社会保険労務士の田村が様々な業種で活躍する人の働き方や信条・哲学をインタビューし、新しい働き方を学ぶラジオ番組『教えて、あなたの働き方!』今回のゲストは、長野県南木曽町で空き家を再生した3軒のゲストハウスを営み、時代に取り残された空き家や休耕地の再生とコミュニティの循環づくりに取り組む、株式会社フォークロア代表取締役の熊谷洋さんと対談します。
※このご時世ですのでソーシャルディスタンスに配慮して収録しております。
株式会社フォークロア様の会社HPはこちらです。
https://folk-lore.com/
【ハイライト】
・熊谷さんのご経歴
・東日本大震災の経験から培った事
・自分のやりたいことをする為に心がけている事
・人から感謝される上で大事な事
・外国人観光客が日本に求めている事
・契約社会と信頼社会
本エピソードの後編のリンクはこちらです。
https://podcasts.apple.com/jp/podcast/id1507714225?i=1000514383218
ゲストプロフィール:
熊谷洋さん
宮崎県でお生まれになり、高校中退を経て、立命館大学卒業後、株式会社NTTデータに入社し、大規模システム開発のプロジェクト管理や海外事業企画のお仕事に従事されました。2011年3月の東日本大震災を経験し、持続可能な21世紀のライフスタイルを日本の里山から模索したいと、2015年に地域おこし協力隊として東京から長野県南木曽町へ移住されました。2017年、築200年の空き古民家を2年がかりでセルフリノベーションした「里山くらしのおすそわけ」がテーマの「HOSTEL結い庵」を開業しました。2019年に『「Folk(人々)」の「Lore(ものがたり)」を次代へ紡ぐ』という想いをこめて、時代に取り残された空き家や休耕地の再生とコミュニティの循環づくりに取り組むべく、株式会社フォークロアを設立されました。空き家だった古民家を改修して、現在3軒の宿を経営しています。
■ 「高校中退」から「大手IT企業」へ――回り道が教えてくれた学ぶ意味
熊谷さんは宮崎県出身。都会に憧れつつも学校との相性が合わず高校を中退。しかし中退を機に「なぜ学ぶのか」という問いに直面し、大学進学を目指して一浪。立命館大学を経てNTTデータに入社します。学生時代から一貫して「情報の民主化」に興味を持ち、インターネットの可能性に強い希望を感じていました。
■ 大企業の最前線で得た「人を巻き込む力」――プロジェクト管理と海外事業
NTTデータでは、大規模システム開発の現場でプロジェクトマネジメントを担当。協力会社や社内外の関係者と連携する中で、「人を動かすコミュニケーション力」を徹底的に鍛えられたと語ります。その後は海外事業部に異動。インドでの研修も経験し、グローバルな視点を深めていきます。
■ 3.11で突きつけられた「都市生活の脆さ」と「自分の無力さ」
2011年、東京で東日本大震災を体験。「死を覚悟するほどの揺れ」と「帰宅困難者としての孤独感」は、文明への信頼が簡単に崩れることを実感する出来事だったと振り返ります。支援に駆けつけた石巻では、自分の“身体一つ”では役に立てない現実に直面。「プロジェクト管理」など自分の強みを、目の前の誰かのために活かしたいという思いが芽生えました。
■ 地方移住とホステル開業――「ありがとう」が循環する仕事を求めて
大企業でのキャリアに区切りをつけ、2015年に長野県の南木曽町へ地域おこし協力隊として移住。地方でこそ、1人の存在が与えるインパクトは大きいと考え、外国人向け観光に着目。田舎だからこそ競争相手が少なく、自分らしい宿が作れると考え、観光地である渚の“空気感”に惹かれて移住を決断しました。
■ 外国人が感動する「ありのままの日本」――南木曾町の魅力とは
南木曾町では、観光地でありながら商業化されすぎていない日常の風景――例えば軒先で干された干し芋や、農作業をするおばあちゃん――がそのまま残っており、これが訪日外国人に「authentic(本物)」な体験として深く響いていると言います。観光地で“何も売りつけてこない”静けさが、逆に魅力として評価されています。
■ 地域に根ざすには「信頼構築」が最優先――消防団から始まる人間関係
移住後、ホステルを開業するには地域住民との協力が不可欠。しかし地方では契約よりも“人間関係”がすべて。消防団や三越など地域行事に積極的に参加し、少しずつ信頼を積み重ねていったといいます。信頼を得て初めて、電気・水道などの業者も力を貸してくれるようになり、“チーム”として宿作りが進んでいったとのこと。
■ 「フォークロア」に込めた想い――人と物語を次世代へ
現在は“里山の暮らしのおすそ分け”をテーマに、3軒の宿を経営。社名「フォークロア」には、「人々(folk)」と「物語(lore)」をつなぐという思いが込められています。都市から地方へ、組織から個人へ。震災と向き合い、真に“ありがとう”が届く仕事を求めた熊谷さんの選択は、これからの社会における働き方と生き方のヒントとなりそうです。
~お知らせ~
サニーデーフライデーは、社会保険労務士として活動する田村が普段のサムライ業という固いイメージから外れ、様々な分野で活躍する方やその道の専門家・スペシャリストと語るトーク番組です。
人生に前向きでポジティブな方をゲストとしてお呼びし、経営者や従業員として働くリスナーの皆様が明日から明るく過ごせて、心や気持ちがパッと晴れるそんな『働き方を考える』ラジオをお送りします。
話すテーマは社労士業、働き方改革、キャリア、海外駐在、外国人雇用、海外放浪等です。
パーソナリティー:田村陽太
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナー等のPRブランディング事業も手掛ける。
カバーアート制作:小野寺玲奈
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