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2024-06-21 24:58

デザインの歴史を遠くから見てみる【第185号音声版】

人類史のターニングポイントに新しいデザインが生まれているのかもしれません.

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サマリー

デザインの歴史を遠くから見ると、産業革命の話から始まり、アーツ&クラフト運動がデザインの始まりとされています。また、人類のデザインの起源は、ホモサピエンスが石器を使って服をデザインした可能性があることがわかっています。人類のデザインの歴史を振り返るには、古代エジプトの王国時代よりも前のエジプト文明を研究することが重要であり、当時の神話体系やファンタジーがデザインの初期形となっている可能性があります。

デザインの始まり
いちです。おはようございます。今回のエピソードは、デザインの歴史を遠くから見てみるという話題をお届けします。
このポッドキャストは、僕が毎週お送りしているニュースレター、Steamニュースの音声版です。
Steamニュースでは、科学、技術、工学、アート、数学に関する話題をお届けしています。
Steamニュースは、Steamボードの取り組みのご協力でお送りしています。
改めまして、いちです。このエピソードは、2024年6月21日に収録しています。
僕はですね、子供の頃から、もしも宇宙人が地球人を観察したら、どんなふうに分類するだろうかということを考えてきているんですね。
僕たちは地球人を国籍で分類したり、話す言葉で分類したり、色で分類したり、性別で分類したりしがちです。
でも少し遠くから地上を観察したら、どんなふうに見えるかなって思うんです。
もし僕がその分類好きな宇宙人だったとしたら、地球で日本と呼ばれている島々に住むホモサピーンスに、僕ならですよ。
僕なら米食いっていう名前をつけると思うんですね。お米食べてるから。
地上の別の場所だと、麦食いとか芋食いとか、そんなふうに名前をつけるんじゃないかなと思います。
ひょっとしたら他に酒飲みっていう分類を作るかもしれません。
こんなふうに少し遠くから見てみると風景が変わるかもしれないっていうお話を、このエピソードではお伝えしていきたいなと思っています。
僕はですね、大学でデザインの授業というのを担当させてもらっているんですが、デザインの授業というのは大体1回目とか2回目とかにデザインの歴史のお話をするんですね。
そんな時、多くの教科書をひも解いてみると、デザインの歴史っていうのは産業革命の話から始まることが多いんです。
およそ200年前、イギリスで起こった産業革命と、その直後に起こったアーツ&クラフト運動という運動があるんですが、これがデザインの始まりじゃないかというのをよく教科書には書かれています。
アーツ&クラフト運動というのは、実の周りの工業製品、産業革命によって工業製品というものが生まれるわけなんですが、
その工業製品に美しさを持たせようという運動ですね。
このエピソードでは、宇宙人視点ではそのデザインの歴史がどうなるかというのを考えてみたいんですが、
その前に、デザインが何を意味するかについて、ものすごく簡単に取り決めをしておきたいんです。
デザインとは、自然物をどうにか加工して、自分たちの生活を豊かにするものを作るということにしておきたいと思います。
ごめんなさい、ここでもうデザインの専門家の皆さん聞いてらっしゃると思うんですが、ここで聞くのをやめないでください。
ちゃんと伏線は回収するつもりです。
ちょっとご審査をくださいね。
人類はいつから身の回りに人工物、つまり自然物を加工したものを置くようになったのかというのをまず考えてみたいんですが、
例えば、文化の特徴が色っこく現れる布と布でできた服というのは、
どうでしょうか、リスナーの皆さんも今服を着ていらっしゃると思うんですが、その服は布でできていますよね。
この布の歴史、服の歴史、どのくらい遡ると思われるでしょうか。
布の歴史は諸説あるんですが、例えば僕たちのフィールドであるエジプトでは、およそ7000年前の理念が見つかっています。
また、いくつかの証拠から布の発明はもう少し遡るものと考えられています。
では、文明の証拠ともいえる土器、こちらはどうでしょうか。
土器についても諸説あるんですが、また地域差もあるんですが、最初期の、つまり人類最初の土器が作られた証拠というのは、
アーツ&クラフト運動
およそ12000年前後、12000年前前後に集中しています。
この12000年前、あるいは紀元前1万年ですね、というのは地球史にとっても、人類史にとっても大きな意味を持つ時代なんです。
およそ6万から10万年続いた最後の氷器、アイスエイジが終わって、地球が人類にとって住みやすい気候を持ち始めたのが、この12000年前のことなんです。
原生人類、つまりホモサピエンスが濃厚始めたのもこの時期からだと考えられています。
幸いなことに、土器というのは布よりも長持ちするので、僕たちも1万年近く昔の土器、縄文土器を見ることができます。
土器作りは、土と水をこねて、それを火にかけて、火に空気を送り込んでというふうにね、
古代ギリシャ人が四大元素と呼んだもの、土と水と火と空気、すべてを混ぜて形を作ることですから、
