが計算されているんですよね。
あとPH5っていうね、一番人気があるこのペンダントもですね、内側を覗き込むと赤と紫ですね、ちょっと青みがかった紫をわざと内側に塗ってあるんですよね。
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ここは別に覗き込まないと、色を楽しむためにこの色を塗ってるわけじゃないんですよね。これはもうランプの光がですね、この赤と紫に当たって、その光がですね、最適な色にちゃんと反射できるようにこの色を塗ってたりするんですよね。
本当にまあね、この北欧デザインっていうのは、見た目が美しいだけではなくて、機能性であったりとか技術的にも本当にすごいんですよね。
私はですね、最初初めて就職して、初任給の手取りがね、確か18万ぐらいしかなかったんですけど、もうね、すっかりこの大好きな商品がね、もうゴロゴロあるんですよ。
で、もう笑っちゃうのがですね、当時のその会議室とかね、あの時代はもうタバコとかも自由に、もう全然事務所とかで吸える時代だったんですけども、汚い事務所でですね、そこも何気にフリッツハンセンのセブンチェアってご存知ですかね。
有名な椅子なんですけどね、これとかアントチェアーとかね、そんなのがね、普通にみんなでそれで喫煙したりしてるんですよ。
喫煙室にね、そんなすごい名作デザインの椅子とかが置いてあったりとか、もうほんとね、もう目まいがしそうな環境だったんですよね。
初任給がね、18万あるかないかぐらいだったんですけども、私は興奮のあまりですね、入社してね、まだ1ヶ月目ぐらいに原品処分市っていうのがあってですね、
社内的に余った在庫とかを定期的に処分するセールをね、年に1回とか2回とかやってたんですよね。
それに、私新人なんで、それの販売員として借り出されてたんですけども、もう血迷っちゃってですね、自分のその販売員としての仕事よりも、
あーこれがーとか、あーあれがーとかいう感じでですね、もう舞い上がってしまって。
アルテックってね、これもフィンランドの有名なインテリアのブランドなんですけどもね、ここに大好きなアルバーアルトっていうね、建築家がデザインした有名な椅子があるんですけれどもね、
もうこのソファーがね、結局せっかく受注品なんですね。
ちなみにこういう家具ってね、受注してせっかく作って日本に届いたのにキャンセルになったっていうね、新古品みたいなもんですよね。
これが出てたんですよ。
当時でもね、定価で20万ぐらいするんですけれど、これをね、もう18万ぐらいで原品処分に出してたんですよね。
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で、これ見て私も気が狂っちゃいまして、でもうね、その時のもう先輩とかね、上司に私これ欲しいですって言って、えーみたいな。
で、まあもういいよって言って、君が買うんだったらもう15万にしてあげるって言って、でもう大喜びでね、買って今もね大切に私の行く先行く先にね、この椅子はちゃんとあるんですけれども、
手取り18万で15万の椅子を買ったっていうね、もう何を考えてるんだって思うんですけれども、これがインテリアの力って言うんですかね。
もう好きなものにはもうもう射止めをつけず買ってしまうっていう、まあそういう時代がありました。
というわけで、私の最初の就職の時のお話をちょっとしたんですけれども、これもまだね、蛍光灯とか電球とかそういうまだLEDが誕生する前の話なんですよね。
さらに言うとですね、まだこのインテリアの世界にIKEAとかニトリですとかね、そういった黒船がね、到来する前のお話でした。
とはいえ、黒船到来後もですね、やっぱり今日私がお話ししたようなPHランプですとか、セブンチェアとかアントチェアとか、そういったものはもう今でもやっぱりすごい人気がありますよね。
あの残念なのはですね、まあ私ね、この買った当時と比べてね、円安とかも買わせとかね、そういったことでも多分倍ぐらい値段が高くなっていると思うんですよね。
なのでますます手が届きにくくなっているのがね、あのとても残念ではあるんですけれどもね、もうちょっと正直ね、やっぱりあのPHランプにね、そっくりだけれどもとかいうようなね、あの照明器具とかって、それこそIKEAとか言ってもですね、売ってはいるんですけれど、
全然違うということは声を大にして言っておきたいです。もう全く違います。値段が違うっていうのは、もう当然品質もいいんだっていう以上にですね、もうそこに美しいものがね、
あの部屋の中に一点あるっていうことのこの心を豊かにしてくれる感じっていうのは、もうそのね、本物だけがもたらすことができる感覚だと思うんですよね。
これはもうぜひね、他はね、もう全部別にニトリでいいんですよ。もうでも一点だけでもね、やっぱここだけはっていう、ここだけはこだわりたいんだっていうところに、こういった本物のやはり品物をね、やっぱり入れてほしいなっていう気持ちがあります。
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というわけで、インテリア回はまた時々したいと思います。今日はこれで失礼いたします。ごきげんよう。