段ボールの作品が湿気に弱いことに気づきました。
強制終了だったら。
知ってたよね。きっとね。湿気に弱いのはね。知ってたよね。
いやいやいや、言われてみたらですよ。
それはもう今は湿気は対策はできるようになったんですか?
いや、できないですね。湿気対策はしないってことになりました。
結果として。
結果は受け入れる。
で、湿気ででも吸っちゃって、でも夏に出す。
その時にちょっと形がまたちょっとだけ変わる。
そうやって呼吸することによって生きてるっていうのが段ボールを尊重するやり方だから、対策しないほうがいいんだって思ったんです。
でも日本の木造家服もそういうもんね。そういうことだよね。
呼吸してるからそれで同じように生きてるし、そうすると呼吸させるとやっぱり劣化してく。経年変化してく。
で、太陽の光浴びると紫外線で薄くなるし、そういう結構早くから薄くなっていく色が。
そういうことも分かって、だから一緒に過ごしてるんだっていうか、老化してるっていうか年を重ねてるっていう風に受け入れるしかないって思った。
それを食い止めようとすると何か塗りたくらなきゃいけなかったりとかするから、そうすると色が変わっちゃったりとか、
段ボールらしさがなくなるし、段ボールを使う作家としてなぜそれを使うかっていうところをもうちょっと考えなきゃいけないってなったときに、
この腰段ボールが呼吸する、劣化していくところを作品として受け入れて作品化していくっていうことが一番綺麗な形かなっていうのにたどり着いた。
僕もこの前、いわゆるギャラリークルーズですか?
友田さんのギャラリートークの中で色々な話を聞いて、うんうんって聞いた中で印象的だったのが、メンテナンスは私が生きてるうちやりますからっていう人。
それは作家としてのすごい力強さな感じだった。
嬉しい。木造とか神社とか寺とかもやっぱり直すじゃないですか。
そのまま保存するっていうことをしないっていうことでできないとも言えるし、そういうものであっていいのかなって。
だから私もあんまり売買されないんですけど、作品。
これは大きな特徴です。
なるほど。
メリットでありデメリットであるんですけど、売買しないから全部自分で収蔵してるんだけど、
だからなんでされないかっていうと、美術館にも収蔵しにくい。
どうなるかわからないし、そんなに何年保存できるんですか?
わかんない。15年しかやってないから。
確かにね。
でもなんかおばあちゃん家に昔からあった段ボール引きずり出したら、そのまま形は保ってて、でも虫がちょっと食ったりとか、場所によってはかびたりしてる。
あれと同じですよっていうことだから。
よっぽど換気がされてる収蔵庫だったら全然大丈夫だと思うんだけど、学芸術館はもちろん怖い。
怖いから受け入れられないっていうことなんでしょうね。
そうか。でも依頼としては、そういう企業とかから作ってほしいっていう依頼は結構来るってことでしょ?
そうなんです。その時にどう対応するかってなって、呼吸するんで壊れますからなんて言えないし。
そうなると、段ボールの造形の特徴は大きなものが結構手早く作るんですよ。
早い作るの。それが最大の特徴で、大きなものでも空洞だし、作り方がわざわざ詰める必要がないっていうものだから空洞になってるんだけど、
そうすると大きなものを短時間でどんどんどんでできる。
でも時間をかければかけるほどやっぱり手が入るから段ボールの厚みが出てくる。
そうすると頑丈になって重くなる。
動かそうか倒そうかなんでもないって頑丈なものができるんだけど、手早く作れば作るほどやっぱりちょっと運ぶときにビリッとなったりっていう。
かけた時間と、時間というかどれだけ手を入れたかっていうので頑丈さが決まるってことがわかった。
だからもう納品するってなったら結構ちゃんと手を入れてガチガチに作るっていうことになるっていう。
そうやってガチガチに作れば結構な強度は保てるんだ。
だから全然大丈夫。
ちょうどね、2011年ですよ。作ってたの。3月の12日納品。
あらあら。
そう、まさに。で、あ、うそ、14日。
すみません、14日。
前半で言った、とある会社に頼まれた像を作ってほしいだとかキリンだとか。
納品日が決まってて、さあもう納品だって言ってキリンのお尻だって立てかけてて。
で、地震があったから、わーって見に行ったら倒れてたんだけど、全然平気。
へー、そんなに強くない。
だから、深度5度に耐えられるっていうお墨がついたの。
なるほどね。
これね、全然大丈夫だったって。
だから強度バッチリっていうことがわかった。
へー。箱舟って重さはちなみにどれくらいなるものですか?
