1. そろそろ美術の話を...
  2. #077 庭園美術館での仕事や並..
2023-02-18 49:39

#077 庭園美術館での仕事や並河靖之七宝展について(東京都庭園美術館学芸員 大木香奈)

東京都庭園美術館学芸員 大木香奈さんをゲストに庭園美術館で働くに至る経緯や、並河靖之七宝展についてお聴きしました。

https://sorosoro-art.vercel.app/ep/077 番組の感想は、#そろそろ美術の話を でお願いいたします。

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Guest Profile

大木香奈(おおき かな)

  • 専門は生活文化史、近代工芸史。2011年より東京都庭園美術館に勤務、収蔵品管理及び建物の調査・修復を担当。
  • 「並河靖之七宝」(2017年)、「ブラジル先住民の椅子」(2018年)、「1933年の室内装飾」(2019年)、「アール・デコの貴重書」(2022年)等を担当。

Show Notes

庭園美術館について

ロトチェンコのマグカップ

大木さんが担当した展覧会について

庭園美術館での展示

ファッション系の話題

庭園美術館周辺のおすすめ店

交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー について

00:00
♪~
はい、アートテラートニーのそろそろ美術の話を
この番組は私アートテラートニーが
アートに関わる方をゲストにお迎えして
トークを繰り広げるポッドキャスト番組です
今回は前回に引き続き
東京都庭園美術館学芸員大木かなさんをゲストに
ご経歴を交えつつ
美術についての話を続けていきたいと思います
♪~
ということで前半お疲れ様でした
ありがとうございました
はい、ご飯は楽しく
はい
(笑)
よろしくお願いいたします
さあこれは皆さんに聞いている質問なんですけども
いつから美術に興味を持っていましたか?
ということで
美術に興味を持ったきっかけとかあれば是非是非
そうですね
うん
(笑)
子供の時からですか?
うん
(笑)
なんで言っちゃいけない可能があるんですか?
いえいえいえいえ
そうですね
私正直美術の成績は良くなかったんですよね
それは描くのが苦手とかってことですか?
絵を描くのは幼稚園ぐらいの時はとっても好きだったんですけれど
中学生高校生ぐらいの時に
なんか全然描けないなあ
美術の成績悪いなあっていうふうに
それは嫌いになっちゃったとか先生の影響とかそういうことはあんまり?
うーん
嫌いではなかったんですけれど
なんかやっぱりこう
評価されるものと自分がやりたいものが全然その時は違ったんだろうなというふうに思って
割と自由にのびのびと幼稚園とか小学生の時にやっていたものが
評価軸があると
それに沿ってやらなくちゃいけないのかってなって
だんだんちょっとフェードアウトしちゃったかなっていう
美術部とかではなくて中高はなんで?
私は中学は剣道部で
全然弱かったんですけど剣道部で
高校は私は演劇を少しやっていて
英語劇部っていうところに所属していたんです
そんな部があるんです?全編英語でやる?
そうです全編英語でやる部活で
主に当時はミュージカルをやられる部活だったんですけれど
私女子校出身で
なのでちょっと宝塚みたいな形で
男役もいて
女役もいてっていうような英語劇部っていうところでやってました
その時はどちら?男役?女役?
私は女役だったんですけれど
どちらかというと演じるっていうことよりも
03:01
その舞台衣装を作るのが好きで
当時やっていた演目っていうのが
「The Kill and Hide」っていう
19世紀後半のロンドンが舞台の話で
それ例えば文化祭とかで披露したり?
そうです文化祭と
あとその剣の大会があって
英語劇大会があって
その大会があるんです?
ありますあります
やる方もすごいけど観客もすごいですよね
どんなレベルが高いって言って
俺なんかボカンとして終わります
でその演目をやっている時に
その舞台衣装を作るっていうので
当時そこまでインターネットが
発達してなかったぐらいだったと思うんですけれど
その1からその中級世紀後半の
貴族社会のドレスを作るみたいな話になった時に
全然わからないんですよ
これまでも先輩がやってきたとかで
その衣装を使えるとかじゃなくて
1から作るんですか?
一応ベースで何かあったりはするんですけど
1から作らなくちゃいけなくて
当時そのウエストをキュッて締める
コルセットみたいな形であるとか
スカートがポンって膨らんでるようなものであるとか
そういうものを全く知識なしに
なんとなく写真でこういうのがあるから
こういうのを作らなくちゃいけないっていうことに
