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ここはとある町にある小さなセレクトショップ、SLOW&STEADY。
国内外からセレクトされた洋服に囲まれた店内は、今日もたくさんの人で賑わっていましたが、閉店間際、今はBGMだけが響いています。
いや、道の奥から誰かの声が、そう、今日も店主の岡崎が残業がてら、ああでもない、こうでもないと、
洋服話に鼻を咲かせているのです。フィッティングルームの皿に置く、STAFF ONLYと書かれたその先にある、狭くて小さなバックヤード、今日もこのバックヤードから、あなたのクローゼットへとお届けします。
いや、めっちゃ久々じゃないですか。いや、結構久しぶりやな。そうですよね。二人でこうやって喋るの久々ですね。かなり久しぶりやな。
なんでね、僕結構寂しかったんですよ。
いや、なんか、僕こんな言うとあれやけど、気持ち悪い話やけど、僕もちょっとホッとした感じが。いや、安心感がね。安心感が。なんか、ちょっと落ち着いて、なんかこうホーム感あるよな。
そう、なんか、カムバックバックヤードクローゼット。なんだこれ、カムバックバックって。
2回言って思った。バックっていうところでこう、原点回帰しようかなと思った。カムバックバックヤード。そうそうね。そうですそうです。原点回帰。
そう、どこまでバックするかっていうのを考えた時に、昔の洋服屋さんってどんなんやったの?みたいな、どこまで今回バックしていこうかなと思って。
なるほどね。チラチラ噂っていうか。
洋兵からしたら、僕の同期世代のお客さんと話をするときに、そういう昔の話を結構するときに、ちょっとポカンとして思う。
そうですよね。全く知れませんからね。まあな。なんで、洋服屋さん歴としては岡田さん20年じゃないですか。
まあ厳密に言うと、22年かな、23年目。ただ、洋服好きとしては、20、もっとですね。25年前ぐらいまで遡れるわけじゃないですか。
バックできるわけじゃないですか。そうそう。限界バックで言うとそこまで。
ちょくちょくヤバいエピソードみたいなの聞くんで。ヤバいというか、今じゃ想像できない。ヤバいってなるともう、ブラウザーバックされるかもしれない。
ブラウザーバックって何? ブラウザーバックです。ヤバい話やったらもう、きくんやめとこうかなってバックされたら困るんで、ちゃんと。
聞いてる人はバックせんといてほしいんですけど、ちょっともうやめときますね、このバックのくだりは。
バック言いたいだけやん。いやもうすいません。本題に入ります。もう全然わからん。すぐ本題に入ります。
要するに、昔の洋服屋さんどうだったのって言葉を聞きたい。そうです。そうでしょ。だいぶ長かった。どういうこと?何が聞きたいの?
いやなんか、今ととにかくなんかちょっと違うみたいなのがあって、あるなってお話を聞いてて。
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一番、普通に洋服屋さんって昔は大人気職業だったってこと? そうやな。洋服屋さんになるっていうことが一種のハードルというか、
なりたくてもなれんっていう人とか、なりたいけど諦める人って結構多かったと思うよ。それぐらい洋服屋さんっていう職業はかなりかっこいいというか。
まあ憧れの職業ではあったんじゃない? ここら辺はやっぱりバブルとか裏腹ブームとかここら辺の。
そうやな。あとまあその時代として、SNSとかインターネットっていう概念がなかったから、ネットショッピングっていうのがそもそもなかった。
洋服は実店舗で買うっていうのがもうみんな当たり前だったから。服屋から買う。 ネットショップも名前の通りお店やから。まあ確かにね。
服屋さんではあるんやけど実店舗。実店舗で物を買うっていうのが当たり前の時代だったから、例えば10人おったら10人ともそうやって買うから。
ましてやユニクロさんとかファースファッションと言われるジャンルの洋服もなかったし、だからそれぞれが好きなテイストのお店に必ず足を運ぶっていうのが当たり前やから、当然1日の来店数みたいなものは全然違うやん。
