1. BACKYARD TO CLOSET
  2. #11|映画と写真集と雑誌と。
2021-12-18 28:33

#11|映画と写真集と雑誌と。

spotify

SLOW&STEADY Podcast [Backyard To Closet] by OKAZAKI / SAKU / YOHEI

00:02
ここはとある町にある小さなセレクトショップ、SLOW&STEADY。
国内外からセレクトされた洋服に囲まれた店内は、今日もたくさんの人で賑わっていましたが、閉店間際、今はBGMだけが響いています。
いや、店の奥から誰かの声が。
そう、今日も店主の岡崎が残業がてら、ああでもない、こうでもないと、洋服話に花を咲かせているのです。
フィッティングルームのさらに奥、スタッフオンリーと書かれたその先にある狭くて小さなバックヤード。
今日もこのバックヤードから、あなたのクローゼットへとお届けします。
あれ、大事ですか?
置くなってこと?
いやいや、そんなことちゃうぜ。
洋役、この前、あれたまに見たりしおるっていう、まあ先輩やし、長いけん洋役の方が1年おったし、まあ僕は恥ずかしいけど、その2、3回しか見たことなかったけん、結構見おるんで。
何を?写真集を?
はい。
お店にある写真集を。
僕はもう50回見たりしてます。
って言ってたんで、嘘くせえなって思って思って、こいつ絶対ほんまかなって思って、4ヶ月一緒におるけど見よると50のじゃ終わりに合わんぐらいの。
50回見て、必要なんかどうなんかわからんでもいい。
つまり、僕それを同じ詰め方したんですけど。
そこが問題じゃん。
お前無理じゃん。
まあだから2回目ぐらい、1回目で、意味がないとかじゃなくて、最新のファッション誌とかとどう違うのかというか、何を得るために見てるのかっていう。
すごい薄いこと言ってるの自分でわかるから。
いやいやいや、それを見て聞きにくいよな、ちょっとわかるわそれは。
それを見て、何のプラスになるんだってことを。
いやちょっと、ぶっきらそう。
まあ極論、極論僕らが言いたいのは、そこに収束はするんですね。
そういうことなの?
いや、まあそうです。
何をもってプラスとするかってこと?
昔の映画とかを見てて、その登場キャラクター、人物とかの服装を見て、今店にある昔クラシックな洋服がもっと好きになったりはします。
するかな?
え?
え、しない?なんかこの間も結構岡崎さん見てたじゃないですか、写真集。
それじゃないか。
そこじゃないんじゃない?
そんなんじゃない?
いやそこでないこともないけど、例えばみんな被ってる彼さんとの帽子ね。
03:06
あれもチャプリン・ザ・キッドっていう映画のチャプリンに出てくる子供が被っとった帽子っていうので作ったやん。
そういう何かを作るときにエッセンスとして使うっていう使い方かなとは思うんやけど、
なんかその古い写真集とか映画とかって、やっぱ時代背景が露骨に出るやん。
そうです。
例えばチャプリンとかだったら、キッドは1921年公開なんやけど、1940年ぐらいに出た映画で、思いっきりナチスのことを批判した映画が出とったりして、
そのチャプリンにおいて話すと喜劇役者っていうか、今で言うコメディアンなんだけど、すごいアメリカでも評価されるんやけど、
そういう力を持っている人たちを風刺したり、今で言うディスったりして、結局アメリカに帰れんくなって、
市民権が剥奪されて、最終的に晩年は88歳で亡くなるんやけど、スイスで死ぬっていうか、晩年はスイスで過ごすんやけどな。
そうそう、なんか時代背景と洋服っていうのを擦り合わせるっていうか、何て言うんだろう、資料かもしれん。
こういう時夜間、こういう時。
もちろん僕、チャプリ映画とかに関しては好きやけん見ようけど、内容としてすごい感動もするし、笑えるし。
でも写真集とかって、ザンダーの写真集とかに、カザット写真集に関しては結構資料として置いておく部分は大きいかな。
当時の人たちがどういうパンツを履いとって、例えば単行の写真集とかもあるけど、すっごい洗いまくってボロボロになって、レングスもむっちゃ短いやん。
それにハイカットのブーツ履いとったり、ベストとシャツの組み合わせとか、帽子のかぶり方とか、そういうのを資料として頭に入れるっていう感じ。
そもそも時代も違うし、そのまんまの格好をしたら、もしかしたら滑稽に映るかもしれんけど、やっぱり、繰り返し言うけど、物には物の生まれた歴史もあって、理由もあるわけやから、
06:06
ワークウェアとか日常着とかっていうことを置くくりに、うちはういようやん。
だったら当時の洋服の着方っていうのも頭に入れながらコーディネートする。
頭に入れとくだけでいいと思うけど。
そのまま同じじゃなくてもそうですよね。
それを全く同じようにトレースしても、全然今とは違ってくるし。
そうですよね。
だけど資料として眺めるぐらいのもんでいいんじゃない?
