00:00
♪~
はい、始まりましたアートテラート2のそろそろビジュアルの話を
この番組は私アートテラート2がアートに関わる方をゲストにお迎えして
トークを繰り広げるポッドキャスト番組です
今回は前回に引き続き展覧会プロデューサーの藤本悟さんをお迎えして
ビジュアルについての話をしていきたいと思います
♪~
前回のトークの時にもちょっと出てきたと思うんですけど
いきなり美術班に入れられたみたいな話だったんですけど
はい
新聞社に入るまでは美術に興味なかった
どうだったんですか?
そうですね、まず専門的に全く学んではいなかったですね
うん
スポーツ授業の方に入りたかったですし
はいはいはい
展覧会を見に行く、たまに見に行くぐらいですかね
うんうんうん
しかも母親が京都国立博物館に一緒に行こうとか
そんなぐらいの旅行の一家みたいな
なるほどなるほど
そうか、じゃあ別に大学で美術の話題とかでもないし
ちなみに今文化事業部の方っていうのはそういう方が多いんですけど
それとも最近は美術、大学でやってきた人がやってくれて
そうですね、最近は美術を学んで
すごい志を持って来られる方が入社を希望するって方が多いですね
もう展覧会やりたくて
やりたくて
おーえー
この展覧会を見て私もこういう展覧会をやりたいんですっていうような
ちゃんと目の輝いている人たちが
(笑)
追われることが多いですね
でもやっぱ相互ですよね
知らないと、特に例えば学生の方で
学芸資格取ったけど美術館の道はもうほとんどポストがないから
じゃあやめて一般職に行きますっていう人結構見てきたんですけど
こういうやり方もあると思うんですよね、展覧会、美術関わる仕事として
やっぱりその美術館だとなかなか自分の企画をやるっていうところに至るには
数十年かかると思うんですよ
でもメディアの場合は若かろうが
本当にこう自分がこういうのやりたいという思いがあって
それをこうどの人を巻き込んでいけるかっていうところだけなので
より早くできると思いますね
これ今聞いてる方で入りたいって言ったらどれくらい入れるものなんですか?
いや、どうなんですかね、最近新聞社人気ないんで入れないんですか?
そっちの意味で思う
やっぱりでも文化事業は死亡される方多いですね
未だにこれだけ新聞がね、離れが進んで
03:02
新聞社に入りたいっていう人自体は減ってると思うんですけど
事業の希望者はすごく多くて
それだけ美術展が一般的になってきたっていうのもあるのかもしれないですけど
大体こう皆さんこういう展覧会見てとか
美術館でこういうの見てとか
海外に行ってこういう作品を見てとか
それで自分もこういうことをやりたいという方が聞こえます
その中で言ったら憧れの人だと思うんですよね、藤本さんって
数々の展覧会を、もうだいぶ引っ張ってきましたけど
じゃあいよいよ「こわいえ」がどうできたのか
前半では止めましたけども
何年かかったんですか、まず準備でそもそも
準備、やりたいと思って見始めてからは8年間ですね
僕は一回芸術新聴の取材で
うかがいに行ったのが最初の目的ですよね
いろんな苦労を聞いてるんですけど
今日はもうちょっと是非是非
リスナーさんのために黒話を
どっから話しましょうか、そしたら
そうですね、やりたいと思ったきっかけからですかね
きっかけは
もともと自分自身が美術師を専門的に学んだということがなくて
ただ入社して文化事業だったんで
自分でいろいろ勉強してとか
手中見に行ってとか
いろんな学ぶ機会があって
いろんな企画をやっていきたいってなったんですけど
親しい友人とかに美術展の話をすると
大体スポーツは大体ということもあるんですけど
美術とか見てもよくわからないし
何が良いとか悪いとか
ちょっとよくわからないから
なんか勧めてもね、これ見に行ってとか
みたいなことが多かったんですが
なんでこうかなって思って
ずっと文化事業部の中で仕事をしていて
ただ自分の企画したものとか見に来てほしいっていうのが
ずっとあるじゃないですか
そういうのがずっと数年あって
2008年ぐらいに中野京子さんの『こわい家』っていう本を
初めて手にして
すごく面白かったですね
結局絵を見て感じるみたいなことよりも
描かれているものがどういう対象であったりとか
どういうヒストリーがあったりとか
06:02
それを見ることによっていろんなことを知れるということがあると
その絵の見方も変わってくるなと思って
その本すごいハマって読んでて
ある時これを展覧会にしたらいいんじゃないかと思ったんです
じゃあこれは展覧会にしたらどうしたらいいかなと思って
とにかく中野京子さんに会いに行かなきゃしょうがないなと思って
ある公演会があった時に
アポ無しで行ったんですよ
いきなり?
