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2025-05-01 30:00

現代的行動ってなんだろう【第231号音声版】 #科学系ポッドキャストの日

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ヒトとヒト以外を区別しようという試みがヨーロッパ・北アメリカを中心に長く考えられてきました.そんな取り組みをご紹介します.

科学系ポッドキャストの日2025年5月プレイリスト:

https://open.spotify.com/playlist/4k1UcDo92e3wvHL7EOJ7KL?si=y1BvFUskS8-sKCxod1qGjQ

科学系ポッドキャストの日企画告知:

https://x.com/eigodescience/status/1911314543760081093?s=61

STEAM NEWS:

https://steam.theletter.jp/posts/5a3a2250-210e-11f0-9713-7fb66d6e37ee

世界遺産の旅:

https://ichi.substack.com/

お便り・ご質問:

https://forms.gle/2qsSFurJ4YMHx2e99

差し入れ:

https://ko-fi.com/steamnews

サマリー

このエピソードでは現代的行動の定義が考察され、特に野生のチンパンジーがアルコールを共有する行動が人間との関連性について語られます。また、抽象的思考や記号、シンボルを用いた記録の重要性が強調され、AI技術の進化が人間の特性に与える影響についても言及されます。自然科学と人文科学の協調が新技術の影響を理解する上で重要であり、特に人間の思考様式に関する新たなアプローチが求められています。最近の研究は類推の能力が人間の思考の本質であることを示し、AIとの共存について新たな視点を提供しています。