おー。
いや、だけど資料として、別に常に皆見んでもいいし。
もちろん。
ザンダーとかの、アグストザンダーとかの写真集は単純にかっこいいし、あそこまでリアルに職業別で人を撮り続けた人ってもおらんし、
なんかほんまにこう、当時の空気感とかその人がまるで喋ってくるんじゃんっていうぐらいの迫力のある写真やけん。
そもそも写真として好きなんやけど、そういうなんていうの。
まあまあ、なんかこう、昔にタイムスリップみたいなノリっすか?
いやタイムスリップではない。
ノリとかっていう言葉を使ったらちょっとなんか。
いやいやいや。
軽くない?
ノリはあかんから。
タイムスリップみたいなノリっすか?
バカにしないですよ。
リアルっていう話をしてたから、昔に行った瞬間の映像とかを写真集を見て思い浮かべるというか、そのイメージではないんすか?
何だろう。何だろう。じゃあ例えばそれって古き良きみたいなものを好きだったら、やっぱ当然興味はある出てくるやん。
それで見ようだけで、全然興味ない人が眺めてもあんまり意味はない。
でもこういう洋服をいよいよ販売しよう以上、やっぱりそういうルーツじゃないけど、この洋服が、例えばこの年代のこういうジャケットをベースに作っとんかなとかっていうのを頭に入れとった方が説明はしやすい。
それは間違いない。
それだけじゃない。全く好きじゃなかった。別に見た方がいい。二人には見た方がいいっていうのは当然。でも洋服を買う人たちにみんながみんな古い映画見なさいよとか見た方がいいよとは思わん。
09:28
だっておいしい料理を食べにご飯屋さんに行ったお客さんがおいしい料理作れなあかんみたいなもんじゃない。そのなんか素材の知識も必要なのかっていうのと一緒じゃない。もうおいしかったらええやん。で、今はいいと思う。
僕はそこをお客さんに求めるのは違うと思うし。お客さん自身がもっといろいろそれで洋服好きになっていろいろ掘っていきたいとかになってきたら見たらいいと思う。そんなもんちゃう。だけど表だって何か大きなプラスにはならんかもしれんよね。
なんか感じれる。感じるっていう。
なんかこう着方の基本はわかるかもな。
確かにお客さんでもこうお店に置いとるやつでサスペンダーの位置とか参考にちょっと見たいんやとか言って見るお客さんもって。
帽子のかぶり方とかなんかそういうのはあるんじゃん。
で、今のファッション史を否定するわけではないけど、それこそこう知識として今このブランドこういうの出しとんじゃとかそういうのは知りたければ見たらいいけどそれを見ておしゃれには絶対ならんよ。
ファッション史を端から端まで見たって絶対おしゃれにはならんね。
なんならまずいんじゃない。
そうなんですか。
否定、それ否定なわけではないけど。
でも自分そうやって端から端までファッション史毎月例えば2冊3冊4秒でほんまに好きなもんって見つかるんかな。
次から次へと新しいもんとか新しいアイテムとか。
当然こう特集されとる今の流れとかはわかるからファッションには詳しくなるけど好きなもの見つけるにはやっぱり惑わすだけかなって思う。
12:07
ファッションじゃなくて洋服を。
自分がこういう洋服大好きですっていうようなことをはっきり絞りたい人はファッション史は見るほうがいいよね。
あー逆に。
逆にっていうかそれはブログなりSNSインスタとかでも結構何度も書いたことやけどね。
だってうちのお客さんには読まんほうがいいよって言うよね。
僕も言われたことある。
