1. 経営者の志
  2. 192.山崎新さん(弁護士)前編
2020-06-08 14:09

192.山崎新さん(弁護士)前編

【ジェンダー差別をなくし、平等で安心安全な世界を作る】

あなたは社会や文化によって作られた性別のジェンダーについて意識したことはありますか?
どうしても、性別によって役割をつけがちです。
今回は、そんな男女の社会的な差別についてのお話をうかがいました。

山崎さんのお話を聴いて、社会や文化によって刷り込まれた思い込みにより、特に女性は不利益を被りやすいんだなと改めて感じました。

女性自身もなかなか言い出せない実態をなんとか変えていきたいという思いがすごく伝わりました。

次回も引き続き 山崎さんにお伺いいたします。

special thanks to 愛川祥さん

【今回のゲスト】
弁護士 山崎新(やまざき・あらた)さん
アイリス法律事務所
https://iris-lo.com/

ポッドキャスト・コンシェルジュ こえラボ
https://koelab.co.jp/

【ポッドキャストの書籍を出版!】
ポッドキャストの魅力を伝える書籍を出版するためにクラウドファンディングを開始いたしました。
支援者には書籍にお名前を掲載したり、番組に出演できる特典もあります。
ぜひ、チェックしてみてください。
https://camp-fire.jp/projects/view/280107