店舗に足を運ぶ分母が違いますね。 全然違うと思う。だからそこでたくさんお客さん来る中でスタッフとして洋服を販売するっていうのはやっぱり花型じゃないけど、やっぱり憧れはすごい。みんなの中からの憧れっていうのは強かったと思うし、
やっぱりその分競争っていうか、お店同士もそうやし、お店の中で例えば店長になるとか、上に上がっていくためのハードルっていうか競争率も高かったし、もちろんね。当然入りたいって思っている人がたくさんおるから、大学で言うと倍率すごい高い。
その中で選ばれた人たちしか入ってないわけやから、お店には。その中でまたさらに上にいくってなるとかなりハードル高いよね。それはシンプルに人気職業ですね。
人気大学みたいなもんね。でも実際その1店舗で販売する売り上げっていうよりか、人数と売り上げも関係があるけど、やっぱりすごく売れよったね。
もう棚に並べとったら端から。
いやーなんて言うんだろうな。結構みんなが洋服に対して興味があって叱るべきみたいな時代だったよね。僕20年前。
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もちろん一定数興味がないっていう人もおるけど、興味がない人が外に出て行くときに、当然どっかのお店に行って洋服は買わなあかんから、だからパッと買えるところっていうか、大きな流行りはあるけどもそれぞれ個性があったから、お客さんたちもすっごく癖の強い人たちとかも多かったよね。
活発だったよね。熱かったよね。
店員さんも超激アツですね。
僕は徳島でずっとやりようから、徳島だけのことしか知らんけど、田舎の徳島ですらやっぱり多少お客さんに強く言ってお客さんが不快になって帰っても、次から次にお客さんが来る状態だから、やっぱりその言い方も強いよね。今だったら考えれんような発言したりとか。
ちょっとワンフレーザーが効いてもいいんですか?これって例として。
事故やから言うけど、僕発信じゃないよ。これ脈々と教えられてきた背中を見てきて。
マッチ防御も貼ってください。期待しとんで。
だからお前ダサいよね。
買う前に?
格好良くなるために洋服屋さんに一挙のに、まず第一にダサいって。格好悪いって入った瞬間格好悪いって言われるって。辛いよね。
それで帰る人もおるんじゃないですか。
でもね、僕が働くことは全国的に勢いのあったお店で、僕もお客さんの時代そうだったけど、そこで買えなくなったら買うとこないやんっていうぐらいそのお店が好きな人がいる。
噂が噂を読んで広がっていってるから、結局我慢するわけじゃない。
言われても。
当然、なんでそこまで言われなあかんねんって言って、来なくなったお客さんの方が多分圧倒的に多いんだろうけど、その分入ってきよって。
だから今とは全然違うというか。
結局それで、そうやって鍛えられてじゃないけど、良くないよもちろん。良くないけど、それでも食らいついてきた人っていうのが歴代スタッフになったり。
その中ですごい常連さんたちの軍団になっていったりとかっていう感じやから。
常連さんになったら友達みたいになるっけんな。
そうなってくると今とそんなには変わんないけど、そこまで入るか入らんかみたいなハードルは今よりは全然高いと思う。
お客さんにも関門がやっぱりあったりする。
関門すごいいっぱい。
だから今や考えれんけど、お店の前で煙草を吸うのがステータス。
お店の前でタムロ氏と一員になりたいとかね。
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そういう感覚はあったかもね。
今も傭兵の周りの友達とかがたまに同じようなこと言ってくれるやん。
なんか初めてここで煙草吸いましたとか。
感動してましたね。
そういうのを100倍みたいな感じ。
入った瞬間服買う前に出さいって。
だって泣きおことかいっぱいおったから。
岡崎さんも泣きながら。
僕も2,3回はすごい勢いで怒られて泣かされたけど。
泣きながら服買うんでしょ。
泣きながら服買う。
やばいですよ。
やばいよね。
これはすごい時代やな。
僕らがみんなそんなんじゃないんだろうけど。
結局そういう流れだったと思う。
昔はね。
この店で洋服買えてるっていう。
そこでお客さん同士のバチバチもあるんだけど。
バチバチって何ですか?