舞台衣装を作るってなった時に
どうやって作るのがいいんだろうって
なんで高校生でそんな頑張らなきゃいけないんですか
ミュージカルやるんだけ
やっぱ上昇校とか強豪校みたいな感じじゃなかったんですか
一応当時は県大会では
毎年上位に上がっているところだったんですけれど
それでできる限り
世界観を盛り上げるための衣装を作るためには
どうすればいいのかって
当時書籍とか
当時の美術作品のカタログとかを
ぺらぺらめくったりとかして
ああこういう服装をしてたのかっていうのを見て
そういう文化的な部分で
その作品を鑑賞するみたいなことを
その時ちょっと面白いなっていう風に思ったんですよね
前半の時にも研究者タイプだなっていう大きさのあれが出たけど
もう高校生から発揮されてるんですね
研究者的なのが
どうなんですかね
それ一人で作ってたの?何人かって
もちろん衣装チームみたいなのがあって
何人かで作ってたんですけれど
それこそパターンを起こして
06:04
もちろん見本になるようなものを
ソーイングの本とかから引いてきて
それ服飾系の高校だったんじゃなくて
普通科なのにそんなことやって
じゃあそこからそっちの道にも興味持って
ファッション系行こうかなはあったんですか
そうですね
でもファッション系行こうかなっていうよりも
衣装を自分で縫うっていうよりも
この時代どういうものが作られてたのかな
衣服もそうなんですけど
衣服だけじゃなくて
どういうものを使って
例えばお茶を飲んでたかとか
そういう生活全般に対して
興味が広がっていったっていう
なるべくしてなった感じが
そんなこと興味持たない?
分かんないですけど
僕は別に演劇でやらされたとしても
時期がいるとハイドリーについては調べるかもしれないですけど
別に何で飲んでようがどうでもいいやって思っちゃうタイプだから
やっぱそういうところが学芸者になっていくんだ
研究者ってそういうことなんだなって今なんか思いましたけど
じゃあそこから大学はどういう道に進もうと思うんですか
大学はそういった文化的な部分には興味を持ってたんですけれど
別にそこから一足飛びに美術館とか学芸院とか
そういったことは当時は考えていなくて
普通に教職免許取って就職しようかなって
先生?それは小学校中学校とか?
中学校に実習に行ったりとかしてたんですけど
何の先生?科目として
私が所属してたところで取れる科目が家庭科だったので
割と歴史系の研究をしてたんですけれども
取れる資格としては家庭科の教員免許だったので
それで免許は取ったんですけれど
せっかく大学に行くから取れる資格は何でも取りたいと思って
教職も取ってたんですけど
学芸員の資格も取れるなっていうのが分かって
じゃあ学芸員の資格も取ってみようかなって
サークルとかはやってたんですか?
サークルもやってました
ちなみにどんなサークル?
サークルは演劇は全然関係ないことをやってました
何で関係ないんですか?
別にやれば聞きますんで
アカペラやってたんですけど
それもやりつつ
すごい充実した大学生活ですね
どうなんですかね
勉強もちゃんとして
その歴史系っていうのは何を学んだ?世界史?
所属していたところが
比較文化論というのをやっていたところで
09:02
主には西ヨーロッパと日本を中心とした
諸文化文明間の接触がもたらす文化の継承変容についての
分析をしているところで
途中から入ってきてなかった
すみません
すっげー真面目な考え
ヨーロッパだと今は繋がりますね
そうですね
なんて言うんでしょう
比較文化論的なアプローチを通して
日本の文化あるいは西洋の文化について
比較対象しながら
その文化を相対化していく
ということをやってたんですけど
いわゆる美学美術史とか美術系じゃない?
ではないです
卒論も別に
そうですね
学芸資格も一応取れるし取っておこうぐらいの
その時には学芸さんになりたいのはそんなになかった?
取り始めたところでは
学芸員の資格を調べれば調べるほど
やっぱり就職としてはかなり間口が狭いというか
なかなか厳しいんだなというのが分かっていて
そこまでなりたいなと思っても
なれる職業ではないんだろうな
というふうに思ってたんです
ただその大学時代に学芸員課程を取る中で
いろんな都内の大学だったので
美術館博物館にもかなり足を運ぶようになって
とても面白いなあというふうに思って
就職活動とかでも
割と展覧会とかそういったことに
関わり合いのあるところに行けたらいいなというふうに
調べたりとかしていたんですけど
残念ながら応援もなくて
研究に関してはもう少し
自分の中で一つまとめたいなという部分もあったので
進めていく中で
美術館のインターンに応募して
美術館で働くとはどういうことなのかなというのを
ちょっと体験したという感じです