行動力ありますよ
公演会が終わった後にスルスルと寄って行って
こういうものですって言って
ぜひ中野先生の『こわい家』を展覧会にしたいと思ってます
ああはぁはぁみたいな感じで
そりゃそうですよね
いいですねみたいな感じで
その時に連絡先をお伺いして
いざやろうと思って企画書を作ったんですけど
中野京子さんが紹介している作品って
全部名残る美術館にある超有名作品ばかり
文化不出みたいな作品ばかりなんで
そこで心折れかかったんですけど
これを実現するなんて
言ってしまったなみたいな感じで
ただこれは絶対やりたいと思って
まずは美術館の人に相談に行こうと
その時大阪だったので
兵庫県立美術館の学芸課長だった早美さん
今三重県立美術館の館長さんなんですけど
早美さんに会いに行って
早美さんにこういう企画を考えてて
やりたいと思って
面白そうですねみたいな感じで
軽く乗ってくれたんですよ
面白いと思いますよ
それで学芸の人
その時に学芸員に話聞いてみますと
こういうのちょっと興味ある人がいるか
ただそこからちょっと時間が
ちょっと余談なんですけど
その後会社からこう
イギリスに留学させてもらったんですよ
少しの期間
そういうのもあって
しばらくちょっと凍結しちゃったんです
それは美術の理由だな
それは美術展の仕事をしていく上で
やっぱり英語が必要だなと思って
全く英語ダメだったんですよ
せめてコミュニケーション取れるぐらいには
09:02
英語力がないと
交渉まではできなくても
やっぱり無言で座ってるわけではないんで
あんたも来た時にやっぱり話ができないといけないんで
と思って会社の制度があったんで
受験して行かせてもらったんですよ
そういうのがあったりして
ちょっと止まっちゃったんですね
しばらく足を付けにしてたんですけど
2012年に
11年か12年か
改めてやり始めましょう
兵庫県理事館の岡本さんという外務員を紹介していただいて
岡本さんと中野京子さんと私の出会って
やりましょうと
ファーストミーティングだったんですよ
こういう風にやりましょうと
最初はドリームリストを
こんな作品があればみたいなことを話したりとか
こんな構成にしたらいいねとかって話をするんですけど
中野京子さんから
目玉がいると
逆に言うとこの作品がなかったらみたいなことを言われたんですよ
最低条件
それが
小屋の我が子を喰らうブルース
プラドビーズ館ですね
ジェリー・ゴーのメリー・スゴーの一家だ
これはルーブルの大きい作品ですね
ドラゴン氏のレディ・ジェイ・グレイの処刑や
ロンドンナショナルギャラリーのどれかって言われたんです
もう無理ですよね
その時はやっぱり無理ですとも言えないじゃないですか
頑張りましょうみたいな感じで
でも内心では無理だなと思って
その3点は流石に無理ですよと思って
この時点で日本に来たことないですか?その3点とも
ないですね
だからもう来るだけですごいわけですよね
じゃあこれ確かに無理だなと
メリー・スゴーは7mぐらいなんですよ
ジェイ・グレイも3mぐらい
物理的にもちょっと難しいなっていうのが
輸送に関して大きさが
ゴヤの作品は状態が悪いっていうのが有名なんですね
晩年の作品は
難しいかなと思いつつも頑張りましょうということで
キックオフがあったんです
走り出しちゃったんです
その時点で
兵庫県立美術館で開催するってことは決まったんですよね
確定なんですよね
じゃあいつにしますかっていうので
確か2016年にやりましょうって
4年先だった
12:01
早めに持ったんですね
時間はかかるだろうなって思って
それで動き出して
最初に美術館の岡本さんが
色々どういう風に
コアエデンっていうと
本だと横断的に色んな作品を切っていけばあるんですけど
展覧会ってやっぱりストーリー立てて
順序立てて構成を考えていかなきゃいけないので
それを色々考えてくださって
作品自体は最初はドリームリストの作品をそこに当てはめて
このような作品があればいいね
さすがにこの時点ではさっきの本の中に出てるやつ全部出しましたもんないわけですよね
とりあえず文脈に合いそうなものを
本当にふわっとしたアイディアを
形にしてくださったのが岡本さんですよね
最初のところでこういう構成でいきましょうと
ただ実際に最初にここで考えてくださったんですけど
いざ出品交渉を始めると
やっぱりこれは非常に苦戦したんですよね
コアエデンって言うとすごいキャッチで
結果的にはそれがPRとしてものすごく力を持った
コアエデンってなんぞやみたいな感じでね
その時たぶん藤本さんが聞いたんですけど
民放各社が取り上げたんですよね
NHKを組めて
僕もNHKの番組で出ましたけど
それぐらいすごかったんですよね
最終的には何万人入ったんですか?