【声でファンを作る ポッドキャスト&オンラインサロン セミナー】
ブログやFacebookの更新が滞っている人でも、話をするだけで楽しみながら情報発信を継続でき、ファンがどんどん増えていくポッドキャストの活用方法、そしてオンラインサロンへのつながりがわかるセミナーです。
詳細はこちらのURLからチェックしてみてください♪
https://koelab.co.jp/podcast-marketing
00:07
経営者の志
こんにちは、こえラボの岡田です。
あなたは、社会や文化によって作られた性別のジェンダーについて意識したことはありますか?
どうしても性別によって役割をつけがちです。
今回は、そんな男女の社会的な差別についてのお話を伺いました。
まずは、インタビューをお聞きください。
今回は、弁護士の山崎新さんにお話を伺いたいと思います。
山崎さん、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。山崎新です。
山崎さんは、離婚、DV専門の弁護士ということなんですけど、
この離婚とかDVを専門にやろうと思った何かきっかけとかってあるんでしょうか?
はい。実は私は小学校の頃に両親が離婚してまして、
父親と妹と3人暮らしを続けてきた中で、
自分が母親役割を担っていったという意識もありましたし、
結婚とか離婚について小さい頃から考えてきたところなんですね。
その影響もあって、大学は心理学科に進みました。
その中で家族って何だろうとか、結婚って何だろうみたいなところを
心理学的にいろいろ探検してたということもありました。
同時に大学自体に多くの男女の関係を見ている中で、
まだまだ男女が平等とは言えないなと、いわゆる性別役割分担意識みたいなものが強くあって、
これが親密な関係に影響するという事例をよく見ました。
最大のものがもちろんDVです。
大学同士のカップルでもDVってありましたし、
そういう中で心理学的に私も理解できる部分もあったりして、
DVとかジェンダー、男女平等みたいなものに深く興味を持っていったということがありました。
そうなんですね。やっぱりどうなんでしょうね。
その格差というかジェンダーの違いっていうのは、
今でもすごく大きなものがあると感じられますかね。
そう感じています。特に結婚とか家族の中では、
そういう男だから女だからっていう部分で、
無意識のうちに自分が役割を演じている部分っていうのはあるんじゃないでしょうか。
例えばですけれども、子供が生まれるとやはり女性の方が仕事を辞めたりだとか、
子育てがメインになったりして、
これが逆転するカップルっていうのはあまりないと思うんですよね。
03:03
やっぱり少ないですよね。
少ないですよね。
まだまだそうですね。
あるいは例えば結婚する段階でも、女性の方が苗字を変えるカップルが、
今、統計で言うと96%くらい。
やっぱりまだまだ嫁に入るみたいな意識がですね、
強く残っている証拠だと思うんですね。
そう考えると本当にいろんなところに、
男女の違いっていうのはありますよね。
無意識で気づいてないだけで、
実は男だから女だからっていう理由でいろんな物事を決めているっていう部分はすごくあると思います。
そうするとどういったところが不利益をこむることってあるんでしょうかね。
例えば私の仕事で言えば離婚の段階で、
専業主婦だったり、あるいはパートしかやってなかったりっていう女性は、
離婚した後の経済的基盤がないので、
夫との間が非常に冷め切っていたとしても、
場合によってはその中でDVがあったとしても、
なかなか離婚に踏み切ることができないっていう方が多いです。
本当は自分の人生を生きたいのに、
経済的基盤がないために自由な決定ができないっていうのは、
これは非常に不幸なことだと思うんですね。
確かに、はい。
やっぱりDVもですね、
女性の方が被害者になる確率が大きいです。
2倍近く女性の被害者の方が多いわけですけれども、
これも男だから強くあらねば、
女だから男に従わねばっていう意識が根底にあるからこそ、
そういうところにDVという暴力が生じることになるわけで、
一旦DVが起こってしまうと、
そのサイクルの中から抜け出るのが非常に困難になりますので、
その人の生き方自体がですね、
自分のありたいものから離れていってしまうという意味で、
そういった女性は支援しなきゃいけないなというのは、
すごく強く思います。
これ、山崎さんの経歴も拝見させていただいたんですが、
もう大学の時から弁護士を目指して、
先行していたわけではないんですよね。
先ほど申し上げたように、
心理学の面から最初は入られていったんですかね。
そうですね。大学は心理学科を卒業しておりまして、
そこでは法律は一つであって、
就職をしたところが、
公益財団法人の結婚相談所だったんですね。
そこの中で結婚とか家族について、
一般の人たちを対象とした講座を企画したりだとか、
独身男女の意識調査みたいなものもやっていました。
そこはもう大学時代にやっていた心理の部分を活かせて楽しかったんですが、
たまたまですね、
労働相談の窓口になる仕事があったんですね。
そこで私も少し法律を学んだというか、
パンフレットを見た程度なんですけど、
06:02
実はこんなに労働者って権利があったんだ、
例えば有給休暇、誰でも取れるとかですね、
そういうのを解雇はそう簡単にはできないとかですね、
そういうのも全然知らなかったですね、私自身。
こんなに権利ってあったのに、実は自分の身を守る法律を知らない人が多いということに気づいたんですね。
法律は自分の身を守る武器になるのに、これを知らないと使えない。
これは何とかしないといけないんじゃないかと思いまして、
女性のためにその法律という武器を使いたいと、
そういう仕事は何だろうと思った時、弁護士になりました。
【佐藤】なるほど。
だとすると、その前まではどちらかというと心理的なサポートが中心だったんですかね。
