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2022-05-26 24:58

ふすま絵を描かせなさい〜僕に気づきを与えてくれた三つのマニアックな TED(x)トーク【第80号音声版】 #80

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今週は個人的なTEDの思い出を中心にお届けします.最初にご紹介したいのは「たった3分で世界を変えた伝説のトーク」デレク・シヴァーズの「社会運動はどうやって起こすか」そしてケン・ロビンソンの創造性に関するトークと,京都の「産み方は生き方,決めるのはあなた」どうぞお楽しみ下さい.

デレク・シヴァーズ:社会運動はどうやって起こすか(日本語字幕) https://www.ted.com/talks/derek_sivers_how_to_start_a_movement?language=ja

ケン・ロビンソン:学校教育は創造性を殺してしまっている(日本語字幕) https://www.ted.com/talks/sir_ken_robinson_do_schools_kill_creativity

左古かず子:産み方は生き方,決めるのはあなた https://youtu.be/8WPsutTwZkg

ニュースレターはこちらから👉 https://steam.theletter.jp/posts/62ea95c0-dd38-11ec-b142-e3dbb97e0373

 

 

 

 

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いちです。おはようございます。
このポッドキャストは僕が毎週お送りしているニュースレター、
Steamニュースの音声版です。
Steamニュースでは、科学、技術、工学、アート、数学に関する話題をお届けしています。
SteamニュースはSteamボート乗組員のご協力でお届けしています。
改めましていちです。このエピソードは2022年5月26日に収録しています。
このエピソードではSteamニュース第85号から「ふすまえをかかせなさい」
僕に気づきを与えてくれた3つのマニアックなテッドトークをお届けいたします。
デレクシバーズが2010年に行ったテッドトークは、その瞬間から伝説になっています。
タイトルは「社会運動はどうやって起こすか」というものです。
3分に満たない動画なので、どうかまずご覧になっていただきたいですし、
ポッドキャストをお聞きの方にはリンクをこの概要欄に貼っておくのですけれども、
それはさておき、内容をここでもご紹介をしておきたいと思います。
デレクのメッセージはこうです。
リーダーについていく最初のフォロワー、つまり追従者こそが、
社会運動、ムーブメントの最重要人物だというんです。
リーダーは最初に勇気を持って立ち上がり、その結果、昇昇されます。
でももし最初のフォロワーが現れたらどうでしょう?
そうすればみんながリーダーをどのように追従すれば良いかわかるんです。
つまり最初のフォロワーはリーダーの一種なんです。
それだけではないんです。
最初のフォロワーが一人のバカをリーダーへ変えているんです。
このようにデレクはテッドトークで伝えてくれているんですね。
でも本当にそうでしょうか?
多分テッドトークをご覧になった方はそんな疑問を持たれるかもしれません。
03:03
僕自身も本当に?とか思ったんですけれども、
僕は偶然にも試してみたことがあるんです。
神戸にチキンジョージという有名なライブハウスがあります。
1980年にオープンしたライブハウスで、僕はその30周年イベントに呼んでいただいたことがあります。
ほとんどの招待客はオープン当初の常連客さんで、
つまりはお客さんも30周年だったんですよね。
今から12年も前の話なので、僕も今より一つや二つは若かったんですよ。
僕は見た感じ最年少の招待客でした。
そもそも1980年というと、僕まだ7歳ですからね。チキンジョージ行ってないですよね。
ステージでは天空オーケストラというバンドが音楽と踊りを披露していました。
でもお客さんたちは椅子に座ったまま。
それはそうですよね。だって中には杖をついて来られている方もいらっしゃるぐらいだったんですよ。
