絵を描くきっかけとなったスカート
アートテラートニーのそろそろ美術の話を。この番組は、私アートテラートニーがアートに関わる方をゲストにお迎えして、トークを繰り広げるポッドキャスト番組です。
本日はアーティスト、今井俊介さんをゲストにトークをしていきたいと思います。
ということでご出演いただきましてありがとうございます。 ありがとうございます。今井です。
お久しぶりです、みたいな感じですね。 そうですね。どれくらいぶりですかね、あれ。去年。
去年ですよね。 この番組の準レギュラーでもある天野さんのお誘いで飲み会になられると。 そうですね。一緒に飲みましたね。
あの時、天野さんの記憶がなくなったみたいな話も。 ああそうなんですね。
酸茶ですよ、酸茶で。飲みましたもんね、その時以来。 その時に番組に出演していただきたいというお話をさせていただきまして、今日はよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。 多分その時にあれですよね、僕が丸亀で、丸亀の井上芸次郎美術館でやってた展覧会見た後で、
で、今度これが東京フェラーシティに行くっていうので、そのタイミングで出てくださいみたいなことを言ってて。
今もうちょうど始まってるとですね、フェラーシティアートギャラリー会。 ということで、まずはその展覧会の話をぜひぜひしていきたいなと思っております。
展覧会はいつから始まったんでしたっけ? 4月の15日にオープンしましたね。
で、6月18日まで開催して。 6月18日まで開催して、2ヶ月ちょっとというわけですね。
展覧会のタイトルがスカートと風景ということで、なかなか意味深なタイトルですけれど。
スカートと風景って全然繋がらない言葉なんですけど、僕にとっては結構大事な言葉が2つ。
これは今井さんが名付けたんですか? そうですね。 スカートと風景。 じゃあぜひその辺をまずは聞いてみたいと思います。
僕の絵って、旗がなびいているようなっていうふうによく言われるんですけど、そういう作品を作り始めたきっかけになったのが、
ある女性が履いていたスカートを目にしたことだったんですね。 それを見て、当時、どうこれから絵を描いていけばいいんだろう。
何が自分にとって面白いんだろうと思い悩んでて。 学生時代ですか? いや、卒業して大学院を出て、5年経って助手として大学にまた戻ったんですね。
結構悩んでた時期は長いってことですか? まあ、この方法でやっていけば絵は描けるのは分かったんですけど、
それが果たして自分にとって面白いのかどうか、よく分からなくなっていた時期に、そのスカートがパッと目の中に入ってきた。
それで、ああ、こういう面白いっていうか、こういう綺麗なものがあるんだったら、これそのまま描けば絵になるなーって思ったのが、きっかけで今の作風に進んでいったと。
そのスカートもやっぱり普通のスカートじゃなかったって言ったら無地とか模様があったってことですか?
赤とか黒とか黄緑とかの。 ちょっと派手なスカートが入ってましたね。 そうです。格子柄の結構ドレープがゆったりしたスカートを
見て、「うわーすごい!」って思ってしまって、もうこれ一回描いてみよう。 えー、それはでもその人に知り合いだったんですか?
学生だったんですよ。女子として僕がいて、学生としてその子がいて。 だからあのスカートを僕があの時目にしなかったら、多分今こういう絵描いてないんだろうなと思うぐらい、僕にとって大きな出来事で。
だからスカートというタイトルは絶対つけたいな。 ちょっと興味本位で聞くんですけど、それはその女の人に君のスカート描かせてくれって言いに行ったんですか?
でもその場で、ちょっと写真撮らせて。 大丈夫でしたか? 話だけ聞いてると。 時代が時代なので許されたかもしれないですけど、今やってる相当ヤバいやつだなと思いますけど。
けどまあちょっと面白いなと思ったから、写真撮っていい?って聞いたらいいよって言うから。 同意の上で? そう同意の上でちょっと動いてもらって、それを写真に撮ったというところからスタートした。
それはでもそのスカートの柄というか、もう最初からその段階だったんですか? でも全身像でスカート履いてるじゃなくて、もうトリミングした感じだったんですか?
いやなんか、スカート、その日掃除か何かしてた日だったと思うんですけど、結構長い時間一緒にいたはずなんですよ。他の学生も含めて。
でも全然最初は目に入ってなくて、疲れたねーって言って休憩をしてる時だったと思うんですけど、ふとそのスカートが目の中にパッと入ってきたんですよね。
だから全身、その時その子が上何着てたかとか全然覚えてないですね。 そのスカートのことだけが何か覚えてて、
これ描かなきゃいけないかもしれないっていう感じですね。 なんか芸術家だったからよかったけど、ここだけ話し切りしたら結構なのに。
でもスカートと風景ですもんね。
タイトルに込められた意味
風景っていう言葉を何か使いたいなーってタイトルを考えていた時に出てきて、もともと池間優子さんっていう女性のシンガーソングライターの
「あなたの風景になりたい」という曲があるんですね。 曲の内容とかは全然いい曲ですけど、大好きな曲だし。
曲の内容が自分にとって大事っていうよりも、あなたの風景になりたいっていうその言葉がすごくすごい言葉だなと。
あなたにとって目に映るものであり続けたいみたいな。
目に入ってきて、風景ってぼんやりぼーっとしてると別に風景だと思わないと思うんですよね。
風景だなって認識する瞬間があるっていうか、そういう感覚をうまくタイトルに入れられないかなと。
僕がスカートをその瞬間、風景の一部だと思って目にしたから多分そのスカートが目に入ってきて
お客さんたちが展覧会の会場に来て、僕の絵を見てるような見てないような空間を見てるような、よくわかんなく歩いている中で
ふとなんか目に入ってきて、それがすごく強い印象として残ってくれたらいいなっていうか。
このスカートと風景っていうタイトルになったと。
最初すごい評判悪かったんですけど。
どこ界隈で評判が悪いんですか?