最終的には上野の森が41万人
4時間待ちとかになってましたね
何時間待ちとかになったんですか?
3時間半だったかな
表現額が27万で歴代3位とかっていう
これはだって一般の人もコアエデンやりますって言った時に
すごい盛り上がりましたもん
これは面白そうだなって言ってたのに
じゃあなんで出品交渉でそんなに
結局後半的にコアエデンはプラスに働いたんですけど
出品交渉ではすごい足枷になったんですよ
というのはまず海外から交渉していったんですけど
怖いってものすごい主観的な言葉じゃないですか
ただ展覧会に出したかった作品っていうのは
ただただ見るからに怖いとか
好きやり、ちょっと精算なとかそういうのじゃなくて
一見すると怖くないんだけど
15:00
その作品の背景を知ると怖さが伝わる
受け入り彫りになるみたいな作品をできるだけ揃えたかった
そうなると結局怖くない作品なんですよね
リクエストするのは
例えば肖像画をマリアン・トワネットだったかな
肖像画リクエストする時に
これは肖像画だみたいなことを
怖い絵じゃないぞ
ホラーの絵でもなんでもないじゃないか
それはそうだなと思いながら
一応そこで
最初のうちだから本当にことごとく失敗して
あまり怖い絵展っていうのを
全面的に出さない方がいいなっていうのが
交渉としてはわかったので
やっぱり絵の背景を読み解く展覧会なんだと
いうことを説明していって
なのでこれは肖像画なんだけど
彼女のストーリーを合わせて紹介することによって
この絵の見え方が変わってくるとか
見に来られた方にいろんな物語までも伝わって
以上のものが感じ取れるみたいなことを説明していったら
なるほどねって感じになって
少しずつ作品が借りられるようになったんですけど
そこに行き着くのはやっぱり2年くらいがかったんです
最終的に2014年の時点で
1点も借りれてなかったんですよ
交渉はできたけどと言ったんですか?
交渉はしたんですけど
まだ確約が取れてなかったんですね
さすがに2年後に無理だなと思って
2016年をなんとか伸ばしてください
攻め切りを
2018年くらいにしてほしいなと思って
お願いに行ったら1年間ならいいですよって
美術館が表現するんですけど
2017年に動かせないとなったんですね
それで岡本さんにも一緒に海外に行ってもらって
いろいろとイギリスフランスいろいろなウェイスカム回って
交渉を進めていって
徐々に徐々に説明したらいけるようになった
でもやっぱり何度も言われたのが
美術史的にはどういう意味があるんだとか
美術史を切り取っていくと
例えば19世紀とか20世紀前半とかっていう風に
ちゃんと時代性があった方が
18:00
イズムがちゃんとはっきりしているものの方が
手中としては作りやすいんですけど
古合芸伝って本当にだいぶ時代が横断的になっていたので
それがすごくちょっとよろしくないように
捉えられたこともあったりして
結局作品、尺標はダメみたいなことも結構あったんですよ
その度に岡本さんにもう一回
ちょっと構成をメインアップしましょうみたいな相談をして
作品が徐々に増えていく中で
構成の落とし込みも変えていくみたいな
何回も何回もリストも何回も何回も変えて
構成も何回も何回も変えていくっていうのを
ずっとやって続けていっています
この間にはしかも中野先生からのオーダーのうちの3点のうち
まだ全然目ともつになる
そうですね
どれかが気になりますね
この間はなかなかにどう話してたんですか?