でも思ったんです。せっかくの30周年しかもステージで踊りが披露されているのに、
フロアが踊らないなんて。
僕はチキンジョージに呼んでくださったMorishanという、現在ではYouTuberされている方とフロアで踊り始めました。
踊っているのはおっさん2人です。
僕運動神経ないので踊るのもめちゃくちゃ下手なんですけれども、まあそれでも楽しんで踊っていたんですね。
僕たちを見ていたとあるご夫人が椅子の上で体を揺らし始めたんですね。
多分その30周年ですから30年前を思い出されていたんだと思います。
そのご夫人の横に座られていた、おそらくは俳優社の5年配の男性は顔をしかめてご夫人を見ておられたんですね。
でも僕たちは構わず踊り続けました。
もしDXVerseのトークをご覧になった方は、なんか見たことある展開だなと思われるかもしれません。
そうなんです。僕たちの踊りを見てついにそのご夫人、言っちゃなんですけれどもそこそこ年齢高めのご夫人が椅子から立ち上がって踊り始めたんです。
ものすごく楽しそうにもうめちゃくちゃ笑顔でした。
そして天空オーケストラの演奏の数小節後に隣に座っていらっしゃった男性も立ち上がったんです。
06:11
杖を椅子に立てかけて僕と同じぐらい不器用に体を揺らし始めたんです。
その後はですね、DXVerseの動画と同じことが起こりました。
ムーブメントが起こったんです。
本当にこう、池に石を投げ込んだら輪が広がっていくじゃないですか。
同じことが起こったんです。
チキンジョージのフロアで最終的に全員が立ち上がって踊ったんです。
僕たちが踊っているのを見て最初に立ち上がったご夫人こそがムーブメントの本当の仕掛け人だったと思うんです。
社会運動を最初に始めたのはきっと彼女だったと思うんです。
だって彼女がいなければムーブメントは起きずに僕たち、僕と森さんはただのおバカさんだったわけです。
フォロワーがムーブメントを起こしたんです。
これが僕がDXVerse間違ってないかもと思う理由なんですね。
僕は京都の佐賀美術大学で非常勤講師をしていたことがあります。
日本では美大や芸大はそれほど多くありませんから学生は日本中から集まります。
僕は親切の学科に招待していただいたので最初の年は1年生しかいませんでした。
そこで気づいたことがあったんです。
大都市出身の学生、大都市といっても京都、大阪、そして東京なんですけれども
そういった学生たち、上達も早いし、おしゃれな表現もすぐに身につけます。
一方、田舎出身の学生たちはどうにも垢抜けない表現が多かったんですね。
だけど4年間を通して学生を見てみると印象は真逆になるんです。
田舎出身の学生たちの多くが強いメッセージ性、疑問を投げかけ心に響く作品を作るんです。
それに反して大都市出身の学生たちの作品の多くはアート作品としての力がなかったんです。
その頃ご縁があって京都で開かせていただいていた市民講座の講師陣にも聞いてみました。
彼ら彼女らも同じ体験をしていたんですね。
09:03
どうしてなんでしょう。僕は学生たちにいろいろ聞いて回りました。
そして一つの仮説を持つようになりました。
これはまだ仮説で正しいかどうかは全く分かりません。
だけれどもこういうことかもしれないんです。
強い作品を作った学生たちは子供の頃、複数枚を描いていました。
複数枚といっても二乗上にあるような技巧凝らしたものではありません。
いわゆる落書きです。中には壁に釘を打っていろんなものをぶら下げていた学生もいました。
一方で作品に力がない学生たちは子供の頃にそのような体験をしていませんでした。
させてもらえなかったのかもしれませんし、もともと興味がなかったのかもしれません。
書籍デザインの教科書を書いた柏木博士先生は、
生活環境を良くしようという欲求がデザインの始まりだと述べています。
もしかしたら複数枚を描いた子供も、壁に釘を打った子供も、
駆け出しのデザイナーだったのかもしれないんです。
そしてそこで台徳した技法を自身のアート活動に結びつけていたのかもしれないんです。
この論点はまだまだ荒削りです。証明するには個人的な体験ではなく大規模な調査が必要でしょう。
それでも似たような意見は世の中にあるようです。
例えばケン・ロビンソンのテッドトーク「学校教育は創造性を殺してしまっているわ」
そのような事例を紹介しています。