タイトルを決めてる段階でですね、いろんな人に相談したら
スカートと風景を繋ぐ間の言葉があった方がいいんじゃないかとか。
絵の制作過程
評判が悪いっていうか、いろんな意見をいただいて、確かにそうかもしれないけど、スカートと風景を繋ぐのがあなたであればいいんじゃないのかなっていう。
そういうのでこういうタイトルになりましたね。
これ今おっしゃっていただいてなんか踏み落ちたのが、よく多分今井さんって抽象画の画家みたいに言われることが多い気がするんですよね。
あれは抽象を描いてるつもりじゃなくて風景なんですね。
風景だったり具体的な対象があって、それを描いているっていうのが僕にとっては正しい。
ですけど、もちろん抽象画っていうものの成り立ちだったり、そういうものは意識しながら。
そういうものとどうずれていけるのかとか、同じことをやっても答えが変わってしまったり、
全然違うことをやったつもりが近寄っていってしまったりとか、そういうことを一つずつ自分の中で確かめていきたいなと思いがって、こういう絵を描いてますね。
この絵の説明を、リスナーさんのためにも、どう僕が説明したらいいんだろう?
カラフルでって思ってたけど、やっぱり布が温めくような印象があるんですけど、これはじゃあ、どういう過程を経て描いていくんですか?
まずもう完全にオリジナルで描くのか、それとも布がそこにあってそれを描くのかで言うと、どういう段階を経ていくんですか?
展覧会見てもらうと、最後のコリドールって廊下みたいなところで、ある作品を最初から最後まで制作過程を写真で見せてたりするんですけど、
そこを見ていただくのが一番わかりやすいと思うんですけど、まず最初にランダムに柄を作って、
これはもうパソコンでってことですね。
パソコンでですね。それを出力して、ぐにゃぐにゃ歪ませたりしながら写真をすごいたくさん撮って、
パソコンの時は平面?
平面なんですよ。だから歪んでないでしょ。直線と正円だけで構成されている状態のものを作って、
それが歪むことで、形も変わるし、そこに空間が出るような出ないような、前後がわかんなくなったりとかっていう作業をしながら、
それをじゃあどこを切り取ったら絵になるんだろうなというのを考えながら、何を描くか決めていくっていう感じですね。
決まったものをキャンバスに写しているっていうのが正しいのかなと思います。
結構めんどくさい作業なんですよね。パスってやってることが。
まあめんどくさいと言えばめんどくさいですけど、その過程が僕にとっての制作なのかな。
キャンバスに向かって絵の具を塗っているっていうことよりも、その前の過程の方が大事なのかなと思います。
せっかくだから段階をそれぞれ紹介していただきたいなと思うんですけど、最初のこのテキスタイル的なのを作るときは、
完全にオリジナルで作るときってランダムなわけじゃないですか。そこは結構スパッと決まるんですか?
それとも結構うんうん鳴りながら配置を考えたりとか、そこはどういう感じですか?
完全にランダムではないですけど、その段階でカチッと決めてしまうと、歪ませたときにそれが崩れてしまうわけで、
だったらある程度の形でいいか。まあいいかって投げやりに聞こえますけど、そこをその辺で決めていくって感じですね。
あとはそれを歪ませたり切り取ったりっていう段階を相当長いことやっていますね。
その歪ませるのを自分の手でこう歪ませて、壁に貼ったりとか。
これだっていう瞬間はどういう時なの?結構ビビッとくるもの?それとも結構鳴る?
いや、その歪ませるのも結構ランダムです。テープでどんどん止めていって、できたのをいろんな角度から写真を撮るっていう。
その写真で決めるんですか?これいいなみたいな。
そうですね。何百枚もできた写真から、この辺を切り取ったら面白いかもしれないとか。
この歪み方してるから、ここの色とここの色が繋がって見えるなとか。
そういうのを探しながら何を描くか決めるっていうのが。
で、決まるじゃないですか。
作品のサイズってマチマチじゃないですか。手ながら見させていただきましたけど。そこで決めるんですか?
この作品はこれぐらいのサイズがいいなとか。
僕はサイズを先に決めるんですよ。
キャンバスのサイズを決めて、じゃあこの作品にはどの絵がいいのかとか。
あとは展覧会があれば、この横にこういう絵が来る予定だから、この横にはこの大きさが欲しいってのがまずあって、
この絵に対応するように、じゃあこういう色が多めがいいなとか、そういう決め方をしていますね。
写す作業になるじゃないですか、最終的には。
僕も展覧会見させてもらって、その制作過程の写真がバーッとあって、見てびっくりしたんですけど、結構細い筆で描いてる部分とか。
すごく失礼な方かもしれないですけど、抽象があって簡単にやってるとは言わないですけど、ささっとやってるように見える人もいると思うけど、
めちゃめちゃ細かい作業してるんだなって、結構写真見て相当びっくりしたんですけど。
そうですね、爪楊枝より細いぐらいのフリで塗ったりしてますからね。
手作業にこだわる理由
でも手作業にこだわる理由ってのはあるんですか?