【森】そうですね。私の中では女性のための支援というのを心理学的にやろうと思っていたんですけれども、
カウンセラーとかそういうアプローチは、
その人の内面の癒しにはなるものの、
外的な環境を変えるという力はないわけですけれども、
もちろんその人が内的な力をつければ、環境も変えられるということはあるかもしれないけど、
直接その人の社会的な環境を変えることができるのは法律だろうということですね。
【佐藤】だからやっぱり、これから法律を学んで、
法律を学ぶことによって、
女性を守っていきたいという思いで、
一回就職してから、弁護士の資格を学んでいって、
それで資格を取っていったということなんですね。
【森】そうです。30歳の時に仕事を辞めて、
勉強に5、6年かかって、36歳で弁護士になりました。
【佐藤】そうなんですね。相当強い思いでやられましたね。
やられていったということですかね。
【森】そうですね。今考えればちょっと無謀だった気もしますけれども、
運よく受かったので、本当に夢が実現できてよかったと思っています。
【佐藤】山崎さん、どうしてそんな強い思いで、
こういった女性を守らなきゃいけないかなと思われているところって何かありますかね。
【山崎】やっぱりジェンダーの構造に対する、
怒りというか、このままではいけないという強い思いはあるんです。
それは自分自身の家族とか、男女関係も含めてそうですけれども、
まだまだ社会に根強くあるジェンダー意識みたいなものを、
どうやって変えていけるのかっていう時に、
一つは社会構造とか立法の問題として、
社会政策として変えていくというアプローチが一つある。
09:00
もう一つは本当にその場所で困っている人を手助けするというやり方。
その二つを同時にできる仕事って思ったら、
もう弁護士しかなかったというところですね。
【佐藤】法律を使いながら、そこで今本当に困っている人を助けていくっていう。
それを今やっていかなきゃいけないという風に。
【山崎】そうです。今、弁護士の仕事としてはそれが一つ。
もう一つは弁護士として、例えばいろんなところに公演で呼ばれていたりだとか、
あるいは弁護士会っていうのは弁護士の集団ですけれども、
そこの活動を通じて、社会に対して提言を出していったりだとか、
そういう活動も一方でかなり力を入れてやっています。
【佐藤】それは社会を法律を変えていくという、
そっちの活動も合わせてやっているということなんですね。
【山崎】そうです。社会を変えていく活動と、
個人の手助けするという活動と両方同時にやりたいと思っていて、
そういう弁護士を目指しているというところです。
【佐藤】今のお話を聞いても、やはりこの社会がまだまだ
そういうジェンダーの意識というのが変わっていかないと、
なかなか世の中を全体を動かすのは難しいという、そういうことなんですかね。
【山崎】そうですね。あとは困っている人は、なかなか自分が何に困っているかというのを
言語化するのが難しいという部分があります。
例えばですけれども、DVで長年夫から漏らはらとか、
時には叩かれたりというDVがある人も、これがDVだって
意識するまですごく時間がかかったりします。
【佐藤】そうなんですね。周りから見ているとそうじゃないかと思っても、
本人はそこまで思っていないケースもあるということなんですね。
【山崎】そうですね。そこは、その人を支配している夫であることが多いですけれども、
その夫がこういうのは当たり前なんだという意識を
夫の方こそ持っているんだと思うんですね。
そういう中で手を変え、品を変え、これは暴力じゃないと、
お前のためにやっているんだとか、例えば。
いろんな正当化の理由をつけて、さまざまな抑圧とか暴力を加えていくので、
やられている側も麻痺しちゃって、これが当たり前だと思っているケースがすごく多いんです。
そこは、やっぱり社会全体の意識が変わらないと、
なかなかその人自身が気づくというのは難しいところになるので、
社会的な啓蒙とか啓発も進めていきたいなと思うところです。
【佐藤】そうですね。世の中の意識がそういうふうに変わっていかないと、
そのいった格差がある状態が、今、常識的になっていると、
12:01
それが良くないということですもんね。
【山崎】そうですね。例えば、前近代だと嫁に入るだとか、
女性と男性はご飯を違うところで食べるとか、
お風呂はお父さんが先に入るとか、
そういうのが当たり前だった時代はあったと思うんですよね。
なかなか世の中全体がそれが当たり前と思っている中で、
男女不平等じゃないかって声を上げるのは難しいことなので、
例えば家庭の中のことだとしても、
そこに不平等が存在しているんじゃないかという意識は、
私はすごく持っているし、これをみんなに伝えていきたいと思っています。
【佐藤】そうですね。ますますこれからそういった意味の意識を変えていくためにも、
情報を発信しながら、いろんな方にそこを気づいていただくということも
大切かもしれませんね。
【山崎】そうですね。その一翼を担えればという思いはあります。
【佐藤】はい。今日本当にいろいろお話をお伺いしたんですが、
ぜひ今日のお話を聞いて気になる方がいらっしゃれば、
ホームページのURLをポッドキャストの説明文にも記載させていただきますので、
ぜひそこからチェックしてアクセスいただければと思います。
また次回ももう少し山崎さんのお話を引き続き聞いていただきたいなと思います。
今回どうもありがとうございました。
【山崎】ありがとうございました。
いかがだったでしょうか。
山崎さんのお話を聞いて、社会や文化によってすり込まれた思い込みにより、
特に女性は不利益をこむりやすいんだなと改めて感じました。
女性自身もなかなか言い出せない実態を何とか変えていきたいという思いがすごく伝わりました。
次回も引き続き山崎さんにお伺いいたします。
ではまた次回。
14:09

コメント

スクロール