資金調査等実施されたばかりの企業家の人生や事業の裏側に迫るStartup Now-株式会社Jamm代表取締役CEO 橋爪捷さんへのインタビューの続きをお送りいたします。
個人的にはですね、幼少期、お父様の影響で日本居酒屋をニューヨークでされて、やっぱそれが最後まさか事業立ち上げの際のアポに繋がるってことはびっくりでございましたし。
なんだかんだで、コンサルからの不動産テックで、多分真っさらな状況だったはずなんですけど、原点と言いますか、バックグラウンドとかをちゃんと重なりを見つけ出して、課題感を見つけて、そこで徹底的に向き合って今の事業を見つけられたのかなって思ったので、すごく納得感があって、なぜそれをやっているのかっていうのは、また後編すごく聞きたいなと思っていた次第でございます。
後編ではですね、担当キャピタリストでいらっしゃいます。今回リードのお通しからもいらっしゃいますね。クロステックベンチャーズさんからアソシエートパートナーの藤本隆さんを交えて、ジャムさんの魅力に迫っていきたいと思います。それでは藤本さん、まずは1分程度ですね、ご自身の自己紹介をお願いできますでしょうか。
はい、よろしくお願いします。藤本隆と申しまして、私は年は49なんですけど、ベンチャーキャピタリストになったのは実はほんと2ヶ月前でした。収録リリースされるのは3ヶ月前かもしれないんですけども、実は起業家人生を12年ほどやりまして、うよ曲折あって苦労したんですけど最後エグジットまでやりまして、その後どうするかなとプラプラしていた1年ぐらいが、いわゆるロックアップピリオドみたいなのがあるんですけど、
それを経て、もう1回やるよりも今ちょっとテクノロジーも進化したので、自分の経験を紡いでくれて、次世代の起業家を応援するみたいな、そういう立ち位置に回りたいなと思って、3月から実はベンチャーキャピタリストになったばっかりなんで、新米です。
実は初案件なんですね。
ほんとですか。
今回。
でもそうですよね、3月とか3ヶ月、逆にそのスピードすごいですね。
実は入社した最初の週に会ったんですよ。
それはどういう出会いだったんですか?
ツイッター?
いや、あれね、フィンサムだったんですよ。
フィンサム日経さん。
何かで連絡いただきましたよね。
フィンサムっていうイベントに登壇してて、それはスタートアップイベントではなくて、日経が主催しているフィンテック業界のシャミットみたいな。
そこの一番終わりに新規事業のショーケースピッチみたいなのがあって、それで彼のプレゼンを見て、名前のjamのmが2つに結構かかり覚えたというか、それに共感して。
そこにですか?
僕もアメリカ長くてですね、多分日本人わかんないと思うんですけど、普通jamってJAMじゃないですか。
そうなんですね、そもそもそこからあれでした。
2つつけるって、もうボブマーレのjamにしかないって分かったんですよ。
分かったんですね。
分かったんです。
しかもなんかピッチの構図の一つに使ってたのが、ちょっとそういうムーブメントの写真使ってたでしょ。
ボブマーレの写真、横からの写真が最後のページに。
ボブマーレ大好きなんですよ。
そこだったんですか。
いや、でもこれ笑い話じゃなくて、僕は結構直感的に、要は自由にしたいっていう、そのピッチの内容とjamってつけるのがうまいなと思ったけど、日本人には分からないから。
分かんないです。
ある意味伝わりにくいから、ダメだなと思ったんですよ。
まさかのダメでしたね。
僕だけは分かったけど。
分かる人には。
分かる人には分かる。
まだ大事なキーマンに刺さったというよりは。
これは会わなきゃと思って、フェイスブックかなんかで会いたいですって言いました。
そこから結構リードタイム短めですもんね。
いわゆる検討のプロセスとかも、最初の案件とかだといろいろ大変だったりもするんじゃないかなとか想像はするんですけど、どんな感じだったんですか。
そうなんですよ。最初jammingだけで、もちろん等進化にあげるわけないじゃないですか。
ちょっとね、しっかりサービスしていらっしゃいますし。
特にうちのファンドって割とフィンテックに造形が深いパートナーがいて、代表の西条とかはめちゃめちゃいろいろやってきたんですよ。
投資も含めて。自分で事業もサイバーエージェントでもやってましたので、フィンテック関連。