やっぱり海外の憧れっていうのはまずあって。
僕は大学に入って絵が下手だし、周り上手い奴らがいっぱいいたので、絵じゃないのかもしれないなと思って、
いろんなことに興味を持ってやってるうちにもう一回美術に戻ってきたんですけど、
だからいわゆる絵の具を置いて、いっておいて次それを見ながらどうしようとか、いわゆる絵と対話しながらみたいなことが全くできなくて苦手で。
作業として絵が描けるようになればそれが僕の絵になるんだろうなってやり始めて、
もちろんマスキングテープを使ったこととかもあるんですけど、やっぱりエッジが、色の境界線がすごく均一になってしまう。
揺らぎがないっていうか、手で描いたからこそバグが起きるとか、そういうものを拾っていけたらいいなーっていうのはあって、手で描いてはいますね。
絶対聞かれる質問なんですけど、どのぐらいかかるんですか?作品のサイズによっても違うと思うんですけど。
サイズとか、絵が細かいかざっくりしているかでも全然違うんですけど、数時間で描けるものから1ヶ月ぐらいかかるものまであります。
サイズはあんま関係ないっていうか、細かさの方が。
50センチ、40センチぐらいの細かい絵1枚描くのと、210センチの264センチっていうのをざっくりして描くの、どっちが早いかって言ったら、大きい方が早いですよね。
それはもう作業的な問題でしかないので、あんまり僕にとって重要な話ではないんですけど。
描けるやつは数時間で描けます。
でもその作業で面倒くさいなと思ったりはしないんですか?やってる時とか。
思うこともないと言えば嘘になりますけど。
それをやることで起きたエラーとか、
今日、昨日より質度高いから乾きが遅いなとか、絵具の水を混ぜる分量をもうちょっと減らせばよかったなとか、そういうことが起きてくるんですよね。
でも水が多すぎて、こういう塗り方しかできない。
これ、意図的にやってる技術になるよなって思いながら、じゃあ次の絵でやってみようかなっていうのを繰り返してるので、あんまり面倒くさいというよりも発見の方が多いので。
過去の自分にこの写真を選ばなかったらもっと楽にできたのに、みたいなことがある?
ありますよ。それはありますけど。
あるけど、それ結果論でしかないっていう。
描いてる時は全然そういうことは思わないですね。
でももう1個今聞きたかった質問が答え少し出ちゃったなと思ったんですけど。
この制作スタイルは結構長くされてるじゃないですか。
飽きないんですか?って言ったらちょっと語弊がありますけども。
でも今お話聞いてて、次にやりたいことがどんどん出てくるってことですか?
そうなんですよね。だから、飽きないんですか?ってよく聞かれますけど。
飽きてますよって。
飽きてはいるんですか?
飽きるっていうか。
やっぱもう、こうやるとある程度こうなるんだろうなって想像はつくし。
単純な作業なので。
労働として考えたら飽きてはいます。
ただ、それ以上に発見が多いので。
厳密に言うと飽きてはいないんでしょうね。
あ、こんなことが起きたっていう。
なんだろうこれとか。
こういうふうにできるなと思ってた。
ほぼそういうふうにできてるけど、思ってたのとちょっと違う部分があったりすると、
なんでこういうことが起きたんだろうなとか考えたりとか、というのはありますね。
ストライプのモチーフについて
同時並行でいくつか作るんですか?1点ずつ描いてるから。
僕は1点ずつです。
じゃあ、どんどん進んで、自分でわかるんですね。これがこの時点で。
そうなんですよ。だから、これを描いた後にこれ描いたなっていうのはちゃんと覚えてますね。
今、トータルでそのシリーズでいうとどれくらい描いてきたなって。
いや、もうわかんないです。
100は当たり前?
100は余裕であると思います。
今回60点ぐらい出てて、それでも何分の1なんだろうっていう感じで。
何年目になるんですか?このシリーズ。
シマシマになって12年目とかですかね。
一世代回ったわけですね。
そうですね。
そうするとやっぱり。
得とが一周なる。
そうすると今のやつと初期のやつは自分で見て、もちろん僕も見ても全然違うなと思いましたけど。
やっぱ違いますけど、同じだなと思う部分もあるし、だから変わってない部分、ブレてない部分はもちろんあるし。
でもこの時はここに興味を持ってたんだな。でも今はこっちの方に興味があるんだなっていうのがやっぱり作品を見ることに変わるっていうのが、
自分でも10年分ぐらいのまとめて並べてみて発見できたのがすごく面白かったですね。
でもあとそのストライプがこう、また円じゃないですか。ストライプにこだわる理由ってあったんですか?
最初のスカートの絵を描いて、形が歪んでいる面白さとかがあって、これを効果的に表せられる形って何なんだろうって考えたら、一番歪むのストライプだなと思ったんですよ。
そういう単純なところも大きいですし、でもやっぱりストライプって柄として強いですし、もちろんただ直線として使っている作家さんたちもいるし、
そこを使いながら何か違うことが起こせないのかなっていうので、ストライプを使い始めて、旗だ旗だって言われて。
僕、描き始めた時、旗だなんて思ってもいなかったんですよね。
アメリカの製錠機のイメージなんですか?
フラッグシリーズって言われるようになって、ああ、俺旗描いてたなみたいな。
フラッグシリーズってご自身でつけたことないんですか?