読まんほうがいいこともないんやけどね。そういう用途が違うっていうか。
僕も見たりするし。
でもそれから何かを得ようっていうのは思ってないかな。
じゃあ岡田さん流れというかどういうのがあれなんかなみたいな。
だって売れとる売れてないもんその雑誌見てわかる人やらんと思うよ。
だって実際こんなに言ったらもともこもないけどページを買って特集組んだりとか。
例えばこのブランドを載せとけば雑誌が売れるとかっていうのもあるし。
ブランド側が依頼した部分もあるし。
それでトレンドはわからんでしょ。
トレンドというか売れと売れてないの。本質的なところはわからんしね。
ある程度わかった上で雑誌見て
ツールとしてただのツールとして必要な時にチロッと見るっていう人は全然オッケーやと思うよ。
だってそこに書いてあるハウトゥーみたいなものを見ても
自分の体型と自分のキャラとそんなことがそれとあってもあってないかの答え合わせは誰がしてくれるのっていう話ですよ。
あなたはこっちあなたはこっちって本当に人それぞれに書いてくれと本があれば
それは僕がやってほしいけど。
ないっすね。
ない。
ないというか。
僕はそれ見るぐらいだったら
それはそれで道具として使ってツールとして使って
自分の心を豊かにするっていう意味では
そのそういう古い写真集なり映画なりっていうのは文化に触れることやし
そうなってくるとやっぱり自分の心が豊かになるよね。
15:01
それでオシャレになるかって言ったら
頭に入れたけんオシャレになるかって言ったらそうじゃないし
かっこよくなるかって言ったらそうじゃないけど
心は育つ。
写真集なり映画なりって。
音楽聴くんと一緒じゃん。いい音楽聴くんと一緒やからね。
文化に触れるっていう。
それが雑誌と違う。
そうか。
だいぶ違う。
だいぶというか。
ものが違う。
ものが違うっすね。
ことちゃう。
ものが違う。
ものっていうかジャンルが違うよね。
そうですね。
アホか。
確かに同じ本というか隔離でどっちがいいとか言うてたんですけど
全く話が違ったっすね。
比べるべき対象のもの同士はなかったっす。
どっちも服の勉強だと思って。
だってこの前僕はイブ・サン・ローランっていう映画を見たんやけどね。
あれも別に見て感動。
それは文化やけどああいうのを僕が見たりするときって
時系列がわからんから
例えばイブ・サン・ローランが若かれし頃にディオールの弟子っていうか
ディオールについてとかっていう
時代背景と年表を覚えたいなと思って見るわけよ。
それでもちろん作品が良かったら感動もするんやけど
自分なりに使いどこってあるやん。
雑誌にしろ。
それは人それぞれやけど
資料として古い写真集を見ながら
ちょっとかっこいい写真やなって思うだけで全然違う気もするし。
雑誌のコラムとかね
は僕読んだりするけど
雑誌見て感動するってのはない。
それはないっすね。
そこの違いかな。
みんなよう言うけど
何かをやったらオシャレになるみたいなことってないよ。
正直言う
今まで散々こうしたらかっこよく切れるとか
テクニカルなことも言ってきたよ。
言ってきたし
ブログにも書いたし
毎日のインスタで
もちろんアドバイス的な文章は書くやん。
でも劇的に何かが変わるってことはない。
ないよそんなん。
18:03
だって雑誌を
映画を10本20本
1ヶ月かけて毎日1本見ようと
見ますと
で30本見ましたってなって
何か変わるかって言ったら変わらんよ。