最初のインターン先はどちらだったんですか?
実はここの美術館だったんです
そうなんですか
その時は一番最初に関わった展覧会って覚えてますか?
一番最初はそれこそ
インターンなので
そんなに具体的に展覧会の何かをというレベルではなくて
講演会のお手伝いとかそういうレベルだったんですけど
それこそロトチェンコの
今それこそって言われても
一般の人はよくわかってない
失礼しました
さっきその話が盛り上がってたんですよね
休憩中に今ロトチェンコ展覧会を過去にやった時の
マグカップが
この番組もプロデューサーも持っているみたいな話で
ひとしきり盛り上がった
2010年に開催した
12:02
ロトチェンコステパーノバー
ロシア公正主義のまなざしという展覧会を
ちょうど開催中の時で
その講演会のお手伝いとか
そういったところから入りましたね
間違いなく僕たぶんその展覧会の時から来ているので
だからニアミスはしてたかもしれないってことなんですね
そこからでもずっと
庭園美術館ですか
1年間インターンをして
その後アルバイトですとか
そういった非常勤で
ちょっとお世話になる機会があって
職員募集があって応募して
そのまま就職したという感じですね
庭園美術館に最終職
ちゃんと本就職ですけど
これから何年前になるんですか
2011年にアルバイト採用されて
その後非常勤になっているので
2011年からですね
ずっと東京都庭園美術館になるんですね
そうですね
もう10年以上になっちゃいました
一番長いんじゃないですか
そうですね
そうだと思います
今までいろんな展覧会担当されたと思いますけども
ちなみに一番最初に担当した
自分が担当した展覧会は何になるんですか
2017年に開催をした
並川康幸七宝展という展覧会を担当させていただきました
多分この頃にお会いしてますもんね
この並川康幸展はすごい本当に素晴らしい展覧会だったので
ぜひこの展覧会についてお話しいただけたらなと
タイトルにもある通り
並川康幸という人物の七宝の展覧会だったんですけれども
並川康幸自身が明治時代に活躍した人で
主に京都で七宝の製作を工房として行っていた方になります
当時その植産工業ということで
かなり輸出工芸が幅広く日本から海外に輸出されていた時代に
陶磁器とかいろんなものが輸出されてたと思うんですけども
七宝では並川康幸と
同じく並川宗介という
漢字は違う人物なんですけれども
二大巨頭という形で輸出工芸を引っ張っていた人物がいて
京都出身の並川康幸の作品を
初期のものから晩年までご紹介していた展覧会でした
並川康幸展をやるのは何年ぶりみたいな話だったんですよね
15:00
明治工芸のくくりで部分的にご紹介される機会は
それまでもあったと思うんですけれども
並川康幸というふうな一人の名前を挙げてご紹介する展覧会で
公立の美術館でというふうになると
ほぼ初めての展覧会だったんじゃないかなと思います
相当気合の入っている展覧会だったのは今でも覚えてますし
あと七宝焼きって意外とみんな知っているようで知らないっていう
特に並川康幸さんの
展覧会の時にも聞いたんですが三の丸肖像館の巻内
後続からのもの
本当に花の絵が細かいというか
なんとなく焼きってついているからみんな絵付けと思い込んで
僕もそうだったし絵付けで描いてるんでしょうぐらいの感じだから
なんとなくそんな風に作れそうに思っちゃった
それでもすごく細かいし藤野花の作品なんかも一個一個細かいんですけど
金属のリボン的なものを作らなきゃいけない
そうなんです
一応七宝の製作としては基本的にはまず金属板を絞って
器の形に成形する
まず焼き物じゃないから金属で土台ができていると
そうです 素地を作って
素地にまず描きたい模様を隅で描くんです
描いたところに触線って言って
細長い金属線を貼っていくんです
クッキー型みたいな形
花びらを作りたかったら花びらのクッキー型みたいな金属片を
まず貼っていくってことですよね
隅で描いた図柄の上に合わせて
当時はピンセットじゃなかったと思うんですけど
ピンセットみたいなもので形を作って
それを器の上に
表面につけていく
その囲われた枠というか
中に釉薬を入れていくんです
クッキー型のところに赤を入れたかったら赤を入れるってことですね
そうです
釉薬を入れて焼く工程をするんですけれども
その釉薬を入れて焼くっていう工程を何度か繰り返して
ある程度の厚みが出てきたら
その時聞いたのは1回でいけるかと思ったら
やっぱクッキーとかもそうですけど
基本的に傘が減るんですよね
はいそうなんです
だから減った分また埋めていく埋めていくを
何度もしなきゃいけないってことですもんね
水分が飛んじゃうので
18:01
釉薬をフルフルに入れてたとしても焼いたら
なくなっちゃうみたいな話ですね