つけたことないですよ。
でも自分はスカートですか?布とか?
いや、形が歪んでいるっていうふうにしか当時は思っていなかったっていうか。
でも確かに旗っぽいなって思いますね。
ストライプである程度形にできるようになってきて、同じモチーフを続けることでしか見えてこない差異って多分あるかなって思うので、
同じモチーフを続けているっていうのが一番大きいのかな。
でもストライプも幅によってまた全然違うじゃないですか。
そうですね。
自分のこだわり幅みたいな。そこは変わってなかったりするんですか?
いや、幅は結構変えたりしてますね。
色も変わる?
色も変わりますし、この時この色好きだったもんなとか思い出しますね。季節とかも。
それもあるんですか?
これ描いてた時、夏だったから青が多いなとか。そういうのもありますね。
その色もすごく特徴的というか、ビビットカラーの印象がすごく強いんですけど。
たまにビビットカラーじゃないと、今井さんっぽくないなって思っちゃうぐらいあるんですけど、そのビビットカラーはこだわりだったりするんですか?
10何年前だと思うんですけど、ユニクロがフリースをすごい派手な色でたくさん出してる時期があって、それがディスプレイとして天井までバーッと積まれてたんですよね。
それを見た時に、色に飲まれるってこういうことなんだなって思ったんですね。
すごい経験をしたような気がする。振り返ると。
当時は僕は意外なんですけど、パステルトーンとかで絵を描いていて、結構白が混じった淡い絵を描いていたんですけど、
ピンクの服期間
この蛍光ピンクに使ってみたいな、やっぱり色の強さっていうか、使ってみたいなと思ったんですけど、全然使えなくて、試しても。
しっくりこないってことですか?
なんでかなと思ったんですけど、僕の中にない色だったからなんですね。
僕は今井さんに2回しかお会いしてないんですけど、毎回黒の服で。
服装もあれですよね。
そうなんです。ただ、その時は、自分の中にないんだったら、毎日目に入るところにその色があればいいと思って、毎日ピンク着てたんですよ。
あえて?その時?
蛍光ピンクをずっと着てて。だから当時は、ピンクのいい面白い服があると、みんなから連絡が来る。
林やペーパーさんだけじゃなかったんですね。
ほんとそういう感じですよね。
今週につったらピンクだよね、みたいな。あのピンクの人みたいな。
そういう時期があったんですよね。
卒業したんですか?ピンクの時。
いやもう、いい歳になってきたし。
もう絵が十分強いので、本人は別に色なくてもいいかなって。
でもその時はピンク着てたんですか?
着てたんですよ。
上下です?
いやいやいや、もう上だけとか。夏は蛍光ピンクの短パンを履いてみるとか。
でもそれやっぱ着ると入るもんなんですか?自分。
やっぱ慣れてくるんでしょうね。
へぇー。
常に視界にその色があるから、自分の中の一部になってきたのかもしれないですね。
何年くらいそのピンク期間はあったんですか?
5、6年はやってたと思いますけどね。
でも別にピンク一色じゃないじゃないですか。黄色もあるし青もあるし。
色の使い方
ただやっぱりピンクが一番難しかった。
そうか。だからこれだってなった瞬間の絵見たいっすね、そう言われると。
ピンクはモノになったなって。自分でもわかるわけですよね。あの時期だなって。
モノになったかどうか今でもよくわかんないんですけど、
ただ今回出てるシマシマ初期の、ストライプ初期のやつとかってあんまりそこまで強いピンクを実は使ってなかったりとかはしていて、
まだまだおっかなびっくりやってる。
ちょっと赤みのあるピンクだったり、ちょっと白が混じってたりとかっていう、そういうピンクは使ってたんですけど、
今はもう迷いなく強い色を使えるようになりましたね。
今はどの色も濃いみたいな感じですか?
まだ使ってみたい色とかはあるんですか?
使ってみたいっていうか、その時々必要な色をちゃんと使えるようにはなりたいんですけど、
単純に素材的な話で言うと、紫がすごい難しいんですよ。
ムラが出やすいとか、そういうのであれを使いこなせるようになれたらいいなぁとか、
へぇー。
展示空間の違い
思う部分はあります。
じゃあまだその紫、ダンとメインってのはやってないんですか?これから。
メインでっていうのはないですね。
これはでも今いいこと聞きましたね。だから紫の絵見た時にはついに今井さんがってなりますよね。
けどまぁ素材的な問題で、たぶん一生満足できる使い方はできないかなっていう気はするんですけど。
もしくはだから今井さんに会った時に紫の服着始めたら、いよいよ相当悩んでる。
僕、一番好きな色は紫なんですよ。
あ、そうなんですか。
だから紫着てる時期はありました。
やっぱりあることは。
ありました。
でもここ先はもう黒ですか?黒一色ですか?
黒が多いですね。
ほとんどっていうか、同じ型のものを何枚も持っていることが多いですね。
話が戻っちゃうかもしれないですけど、やっぱりユニクロってのは結構意外で。
他の中小画家の影響とかじゃないんですね。だからそういう意味で言うと。
強い色っていう意味ではそうですね。
僕が田舎から東京に出てきて、東京って光が多いじゃないですか。
どちら出身になるんですか?
福井県出身なんですけど。
光なくなくないですか?