科学系ポッドキャストの日の企画
いちです。おはようございます。今回のエピソードは、現代的行動ってなんだろうというテーマでお送りをします。
今回のエピソードは、科学系ポッドキャストの日、2025年5月企画共通テーマ
ノートの話題の一つとしてお届けをします。改めましていちです。このエピソードは2025年4月27日に収録しています。
もうすぐね、科学系ポッドキャストの日、毎月10日にあたるということで、科学系ポッドキャストの日共通企画共通テーマ
に沿ってね、お送りをしようと思っています。今月の共通テーマがノート、そしてホストしてくださるのは、ポッドキャストの
英語でサイエンスしないとさんです。改めてこのポッドキャストは、僕が毎週メールでお送りしているニュースレター
スティームニュースの音声版です。スティームニュースでは、科学、技術、工学、アート、数学に関する話題をお届けしています。
スティームニュース、そしてこのポッドキャストスティームFMは、スティームボート乗組員のご協力でお送りしています。
というわけでね、5月10日、2025年5月の科学系ポッドキャストの日、
共通テーマノート、他にもね、あのいろんな科学系ポッドキャストの話が聞けると思いますので、またXであるとか
あとスポーティファイの方に毎月ね、あのプレイリストを作ってくださっているので、そちらもお楽しみにしていただければと思うんですが、
このスティームFMでは、スティームニュース第231号から、現代的行動って何だろうという話題でね、お届けをしていきたいと思います。
チンパンジーの行動研究
人と人以外を区別しようという試みがヨーロッパ、そして北アメリカを中心に長く考えられてきました。
そんな取り組みのいくつかをご紹介したいと思います。 もちろん途中でノートの話もさせてもらおうかなと思っています。
ぜひおよそ30分間お付き合いいただければ嬉しいです。 著名な科学論文士カレントバイオロジーに
野生のチンパンジーは果実種を共有するという単身論文コレスポンデンスが掲載されました。
カレントバイオロジーでは、単身コレスポンデンスも一般的な科学論文と同様に、 作読プロセスを行っています。
というわけで、この論文、とんでも論文というわけではなさそうなんですね。 この単身論文の要約は次の通りです。
ギニア・ヴィサウのカンタネズ森林国立公園に生息する野生のチンパンジーが、 エタノールを含む天然発酵したパンの木を繰り返し摂取し、共有していることが初めて記録されました。
人間の間では発酵食品や発酵飲料の利用が広く一般的であり、 食生活上の利点や社会的な結びつきと関連づけられていますが、
人以外の大型類人猿におけるエタノール含有食品の摂取については、 ほとんど知られていませんでした。
カメラを用いて観察した結果、 チンパンジーは利用可能な時期に定期的にパンの木の果実を選んで食べており、
観察した70回中10回は17個体で共有する行動が観察されました。 共有された果実の90%はエタノールを含んでいました。
共有行動は他の未読戦の果実が存在する場合でも見られました。
研究チームはこの研究が人によるアルコールの使用が最近始まったのではなく、 深い進化的ルーツを持っている可能性を支持する最初の証拠となると主張しています。
飲み会は人間つまり人固有の活動と従来思われていたわけなんですが、 チンパンジーもアルコールを共有している
つまり飲み会を開いているかもしれないということなんですね。 まあとなると人間らしい行動っていうのは他に何があるのか
ということが気になってくるわけです。 その人間ならではの行動のことを現代的行動というふうに呼んでいます。
この単身論文に対して少しコメントを付け加えておくと、2015年に別の研究者たちの報告論文で
やっぱりチンパンジー、同じ種の西チンパンジーだったんですが、 天然発酵したヤシ酒を飲むチンパンジーが観察されているほか、
他にもですね、 例えばヘラジカが発酵したリンゴを食べて酔っ払ったという記録があったりとかするので
野生動物がエタノールを摂取することはあります。 ただまぁ
チンパンジー同士がその宴会までは行かないにしても、発酵した果実を分け合っていたというのが新しい発見ということになるんでしょうね。
人間だけが酒を組み交わすと、従来は思われていたのがチンパンジーも酒を組み交わしていたというふうに、まぁ組み交わしていたというのはちょっと短絡的すぎるかもしれませんが、そのように見える
現象が発見されたということです。 心理学者のカワイハヤオは
現代的行動の定義とAIの影響
人はしばしばなぜや何、つまりホワイやホワットをどのように、ハウに置き換えるというふうに語っていました。
愛する人をなくしたときに、なぜの答えは見つからなくとも、どのようにの答えは見つかります。
ワイやワットの答えは見つからなくとも、ハウの答えはまぁ見つかることがあるということですね。
古典的な哲学者たち、そしてアーティストたちの問い、人とは何かについても似た側面があるかもしれません。
何の代わりに、どのようにを考えてみるんです。 人間と他の動物はどのように違うかを知れば、少しは人とは何かという問いに近づけるかもしれないからなんですね。
このような考え方は、擬人化が大好きな日本文化からは生まれにくいかもしれませんが、ヨーロッパや北アメリカでは盛んに話し合われました。
3世紀以降ですね、ヨーロッパや北アメリカで、この人と他の動物を区別する強い理由を探し始めたというのは、
どちらが良い悪いということはないと思います。 擬人化が好きな文化っていうのも全然ありだと思いますし、かつてはヨーロッパ大陸もそういった文化が支配をしていました。
ヨーロッパ、北アメリカの考古学者、人類学者、社会学者たちは、考古学的な証拠や、現代のほとんどの文化で共通に見られる行動、
すなわちカルチュラル・ユニバーサルと他の動物の行動を比較して、ホモ・サピエンス、つまり人だけが持つ行動、現代的行動を定義しようとしました。
