1. ストーリーとしての思想哲学
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2025-06-01 06:33

#124 カタリ派1 中世ヨーロッパの異端

サマリー

カタリ派は12世紀から13世紀にかけて、中世ヨーロッパに登場したキリスト教の異端として知られています。当時の社会背景や宗教的腐敗についての検討が行われています。特に、人口の急増と共に聖職者の質の低下が民衆の不満を招き、カタリ派の反体制的な立場が生まれる過程が描かれています。

中世ヨーロッパとカタリ派の登場
ストーリーとしての思想哲学
思想染色がお送りします。今回はキリスト教の異端であるカタリ派についてしゃべります。
キリスト教の異端って、もうこの異端っていう響きがいいし、なんだか迫力のある言葉ですよね。
キリスト教でもなんでもいいんですけど、異端というからには必ず正当派があるわけじゃないですか。
キリスト教正当派に所属しておけば楽なのに、あえて異端になるということは、何か並々ならぬ覚悟と譲れないものがあるという小さに他なりませんから、覚悟が違う感じがします。
今回のテーマであるカタリ派は、主に12世紀から13世紀頃、歴史の表舞台に出てきます。
西暦で言うと1100年から1300年くらい、いわゆる中世ヨーロッパというやつです。
ちょっと話が長くなるのを覚悟して、まずは中世というものについて、時代観から始めます。
ヨーロッパにおける中世とは、大体で言うと5世紀から15世紀の千年間のことを指します。
千年間はあまりに長すぎるから、普通、中世前期、中世世紀、中世後期と区分けするんだけど、カタリ派は中世世紀です。
順番に説明すると、まず中世前期とは、5世紀から10世紀の500年間。
中世前期の時代観とすると、この時代は地球が寒冷化していて、食料生産量が少なかった冬の時代です。
食物生産量が少ないということは、人々が餓死するということでもあるし、いっぱい食べることができないから丈夫な体が形成しづらいので、病気で死にやすいということでもありますから、人口があまり増えなかった時代です。
人口が増えないと、当然人口の集積というのも起こらないから、人々が集積している都市というのが発生しづらいので、そうするとイノベーションが起こりづらくなります。
イノベーションが起こりづらくなる、起こらないということは、それは文明が停滞するということを意味します。
文明が停滞すると、未来に向けて科学技術を発達させていこうみたいな感じではなく、その逆に過去を振り返る。
昔の方が良かったみたいな感じで、過去を振り返りながら神に祈るみたいな感じの挙動になるみたいで、
だからかなり敬虔な気持ちで神や精霊に祈りを捧げながら、時間が止まったような日々を暮らしていたという時代です。
今の僕たちから見ると悲惨な暮らし向きのように見えるけど、当時の人々の主観的には、もしかしたらそれほど不幸ではなかったかもしれない。
むしろ精神的には非常に信仰心が厚かったから、精神的には豊かだった可能性もあるって考察も見たことがあります。
カタリ派の背景と反体制文化
これが中世前期。
次は中世世紀。
世紀は盛り上がるの盛るって字で、世。
だいたい11世紀から13世紀の300年間で、文字通り社会が停滞から解放されて盛り上がってきた時期です。
中世前期は地球が寒冷化していたからそうなっていたんだけど、ようやく寒冷化が終わって暖かくなってきました。
すると食物の生産量が増加します。
ここに新技術による農業生産性の向上もあって、食べ物が増えたため人口が急に増えます。
人口が増えると当然人口密度も増加しますから治安が悪くなったり、疫病が流行したり副作用もあるんだけど、大都市というのが出現してくるから、イノベーションが起こりやすくなって文明が加速していくことになります。
最後は中世後期ですが、中世後期は中世世紀の続きだと捉えてもらって構わないと思います。
僕は個人的には別に分ける必要もないと思うんだけど、一応14世紀から15世紀が中世後期ということになっています。
多分14世紀から15世紀はペストがめちゃくちゃ流行して人口が激減したという出来事があったから、意図的に中世世紀と切り離しているんだと思うんだけど、
実際にはペストが流行りつつも社会全体としてはイノベーションは起き続けているから、まあ中世世紀の続き、ルネッサンスや大航海時代の準備期間だと思ってもらえばいいんじゃないかと思います。
はい。
カタリ派は12世紀なんで、中世世紀の出来事。
ヨーロッパにおいて、人口や人口密度が急に増えて、社会のコントロールが難しくなってきた、いかにも何か波乱が起こりそうな時代が背景です。
キリスト教的には、とにかく人口が増えたもんだから、司祭や司教のような聖職者も急に増えて、質の悪い聖職者が腐敗するという現象が起きていました。
聖職なのに、普通に結婚して子供がいたり、寄進された土地を硝煙みたいにして、つまり貧乏な戸作人から搾取する漁師のように振る舞って富を抱え込んでいたりしたものだから、民衆の不満が高まっていたわけです。
そもそもキリスト教は、貧しい人々を救済するためにあるはずなのに、貧しい戸作人たちを搾取することによって、がっつり金儲けするようになってしまったわけだから、二重の意味で憎しみを買っていたわけですね。
そんな中、反カトリックのキリスト教文化として出てきたのがカタリアでした。
一旦ここで切って、次回に続きます。
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