この間はできるだけ連絡しないようにして
とにかく連絡しないように
たまにメールが来るんですよ
どんな感じですか?みたいな
その時だけ取り繕って
とにかく連絡しないという先方で
講演会には来たりして
ただやっぱり何もしないわけにはいかないじゃないですか
でもLUGELはどう考えても無理だなと思って
7メートルだし
PRADOはなかなかルートもなかったので
もうロンドンだなと思って
ロンドンナショナルギャラリーしかないなと思って
ロンドン留学もしてたんですよ
ロンドンナショナルギャラリーに交渉を始めたんですね
その時には一応この作品の背景
レディジングルの初期はストーリー性があるので
そこを強調して交渉したんですね
何度かやりとりがあって
日本に物理的に運ぶことが無理だという回答があったんですが
でも物理的にダメなだけだったら
まだチャンスはあるんじゃないかなと思ったんですよ
完全ダメだからじゃないですよね
もっと違う理由でダメだったらしょうがないかなと思ったんですけど
物理的だったらもしかしたらチャンスあるかもなと思って
作品のサイズだけじゃなくて
額がどうなっているとか
21:00
クレートがどういう風になっているとか
入れる箱がどうなっているとか
どういう形状で運べばいいのかとか
トラックにそもそも乗るのかとか
イギリスから日本に運ぶにはどういうルートを取ればいいのかとか
特に日本に着いた後どういう風に
どんなトラックに何トン車に乗せてとかね
4トン車とか11トン車とかあるんですけど
どういうのだったら乗るのかとか
美術館に作品を入れる時に
箱を倒さないように
作品の箱を倒したりすると
作品が動くことになるので
作品が痛むって言われるんですね
どういう風に運べばより安全に
寝かさないで持たせて
それがどういうルートを通ればいけるかとか
いろんなことを考えて
それを持って日本のナショナルギャラリーに行ったんですよ
これだったら行けるぞみたいな
大きさは横3mで高さは?
高さが2m50cmですね
2m50cm、3m、幅3m
大きいですよね
これだったらいけるという
輸送プランを説明しに行ったんですよ
そこはその時はそれなら可能かもねみたいな感じになったんですね
そこをクリアして
次、館長に会うってことになったんですね
それがラスボスですよね
担当者はクリアした
館長とのミーティングをセッティングしていただいて
行ったんですよ
そしたらロンドンナショナルギャラリーは年間600万人の来場者があると
半年300万人の人がこの作を見れなくなった
その見られなくなる期間が半年だと
日本でテレバーをやることによって
どんなメリットが我々にあるんだと
ゴモットも
それはお題みたいな感じになったんですよ
納得させてくれた
またお時間くださいっていう感じになって
結局300万人も日本で入らないし
あまりいい回答が見つからなかった
24:04
ただ当時ロンドンナショナルギャラリーも
日本人の観光客が減ってきてるみたいなことは聞いてたんですよ
広報の人とかに
中国の方とかすごく多いんだけど
以前ほど日本人が自ら来てくれてないし
もう少し日本人の観光客がロンドンナショナルギャラリーに来てくれるようになってほしい
みたいなことをおっしゃってたんで
そういうこととかこの作品を全面的にプロモーションを確認されて
どんどん作品を日本中でリリースしますみたいなことを
館長に説明しに行ったんですよ
そしたらその上にさらに委員会があって
外部の方とか館長も含めて
そういうトラスティーズという委員会があると
それで最終的に審査が行われるので
それまで待ってくれると
でももうそれがですね
開催のもう1年半ぐらいだったんですよ
もう切ってるんで
まだオッケーもらってなかったんですよ
でも中野さんからはどうなのどうなのって言われるんですよね
一応順調ですと
順調じゃないですよ進んでるんですよ
これまでに比べたら順調です
次がラストですとか
次がラストですって言ってから半年くらいかかったんですよ
なかなか返事が来なくて
ちょうど2016年の5月にロンドンから電話がかかってきて
オッケーになった
もう竹火ですよ
社員会社とほとんど誰もいなかったですけど
普段は連絡しないんですけど
すぐ中野さんに電話したんですよ
普段電話しないんですけど
これまではできるだけ叫んできたんですよ
で中野先生オッケーになりました
って言ったらものすごい連れなかったんですよ
一緒に喜んでくれると思って
やりましたよみたいな感じで
もう本当に展覧会これで終わったぐらいの感じで
もうやり遂げたぐらいの感じで電話したのに
ものすごいなんかそうですかみたいな感じだったんですよ
あれと思って引き続きよろしくお願いしますみたいな感じで終わって
後で聞いたらもうやっぱり1年前じゃないですか
どんどん展覧会をやるっていう
中野先生にプレッシャーがどんどん高まってきて
27:01
あと1年後に展覧会あるぞと
このままこの展覧会って本当に人が入るんだろうとか
当時ね結果的に5割入って入ったんですけど
そんな誰も入るって思ってなかったですので
企画なんかには
なのでものすごい不安だったらしいですね
自分も逃げれなくなっちゃった
逃げれなくなっちゃって
展覧会ってものすごい多くの人が関わっているので
その一番上に立つ人じゃないですか特別監修者なので
怖い絵って自分の本の展覧会なわけですし
そのプレッシャーでこのままレディー・ジーン・グレイが来なくて
展覧会がなくなればいいぐらい思い出してたらしくて
極悪人ですよね
お題の人になるのにすっくりやしたんですよ
本当にまさかのOK返事が来て
もうゾッとしたらしいですよ
プレッシャーが頂点になって
本当の怖い絵とかあったの?