僕がこのトークを改めて見たのはおよそ15年ぶりなんですね。
というよりケン・ロビンソンの名前も、彼のトークの中で所々挟んでくるブリティッシュジョークも全て忘れていました。
ピカソの言葉で「すべての子供は生まれながらにしてアーティストだ」という言葉に至っては、
僕が初めてTEDxというイベントで引用したとさえ錯覚していたんですけれども、
ケン・ロビンソンがぎっちりTEDxの中で引用していました。
ケン・ロビンソンのトークもこのポッドキャストの説明、概要欄の方にリンクを貼っておきますね。
ケン・ロビンソンは彼のトークの中で次のようなことを主張しています。
12:04
彼は創造性、クリエイティビティですね。このクリエイティビティを独創的で価値あるアイディアを構築するプロセスであるとして、
子供はひるいなき才能を持っており、子供は自分の中に才能を発見すると没頭するとしています。
少し横道にそれると子供という概念についても、ヨーロッパと日本では少し違うのかもしれないなということを注意点としてあげさせていただきますね。
特に中世まではヨーロッパでは子供、特に小さい子供というのはどちらかというと社会のお荷物的な位置づけだったんですね。
子宝と呼んだ日本の、中世と言うと言い過ぎかもしれないですけれども江戸時代以降とは同じ時代でもヨーロッパでは子供に対する考え方、捉え方というのは若干違ったというのは前提として踏まえておいていただければなと思います。
そしてケン・ロビンソンはこう報告しています。地球上のどこの教育制度にあっても科目の優劣があること、科目というのは学校の教育科目ですね。
そしてこの地球上のどこにおいても数学と語学がトップの科目で、芸術系科目は最も低い場所に位置づけられていること。
芸術の中でも美術と音楽が一番上で演劇とダンスが一番下であること。
ケン・ロビンソンの動画はテッドが一般公開した初めての動画の一つとなったんですね。2006年のトークなんですが、彼はこう締めくくっています。
私たちに残された唯一の方法は人間の限りない想像性が私たちの生を豊かにすることを知り、子供たちが未来の希望であることを認識すること。
そしてケン・ロビンソンはまた教育において想像性はリテラシー読み書きと同じだけ重要なのですと主張するんです。
いや、改めてケン・ロビンソンのトークを聞いてみて、僕は彼の後ろをただ歩いているに過ぎないと気づかされたんですね。
いつも想像性を訴えていながら恥じるばっかりです。
ケン・ロビンソンは2020年に70歳で亡くなられました。彼のトークは現在7000万回以上再生され、今でもメッセージを伝え続けています。
15:14
もし身の回りに小さなお子さんがいらっしゃったら、ぜひとも「ふすま絵」を自由に描かせてください。
それがきっと想像性を育てる手段なんだと思います。
二乗状の「ふすま絵」についてはもう一つ思い出があるんです。国宝そして世界遺産にも指定されている二乗状の「ふすま絵」を描いたのは、
カノー・タンユーをはじめとするカノー派の絵師たちでした。
僕が大学院の博士課程で人生に迷っていた頃、
人生はいつも迷っているんですけれども、この博士課程にいた頃一番迷ってたんですね。20代後半ですね。
京都の高大寺縁得院のご住職に、こう声をかけていただいたことがあるんです。
あんたな、カノー・ユー・タンが二乗状の「ふすま絵」なんで引き受けられたか知っとるか?
ライバルな独卒仕方やで。何かを成そうと思ったらそのぐらいの覚悟がないといかん。
いやすいませんあの僕大阪人なのでちょっと京都弁の真似ねすごい下手なんです。
あのちょっと今の全然京都弁になってなかったんですけども、あのすいませんあの関西以外の方はね、
大阪弁と京都弁の区別ね、ちょっとつきにくいかと思うんですけれども、
僕は3歳まで大阪住んでましたんで、その後はね広告県の方にね引っ越したんですけれども、
大阪人なので京都弁っていうのはねちょっと上手いことを再現できなかったんですけども、
こんな風にね、あの言っていただいたんです。
真偽はともかくそれ以来人生に迷った時はこの50色の言葉を僕は思い出すようにしています。
ちなみになんですけれどもまた話がそれて恐縮なんですが、
あの僕母が東京人で家では東京弁だったんですね。
まあ大阪に住んではいたんですけれども、家では東京弁だったので、
どちらかというとネイティブは東京弁で、その大阪弁に関しては、