重さはやっぱり入れれば入れるほどだけど、自分が持てるぐらいでは止めてて。
だから、何キロ持てる?100は持てないかな。
まあ、そりゃそうでしょうね。
でも、持ち上げるというよりかは、毛布引いて乗せて引きずる。
で、台車に乗せて何とか斜めにすればトラックがズルンとかって行くんですよ。
全然いけんの。
持ち上げられないって言うけど、全然いけんのね、テコの原理使えば。
うんぽんみたいな話で。
作家だからできるわけで、業者さんがそれやったらちょっとえ?ってなるよ。
なんか何でも一人でやらなきゃいけないって思ってるから、そういう作を見出して全然できるっていうことがわかって。
これがチームとかでやってたら重い。石とかだったらチームじゃないと動かせない。
そうなると、そもそも一人で運ぶって考えじゃないから、いろんな運び方の手段があるけど、
そもそも一人でやってるから、一人で運ぶ手段は知ってる。
あー、そっか。
でも、郵送の時にはちゃんと運ぶスタッフの人が、2,3人でひゅーって。
一人で引きできるとか思うけど、みんな丁寧にどこ持っていいんですか?みたいな。
その辺でとか言いながら、ちゃんと運んでくれるっていうね、そういうことができます。
でもだってもう15年もやってて、仕事もそれなりにいろんなところで呼ばれてるから、アシスタント雇うはなかったの?
いやー、なんかね、ないかな。
じゃあ今後も一人でやってる?
なんか雇うとなると、その人の面倒を見るし、やっぱりどうなるかわからないし、
っていうかその必要性がまなくって。
へー。
なんか自分のできる時間の中で、これを完成するための方法を考える。
だからできないことがない。
なるほどね。
で、この恐竜を作ってくれって期限は2ヶ月ってなったら、じゃあ2ヶ月で作るために考えればいいだけで、
だってやったことないから、基本的には5ヶ月なんてできませんってことはなくて、
じゃあ2ヶ月ですねってミッション。
え、じゃあ結構仕事は全部断らないタイプ?
だし仕事は断らない。
おおーすごい。
基本的に全部受けて、どうしてもかぶっちゃって、バッティングしたときは、
日程変えてもらって、全部をやる。
それが全部多分課題で、私のミッションでやることによって成長してきたから、この15年が。
だって断る理由がないっていうか、できませんは言えないし、
だったらやるしかなくって、できますとりあえず言う。
そこから考えるみたいな感じのやり方ね。
なんかそこはわかるっていうか、
俺も1回も仕事断ったことないし、無茶振りされてもやりますだったんだけど、
最初のときに自分の気持ちが湧き立つからやれるみたいなのあったじゃないですか。
俺はそこは意外と自分が気乗りしなくても、まあいいかやるかって思えるんだけど、それは大丈夫?
そこはやっぱりあるときやってくる。
やっぱり?
それはやっぱりそろそろもう造形方法確立して、
これはいける2011年になってる。
そこからはだって、もう1回いくらかで売れてるから、値段がついちゃってるから、
そこから先はやっぱりお金とも相談になっちゃうんだよね。
そうだよね。
でも質的に名前知らない、ダウンホール立体作ってる子で、
安くやってくれるだろうって来るから、それに対してどう立ち向かうか。
すごいね、なるほどね。
プロフィール並べたところで、知らないでしょ、美術界隈じゃなければ。
たまび出たくらいしか何の取り柄もないっていう。
そんなことない。
何のある賞もらってるわけじゃないし、
いざ行ってみたら途端の屋根だったりとか、
いざ行ってみたら隙間産業みたいなことをずっとやってきて、
それをミッションとして技術上げてきたから、まだまだ断るはできないけど、
それでやるの?みたいな時はありますけど、
でもその課題を自分に寄せる術はある。
それは偉いね。
言ってきたことをやったことない。
恐竜が一番大きいけど、恐竜作ってほしい。
恐竜は一体持っておくといいなって思った。
武器として?