それで何度か焼いたら
表面を研磨していくんです
表面を研磨することでかなりツヤを出したりであるとか
金属で作った枠の輪郭を
研磨することによって出すことができるので
その表現としてかなりはっきりとした
模様を出すことができるようになるという
しっぽ焼き自体はそれまでもあったけど
奈美川康幸さんがすごかったのは
それがやっぱり柄が細かいからって考えてる方がいいのか
そうですね細かさで言うと
同時代に活躍した明治工芸の作家で
もっと細かいものを作ってるから
ちっちゃい蝶々がいっぱいいるやつみたいなやつ
たくさんあるんですけれども
奈美川康幸が面白いのは
やっぱり絵柄で花鳥風月が基本的に多いモチーフなんですけれども
絵柄がとても雄美なのもありますし
あとは雄躍ですごい深い黒の色を開発していて
それを作品に用いているんですけれども
奈美川の黒っていうのが一つ
大名詞というか
黒地のいわゆる地というか
黒地に花が浮かび上がっているみたいな感じで
余白があるじゃないですか
この余白の部分も
でっかいクッキーの型と思った方がいいと思うんですか
そこに埋めてっていうか雄躍埋めてるってことですか
そうですそうです
金属のわけないですもんね
その黒の部分っていうの
金属の部分も雄躍ですね
そこも何度も何度も埋めていって
研磨して
そうか当たり前のようにあるけれど
それができていることもすごいことなの
そうですね
黒地ができているってことが
それこそ初期の作品だと
すごく模様的というか
全体的に余白を作らない
それは雄躍の出来が垂れてきてしまうので
余白を作らずに
全面的に模様が踊るようなものが中心だったのが
そっちの方が実は簡単とは言わないけども
やりやすいんだ
雄躍の塊をたくさん作っている
ちっちゃいので構成していった方がいいけど
でっかい雄躍の塊を作るってのは難しい
そうですね
それが最初は小型だったものが
時代を経るにつれて
21:01
模様的なものが
なんていうんでしょう
風景画みたいな形に達していくという過程が
大まかな流れなんですけれども
こんだけすごい方なのに
それまで展覧会やってなかったってのは
やっぱり理由があるのか
そうですね
明治工芸って
基本的に外貨を稼ぐために
流出されていることが主だったので
日本にないってことですか
そうですね
日本から海外に
流出というよりも販売されていて
主に海外にあったので
日本にそこまで多く作例がなかったんですよね
それを近年買い戻しをされて
日本にもいくつか
お並川の作例が集まってきて
それをご紹介する機会が得られたという形ですね
この展覧会について僕も聞いたのは
大木さんがあれですよね
なんか卒業旅行かなんかで
並川康幸を知ってたみたいな
はいよく覚えてらっしゃる
そうですね
まだ学生の時に
並川康幸は記念館が京都にあるんですけれども
そこで並川康幸について
ご紹介をされている展示室の中で
一点作品がご紹介されていて
たまたま入ったみたいな
そうですね
で拝見して
もちろん展覧会として
開催されているのを拝見して
すごく素敵だなっていうのは
その時は並川康幸っていう名前は知ってたんですか
いや特に当時はそこまで
名前も深くは知らなくて
見に行った時に
作品が展示されているのを拝見して
単純にすごく素敵だなっていうふうに思って
そういう素敵だなっていう思いは持ち続けていたんですけれど
ただ自分が学芸員になって
展覧会をまさかやろうとは
当時は思っていなかったので
面白い出会いだなとは思いました
結局それでこの展覧会を最初担当したってことですけど
それは学芸になって
そうで並川康幸って京都で見たな
あの展覧会やりたいなと思って企画したって感じですか
実はもともとその並川康幸について
ご紹介するっていう企画が館内の中でもあって
ただ一旦その企画っていうのが
なしになってしまって
ただ当時は並川康幸という
明治七宝についての展覧会をやろうかというような
館内での話があったんですけれど
それが一旦なしになった後に
やっぱり並川康幸を中心に
そういった展覧会をやってみたいなっていうふうに思って
24:00
それで家から企画して
開催させていただいたという形です
しかも浅川宮さんともちょっと関係もしてたんですよね
そうなんです
浅川宮の父親が
並川康幸の養子に出された先の金児だったんですよね
全く関係ないわけじゃないということですかね
そうですね
その後縁で並川のお家には
浅川宮から賜ったとされるシガレットケースかな
そういうのが残っていたりとかして
僕が覚えているのは
そうやって展美術館でやるきっかけがあって
しかも京都でたまたまミス展覧会やったっていうので
大木さんがもう私はこれでやり切ったから
みたいなことを言ってたんですよ
なんかもうやりたい