本当に怖くなったらしい
本当にノーリアクションになってしまったらしいです
あの時はごめんなさいって
でもあれ一瞬失踪しそうになってましたもんね
本当に
その失踪しそうになったのはどのタイミングだったんでしょう?
結局ですね
このレディー・ジーン・グレイのことは
この1年前に最終的に決定になったんですけど
それまでも動いてるわけですね展覧会自体の準備っていうのは
でも明らかに目玉作品っていう
これがなきゃっていうのはずっとないわけですよ
でもまだないっていうこともあんまり言えないじゃないですか
見込みで進めていかなきゃいけないので
どっかのタイミングで
これ今だったら展覧会すいませんやめさせてくださいって言えるんじゃないかみたいなことが
ずっと思いながら歩いてたんですよ
中野さんだけじゃなくて
中野さんもどっかでやめさせてください
やっぱり無理でしたって
どけ出しに行く体制ができてたんです
美術館にねすいません無理でしたって
いつ行こうかいつ行こうかってずっと言うと
ちょっと時間戻りますけど
もう2,3年前から作品も徐々には増えるんですけど
2017年もやっぱ無理なんじゃないかとかね
あるいはこのままやっても客さんもちょっと厳しそうだしとか
いろんなマイナスなことばっかりで
本当に展覧会のタイトルを変えて
30:01
ちょっともう少しコツボな展覧会にしてとか
本当に迷走し続けてたんですよ
最終的にはもう詫び手すんしたいみたいな
そういうのずっとあって
でももう本当にやっぱり2年くらい前になると逃げられなくなるので
もう突き進むしかないわけですよね
それで最終的にはこれOKになったから
レジジェンレンや結果論ですけどよかったんですけど
本当にそれでもまだその時点で点数自体は足りなかったんですよ
そこから開催までまだ1年ちょっとあったんで
そこを通常だったら1年前くらいにほぼ作品って決まってないといけないんですけど
そこからもう足掻きに足掻いて
最終的に最後の作品が決まったのは
開催の3ヶ月前だったんですよ
そんなにギリギリまで動いてたんですか?
だって3ヶ月前のことは当選ですけども告知はされてますね
前でやりますよ
インスタもチラシもできててっていう中でやってた
最後決まった作品何だったんですか?
最後はですねヒューズリーのムマっていう作品で
この作品はもともとデトロイト美術館から借りる予定で
デトロイト美術館展を確か2015年くらいに東京で開催したんですね
上野大森でやりましたね
その時に美術館の方が来て何度か会ってこの話をして
貸してくれる感じだったんですよ
館長が最後行くから館長にOKとなって
それでそれが最後の予定だったんですけど
館長が来日しなかったんですよ
デトロイト美術館展
結局ムマの話は流れてしまったんですよ
これは行けると思ってたの?
行けると思ってたの
この作品も非常に展覧会の中で重要な作品で
子肺炎の本の表紙にもなってた作品なんですよ
なのでこれはちょっとまずいなってことになったんですけど
どうしてもこの作品がっていうのもあったんで
でもムマって4つぐらいバージョンがあってですね
スイスとドイツとアメリカと
アメリカに2点、デトロイトともう1点あるっていうのが分かって
ドイツにレターを書いたんですね
そしたら非常に展覧会も面白そうだし
33:00
検討しますみたいな返事がもらって
行けるかなと思ったんですけど
最終的には自分たちの展覧会で
ドイツの美術館展覧会で使うことになったので
貸せません
しょうがないですよね
しょうがないです
理由がわからない
スイスは個人コレクターだったんで行き着かないので
アメリカにあるっていうもう1つあるっていうのが
バッサー大学なんですね
バッサー大学にフランシス・リーマン・アートセンターっていう
大学付属の美術館があって
そこが作品を持ってるってことが分かって
ある人に頼んでここに連絡してもらったんですよ
そこの館長からメールが来て
産経新聞には昔すごくお世話になったので
前向きに話しようみたいな返事がメールが来たんです
誰か先輩がお世話したんだって聞いたんですよ
そしたら誰もお世話してないって言うから
何かと勘違いしてました
勘違いでこれ日経だなと思って
日経の字だけ
日経新聞さんだと思って
でもこのまま行けと思って
視点合わせる
勘違いする向こうだし
もうお世話した程度行こうと思って
結局アメリカに来いって言われたんですよ
ニューヨークのバッサー大学に
それは確か2017年の開催の年の4月だったんですよ
本当に3ヶ月前の3ヶ月だった
でも行くしかないなって
行ったんですね
行って美術館を案内してくれるんですよ
でもムーマンはなかったんですよ
あれ?