武器として。
恐竜作れるっていうの?
作れるっていうこともあるし、
一個大きいの持ってたら、これはちょっと食っていけるなって。
一番大きなネタなんですよ、私の。
一本持っておくといけない、絶対受けるやつ。
それを作らせてもらえるチャンス。
鉄板ネタね。
鉄板ネタをビビタル予算でも出て作らせてもらえるなら、
後じえの沈力でなると。
なるほど。
なるから、じゃあやる、やります、何でもいいって言うから、
じゃあ難しいやつだってなって、
首長竜だって、ブラキオザウルスだって。
それで作るようになるんだ。
ブラキオザウルスなんて絶対難しい、長すぎるし。
首はどうやって自立させるんですか、そしたら。
どうしよう、私。
とりあえず細長いんでしょ、っていうやつ。
段ボールをこんなもんかな、それを棒にして顔みたいに細長いものはできる。
尻尾、細長いものができる。
同じ足、細長いものが6本できて、さあどうしようってなるっていう。
胴体がやっぱり2メートル超えのでっかい筒を作らなきゃいけない、胴体の部分を。
それに差し込んで立てるってことは結構なしっかりしたものじゃなきゃいけないから、
そこで初めて中の骨組みを作るってことになったよ。
首の中のってこと?
胴体の骨組み。
首はただただ段ボールの筒状のものだった。
筒にすればいいから。
お話をお送りしたいと思います。
始まったよ。
じゃあさらっとでいいんだけど。
美術館に呼ばれるようになったのはどのタイミングだったんですか?
初美術館は10周年の2016年のタイミングで。
岡崎世界子供美術博物館。
あそこからの依頼で古典だったの。いきなり。
すごい。
いきなり古典だ。
あそこも結構広い。
奥の展示室も全部使って。
いいって言うから。
ありったけの作品持ってって。
そこのために大きいのを作らなきゃいけない。
さらに作ることになるんだけど。
初でいきなりバテキされて。
しかもその時期は岡崎市市政100周年。
すごい。岡崎市の方でしたっけ?
違う違う。
縁のゆかりもないんですが。
たまたま100周年何やろうで沸き立って予算ありますの時に。
たまたまテレビなんか出てて。
そのテレビを見た岡崎市で色々仕切ってる校長先生が。
この人だってなって。
学芸師さんとかじゃなくて校長先生?
校長先生が岡崎市の子供美術館にこの人をやってって。
すごい力を持ってる人がいたんですよ。
その時期に野外で造形パラダイスっていう岡崎市内の小中学校全員の野外展。
それも格下のことになり。
そうこうしてたら。
市政100周年で何やって欲しいかってミッションがあって。
小中学校の野外展全員展は岡崎っ子展っていうのがとても有名で。
何十年も続いて大々それがとても有名な愛知県で。
なんだけど幼児の部がないっていうのがずっと気になってて。
やりたいって。そこやってくれって。
じゃあ幼児何人いるんですか?
年長さん?3300人。
ちょっと桁が違ったな。
3300人?