私は夢をもう叶えたみたいなことをおっしゃってて
もう辞める気でいるのかなこの方はって思ったな
なんかうっすら覚えているのと
あともう一個
多分展覧会で当然作品が飾ってあるわけですよ
なんだけどもその後ろとかにいくつかの作品に
巨大な写真のアップのパネルが展示されてる
本物があるのに
どういうことかなと思ったら
やっぱりその写真にもすごいこだわりがあって
なんか一個について2時間ぐらい
ライティングなんか待ったのもあるみたいな
ありましたね
おっしゃってましたよね
メインで据えていた作品が
やはりその黒の色がとても素敵だったので
この黒をどうやって伝えたいのがいいんだろうっていうので
結構ライティングには
所蔵さんの方にもちょっと無理を言いながら
お付き合いいただいてした覚えがありますね
それがズロックにも今残ってるんですけど
僕は毎年自分のブログで
最後年末にズロックオブザイヤーって企画をやってるんですよ
展覧会がどうでなくて
ズロックの吉橋だけでランケン決めるみたいな
大木さんがやった展覧会
結構ズロックオブザイヤーに入る傾向がある
ありがとうございます
嬉しい
この並川康幸展もそうでしたし
あとなんかブラジルの椅子
椅子展みたいなのもあって
それもすごい面白い
なんかズロックすごいこだわってるなって印象は
ありがとうございます
そうですね
なんかやっぱり手に取っていただいて
家に持って帰って見返してもらいたいなっていうのは
すごく思うので
もちろんズロックチームで作ってることなので
私一人の思いではっていう部分はあるんですけれど
ちょっとでもその展覧会の内容とかエッセンスが
表紙なり中身なりデザインなりに反映されるように
みんなで意見し合いながら作っていますね
今回のだって
交換するモダン機能と装飾のポリフォニーのズロックも
早くもズロックオブザイヤーの候補に
27:00
こだわりズロックですもんね
そうですね
特に巡回先の2人の学芸員が
特にこだわって作っていらっしゃったので
ぜひ手に取って見ていただきたいなと思います
どれくらい学芸員さんって口出し
口出しって言い方ちょっとあれかもしれないですけど
要するにデザイナーの方もいるわけじゃないですか
ブックデザインの方も当然いるけど
学芸員さんも多分どこがあっているわけではないけど
完全に任せているところもありますよね
基本もうブックで
学芸員さんは中のテキストだけ書くとか
監修だけするみたいなのあるけど
そこは私はここまでやりたいもん
意外とできるものなんです
そうですね
ズロックって
館で独自に作る場合と
出版社が入って作ってくださる場合なんかもあったりして
それによってまちまちかなというふうには思うんですけれども
例えば並川康幸の展覧会をやった時などは
これ一般書籍として発行するものではなくて
等間というか
巡回先の美術館も含めて開催した展覧会だったので
割とその学芸が内容
想定とかそういったものに関しても
かなりアウトプットをして作っていただいたものですね
それもやって展覧会も作って
展覧会の関連イベントも考えてやると
やっぱり学芸さんやること多いですよね
そうですね
今この実際まだ公表できないと思いますけども
この収録2月の段階で
あれですか仕込んでるものもあるんですか
そうですね2年先3年先
それはもうズロックってどのタイミングからみんな考え始めるんですか
どうなんでしょう人によってまちまちかなというふうに思うんですけれど
構想自体はおそらく展覧会の企画を立てた時から
持つというか考えたりとかすると思うんですよね
大変ですよね
これまでちなみに展覧会は何本
やってこられたことになるんですか大木さん
そうですね当館の場合だと
メインで担当する展覧会と
サブ担当という形で
副担当みたいな形で関わる展覧会もあるので
年間1、2本ってとこなんですよね
だから10本は少なくとも担当してて
副担当も入れると20本ぐらいかな
これまでにその並木亜康行き展と
交換するモダン以外でこれは印象残ってるなとか
思い出深いなという展覧会はありますか
でもそれこそ先ほどブックデザインで
挙げていただいたブラジル先住民の椅子なんかは
思い出がある展覧会ですね
椅子的にみなさん普通の椅子をイメージしてるけど
30:00
動物をかたどったかわいらしい椅子なんですよね
そうですね
ブラジルのそれこそ本当に
現地で先住民の方たちが
儀式とか
信仰もちょっと絡むのかな
で作っている椅子があって
実際に座ることができるんですけれども
その椅子も座面があってじゃなくて
またがって
動物にまたがるように座るみたいな感じの椅子なんですよね
いろんな形があるんですけれど
基本的には動物の形を模していて
鳥であったりとか
ジャガーが結構いたと思うんですよね
アリクイとかいろんな動物がいるんですけれども