なくて
食事に行かないかって言われて
お気に入りのメキシカンフードがあるとか
レストランがあるとか言って
メキシコ料理おいしいですねみたいな感じで
でももう頭の中でムーマンどこなんだよ
ムーマンどこなんだよ
っていう感じで
でも結局その話一切なくて
ただ
お世話してたのは
実はお世話してたってことがわかったんですよ
いたんですか先輩以外の
不中止美術館で
ここのコレクション展を何年も前に
開催したことがあって10年以上前かな
その時に彼は日本に来て
36:00
東京だけじゃなくて何回か巡回会場に行ったらしいんですね
その時にお寿司をごちそうになったらしいんですよ
で、誰か
私の先輩がお世話してたんですよ
よかったです、肉じゃなかった
それですごく日本のいい思い出があって
それから日本にも何回も行っててみたいな話で
メキシコのレッスンは終わったんですよ
でまた大学に戻って
館長室見せてあげるって言って
館長室行って
そこに文章が飾ってあったんですよ
あえてそうしたんですか
あえてそうしたんですよ
好きな映像だけど見られんよ
1年以上前だったらいいけど
3ヶ月日本で
これを日本に持ってていいですか
って言われたんですよ
ドラマですよね
それが最後の作品
ハマったんですよ
でもそれがなかったら全然天羅が良しとは
全然違ったんですよ
じゃあこれで全部借りれます
じゃあオープンしますってなった時に
最初はこの天羅が入らないかと思ってました
そこでこれバズったじゃないか
これ来たぞっていうところで
天羅会としてはもともとの思いとしては
先ほどお話しした通りで
本当にそんなに美術展とか
美術館にそもそもそんな行かないけど
ちょっと面白そうだなっていう人も
見に来て欲しいなっていうのはあったんですけど
でも普段美術館によく行っている方が
こういう天羅会の見方もあるよ
っていう風に思ってもらいたいなと思ったんですよ
なので出品作決まりましたの後に
いろんな中野さんに新たに文章書いてもらったりとか
学芸人の人に解説
通常だと画家に関する解説とか
絵についてあんま触れないとか
そんなに深掘りしないところを
作家に関する説明はいらないので
作品にどういうものが書かれていて
どういう背景があってとか
そういうところの深掘りをできるだけ書いてほしい
みたいなリクエストをして
文章は長くなるけど
ある程度読んでもらって
作品を見てまた読んでもらって
っていうことを意図的にやりたい
っていうことを美術館にお伝えして
それでやろうってなったんです
でもそこまでやっぱり
普段美術館に行かない人が面白そうだって
39:02
来ないだろうなと思って
ある日この兵庫県立美術館のチラシと看板が
出だしたのが多分1ヶ月前だったと思うんですけど
ツイッターでコアA展が結構バズってるみたいな話になって
なんだなんだっていうことで
主催者からみんなざわついて
見たら兵庫県立それぞれの作品にキャッチコピーを付けていったんですよ
展覧会の会場で作品と作品のキャプション解説とともに
キャッチを付けていったんですね
それぞれにキャッチコピーを付ける
それを結構美術館でみんなでいろんなキャッチを考えて
何がいいか何がいいかっていうのをキャッチコピー会議みたいな文化になって
その中でレディ・ジェネ・グレイの初見に
兵庫県立美術館の岡本さんがどうしてっていうキャッチコピーを付けて
4文字だけのシンプルなやつ
それを確かあれは最寄駅の長駅の駅の看板に
どうしてっていうジェネ・グレイの作品とどうしてっていう
処刑されそうな女の人とどうしてっていうフレーズを
誰かがそれを上げたんですよ
それがバズってすごく話題になってそこからすごい火がついて
この展覧会なんか面白そうみたいになって
開幕前にものすごい前売り券が売れたんです
展覧会がオープンしたら
それまで半信半疑だったんですけど
すごい若い方が美術館に来たの初めてですみたいな方がすごく来てくださって
それで本当にちょうどあれって言って来て
その日の流れでそのまま東京会場も一気にブレイクしたみたいな感じになります
本当カップルが多かったのが印象的ですね
多分僕NHKの番組で
なんでこの展覧会が人気あるかっていうのを僕が解説するみたいなので収録も一緒にしてもらって
その時に言ったんですけど
大体展覧会ってカップル女性が好きな人がいるわけですねまず美術館
カップルで行くって言う時に大体男の方は
自分がバカと思われたくないから
印象派な人が言われても興味ないふりして俺行かないって言うんですよ
で断るから結局女子一人で行くんだけど
42:01
この小平田はこれ断ったらバカと思われるよりも
こいつビビったなって感じちゃうから
これは男の見えで小平田に誘われたら