ないけど、夜8時ぐらいに駅前真っ暗みたいな街なので、田んぼで。
東京ってずっと光ってるなという印象がずっとあって。
渋谷とか歌舞伎町って、20数年前とかすごいわいざつな場所だったじゃないですか。
今は綺麗な街になりましたけど。
そういうのを見てたから、ああいう光ってる感じっていうか。
ちょっとネオンっぽい感じもあるんですね。
そういう感じが自分の中に入ってきているのかなっていう気がしますね。
これでぜひ作品をみなさん見ていただきたいので、展覧会の話にもいけたらなと思うんですけど。
今回、丸亀市の熊原一郎現代美術館であって、今オペラシティに来たじゃないですか。
一番違いとかってあったりするんですか?
まずは空間が全く違うっていう。大きさ的にはそんなに変わらないですし。
作品数はどうですか?変わって。
今回のオペラシティの方が7点増えたかな。
それはストライク以前の作品。
なので、そこまで空間が違うなっていうのが一番大きいですね。
天井の高さとかもほとんど同じで、すごく天井の高い空間で綺麗な空間なんですけど。
床もフローリングらしいっていう共通点も多くて。
ただやっぱり、丸亀の熊原一郎現代美術館は広い展示室に増作…増作じゃない。
壁があって行ったり来たりできるんですよね。開口部が2ヶ所あって。
なので、一つの空間をぐるぐるぐるぐるいろんなルートから回って作品が見れた。
オペラシティの場合は入り口から入って、回廊のように次の展示室に行って、コリドールを通って出ていくルートが作られるっていう差はすごくありましたね。
オペラシティの方も見させてもらったんですけど。
平面の作品だから綺麗に平面に並んでるかと思いきや、壁が斜めってて。
四角く見えない…四角って言ったら変かもしれないですけど。
常にいろんなものが目に入ってくるような印象だったんですけど、それは意図的に?
意図的に作りましたね。やっぱり斜めにすりゃいいってわけじゃないと思うんですけど。
展示室の壁とテキスタイルの組み合わせ
いわゆる展示室のもともとある壁に対して建てる壁は別に垂直である必要もないし、水平である必要もないはずだし。
斜めにすることで隙間から向こうの見え方が変わったりとか、作品の見える角度がちょっと変わる。側面が見えてくるとか。
あとはなんか、斜めの壁は2つしか建ってないですけど、ああいう作りをすることでちょっと街っぽく感じるんじゃないのかとか。
そういうのはちょっと頭の中にはありましたね。
あともう1個特徴的だなと思ったのが、絵画だけじゃなくてテキスタイルになったものが、しかも平面で展示されてるんじゃなくて、
物にかけられてふわっとされてて、それと対比的に見えるじゃないですか。
あれは何なんですか?って言ったらあれじゃないですか。それは、さっきの話で言うと、最初にまずパソコン上で作るわけじゃないですか。
出力したものがあの布ってことです。あの布はどこから出てきたもの?
あの布は、最初に作ったのが2014年なんですけど、作品、絵が全部できた後に、あの布を作ろう。
また戻す?
戻すという感じですね。で、あの布のどこかが絵になって、その同じ空間の壁にかかっているという状況を作りたいので作りましたね。
あるところから見ると、ここだってわかるようになってる?
わかる部分もあるし、完全に同じことはないので、けどここなのかもなとか、それを探して見ているときに、その布の立体の見え方が変わると思うんですよね。
形も変わるし、その経験とかっていうのを作っている僕と共有できたらいいなっていう部分もあったし、
あれ作った最初はなんでネタバラシするんですか?みたいな言い方もされたんですけど。
でも僕にとっては、あれは絵画を描くためのすごく重要な存在であるし、僕にとってはある意味、絵画と同じようなものでもあるという感じですね。
あと、今回見に行って結構衝撃だったのが、丸亀で見たときに、たぶん図書館かなんかに飾ってあった布ですか?カーテンみたいなでっかいのが今展示してあったんですけど、あれは丸亀では展示してなかったんですか?
布の使用と製作
展示してなかったですね。
あれは新作ですか?
あれはここのために作ったものです。
そういうことなんですね。
丸亀の場合は、建物のエントランス、ゲートプラザって言うんですけど、そこのすごく高い位置に屋外に幅21mの布をつっていて。
美術館に入る前からですよね。
前からですよね。駅のホームから見えるという感じで、それがずっと風で揺れている。それを見ながら展示室に入っていくと、それが絵としてあるという状況を作れたらいいなと。
僕が言ったのは、サテライト会場の図書館みたいなのがあって。
そこでも展示してありましたもんね。
あれとは違うものですね。
違うのが今回展示してあって。
僕も今さっと見させてもらったんだけど、入った時に裏側が見えたんですよ、最初。
普通はって言い方も変かもしれない。普通がないからよくあれですけど。
入った時に表面じゃなくて裏面から見えるようにしたのも意図はあったりするんですか?
僕にとっては、あの面が裏面だったから。
空間の把握の経験としては、あれをくぐり抜けて振り返ったらそこに正面があるという感覚ではあるけど、裏か表かっていうのはあんまり重要じゃなくて、
あの色をくぐり抜けていくっていうか、色をすり抜けていく経験とか、そこを人が通ったりすることで空気がちょっと動いて布が動くとか、
そういうことができたらいいなと思って、今回はあれを室内にやることにしましたね。
あれは丸紙では体験できてないけどね、みなさん。
でもあれだけの大きな布ですから、固めくのも大変。だから結構布の選び方とか大変でした、そしたら。そうでもないですか?