その動物をかたどって
色彩なども部分的についているものを
東海の浅賀の宮手の建築と
新館の空間とで
両方合わせて展示するという展覧会を開催しました
あれはなんでやることになったんですか?
あれはですね
ブラジル大使館の方からご紹介をいただいて
ぜひこういうコレクションがあるので
ちょっと展覧会として紹介していただけませんか?
というようなお声掛けをいただいたんですよね
ブラジルの出版社が
そういった先住民の方の作られた椅子のコレクションをお持ちで
それをまとめて紹介する機会っていうのがなかなかなかったので
もちろん日本ではなかったので
ちょっとぜひご紹介したいなということで
開催した展覧会でした
なんかそれでなんかやるって聞いて
テレビ術館の建物とどう合うんだろうと思ったら
意外とマッチしてるなって印象があったんですけど
それこそやっぱりいわゆる普通のホワイトキューブじゃないじゃないですか
この美術館って前半でもそういう話になって
合わないなっていうものがあったりするんですか?
展覧会やる上でこれはちょっとなかなか難いなみたいなことってあります?
そうですね
割とやっぱり合うものを選んでるのかなっていう気はするんですけれど
そもそもその建物の特性上
壁面が多くないので
多くないというか
例えばその大きな絵画を飾ろうと思っても
かなり装飾的な壁とかが多いので
例えばその空間の中に吊り下げようと思っても
重量制限とか壁を追い隠してしまうとか
そういう部分があるので
ちょっと難しくて
そういう展示にそぐわないなっていうものは
それなりにあるのかなと思うんですね
意外と絵画展は少ないですね
結果的にやっぱり工芸とか
それこそファッションとか
33:01
そういったデザイン関係のものっていうのは
割と当館の特色の一つとして取り上げてきた部分はあるかなと思います
それはあれでこの建物だからっていうのはもちろんあるかもしれないけど
物理的な理由もあるので展示する上でっていうことか
確かにパッと思いつくのはキスリング展が最後の大会的な絵画展だったり
絵画展だと
そうですね最近はそのあたりと
あとはその旧ガーデンも割と
ボタニカルアートの展示で壁面を割と使った展覧会だったなとは思うんですけど
当時期とかももちろんあったので
これってちなみに重要文化財に指定された時以来
展示しづらくなるなってことはあるんですか
重要文化財として壁に当然穴開けちゃいけないしとかあるじゃないですか
それはあまり意識として変わってはないですか
そうですねやっぱり建物に対して壁に穴を開けないとかそういったものは
私たちの中でこういうふうにしていこうというのが元々あったので
重要文化財になったから壁に打てなくなったっていう順番よりは
私たちがこの建物を活用して保存していくにあたっては
こうしないようにしようっていうのが先にあったので
一概に重要文化財指定がっていうのが一つ大きな理由っていうよりは
元々あったコンセプトであり考え方っていうのが大きいかもしれないです
ちなみにこの話がちょっと飛んじゃうかもしれないですけど
今もう配信としては2月の中旬になってますけども
年間スケジュールはいつぐらいに発表される予定ということですか
そうですね一応2月をめどに
東京都立の美術館博物館の情報っていうのが
およそ回帰になることが多いですね
じゃあこの段階では今年の年間スケジュールも
今年も見どころいっぱいの
ぜひご覧いただきたいなと思うんですが
ちょっとここからは話を変えて
大木さんの美術以外の趣味はありますかっていう
頭を抱えて
でも演劇をやってたり今は演劇を見たりとかは
そうですね今はちょっとプライベートも忙しくなかなか
美術館仕事柄で例えば
当然週間とか行ったりとかして
ところで美術館行ったりとかも
めっちゃ渋い顔やった
出張に行けてないですね
時期的に
でも出張先行った時に料理食べるとか
食べるのが好きとかそういうのは
そうですね
食べるものは何でも好きですね
お酒も好きだし
今コロナだからちょっとなかなか行けないけど
36:01
実は行けてた時は結構
そうですね
一人で街に繰り出して
お酒結構飲んで
帰ってきてみたいなのはあります
今でも楽しみの一つですか
そうですね
海外は行ったりするんですか
そうですね
私はそこまで多くないんですけれど
それこそ波川展の準備の時は
フランスとイギリスに調査の出張に行かせていただいて
現地のキュレーターの方とお話しさせていただいたり
作品を見せていただいたりっていうのはありました
じゃあもう今はちょっと休んでるけど
昔はこんな趣味とかこんなハマってたなとかはあるんですか
でも多分世代が近いと思うんで
そうですね
中高生の時にこんなアイドルとか
こんな音楽ハマってたとかはないんですか
漫画とかもないんですか