行かざるを得なかったっていうのは結構大きかったと思うんですよね
タイトル良かったですね
タイトル良かったと思います
これはだからもう想像以上に入った
本当に嬉しかったですね
しかも小平田があってから今年で例えば怪しい江戸とか
そういうキャッチーなタイトルの展覧会増えたなっていう
ざわつく日本美術とかあったりするのは
そのこういう点が結構走りがすごくエポックメイキングな展覧会だったなっていう
ありがたいです。そう言っていただけたら
本当に一番準備には時間かかったんで
でも準備の時間と比例しないじゃないですか入場者数っていうのは
必ずしもこれすごく苦労
作品借りるのも苦労しましたし
でもどういう風にお客さんに見せるのがいいのかっていうのも
本当にいろんな人の意見を聞いて
いろんな人でも本当にディスカッションしてやって
もうこれでこれ以上ないだろうみたいな感じで
みんな絞り切って出したのが本当に評判良かったんで
もちろんもっと作品がとかいっぱいあったんですけど
あれも本当は惜しかったとかね
あれが借りられたらもうちょっと展覧会としてのクオリティが上がったのにとか
っていうのがたくさんありましたけど
でもなんかこの形で一つ完成させられて
見てもらえるっていう
完成できたのが良かったですね
はい、ということで今仕込んでる展覧会の告知が始まってますよね
1月22日から東京都美術館で開催されます
ドレスデン国立古典絵画館所属ペルメル17世紀オランダ絵画展
これも担当というか準備されているんですかね
今まさに準備をしております
この展覧会は美術ファンの間ではもう話題になっておりますけれども
どの辺がまずお勧めかというのはぜひぜひ
これはですね、すごくこう通常の展覧会とはちょっと異なる背景がありまして
遡ると2018年にペルメル展を開催したんですけど
その時にこのドレスデンと出品交渉をしていて
もともとこのドレスデンにはペルメル2点あるんですけど
そのうちの1点を2018年にペルメル展に貸し出しOKだよという返事をもらってたんですね
難易度が増えてたんですけど
ある時急にちょっと難しくなったと、貸せなくなったと
45:01
で、それはどういった理由かというと
実はその作品が今回来ることになった作品なんですけど
もともとこの窓辺で手紙を読む女っていう作品の
女性の壁ですね、後ろの壁に何かが描かれているってことは知られてたんですね
ただそれは塗りつぶされてたので
ペルメルが一旦描いたけど自分の手で塗りつぶしたんだなというふうに解釈されてたんです
自分がこれ気にならないなと思って最初に仕上げとしてってことですよね
結局は中画があるよりもない方がスッキリするかなみたいな感じで消したというふうに思われてたんですね
それがずっとただペルメル自身が消したものなのか
誰か、後世の誰かによって消されたものかというのはわからなかった
別の所有者が買った、こっちの方がいいなってやっちゃったかもしれない
でもそれはもうわからない
それがその後いろんなテクノロジーが反転していって
作品をより深く調査研究できるようになって
2017年に、それまでずっといろんなレイヤーを調べる研究がされていて
最終的に2017年にこの作品を塗りつぶしたのはペルメル自身ではないという結論を出したんですね
ということは何者かによってこれは塗りつぶされたので
もともとのペルメル自身が書いた、もともとの作品の姿に戻そうというプロジェクトが始まったんですね
それがあるから貸せないということなんですね
そうですね、それが決まったから貸せない
ちなみにこの作品は日本に来てますもんね、3年前に
西洋美術館で僕は多分それ見てるんですよ
そのやつがもう一回来るよってみんな思ってるけどじゃなくて
生まれ変わったもの 全く違う姿で
ただもともとペルメルが書いた作品の本来の姿で来るというんですね
これちょっと不思議だなと思ってたんですけど
その途中の段階の画像とかも結構リリースされてましたよね
上半分戻ってますみたいな
で、最近全部戻り出したってなった
今、NOWで修復してるわけですよね
もう完了してますけどね
これって日本が見ていいんですか?
まずドイツでお披露目がある
9月からドイツでお披露目展があって
その後、それが1月上旬で終わって
48:01
その後東京に行きます
ドイツの次の一発目がこんな直ったばっかりの
これは本来はドイツのお披露目がもっと前だったんです
コロナで伸びて伸びてここにはまったんです
でもこれ借りれるのは結構早い段階が決まってました
それが決まってました
そうなるとこれ借りれるって分かったんですか?
2010、じゃあそのフェルメイトには出せないけど
何段か出して借りれますってなって
こっから展覧会組み立てるんですか?