当時の人類にとっては、地上のすべてから作った創作物とも言えるわけです。これはもうデザインの原点と呼んでも良いかもしれないです。
実際、土器によって人類は似た木をできるようになったので、生活様式というものも変わっていきました。
土器の発明は、デザインの歴史における一つの奇跡と言っても良いというふうに僕は思います。
なお、1万2千年前から現在に至るまでを、考古学者や知識学者たちは感心性というふうに呼んで、それまでの時代と区別をしています。
時代の区切りにデザインあり、ということなのかもしれません。
ちなみに感心性の一つ前の時代区分を、後心性と呼びます。
実はこの人類が1万2千年前、つまり感心性まで生き延びられたのは、ちょっとした奇跡があったからなんです。
今からおよそ7万5千年前、インドネシアのトバ火山が大噴火を起こしました。
その結果、火山灰によって地球の急速な寒冷化が引き起こされたと考えられています。
これをトバカタストロフと呼びます。
ただでさえ氷器だったのに、これは結構きついことですよね。
トバカタストロフによってホモサピエンスの個体数は1万人以下にまで減ったと主張する科学者もいます。
地球上の総人口は現在80億人を超えているのですが、一度は1万人以下まで落ち込んだというのは信じがたい話のように見えます。
ただこのトバカタストロフ理論は多くのことを説明しているんです。
一つは地上のホモサピエンスがどれも似通っているということ。
例えば猫にはキジトラとかミケとか色々いるじゃないですか。
だけどホモサピエンスはだいたいどれも同じ、猫の多様性に比べたら
人類の多様性というのはほとんどないに等しいわけですね。
これは非常に少数の祖先から爆発的に人口が増えたとすると、父妻が合います。
もう一つはホモサピエンスが属する人族、あるいはホモ族とも呼ぶのですが、人族そのものの多様性のなさなんです。
人族はホモ何々というのがかつては何種類かいたんですが、現在ではホモサピエンス一種類だけになっています。
人族はトバカタストロフ以降、原生人類であるホモサピエンスと、
そしてホモサピエンスと互換性のあったという、ちょっとオブラートに包んだ言い方をしているんですが、
要はセックスできた種しか残らなかったんです。ネアンデルタール人ですね。
あと何種類かホモサピエンスに吸収されていったというふうには考えられているんですが、数種類です。
このホモサピエンスと互換性のあった種しか残りませんでした。
人族の他の種はこの時期、トバカタストロフの時期に絶滅したと考えられているんです。
人族にとってこの時期というのは非常に厳しい環境だったということになりますね。
人族というのは他の動物に比べると皮膚も弱いですし、寒さに耐性がなかったんじゃないかということも考えられるわけです。
なぜ人族のうち、原生人類、つまりホモサピエンスだけがこのトバカタストロフを生き抜いたのかというのはわかっていないです。
ただしいくつかの考古学的な証拠から、ホモサピエンスがこの時期に衣服を発明していた可能性がわかっています。
布は発明されていないので、おそらく動物の皮を剥いで着ていたんだというふうに考えられるわけなんですが、
この時代のホモサピエンスは石でできたナイフを使っていました。
それゆえ、動物の皮を剥いで着て加工するということはできたのかもしれません。
肉体的には他の人族と大して変わらなかったホモサピエンスなんですが、
ひょっとしたら、ほんのわずかながら知恵に引い出ていたのかもしれないんです。
ともかく人類絶滅の危機を脱出するために、ホモサピエンスは石器を使って服をデザインしていた可能性があるんです。
では、石器はどのくらい遡るのでしょうか?
石器の歴史は200万年とも300万年とも言われています。
なんとホモサピエンス誕生前というかですね、人族誕生の時期です。
一つ前のエピソードでもご紹介したテッドスピーカーデニス・ダットによる美の進化論的起源というテッドトークでは、
初期の人族ホモ・エルカステルが石器をデザインしていた。
それも神秘的、つまり美しさを求めてデザインした可能性というものを紹介されているんですが、
その神秘的な理由があったのかどうかはともかくとして、
人族が少なくとも自然物をどうにか加工して生活を守ろうとした、生活を豊かにしようとしたというのは間違いがありません。
宇宙人視点で言えば、デザインの歴史は人族の歴史と呼んでも良いかもしれないんです。
さて、人類滅亡の危機というと、
トバ・カタストロフのような文明以前の出来事か、あるいはハリウッド映画の中のフィクションと思われるかもしれません。
しかし、僕たちが生きる感心性の世の中でも一度あったかもしれないんです。
それが英語で4.2ヒロイヤイベントという、今から4200年前の、紀元前2200年頃に起こった気候変動なんです。
この時地球が急速に温暖化、乾燥化しているんですが、
同時に地球人口が急速に減少したというふうにも考えられているんです。
この4.2ヒロイヤイベントが引き起こした効果と断定することはまだできないんですが、
人類のデザインの起源
この時期に人類史に大きなイベントが集中しています。
例えば、エジプトの古王国の時代というのは、ちょうど紀元前2200年頃に終わりを迎えています。
滅んでいるんです。
一方のアジア、中国では夏と書いて華王朝というのがこの時期生まれたのではないかというふうに考えられています。