漫画も一通り多分読んでたとは思うんですよね
高校時代に教室の後ろのロッカーボックスに
毎週ジャンプが置いてあって
女子高生なのに
はい
7人ぐらいで毎週買うみたいなのがあって
当番制ですか
当番制でロッカールームにジャンプがずらーって並んでて
どんどん買い出していくから
そうそうそうそれを読んだことはあったなとか
あとそうだでもファッションショーとかもやってましたね
高校生の時とか
でもそれこそ演劇でその舞台衣装のことやってたので
3年生ぐらいの時にファッションショーをみんなでやろうよってなって
服を作ったりしたことがあったので
大学に入ってもファッションショーをやろうよって話になった時に
何度かみんなでやったりとかしました
ファッション紙も当然チェックしたりとかも
そうですね
それこそでも庭園美術館さんは天職じゃないけど
結構ファッション系多いじゃないですか
はいはいはい
やっぱりそれが個人的にテンション上がるんですか
テンション上がりますね
なんか素敵だなっていうふうに思います
自分の専門分野としては
やっぱりその服飾はまだまだ全然
その自分の専門というには遠いものなんですけど
大木さんは専門でと何が?
自分はっていうと
一応そうですね
生活文化史、近代工芸史っていうふうにやっていて
そうですね
工芸関係の展覧会を特に当館では担当することが多いので
ファッションは工芸には入らないんですか?
広い目で見てる
ファッションはやっぱり担当の方っていうか専門になる
39:02
でも工芸の中に位置づけられる部分もあると思うんですけど
染色とかを入る
はいはい
ただ特に例えばその展覧会で
ファッションを紹介するってなった時に
すごく特殊なというか着せつけとか
特に当館はファッション、染色関係のものを
たくさん持っている美術館ではないので
あまりこれまですごく接点があったわけではないので
分野としては興味を持っているけれども
それを自分で取り扱うみたいなのには
まだ全然経験が足らないかなと
この前ちらっとだから
お姉さま方がいる時に聞いたんですけど
そういうことを今の展覧会で
マネキンに当然ファッションがあるけど
ああいうの大きさがちゃかちゃかっと着せてるのかなと思ったら
やっぱりあれは専門の方が着せてるって言ってましたね
そうですね
ご所蔵官の方に着ていただいて
着せつけていただいたりっていうのが主でした
簡単にあんなのマネキンのところで
ひょっとやったら着させられるのかなと思ったら
そんなことはないってことなんですね
そうですね
特にマネキンといっても
いろんなタイプのマネキンがあると思うので
服に合わせたマネキンを選んで
物によっては肉付けというか綿を巻いて
その服に合わせた人体を作って着せつけて
着せつけた後にも何かこう
いろいろメンテナンスというか
膨らませるべきところを膨らませたりとか
そういうことをすごく丁寧にやってらっしゃるので
本当に専門技術だなって思いました
でもだからファッション好きとしては
そういうのも見て楽しいんですか
すごく楽しいですね
へー
今回の展覧会で
あのファッション一番良かったのは何ですか
そうですね
いろいろあるんですけれど
私はあの
部屋と相まっているのかもしれないんですけれど
書斎に置いてある
ガブリエル・シャネルのコートは
すごく素敵なので
はいなんかあれはちょっとこう
マネキンに袋が着せつけてあって
ちょっとドレスの内側が見えるようにコートを
ちょっとはたけてるじゃないけども
見せてるみたいな演出をしてくださっていて
書蔵館の方が
あたかも書斎に
そのシャネルのドレスを着た方が
佇んでるみたいな
ちょっとストーリーみたいなのも合わせて
作り込んでくださったので
すごく素敵な空間になったなというふうに思ってます
そういうこだわりもあるんですね
じゃあそういうファッションとかを
42:00
今自分でも買ったりするんですか
欲しいなとか
買うのはそれは趣味とは言えないんですか
そうですね
なんか自分が着るものに対してあまり興味がなくて
作るのは今でも興味あったりするんですか
作ったりとかはしますけど
ボタンつけたりとか
そういうのはしますけど
今はもうほとんど作らなくなっちゃいましたね
見る専門って感じですか今
見る専門ですかね
でもやっぱり流行は追ったりはするんですか
今こういうの流行ってるなみたいな
流行りとかそういうのはあんま見てなくて
なんかでも昔の服の方が興味があるかなって
いうのがありますね
なるとここの美術館おすすめですよみたいなのありますか
ファッション好きな人も今聞いてると思います
そうですね
それこそ文化服装学院さんの
新宿にある
文化学院さんの博物館さん
すごく素晴らしいコレクションを持ちでいらっしゃるし
あとは今回の巡回会場でもいらっしゃった
島根県立闇美術館さん