なのでしっかり調べないと、なかなか外観からこのビジネスって本当に成功するかどうかって、業界の動向も全部グローバルも洗って、
日本がどういうふうに変化していくのかも分析した上でじゃないと。
最初宿題のやり直しから始まって、割と検討プロセスは一緒に協力してもらって、
橋爪さんにいろんなスタディをしてたどり着いたっていう苦労話があります。
橋爪さんからはどうですか?かなりDDというかね、それが厳しかったとも言えると思うんですけど、逆にでも改造度が上がる機会だったりもしたのかとか。
客観的に自分が投資家だったら絶対自分の授業に、決済自体レッドオーシャンっていうイメージがかなりあって、
かつ過去に失敗した決済スタートアップって結構いくつもある中で、やっぱり非常に自分がVCだったとしてもかなり厳しい目線になる授業かなと思うので、
そういうところをちょっと一個一個ボールは打ち返しながらっていうところを2ヶ月ぐらいやっていたかなと思います。
その先駆者たちが潰れてしまう会社もあるってことでしたけど、このデジタル現金払いっていうのでの先行者っていうのはいるんですか?
そうですね、日本にはいなくてですね、この領域A2A決済って海外では言われているんですけど、
コンセプトとしては結構シンプルで、基本的にクレカで行われている決済っていうところを銀行と銀行の間ですることによってコストを下げていこうっていうコンセプトなんですけど、
じゃあ実際このビジネスモデルで日本でプレイヤーがいるかというと、今のところ大きいところはいないという状態になっていて、
ちなみにそれ何でなんですか?なんかチャンスありそうじゃないですか?
そうですね、やっぱり規制が大きいっていうのと銀行の存在が大きいっていうところはありまして、自由に銀行からお金を行き来させるっていうのって、
そもそもいろんな人が銀行にアクセスしないといけない、すなわちAPIが公開されていないといけないみたいな前提条件がいろいろありまして、
そうなってくるとじゃあどういう人が接続していいのかとか、国によってその接続の難易度が変わっていたりとかするので、
その中で結構日本はあんまり接続にオープンじゃないタイプの国だったりするので、あんまりこういう事業が生まれにくいっていう関係があると思います。
じゃあどうしてJAMさんは立ち上がれるんですか?
たまたまタイミングが良かったっていうのはありまして、ちょうど2年くらい前に起業してるんですけど、
PayPayとかはもう明らかに伸びていて、銀行群みたいなところで考えると、そもそも決済シェアを奪われているっていう銀行の特殊な事情があって、
それまでは現金で決済してると引き落としの時の手数料と入金の手数料が取れていたのが、
一回PayPayエコシステムに入金されてしまうと、あんまり銀行にとってうまみがないような決済の方向性に国が進んでいるところがあって、
そこに対して我々としては、じゃあ銀行から直接決済できればいいじゃんっていうところを提案させていただいて、連携させていただいているっていうところが事業のスタートです。
それでいくと、じゃあ銀行にめちゃめちゃ刺さるサービスってことなんですか?
そうですね。我々、事業上の難易度がもちろんどのスタートアップも高いんですけど、銀行にもOKしてもらわないといけなくて、
その次に加盟店に導入してもらわないといけなくて、最後にユーザーに使ってもらわないといけないっていうホップステップジャンプみたいなのが全部成立しない限りは、
1円も売上が出ないっていうビジネスなので、そういう面ではもちろん銀行っていうところもちゃんと協力体制になるといけないですし、その先もいっぱいあるという感じです。
銀行側にウィンがあるにしても結構説得するの大変そうだなって印象があったりするんですけど、現状はどうなんですか?
今、309の金融機関と一緒にやっておりまして、足元も他の銀行さんとかと連携のお話も進んでいたりするので、
そういう面では銀行側の協力みたいなところはかなり得られているのではないかなというふうに現状では思っております。
もちろん決済で不正があったりとか問題があったりしたら1日で止められてしまう可能性は依然としてあるんですけど、
そこは一定クリアできているのかなという事業状況です。
加盟店とかユーザーという観点だと今どんな状況ですか?