あいつらよりかっこよくなりたいとか。
あいつよりかっこよくなりたい。
おしゃれになりたいとかっていう。
よくわからんプライドがいいのか悪いのかわからんけど。
店全体に電波して全員がすごい勢いで服買うみたいな。
周りがどんどんどんどんおしゃれになりだしたら取り残されてる感じがする。
周りっていうか全然知らないグループよ。
お客さんグループっていうのが何個もあってお店の中でね。
結構年の近いグループ同士とかだと普段は全然仲良くないわけ。
でなんかちょっと張り合っとうみたいなね。
しゃべるわけではないけど。
このグループとこのグループがライバル視してますみたいなのが結構お店内の中でもあって。
見たらわかる?
わかるわかるわかる。
僕も高校から通い寄ったから
どこの高校生にも負けたくないみたいなのもあったし
結果今思ったら店員さんが言うからこっちも買うやん。
大人になってそのグループの子らと仲良くなって答え合わせしたんやけど
そんな僕ら言われたことないって言われた。
こいつ言ったらいけるんちゃんみたいな。
僕はすごい転がされとった。
やられとった。
ものすごいやられてた。
深崎さんの高校は私服だったんですか?
私服だけど新設校で
当時学乱が主流だったけど
僕らブレザーだったよ。
今はブレザーが主流やけど
当時は少なくて
何校かしかなくて県下でもね。
ブレザーとかだったらチェックのパンツに
僕の場合はチャコールグレーみたいなブレザーだったけど
いろいろできればバッチつけたり
学乱より自由度高いから
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ほぼほぼ全身私服で僕は生きよったけど
自由度高いから無視じゃない?
自由度じゃない?
なんかチェックのパンツ
ショートパンツにしてみたいとか
着とる?
なんかいろいろやるよって
そんな子らが
各学校に何人かおるような
時代だったわけよ。
ファッション番長っていう。
番長じゃないけど
僕らの周りだけでもやっぱり5,6人おったからね。
そういう一緒の学校で
仲良い友達の中でも
5,6人やっぱりおったから
その軍団ではないけど
何何校の好きなチームみたいな
目立つ
目立ちますよ
僕らのチームと
違う学校のチームが
街で鉢合わせした時に
あいつらかっこ悪いよ
みたいな
そういうのもあったわけよ
だから街全体が
当時やっぱりすごい人も多かったしね
すれ違う人の洋服を
よく見とるのもある
もちろん携帯とか
スマホみたいなのはないからね
情報を得ることができんやん
目でも
目と
頼れるのは雑誌と
洋服屋さんの
情報
情報をたたれとるから
上手いことやられるよ
だって嘘か本間かは
ネタベント出てくるから
ある意味
今より暑かったし
ライバルと
お店の数も多かったけど
比較的
イージーというか
販売することに対しては
イージーだったんじゃないかな
お店間でも
あの服装はあのお店で買ってるやつやな
今はあやふやというか
どこで買ったかわからんものが多いけど
僕それがすっごい嫌で
うちのお客さんとかも
一発でわかるやん
ここで買いよう
その話めっちゃ聞きたくて
今は話聞いてたら
お店で買ってるとか
すれ違うたびに
あの洋服はみたいな
こういう時代は経たからこそ
今お店作りたいと思った時も
スティーディのお客さんやって
わかるぐらい
こだわったというか
もちろん
この昔のエピソード
経験みたいなのもあるんですか
昔のエピソードある件にほかならんないけど
それも根拠っていうか
それの素晴らしい点って
やっぱり
僕の中であって
やっぱ洋服って基本的に表現やから
お店自体の
強い表現がないと
意味がないと思っとってね
それは昔と違って
今はどこででも買えるやん
ネットで検索したら
Aっていうブランドが好きになったら
全国で
どこで売りようかなとか
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ブランド検索したら
二三十店舗で出てきます
結局アイテムで差別化するって
難しいわけよ
うちの場合はもともと
ヤイヤのすごい
個性的なものが多いから
そのアイテムでは判断できるけど
例えばシンプルな
デニムとか
本当にプレーンなタイプのシャツだったら
うちの洋服ですら
分からん時もあるやん
だからそれは嫌やから
ちゃんとしたスタイルを
提案しよう
スタイルを
提案するって言ったら
それコスプレやんっていう