軽くて透けて、発色がいいっていうので選んだ素材ですね。
ポンジっていう素材なんですけど、ポンジって何かっていうとコンビニの登りとかと同じ素材です。
僕ミニストップでバイトずっとしてたんで。
軽くて透けていて色も裏側からも認識できて、素材でいうとそういうことですね。
今回グッズとかを作ったりするんですか?
グッズはギャラリー5さんがいろいろとグッズを作りましょうということで、
珍しい例とレアな作品
エプロンとかポーチとかトートバッグ、あとコスとか、一筋縄じゃいかないような。
今見たものって一筋縄でいくものじゃんと思うんですけど、
実際見ていただくと全然普通じゃない感じのものが並んでるかなと思います。
丸画面の時に僕いいなと思ったのが、パジャマが飾ってて。
コラボして作られたやつ。もう売ってませんみたいな感じ。
まだネット探すと若干出てきたりはしますけど。
あれグッズにならないんだと思ったんですけど、今回も思ったんですけど、
スカートは作るんだよな、こんだけ言ってて。
いや、スカートはいつかね。
今回グッズで僕の柄のテキスタイルを測り売りしていて、
誰かがスカート作ってくれて、それを履いて街に出てくれたらそれでいいなって。
そうするとようやく一周戻る感じですよね。スカート柄始まってみたいな。
自分でも作らないですね、そしたら。
そうですね。誰かが作りたいって言ってくれるのを待ちたいと思います。
でもスカートじゃないですけど、丸画面の時にも描いてあったんですけど、
ちょっと変わった形の、だからストライプ作品じゃないなと思うのが1点。
何点かあったらうちのあったら、奥様の洋服?送ったものだった?
2人で買い物をしてる時にパッと目に入って、これ描かなきゃいけないなと思って。
じゃあ買ってあげるから、とりあえず着て写真を撮らせてくださいっていう。
また10何年前の話に戻るんですけど。
だからすごく。
珍しい例なんですか?
相当珍しい例ですね。
だから世の中でずっといっぱい見るじゃないですか。
しかも多分スカートの1件があるから、多分人より見てると思うんですよ、世の中のテキスタイルを。
でも描きたいまでになるってのはそんなにないんですか?
ないですね。
今回相当レアなやつってどうですか?
結構レアだと思います。
何が?
いやわかんないですね。
絵を描く背景と服の描き方
本当にこれを描かなきゃいけないって思った。
その一言でしか表せないんですけど。
それはでも1点しか描いてないですか?
1点しか描いてないです。
もう終わったんですか?そしたら。
今のところは終わってますね。
これまでそういうことはなかったんですか?
1個だけね、あるんですけど。
スカートとか洋服だったものを描いたのはあれ3点目なんですよね。
最初のスカートと、その柄で何枚か描きましたけど。
何年か前に1点、それもワンピース。
ただのストライプのどこにでもあるような柄のワンピースを1個作って、今回のものを作ったという感じですね。
ちょっとひとつじゃあこれで今疑問が湧いたんですけど、全部女物じゃないですか?
そうですね。
男物ではないんですか?自分が着たいなとか自分用でってのはないんですか?
展示会での作品の選び方
単純にドレープが綺麗な服とかないじゃないですか。
ああ、なるほど。
ストライプのシャツとかもスッとしてるっていう。
男の服はそうですね、確かに。
やっぱり女性ものの方が見ていて楽しいなと思うし。
あんまりこだわってるわけではないんですけど、そういう部分はあるかなと思います。
せっかくなので話を変えまして、
今回の展示での今井さんの推し作品は何ですか?プロデューサーから聞いてくれって。
たくさんあるわけですけどね。
僕にとって全部、等価なものっていうか。
全部同じ絵っちゃ同じ絵だし、もちろん現れている形は違いますけど、
全部僕にとって同じ絵だなあっていう感覚なので、これひとつっていうのはすごい難しいですけど、
やっぱり思い入れとしては一番最初のスカートの絵。
番号で言うと一番イフついてる絵なので、今回も展覧会の途中に出てきますけど。
それが推しってやつやー。
そうっすよね。
全部。
全部ですよね。
でもそもそもですけど、今回の作品は誰が選んだんですか?
僕が選びました。
自分の中でこれだって。
で、オペラシティをやるにあたって、ちょっとそれより以前のものを増やせませんかねっていう話をしていて、
一緒にキュレーターの方たちと作品を開けてみながら、この辺いいんじゃないかなっていうので決めたっていう感じですね。
並べるのも今井さんが?
並べるのはもう完全に僕が独断でやりました。
並べるときのこだわりとかもあったりするんですか?