ちょうど今加盟店側に着手している状況で、加盟店で導入していただけるところに今ちょうど営業活動を今月ぐらいから本格的に開始しているというところです。
その先にまたユーザーがいるというところなので、未来は非常に遠いんですけど。
市場としてのチャンスとかデジタル現金払いの魅力はありそうだなと思いつつ、進捗がちゃんとあるというところもありますけど、
とはいえ難易度は変わらず高そうだなと思っていて、それでいくと、
藤山さんぜひ聞いてみたいのは、これは信じられた理由とか、
さしずめさんに何を期待して出資ができているのかとか、この辺りご見解いただけますか?
そうですね、言われてまず欧州と米国とオープンバンキングの流れが来ているということはまず最初にわかったんですね。
ところが日本はこれがクルクル詐欺で来ないんじゃないかと、なかなかいろんな理由で、
さっきもデビットカードという話がありましたけど、デビットカード自体が日本では普及していないので、
これもどうなんだという話はあったので、今後を占う上ではすごく慎重に精査をしたんですけども、
タイミングが良かったってさっきおっしゃってましたけど、
割と彼ならできるんじゃないかっていうところは、本当にお世辞じゃなくてありましたと。
一つはこの銀行のAPI自体は公開されてたんですけども、なかなかそれを活用してハックしてですね、
ものにする企業化もなかなかいなかった中で、ローンチしてないんですけど、
彼はそれをハックして使えるようにしたと、300以上の銀行と提携してということですとか、
あとは市場も日本がそろそろ変わるんじゃないかと思ってまして、
ヨーロッパってもうかなりデビットカードも普及してますし、銀行間決済もかなり伸びてるんですね。
背景にはクレジットカード自体がやっぱりちょっと人々を蝕んでるんじゃないかということで、規制が入り始めていると。
国側で?
そういう波がグローバルに今後強化されていくんじゃないかっていうのはあってですね、
日本も割と流れとしては、ちゃんとその履歴とかを提示しなきゃいけないですよっていうような流れも来ると言われてるんで、
割とポイント付けになってしまっている現状が変わるんじゃないかというのと、
彼のジャミンっていうのは、実は僕はそれは自然に言ってるようで、
割と自由にしたいという思いがこの活動をできるっていう風にさせてる部分はあるんじゃないかと思って、
彼ならばできるんじゃないかなっていう風にかけたっていうところはあります。
ありがとうございます。今のところ引き継いでぜひ橋澄さんに聞いてみたいのは、
だいぶ抽象的な質問しますけど、決済を自由にしたいっていうのはどういう思いなんですか?
そうですね。ベースとして決済をするたびに、
ビザ、マスター、アメックスみたいな結構アメリカ企業に皆さん何も思いもせず決済するときに、
一部はそういう企業にお金が支払われているという状況かなとベースとして思っておりまして、
それってあるべき姿なんだっけっていうところを問い直したいみたいなところが一つあります。
今までの決済自体、かなり信用ベースの決済っていう、
クレカを誰かに付与して、あなたならいくらまで使えますよという風にして、
その信用の中で自由に決済するというところが今までのモデルだったんですけど、
今は銀行と直接決済ができる時代において、
そもそも銀行と銀行の送金みたいなところがハードルがめちゃくちゃ低くなっているという中で、
そういう信用ベースの決済インフラっていうところって、
それ一本に依存し続ける必要あるのかっていうところは非常に強く思ってまして、
そうでないタイプの決済。
もちろん信用を使って決済するっていう人たちがいることはもちろん問題ないと思っているんですけど、
信用を得られないとか、クレカ作れないとか、持っていないとかっていう方もいらっしゃるので、
そういう人にとっても自由に自分の銀行口座をベースに決済できるっていうところは、
社会としてもいいんじゃないかなというふうに思っています。
ユーザーが使うメリットでいくと、
これはクレカ使えない人たちのためにジャムがあるみたいな話なのか、
それとも両方使われるようなものなのかとか、
そのあたりの解像度をちょっと高めたいんですけど、どうですか?