こうした行動が人を他の動物から区別するんです。 現代的行動とはホモ・サピエンスを他の人科や霊長類と区別する、
認知的および文化的特性の集合です。 これらの行動には次のようなものが一般的には含まれるとされていきます。
読み上げていきますね。 抽象的思考と象徴的行動、例えば芸術、装飾、シンボルの使用。
シンボルは記号ですね。記号の使用。 未来を見据えた計画と高度な問題解決能力、
複雑な言語とコミュニケーション、音楽やダンスの創造、 先進的な道具や技術の使用、例えば刃物技術、複合工具などですね。
死者の埋葬と儀式的な行為、長距離の資源輸送と交易、 社会的規範、協力、累積的文化適応、
個人の装飾や身体の装飾、 構造化された生活空間と炉の使用。
何か多いですね。無理やり人と人以外を区別するために、 外掘りから埋めていってるような印象も受けるんですが、これがあの人、ホモサピエンスに固有に見られる行動様式というふうにされています。
これらの行動は現代人に普遍的に見られ、 具象芸術、ジュエリー、埋葬地、標準化された道具などの考古学的証拠によって裏付けられています。
蓄積された知識と文化を世代を超えて確実に伝える能力も、 行動の現代性の特徴ですと。
従来はですね、こういった精緻な分析がなされる前は感情を表現するとか、会話をするとか、道具を使うとか、社会的協力をするなどの単純な行動も現代的行動とされていたんですが、
人以外の動物も人と同じように感情を持ちますし、会話もしますし、道具も使いますし、協力し合うことも発見されていますから、そういうのが発見されるたびに現代的行動リストからは外されていったんですね。
で、もちろんその現代的行動リストの項目の方を厳しくする。例えば道具を作る道具を作るとか、感情を持つんだけれども、能動的な共感力、つまりエンパシーを持つ能力を持つかとか、
今2回言いましたね。エンパシーを持つかとかですね。そういうふうに、あのちょっと項目を厳しくするという方向で定義をしようとした研究者も過去にはいます。
そこまでしてね、人とそれ以外を区別する理由っていうのが、そこ頑張らなくてもいいんじゃないかなと思っちゃうんですけど、僕はですよ。
思っちゃうんですけれども、人を他の動物から区別する理由が欲しい人もいるわけです。
人の中でこの人とあの人って区別するよりは、どうせ区別するんなら健全な区別なのかもしれないです。
現代的行動の組み合わせとその広がり、特に記号、シンボルの広範な詩を累積する文化、そして高度な計画が現代人を初期の人化や他の霊長類と区別しています。
一言で言うと、人は自発的にノートを書くということなんですね。ノートを書くかどうかで他の動物と区別することができます。
もちろんね、他の動物がこの記録を残す、ノートではないんだけれども、物を動かしたりして、あるいは匂いをつけたりして記録を残すということはあるんですが、記号、シンボルを使って記録を後世に残したりとか、まだ起こらないことについて想像を記録するとかですね。
想像するまではおそらく他の動物もするんですけれども、記録する、想像を記録するとこ、つまりはノートを書く、ノートに書き留めること、これがまあ人の人たるゆえんということになろうかと思います。
で、それはそれでいいんですが、また一つ新しい問題が生まれています。
人と他の動物、絶滅した人族や類人猿との区別について、現代の考古学者、哲学者たちは、現代的行動を境界線に設定しています。
とりわけ、抽象的思考能力、すなわち、たくさんある現象から法則を導き出す能力、機能、能力ですね。そして、論理的に考える能力、演習能力は、人の人たるゆえんと、これまでは考えられてきました。
これまで、どのぐらいこれまでかというと、まあ人によっては、去年までとか先週までとか、そんなレベルです。
一方で、ここ数年というか、もうここ数週間の生成AIの能力向上は、人を特権的地位から追い落としそうです。
元オープンAIのガバナンス研究者であるダニエル・ココタイロ、ブロガーのスコット・アレクサンダー、AI未来予測学者の
イーライ・リフランド、AI政策センター創設者のトマス・ラーセン、そしてハーバード大学のロミオ・ディーによる未来予測記事、まあこれはブログ記事ですが、
AI2027によると、2027年初頭にはAI自身がAIを開発し始め、2027年末には汎用人工知能
アーティフィシャル・ジェネラル・インテリジェンス、AGI、つまり人と同等か、それ以上の抽象的思考能力を備えたAIが誕生するというふうにしています。
また前後して、AIのゴッドファーザーこと、ノーベル物理学賞受賞者ジェフリー・ヒントン、真相機械学習の基盤を作った方ですね。
ジェフリー・ヒントンはトロント大学のYouTubeインタビューで、人が抽象的思考能力に長けているという考え方を変えるべきかもしれないと述べています。
大変興味深いインタビューなので、ここで少し引用したいと思います。インタビューしているのはトロント大学4年生のエリンさんです。
では、みなさんの質問に入りましょう。
プロフェッサー・ヒントン先生、科学と人文科学はどのように協調していくのでしょうか。
ヒントン先生、自然科学と人文科学はどう協調していくのでしょうか。
自然科学と人文科学の協調
自然科学と人文科学が協調することがなぜ大切なんでしょうかという質問でした。この後も少しインタビューを中断しながら拙い翻訳を挟んでいきたいと思います。
自然科学と人文科学が協調する理由は2つあります。
その1つは新しい技術を開発するときにその技術が人類にどのような影響を与えるのかということを考えるためです。これが2つあるうちの1つです。
自然科学と人文科学の2つ目の関係は何でしょうか。
自然科学と人文科学の2つ目の関係は何でしょうか。
自然科学と人文科学の2つ目の重要な相互作用というのは、人が人をどう見るかということに自然科学が影響を与えるということです。