じゃあ他回り?
もうこの1点、修復後のこのフェルメイトの作品を
日本に貸してもいいよいいよっていう返事をいただいて
じゃあこれ以外の作品どうするかみたいな
展覧会としてどういう風に形付けるかっていうのがその後の話ですね
何年くらい準備かかって、これ1月?
フェルメイル展の準備で行ってた時、行き始めは16年とかですね
ただその展覧会として準備が本格的に進んだのはもう2019年以降ですね
これ以外の作品はすごい考察が大変だったんですか?さっきの話
それ以外はドレスデンの古典絵画館の所蔵作品の中でのキュレーションなので
ドイツの館の学園が基本的にはセレクションしてっていう形なので
そんなに大変ではないです
小割り絵っていうことで大変ではないです
もちろん皆さんこのフェルメイト楽しみだと思います
ところもキュレーション大変だったよとか、もしあればぜひ
これはですね、なぜこの作品が修復されることに至ったかっていう
そこの過程を、調査の過程をやっぱり知りたいじゃないですか
気になりますよね
何故にこれフェルメイルじゃないってわかったんだって
確かに確かに
何を見てそこまで反応できるんだっていうのを
そこを明らかにしないといけないので
そこを丁寧に説明したいなと
ですのでそれがわかった上で
なるほど、これだから修復するっていうことになったんだと
雰囲気でやったんじゃないっていうことを
ちゃんと見ていただいた上で
作品も生まれ変わったフェルメイトの作品を見てもらう
っていうふうにしたいなと思っています
結構今のところの感覚だと
周りの人の話だと修復しなきゃよかったのかっていうのが結構多い
なんかあの、どっちかというと
3Pでいうとピンクがちょっと変わってるけど
これやっぱ説明聞くと納得できると思うんです
51:02
そうですね
結局フェルメイルの作品って35点しかないって言われてますけど
現存するのは35点って言われてますけど
同じように絵の中に絵を描いている作品って結構あるので
そこを他の作や日本に持ってこれないですけど
それとの対比をさせながら
「あ、なるほどね」というふうにちょっと
そうか、でも今聞いたことがあった
そう考えるとフェルメイル自身が描いた絵だってことですから
あれですよね、一点増えたみたいなのもあるんですよね
そうですね
今まで見えてなかった絵が35点しかないフェルメイルの中の
画中画で一点が増えたみたいな
結構前天踏破とか目指している方いらっしゃるので
新作出たよ
新作出たよみたいな
それがなんといって東京都で見れるということですので
ぜひぜひお楽しみに
そうですね、これは東京の後
北海道、大阪、宮城に10回します
ぜひ見ていただきたいなと
見ていただきたいなと思います
ということでそろそろエンディングの時間がやってきてしまいましたけれども
いろいろ用意していただいたのに申し訳ないです本当に
いえいえ、もう十分
こんな機会をいただいてありがとうございます
ぜひぜひ
今他にも出し込んでいるのがあるということですよね
ありますね
これから先も
ありますね
案件だけでいうとやっぱりジョージ
そうですね、6点は
本当ですね
本当にまだまだ本当に水面を潜り切ったところで動いているものから
ちょっと浮上してきたものまで
もう本当にリリースされているものまでありますけど
そうですね、今現在は7個ぐらいですね
これだから僕はもう藤本さんと仲良くさせてもらっているから
藤本さんが直で連絡きますけど
この番組聞いて藤本さんの展覧が興味持ったという方は
どうやって調べたらこれ藤本さんがやったのか分かるんですか
日本ではあんまり展覧会プロデューサーの名前が出ないじゃないですか
わからない
下とか後ろとか出てこないから
なんか展覧会の方にこそっと書いてあったりするんですか
唯一出るとすれば
展覧会図録の裏に名前とか書いてあったりない時もありますけど
いうぐらいですね
県議にはそんなには当てない
でもこれまでの産経新聞時代も書いてありますよね
書いてありますね
でも家にある図録をチェックしていただいて
ここにも藤本の名前が当たるかもしれないので
もしかしたら展覧会の見方が少し変わったんじゃないかなと思いますので
そんなと嬉しいです
ありがとうございました
はい、ということでこの番組は不定期配信です
54:00
各種ポッドキャストサービスのフォロー・購読をお願いいたします
感想、ハッシュタグ「そろそろ美術の話」を
今後聞きたいテーマやゲストは番組ウェブページまでお願いいたします
今回みたいに学芸員さんやアーティストさんじゃない方にも
これからいろいろ来ていただきたいなと思っておりますので
そういうリクエストもぜひぜひしていただけたらと思います
♪~