現状すべての決済は1%値引きにしておりまして、
1万円何かお買い物をするとき、9900円しか引き落とされない形になるので、
クレカ同等の還元みたいなところをすべての方受けられるようになっておりますので、
そういう面ではユーザーの方もかなりメリット大きいんじゃないかなと思います。
逆にポイントとかだと使い先が限られていたりとか、
執行期限があったりとか、
普段なら使わないところにポイントを使ったりする方もいらっしゃるので、
それが現金に、口座にそのままあるってことは、
もちろん貯蓄だったり投資にも合わせたり、
そのまま消費に使えたりもするので、
より現金を持っていることが一番自由かなと思うので、
そういう選択みたいなところはユーザーに委ねられる状態になっているかなと思います。
ちょっと意地悪な質問をすると、
今の話でいくならば、逆にカードを使った方がキャッシュアウトは先送りにできたりもするじゃないですか、
そのあたりはどういうふうに捉えたらいいですか?
そうですね。クレカのメリットとしては、来月払えるところは1ヶ月分はあるので、
そこは我々にないところです。
すぐ使うとすぐ卑怯とされてしまうので。
ただその還元みたいなところで言うと、
その代わり現金が残ったりするので、
ポイントと現金どっちのがユーザーにとって良いのかっていうところは、
皆さんそれぞれあると思うので、
より個人の状況にフィットするものを選んでいただくっていう方がいいのかなと思います。
多様なニーズにちゃんと添えているところも。
そうですね。サブスク加入とかするときでも、
例えば毎月2000円みたいなものに、
本当にこう翌月払いにするってそこまで大きなメリットかっていうと、
2000円毎月サブスクされている方であれば、
その金額なら現行口座にあるよっていう方が、
かなり多いかなというふうに思いますので、
そういう場合であれば、そこまでクレカで翌月に回さなくても、
別に問題ないみたいなケースが多いのかなと思います。
ありがとうございます。今、銀行さんとユーザーさんの話も聞いたんですけど、
逆に加盟店さんはどういうメリットがあるのかとか、
どういう方々を導入すると良さそうとかそういうのってあるんですか?
はい。今現状1.8%の決済手数料を提供しておりまして、
2027年から2.2%にする予定です。
日本の今クレカの決済手数料の平均値って3%前後ぐらい。
そんな高いんですね。
はい。もちろんちょっと会社によったりとか、業態にもよったりするんですけれども、
かなり低いというのは2.5%前後みたいな会社がかなり多いですと。
そういう中では圧倒的に安いっていうところが分かりやすいメリットでして、
我々一つは信用を提供していないタイプの決済なので、
不払い率みたいなところが非常に発生しえないっていうところが。
逆に既存のサービスの不払いが結構あるんですか?
そうですね。有罪払ってくださいと採続したりとか結構あったりします。
もう一つは関与している者数がすごく少ないっていうのがありまして、
クレカの場合だとブランドもあればアクアイアーラもイシュアーもいたりするので、
そういうところを我々一社で進めているっていうところで、
かなり関与者数みたいなところがすごく少なくなっております。
実はもう一個あって、不正みたいなのがあって、
クレカだと番号を入力してしまえば基本的に決済できる。
最近3Dセキュアとか導入されてちょっと状況違ってきは来てるんですけど、
番号で決済みたいな状態なので、
盗難に非常に弱いってところが一つ大きな問題です。
我々パスキーっていう認証を使っているので、
パスワードとかユーザーネームとか番号とかがなくてですね、
フィッシングみたいな感じで盗難して勝手に使えないようになっているので、
そういうところでも不正されにくいっていうところでコスト圧縮できているところもあります。
ありがとうございます。ここまで藤本さんも聞かれてみていて、
投資検討のプロセスで今の話もたくさんあったと思いますし、
ここに対する投資家目線での補足とか、
藤本さんとしては追加でこんなことも思われていらっしゃるみたいなところとかあったら教えていただけませんか。