否定的な意見もいただくんやけど
コスプレじゃなくて
これにこれにこれにこれに
全て上から下まで
組み上げるみたいなコーディネート
コーディネートは僕したくなくて
でもブレスレットとか
そういうこう
コロコロ買えんでいいものは
帽子とかね
そういうものはうちのテイストを入れて
細いパンツにはこういうのとか
それぞれの合わせ方があるけど
トータルのイメージとしてうちっぽいスタイル
そういうのを
提案するっていうか
じゃないとやっぱ
ヤイヤは意味ないかなって思う
もっともっとなんか
便利な世の中になっていくだろうし
きっとこれ
何回も言ったけど
もうあと10年ぐらいしたら
下手したら素材感とかも
もっとリアルにわかるだろうし
オンラインとかで
なんか録音しとけば
ポチって押したら店員さんとかの
説明も聞けて
なんか実店舗で販売する意味が
どんどんなくなってくるやん
ネットでできんことを
いかに
実店舗でやっていくかっていうのが
古典の魅力っていうか
僕はね
僕はそう思っとう
じゃないと顔見て
お客さんの体調見たり
悩み聞いてコーヒー飲んで
っていう時間
そういう時間も含めて
福山さんやと思っとうから
まあスロー&ステディ感
お店感っていうか
こういうのはやっぱり
面白い方ですお客さんに
お客さんに思ったとき
面白かったです
面白かったよ
浅いな
やっぱいいなと思いました
昔の話を今聞いてて
これはダサいって
言われたら
その時間に僕がタイムスリップしてね
ダサいって多分服嫌いになっとるけど
服嫌いになっとるけど
今ダサいって言われんけど
昔の空気感
チーム感みたいな
一応僕も
バカなりに勉強して
当時は一元さんとか
初心者の人に厳しかったよ
洋服屋さんでね
常連さんには優しくて
初心者には厳しい
でも通い続けて
仲良くなったら優しい
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っていうのが
昔の洋服屋さんだけど
僕の場合逆で行こうと思って
ある程度常連さんになったら
説明もしません
常連さんになったら
ダサって
言える
ある一定期間は
わからんと来てくれようやから
丁寧に丁寧に
その人の性格とかが
わかるまでは
これがいいんじゃないっていう強い言い方は
できるだけ控えようとは
思っとう
逆にやっぱり出るけどね
出るけど
不快になるような言い方はやめよう
って思う
強く言わなあかんなって思うときは
言おうけど
それはその人に否定するようなことじゃなくて
洋服はこういうもんだよ
っていうことに関しては
僕はこう思うよっていうのは
はっきり強く伝えることはあるけどね
そのコーディネートで
明らかに
コーディネートで
これはちょっと違うよなって思っても
否定はせんくなった
ここ10年
年々否定せんくなっていく
なんかそういう感じになってきて
年齢っていうのもあるだろうけど
なんかありがたいなって思う
大否定している姿
否定している姿
否定している姿すらは
見たことないですけどね
そんなにそんなに否定することないし
まあそうです
基本的にやっぱりどうやって着ようが
自由やん
その自由の中で
でもやっぱある程度バランスの
取り方とか色合わせとか
サイズ感とか
そういう部分は多少なりとも
かっこよく見せ方とかもあるけん
それは教えるけど
こうせなあかんみたいなのはない
うん
昔はすっごい
面白かったよ
確かに
確かに面白かったけど
昔のほうが良かったのか
いやいや
張り合いないなって
違う違う
張り合いないないとかないよ
だって全国とつながったからね
確かにオンラインのおかげ
いいところも悪いところもあるけど
結果今のほうが
良いんじゃないかなって思った
今のほうが良い?
今のほうが全然良い
なんでですか
もうなるでしょ
昔も結構激アツそうやったけど
今のほうが良い
実テンポの魅力がなくなってきよう
今の時代やからこそ
面白いものはあるわけ
そうなんですね
今のほうが全然楽しい
そうなんですか
楽しい
楽しそう
楽しい
今のほうが面白みは
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これもっと話します
スロー&ステディプレゼンツ
ポッドキャスト
バックヤードツークローゼット
話はまだまだつきませんが
そろそろ閉店のお時間です
聞いた後
クローゼットの洋服たちが
今よりきっと好きになる
来週もあなたのご来店
お待ちしております