ここで振り返ってみたいんですね。
およそ300万年前、人族が誕生した時、人類は石器をデザインし始めました。
最初の人類滅亡の危機、トバカタストロフの時、ホモサピエンスは服をデザインし始めました。
そして感心星の始まり12000年前に、僕たちの先祖は土器をデザインし始めました。
ではこの前の人類滅亡の危機、4.2キロイヤーイベントの時、僕たちのおじいちゃんおばあちゃんは何をデザインしたんでしょうか。
これからお話しすることは、僕が既存の仮説をつなぎ合わせた一つのお話しにすぎないんです。
だけどどうかお付き合いください。
いくつかの証拠から、紀元前2200年頃から人類が色濃い神話体系やファンタジー、
つまりナラティブを記録に残し始めていることがわかっています。
洋の東西を問わず国家を成り立たせるためには神話体系というのが絶対に必要なものなんですね。
もちろんピラミッドを作ったエジプト人たち、つまり紀元前2200年よりも前に存在したエジプト小王国ももちろん国家でしたし、
初期の神話体系も持っていました。
ただひょっとしたらこの4200年前イベント、4.2キロイヤイベントの後、
人類が何かを発明した新しいデザインを始めたかもしれないと、僕個人は感じているんです。
それは人工物ではなくて体系のデザインとか表彰のデザインではなかったんじゃないかと、僕は嗅ぎ回っています。
デザインという単語の語源はラテン語のデシグノなんですが、
これ意味はですね、あらかじめ計画したことを形に残すということなんですね。
このラテン語のデシグノというのは、紀元前3世紀にはすでに一般的な用語として使われているようなんですが、
その概念、この考え方、デザインという考え方は、
人族の歴史、つまりは300万年の歴史に刻まれているような気がものすごくしているんです。
宇宙人がデザインの歴史を俯瞰するとこんな感じなのかなというふうにね、
僕は妄想をしています。
この4.2キロイヤーイベント、紀元前2200年に何があったのかというのは、
古代エジプトの文明のデザイン
もちろんね、僕一人でその問題を解けるわけではないのですが、
たまたま僕もエジプトの遺跡の調査に関わらせていただいていて、
念願かなって、これは調査隊の隊長の河合幸典先生のおかげなんですが、
このエジプト後王国時代、つまりは4200年よりも前の時代のピラミッドを調査することができるようになりました。
その直接何か証拠が見つかる可能性は少ないかもしれないのですが、
ただ僕たちの調査を通して、この後王国時代のエジプト人たちの考え方といったものに触れることがこれまでできています。
それは古代ギリシャ人たち、同じ場所に住んでいた古代ギリシャ人たちとは少し違う。
さらに同じ場所に住んでいた後の時代の古代ローマ人たちと古代エジプト人たちに似ているところがあったりして、
肌で感じる、古代の人々も土器と石器と建築も同じで、構成に残すものを作ってくれていますから、
そういったものを通して僕たちは絵画をすることができるので、
そういったところから少しずつ感じ取ることができて、
それを言葉で残すことができるのか、
僕自身もエンジニアなので、ものづくりで残していくのか、
それはまだ結論は出せていないのですが、
皆様にお届けしていけるのではないかと考えています。
メールでお送りしているニュースレター、スティームニュースの第185号では、
こういった僕みたいなデザインを研究しているエンジニアが、
なぜ古代エジプトを増して、
王国時代という4.2キロイヤーイベントよりも前のエジプト文明を研究しているのかということについて、
少し思いの丈を書かせていただいた部分もあります。
よかったら無料でお読みいただけますので、
また概要欄からリンクを踏んで見ていただければなと思います。
ここからはもう本当に予断も予断なのですが、
このエピソード全部が予断かもしれないんですけれども、
その予断の予断の予断をさせていただくと、
今回から収録に使っているソフトウェアを変更というかアップグレードしてみました。
これまでMacのガレージバンドで収録をしていたんですが、
ちょっと使いにくいなというところもあって、
ついにLogic Proで収録するようにしました。
Logic Proを少し前から買っていたんですが、
なかなか新しいソフトに切り替えるって気持ちの余裕がないとできなくて、
この収録に合わせて思い切って変えてみました。
なので音量バランスとか、
僕の声はコンプレッサーをかけているんですけれども、
コンプレッサーというエフェクターをかけているんですけれども、
かかり具合とかがまだいまいちつかめていなくて、
変なところがあったらぜひコメントでお知らせいただければと思います。
お問い合わせフォームというリンクも貼るようにしましたので、
そちらからメッセージ入れていただければというふうに思います。
というわけで、このエピソードも最後まで聞いてくださってありがとうございました。
ぜひ良い週末をお過ごしください。
SteamFMのユチでした。
ご視聴ありがとうございました。
またお会いしましょう。
My dreams come alive.
My dreams come alive.
24:58

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