自然科学と人文科学の2つ目の重要な相互作用というのは、人が人をどう見るかということに自然科学が影響を与えるということです。
今からおよそ100年前に精神分析という学問が生まれて、もちろん間違った仮説もたくさんあったのですが、にもかかわらず人が人を見るという考え方が大きく変わりました。
この精神分析によって私たちは思ったほど論理的ではないということを受け入れました。
無意識のモチベーションがあったりであるとか、論理ではなくアナロジー、類推を多用するということを受け入れました。
このヒントン教授のお話の中にはお名前は出てきませんでしたが、おそらくこの精神分析と言われているのはジーク・ムントフロイト、それからカール・グスタフ・ユングの心理学の知見についてお話をされているんだというふうに考えます。
しかし、これからのものの見方の変化はより大きなものになります。
人々は、これは人文科学者も含めて、人々は自分自身のこと、人々を合理的で、論理的な生き物、あるいは理由付けをする機械というふうに考えてきたかもしれません。
AIとの共存の可能性
しかし、違うんです。人々は類推する機械なんです。合理的ではなく、論理的でもなく類推する機械であることを我々自身は認めなければならない。
ですから、これは人の自然性について考えることが変わります。
私たちは理論機械ではなくてアナロジー機械です。
上にある理論の薄い層の理論が非常に重要です。
上にある理論がなければ、バンクアカウントなどを持っていけません。
しかし、私たちは基本的にアナロジー機械を使って考えます。
我々は巨大な類推機械、アナロジーマシーンで、これは一つのものを見て類推するのではなくて、非常にたくさんのものを見て類推をするんだと。
その類推の上に、表面に薄い論理、あるいは合理的な考えを見せる層があって、
その層があるから、薄い論理の層があるから、数学について議論をすることもできるし、
最後少し冗談で銀行口座を開くこともできるんだ、というようなことをおっしゃっていました。
クシクモ、カール・グスタフ・ユングが人間の脳の機能というのは、論理というのが4つある機能のうちの1つ。
ユングは思考というふうに呼んでいますが、4つある機能のうちの1つ。
残りは直感、感情、感覚。
類推というのは、ユングの分類によれば直感に入るところだと思うんですね。
その2つを、全部で4つを区別していて、
当時100年前の、ユングはスイスの方ですから、ヨーロッパの思考としては、人間は非常に合理的にものを考える生き物で、
それが他の動物との違いだというふうな考え方が支配的な中で、ユングは残り3つも重要性を持つし、
無意識というものにも注目をしなければならないということを強く唱えて、
もちろん当時彼はオカルトというふうに扱われたし、実際今見ると結構オカルトな部分もあるとは思うんですけれども、
それが100年を経て、ヒントンらによる深層機械学習、ディープラーニングの研究によって、
実は思考ではなくて類推、我々業界、情報科学ですかね、計算機科学の業界では、
昔パターンマッチングと呼ばれていたものの非常に高度なバージョンに寄っていて、
ということは人間も実はそうなんじゃないかということが言えるようになってきたというのは非常に大きい、
カンタムリープ、量子的跳躍ではないかなと言い過ぎですかね、僕はそんなふうに思っています。
僕たちが人しか持たないと思っている抽象的思考能力、現代的行動の一つ、抽象的思考能力とは実際には直感力の延長で、
なぜそれがわかったかというと、この生成AIによって模倣可能だったからということなのかもしれませんね。
飲み会を開くのはホモサピエンス、つまり人だけではないようです。チンパンジーも飲み会を開くみたい。
人だけが持つと思っていた高度な思考能力も実際には類推能力の延長で、やがて生成AIに追いつかれるかもしれません。
となると、人を他の動物や生成AIと区別するものは何でしょうか。
動物もユーモアを感じさせる行動を取ることが知られていますし、生成AIもジョークが得意です。
気になる方はね、生成AIに面白いこと言ってっていうふうに伝えてみてください。
僕もチャットGPTに面白いことを言ってというふうに声をかけてみたんですが、こんな答えが返ってきました。
お寿司屋さんでお愛想と言ったら、お客さん、お愛想ってのは店で使う言葉ですよって言われたので、
じゃあ愛情でと言ったら、それはご家庭でお願いしますと言われた。
っていうね冗談を返してきました。うるさいわって感じですよね。
生成AIがひょっとしたら今後文化のようなものを人と一緒に持つかどうか、これは僕にはわからないですが、
そもそも文化とは何かというのを以前、宗教学者の山織哲夫に聞いてみたことがあるんです。
彼はこう答えたんですね。文化とは教養のことですな。教養って何ですかって聞いてみたら、
そりゃあ三角関係ですなっていう風にね、おっしゃっていただきました。
AIと三角関係を結んだら、文化が生まれるかもしれません。最後まで聞いてくださってありがとうございました。
いちでした。
I feel like this never gets old. Whatever I do, I won't let go.
Look at us now. There's nothing that's holding us down. You and me, as good as could be,
Living this dream that we found. Look at us now. Oh, look at us now.
There's so much waiting before us we've yet to find.
30:00

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