やっぱりファッションの美術館さんなので
素敵なコレクションたくさんお持ちですし
あとは京都の
京都服飾文化研究財団
ケシアイさんがお持ちのコレクション
常設で見られるタイミングっていうのが
限られるとは思うんですけれども
素晴らしいコレクションをお持ちなので
ぜひ見ていただきたいところだと思いますね
なんとなくファッションという趣味ということで
趣味あってよかったですね
全く趣味がないまま終わりそうな気合い
趣味って言っていいのかな
最近これにハマってますとかでもいいんじゃないですか
冷凍食品のこういうの美味しいと思ってますとか
どういう会話してるんですか
逆に学園員さん同士で毎日職場で
でもやっぱり仕事の話が多いですかね
この辺のだから目黒の美味しいランチ
あそこ美味しかったですよとか
そういう情報交換とか
そういうのはしますね
なんかありますかおすすめ目黒の
目黒
最近孤独のグルメでご紹介された
目黒駅から東館の間の交差点のところにある
チャベというインドネシア料理の
すごい美味しいの
知らなかった
チャベ
これからだってこれを聞いて
来たいって人もいらっしゃるので
じゃあチャベ行くと
チャベおすすめですし
あとはその向かいに
トラットリアダルビルバンテジョコンド
っていうイタリア料理のお店があって
ホンバローマの肉料理魚料理が
ということで結構あそこは
そうですねお客様いらっしゃった時に
45:02
一緒に食べに行ったりとかはありますね
目黒って言うと
行人坂でしたっけ
あっちの方に飲食店があるイメージで
こちら庭園美術館が
意外とチェーン店しかないかと思いきや
ってことなんですね
そうですね
探すといろいろとあるんですね
美味しいお店ありますね
これで多分皆さん来やすくなった
いいえ良かった
そういう会話とかはやっぱしてるんですね
中で情報共有
そうですね
それこそ海外からクーリエが来るとか
設営の業者の方とか
展示の業者の方とかが
お昼に出られる時に
ランチマップみたいなのを用意しておいて
ここ行くといいよみたいな
庭園美術館の受付に置いておいた方が良いのかな
みんな寄り来ると思うんですけど
それはあれなんですか
確信なんですか
今後じゃあ検討したいと思います
多分みんな欲しい情報だと思いますよそれは
最後にですね
将来成し遂げたいこと
実現したいことは何かありますかということで
これからやってみたいこととかあります
そうですね
でも引き続き庭園美術館の建物を
少しでも長く構成に残していきたいなっていうのは
所属している学芸みんな思っていることなので
この美術館を活用した展覧会を開催して
新しいお客様に来てもらうっていうのは
一つ目標かなっていうふうに思ってます
やっぱり同じことをやっていても
お客さんいらっしゃらないと思うので
最近だと若い方に人気のある作家さんを取り上げたりとか
現代アートの展覧会も積極的に開催するようになっているので
これまで当館に興味を持っていなかった方にも
足を運んでいただいて
興味を持っていただけたらいいかなっていうふうに思ってます
現代アートでも結構やってますし
この間に似長美香さんの展覧会も面白かったです
あと東京都庭園美術館は
展覧会によると思うんですけども
夜間開館の日なんかもあるので
夜間開館の日に来るとまたそれはそれで
見え方も違うと思うので
ぜひ来ていただきたいなと思います
庭園美術館さんは
僕は東京都レトロ美術館っていう本を
3冊目に出した時に
東京都庭園美術館を取材させてもらって
裏拍子に使われてますのでね
それぐらい庭園美術館さんの
僕も建物好きですので
ぜひ皆さん一度と言わず
二度三度来ていただきたいなというふうに思います
さあということで
そろそろ収録終わりたいなと思うんですけれども
どうですか収録はいかがでしたか
口が回らない
そうですよ
次回も趣味を見つけていただけると
番組としてもありがたいなと
思っておりますけども
48:02
あと多分展覧会また今後もあると思いますので
その時にまた遊びに来ていただけたらなと思うんですが
最後に改めて今やっている展覧会の
お口をお願いしたいと思います
現在開催中の展覧会が
交換するモダン機能と装飾のポリフォニーという
展覧会を開催中です
1910年代から30年代までの
フランスドイツオーストリア
そして同時代の日本のデザインや
家具ファッション工芸等々を
多数紹介している展覧会でございますので
ぜひ足を運びいただければと思います
ぜひズロックと合わせて
楽しんでいただけたらと思います
展覧会は3月5日まで開催しているということでございます
本日はどうもありがとうございました
ありがとうございました
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