まあ大阪弁とか神方弁ですね、ネイティブではないんですけれども、
ただ、自称大阪ネイティブなので、
18:01
あのやーい大阪弁下手くそとかはね、言わないでくださいね。
あの大阪育ちなのでネイティブ大阪人だと思ってください。
ケン・ロビンソンがアドバイザーとして参画したロサンゼルスのゲティ博物館は、
僕の好きな博物館の一つです。
また海外に行けるようになったら是非訪れてみたいと思っています。
これとてもね、おすすめの博物館です。
そしてもう一つご紹介したいテデックストークがあります。
タイトルは「生み方は生き方。決めるのはあなた」というね、
佐藤和子さんのトークで、
こちらはですね、僕が一番最初に関わったテデックスイベントでのトークだったんです。
僕が最初に関わったテデックスイベントはテデックス京都チェンジ2012というイベントでした。
このイベントに僕は映像オペレーター兼ソフトウェアエンジニア兼大工として参加していました。
まあ今覚えればフルスタックエンジニアみたいなもんですかね。
テデックス京都チェンジはベルリンで開かれていたテデックスチェンジというイベントの京都サテライト会場だったんですが、
3名のライブスピーカーを招待していました。
そのうちのお一人がこのトークの佐藤和子さんだったんですね。
ポッドキャストの概要欄に佐藤和子さんの講演のリンクも貼っておきます。
僕は今でも彼女のトークを思い出すんです。
京都工芸専院大学で開かせていただいたこのイベントが僕のテデックスイヤーとしての原点でした。
彼女のトークは女性が本来持つ自分で生む力をどう引き出して、
二三腐を丸ごと受け入れ支えるのかというトークだったんですが、
佐藤和子さん、助産活動を26年間、当時ですね26年間続けてこられて、
日本だけじゃなくて、例えばブラジルでもこの助産活動というのをされていて、
その発見をお話しいただいたわけなんですよ。
トークの中ではもう出産のシーンを収めたビデオであるとか、それから妊婦さんが畳の上で、
21:04
生まれる生まれるっていうシーンを撮影されたビデオとかあって、すごく感動したんですよ。
生命の誕生というのはこんなにも美しいものなのかっていうね、
僕は妊娠することも出産することもできないですから、
その当事者のね、大変さっていうのはわからないんですけれども、
それでもすごくね、苦しさと喜びとが一体となったこの瞬間というのを映像を通してだけなんですけれども、
ものすごく感動させていただいて、思い出に残っているんです。
で、このTEDXイベントの運営者としては、今思い返すともう恥ずかしいことばっかりで、
何があったら入りたいどころか、もう穴掘って上から土かぶっても隠れてしまいたいことばっかりなんですが、
それでも、その高大寺園特員のご住職がおっしゃる通り、
ライバルを独卒するぐらいの気合だけは持っていたように思います。
なんかこう、バカになること、若気の至りを恐れないことこそが、
創造性クリエイティビティの源泉なのかもしれないですね。
スティーブ・ジョブズが引用した全地球カタログ、ホールアースカタログ、最終号の裏拍子にはこんな言葉が書かれていました。
「Stay hungry, stay foolish」
ずっと無謀で、
このポッドキャスト、steam.fmのリスナーの皆さんも、
結構無謀だと思うんですよ。だって僕のポッドキャストを聞いてくださってるんですもん。
きっとハングリーで、きっとフリッシュなんだと僕は思ってます。
だからきっととてもクリエイティブなんだと思っています。
どうかね、皆さんのクリエイティビティ、僕にも教えてください。
よければこのポッドキャストでもご紹介したいと思っています。
このエピソードも最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今週はね、僕テデックス神戸で2度目となるトークをね、させていただいてきたところなんですよ。
またね、動画も期待しておいてください。
では皆さんも素敵な1日をお過ごしください。
24:00
いちでした。
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(字幕視聴ありがとうございました)
24:58

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