そもそも最初に丸亀でやった時点で、
制作の時代順で置いたくない。
2011年の次に2012年があって13年があってみたいな、歴史がわかっていくっていうような展覧会ではなくて、
それは僕の制作で興味持っている部分にも関わってくると思うんですけど、
今やってることと5年前にやってることが意外とある部分リンクしていたりとか、
同じだと思ってたものがちょっとずれているとか、
展示物語の提供
そういうものが絵を並べることで見えてくるような展覧会にしたいなと。
だからバラッバラなんですよね。
2022年の横に2018年があるとか、その横は2010年があるとかそういう並びになっているんですけど、
それは展覧会全体で一つの作品を作るみたいな。
ここがこう見えるんだなとか、この興味はここに継続しているけどここで一旦切れてるんだなとか、
そういうのが見えるものにしたいなというのがあって展示をして、
丸亀の展示室の入り口から1番、2番、3番で振っていったんですよ。
だから丸亀の展示の時はハンドアウト見ながら、これ何番だったか探しやすかったんですけど、
ここはまた全く組み替えたので。
そうですよね、数字がバラバラでしたよね。
入って最初の壁が19番とか、展示の途中に1番とか、展示の最後に2番があるとか、そういう感じですね。
いわゆるキャプションのように数字があった上に、そこに作品名とか何年とか書いてないですもんね。
数字だけですもんね。
だからハンドアウトで照らし合わせる作業ということです。
丸亀の時は順番だったのでわかりやすかったんですけど。
ビンゴじゃないけど、10番みたいな感じになった。
意図的な。
それはこういう展覧会として作って、それを東京でもやります。
じゃあ空間が違うからもう1回、1から考え直しますってやっていくと、やっぱりそうならざるを得ないというか。
でもそこで番号を振り直せばわかりやすい話なんですけど、
カタログとかがあるので、ここは踏襲しながら、
なんでこの番号がばらけてるんだろうなとか思ってくれたら面白いなと。
それはそれでって。
それはやっぱり味方の手助けになるというか、そういうのがあって作りましたね。
すごい今更な質問なんですけど、東京での美術館での個展は初ってことです。
そうですね、東京での個展は初ですね。
オペラシティで、たぶん何人かのグループ展では見てるんですか?
2014年。
そうですよね。その時にたぶん一番最初の作品を見てて。
でも今回初個展って、それに対して意気込みとかってあるんですか?
テンション上がるもんなんですか?初めて美術館で個展できる。
正直言うと、びっくりしたっていうのは大きいです。
もう順番回ってきたと思う部分もあるし、ようやくだなと思う部分ももちろんあるし、
いろんな感情はありましたけど、いつかやれたらいいなと思っていたし、
やれるぐらいの作家として成長していかなきゃいけないなと思いもありましたし、
でもやっぱり僕より上の世代でもやらなきゃいけないような作家がまだいっぱいいて、
そういうのが先なのかなっていう思いはぼんやりとはあって、
でも、早くやりたいよなっていう思いもあって、
でもお話いただいた時は結構びっくりはしました。
そういう経験の時って、最初丸亀だったわけですよね。
学芸員さんから、担当の方から、やりたいですっていうのはどういう感じで連絡が来るんですか?
メールとかお電話ですか?
いや、最初ちょっと話したいんですけど、会えませんか?って言われて、
美術展の企画立案
もともと知ってる人だったんで、いいよって。
その時はもう古典だなって思ってたんですか?
思ってないです。
これは何でかっていうと、丸亀でその学芸員さんが担当したグループ展があって、
丸亀の現在っていうグループ展があって、
それにある作家たちが出ていて、仲良くて。
その話をする1週間くらい前に、
手伝いに行くよみたいな話を冗談混じりでしてて。
その展覧会には出てないんですか?
出てないです。全然関係なくて、単純に丸亀行きたいし、
手伝いに行くよみたいな話をしていた後だったので、
まあ手伝いの話だろうなと思って。
どこで話す?って言って、
スタジオちょっと行ってみたいですって言うのでいいですよって。
そこで、
実はちょっと古典をしていただきたいと思ってるんですけどって言われて、
それは本当にびっくりしました。
そういう時はマジでリアクション取る?
それともなんかちょっとこう、スカして、
本当は驚いてるけど、
マジで?みたいなこと言った気がする。
それ言われて、
そこから準備期間どれくらいだったんですか?
それはね、2年ちょっとあったんですよ。
ただ、2020年の頭にその話をいただいて、
すぐコロナがすごいことになって、
日本中の美術館展示が止まったり延期になったり、
企画時代が飛んでしまったりとか、
そういう状況で、1年ちょっと、
2年近く、1年半ぐらいかな。
どうなるんだろうなと思いながら、
でもあの空間だったらこういうことやるのかなーぐらいで、
ぼんやり考えてるぐらいで。
1年切ったぐらいのタイミングで一度見に行って、
そっから展覧会を考えて新作を作っていったっていうことですね。
どうでした?人生初美術館古典の初日の感動とかってありました?
やっぱり、頑張ってきてよかったなって思いました。
サッカーやってる全員がこの経験をできるわけではないんだなっていうのもすごくわかってますし、
責任は重いなと思いつつも、
でも、いい展覧会できたなーと思いましたね。
丸亀でもやって、それって東京オペラスピーでもやってるの?
はい。
やっぱり東京はまた違いますか?そうでもないですか?
やっぱり違うんでしょうね。
まず見る人の数が圧倒的に違うじゃないですか。
美術館での個展
もちろん丸亀も観光客の方とか、
瀬戸内とかもあるので美術関係者もいっぱい行ってくれるけど、
それとはまず違うし。
オペラシティが開館した時、僕は学生で、
こんなとこで個展できるってすげーなーってしか思ってなかったので。
でも、緊張とかは全然しなかったですね。
オペラシティアートギャラリーさんで今収録させてもらってるからっていうのを一回忘れていただいて、
東京で個展やるって言った時に、やっぱりオペラシティはやりたかった場所の一つではあったんですか?
僕みたいなタイプの絵描きができる美術館ってどこだろうってさ、そんなにない。
ほうほうほう。
ないなーって思いますよね。
じゃあこれは来たと思ったんですか? オペラシティの話来た時にはもう。
いや、すごい嬉しかったですね。
そういう時はかましてやろうとかはあんまないんですね? 淡々とやるタイプですか?