聞いたことない。
じゃあやりましょうって。
3300人と玉田滝手にしようって。
すごい。
やりますって言ったの。
すごいね。やっぱそれはすごいわ。
さすがに俺でも3300よ。
300でもびっくりしたけど。
言ったんだ。
でもよく考えたらそこが所属している保育園に幼稚園があって。
それが結局何十円かある。60円ぐらいあるかな。
その先生たちにレクチャーしてそこから持ち帰ってもらって各子供たちに作ってきてもらうっていう形にしようって。
先生ワークショップをやるんだけど。
一緒に展示するから。
一人分の大きさはどれだってなって。
一人分がはがき台ってことになった。割り出すと。
とは言っても3300枚のはがき台が。
でかいでかいでかい。
それで壁を使ってくださいって。
それこそ立ち戻った大学生のときに作ったレリーフ状の作品。
あれをやってもらおうってなって。
園児一人はがき台ぐらいので。
レリーフ状で好きに作ったものを園児一つの形にしてまとめて鯨とかでもいいから。
で海だった。
でイカとか何でもいいのでそれにペタンっていう平面で出してくださいって。
それを60何点を壁にとにかく貼りまくるって。
へー。
それで収まったの。
すごい。でも圧巻だった。
圧巻でした。
でも自分も寄っては見たもののどうなるかわからないわけじゃない。
出来上がったものを見たら感動的でした。
いくらもらえるのかなーってちょっと思ってたのさっき。
私はこのミッションを一旦いくらでやらされるんだろうかみたいな。
美術館っていくらくらい?
2年前から抑えられる。
2年前からもう。
予定やね。
2,3年前からこんなことやりますのミッションの。
もうそうなると岡崎市の担当者がついて。
その人が事細かくスケジュールを管理してくる私の。
それのためにマニュアル作りをやってくれたりとかずっと来る。
それをずっと管理して。
私はいったいいくらもらえるのかわからない。
そんなにいくらですかなんて言える立ち位置でまだ2016年なんて。
まとまった額もらいました。
よかったよかった。
ほんとによかった。
もらった?
もらった最後。
ちょいちょい聞いた。
4世紀100周年ってやっぱり予算大きいんですかね?
よかった。
最初的に岡崎市の闇を斬るみたいな回になるのかと思っちゃったよ。
違う。
番記者みたいな回になるのかと思った。
なんか怖かった。
よかった。
でも何を隠そう。
その時の学芸員がすごかった。
全部託してくれて。
でもそれはいいね。
この勢いで仕切りたがりの感じだから。
玉野先生全部どうぞやってください。
好きにやってくださいみたいな。
なんもやらないんだねみたいな感じですけどね。
やるもんなんだって初めてだからビジネス学校。
確かに確かに。
やるもんなんだって図面から全部書いたもんね。
でもそれはなかなか効かない。
だって今回の展覧はさすがにやってくれたでしょ?
私が書きましたけど。
書いた?
学芸員さんちょっとこんな配置かな。
そんなんじゃダメだなと思って。
結局自分でいられて全部書いて。
でも自分でやるほうが合ってるんでしょ?
合ってる。
それをやることで空間作りがあってイメージをして。
じゃあどんな雰囲気でどんなテーマで。
でタイトルどうだって。
全部込みでじゃないと。
作品を作ってそれを置くだけじゃない。
私の展覧会の特徴は作品を綺麗に置くことじゃなくて空間をどのように味わってもらうかっていう。
空間作り全部が作品だからやっぱり全部のイメージが入らないと何も思い浮かばない。
どのラインナップでどんな環境で見てもらって最後どんな気持ちで出てってもらうかっていうのを全部計算したい。
それを作ってて初めてタイトルがふっと思い浮かぶみたいな。
じゃあ今回の展覧会のコンセプトがまず先なんだ。
うんコンセプト先です。
今回のコンセプトはちなみに。
今回のは一つ一つの作品が部屋なんだけどその部屋を絵本のページをめくるようにめぐっていってほしい。
この部屋ではこれする。この部屋ではこれする。
ちょっとミッションとかあって。
ちょっと体験できる。
体験して注文の多い感じだったりとか。
いきなり山かな森かなと思ったらザブーンと海の中に入るとか。
最後なんか作家の部屋でこんな人だったんだって終わるみたいな。
完全スプラッシュマウンテンをイメージしてるわけですよ。
落ちるの一回。ジャングルクルーズじゃなかったの。
ワーってなって最後ワー楽しいって帰るって。