僕は結構淡々とやるタイプなのかなと思います。
ただ、下手な展覧会はできないよなっていうプレッシャーはありますよね。
その個展、僕なんか別にアーティストの中で個展の経験ないですけど、決まるじゃないですか。
そしたらその前とかにも個展があるじゃないですか。
そういうの意識したりするんですか?
正直言って僕の1個前は泉太郎さんでしたけど、展覧会、泉くんがオープンするだいぶ前からそれはわかっていて。
いやー、やっぱね、すごい嫌でしたね。
泉さんとの関係性もあるってことですか?
やっぱり、あのレベルの作家。世代は一緒ですし、あのレベルの作家だし。
やっぱりすごい作家だなって思うので。
あの後に、要は絵なわけじゃないですか。紙に描けるっていうのは、ギャップができていいなって思う反面、
泉くん何やってくんだろうなっていうのは正直ありましたけど、
けど別に、そのために作品を組み替えてもしょうがないですし、
僕ができることを淡々とやるしかないし、僕が面白いと思っていることを形にしていくしかないので、
それをやればいいかなって感じですね。
今の収録の段階では、最初の土日は過ぎたじゃないですか。
一般の人の反応とかって、エゴサーチとかしたりするもんなんですか?行った人の感想とか。
エゴサーチ、意外とします。
ただ、例えばインスタグラムとかで写真上がってくると見ると。
今回写真撮影オッケーですからね、全面が。
この絵のこの部分切り取ったりするんだなっていうのを見るのが結構楽しいんですよね。
意外とみんなでっかい布を撮るんだなとか、そういうのは見たりしますけど。
その布の撮り方のトリミングが上手すぎて、今度これ書いてみようってなることももしかしたらあるかもしれないですね。
あるかもしれないですね。わからないですけど。
ちょっと皆さんハッシュタグつけて投稿してほしいですよね。
○Cつけて。
それでも面白いですね。
そういうのを見るのは面白いなと思うし、僕の絵のやっている内容とは別に、いわゆる見え方。
パッと見たときの印象。派手で綺麗で。
っていうのって、たぶん美術をそこまで人生の主軸にしてない人にとっても、引っかかるものはあるんだろうなと思うんですよね。
だから、そういう人たちの捉え方っていうのは、こういうふうに物を見てるんだなっていうのがすごく見てて面白いなと思ってますね。
やっぱり抽象画って、そもそも美術って難しいってみんな一般的に思われてて、なおかつ抽象画っていうとより難しいと思われがちだけど、
今井さんの作品って、別に難しいって言われない気はしますよね。
個性的な作品の入り口
他の抽象画家は結構言われてる気がするけど、そこは特殊だなと思って、僕はいつも感じてたんですけど。
だから、綺麗だなっていいじゃんって思ってる部分がある。
最初の入り口として、それが数年後でもその人にとって、ああって思い出してくれたらそれでいいなと思うし。
ただ、美術をやってる人から見ても、ああこういうことをやろうとしてるんだなっていうのが見えるようにはちゃんとやりたいなと思いますし。
いろんなレイヤーで入り口がある作品というか展覧会なのかなと思いますね。
今回でもまだ古典全然終わって、これからまだ回帰ありますけども、今後こういう古典やりたいなとかもうこの時点で考えたりするもの?
それともやっぱりこの古典やってる時はもうこの古典モードになるもの?
基本的に僕、展覧会が決まって箱が決まらないとちゃんと考えられないタイプっていうか。
淡々と展示の予定もなく絵を描くのは結構苦手な方ではあるっていうか。
じゃあ別にその展覧会決まってなかったら、決まってなくても新作描き続ける?
描きますよ。描きますけど、それは結構、展覧会のために作ってる時のモードとはちょっと違うなっていうのは正直ありますね。
製作についてはまだまだ後半にも聞いていきたいなと思うんですけれども。
展覧会の告知と写真撮影について
そろそろ収録終わりの時間ということですので、改めて告知をお願いしたいなと思っております。
はい、現在東京オペラシティアートギャラリーにて、スカートと風景という古典を6月18日まで、月曜休館、11時、7時。
詳しいことはオペラシティさんのサイトとか見ていただきたいなっていうのがあります。
あとは、エビスのナディフアパートにあるナディフギャラリーさんで、5月14日まで、ペインティングス&ニューエディションという古典をやっております。
それは新しい木のパネルにUVプリントで版画みたいなものを作るっていうものを中心に、ちょっと数年前のペインティングとかも並べながら、っていう展覧会になっています。
これはオペラシティがやるから、そちらが合わせた?
合わせてやりませんか?って言われて、いいですね。
せっかくならセットで見ていただきたいですね。
見ていただくと、たぶん違う面白さがあるかなとは思います。
そちらも写真撮影はOKですか?
OKですね。
ぜひぜひ皆さん、写真撮影いただいて、インスタであげていただいて。
僕が見ます。
逆にもうみんな悪口とか書きづらくなってしまうんですね。悪口ないと思いますけど。
でも悪口があるぐらいの方がいいんですよ。
本当ですか?
エゴサイズされてるなと思って、みんな書きづらくなっちゃう。
素直に書いていただけたらと思います。
ということで、次回は今井さんのご経歴を交えつつ、さらに美術についての話を続けていきたいと思います。
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