映画評論家の人とかは
何万本って見とるわけやからね。
音楽評論家もそうやし
一応言ったんで何かが変わるわけじゃないんだったとしたら
どうするかっていうことなんやけど
やっぱりこう
ショーステ街で出ようっていう言葉があるように
やっぱり自分で実際店舗にも行って
試着して鏡見て
いろんな話して
やっぱり自分の体に
どんだけストックしていくか
感じたこと見たものとか
会話とか
やっぱり試着経験とか
どれだけ回数洋服着たかっていうことって
が一番近道かもしれない
まあそれは着まくったら何かが変わる
けど絶対それは変わる
もう100%結果が欲しいんだったら
好きなお店に行って朝から晩まで試着しまくったらいいよ
っていう極論の言葉ですよね
まあ勇気があるな
さすがに2時間3時間ぐらいで止めとった方がいいけど
多分店員さんにちょっとイラッとされる
何とも言えんすけど
実際にそうか
着ることで
あとはやっぱり
店員さん好きな
いろんなお店
いろんなお店で
自分の好きなお店の店員さんの
真似するとか
話聞いてそのままとりあえず買う
それがかっこいいかっこ悪いって言ったら
かっこ悪いなとかって思うかもしれんけど
最初は真似でいいよ
とりあえず言われるがまま
それで自分がかっこいいって思ったんだら
それでいい
それを繰り返してちょっとずつ変わっていく話だろう
スポーツとかと一緒なんかおもろいですよ
僕なんか思うんですけど
一緒一緒
野球のヒットの打ち方みたいな
見てもあかんやん
実際やらんと
あかんやん
でもスポーツと一緒って言ったけど
ちょっと違うんは
スポーツは実際自分の体を動かすやん
洋服って基本的にやっぱり
テクニックとしてはあるわけよ
基本的なベースっていうのはそれで
多少頭入るかもしれんけど
21:02
実際そこを下手
上の話をしようわけでしょ
そっから先っていうのは
やっぱり経験じゃない
と思うけどね
お盆ひっくり返すような
チャブ台ひっくり返すようなこと言っていい?
いいえ
言っていい?
まじですか?
いやちょっと今日言いたいなと
そんなね
めちゃめちゃオシャレ
この人これがこのロールアップの仕方がどうのこうのとか
見よう人おらん
いいねいいね
おらん
結局ねおらん
でもなんで好きなのかってなると
自分のためやん
まず
自分が
ここのロールアップこだわりたいんですよね
結局自分が
かっこよく着て
自己満足の世界やけど
自分で洋服に自己満足して
自分の自信を満塵で外に出れるから
やっぱ顔にも出るし
そこの連鎖でやっぱり
モテたりモテんかったりとかっていう
服反応が起きてくるわけよ
あっ今服反応と
今旬のね
じゃあそっちで
服反応と服の反応と
トリプルミーム
すごいな
トリプルミーム
ちゃんとその話
ヤバいヤバい
たまに1年に2,3人に
言われて
ちょっとショックなんやけど
彼女に
ダサいって言われたんですよね
あー
2,3回どこちゃうな
結構まぁわかるっすよ
2ヶ月に1回ぐらいあるやん
あれっすか
うちの洋服着ててってことですか
リアルというか
だけどなんかそれって
じゃあどうすんの
彼女の前では着れんすよね
ってなると
すごい辛い気持ちになるよな
でも最終的に
その服どうすんのって言ったら
いやなんか
彼女とおらん時に着ますわ
って言ってくれたらまだいいけど
いやもう彼女も着たらだめだ
奥さんも着たらあかんって言うんで
食いますわ
それ調節
言われることある
うち結構言われる
マジですか
じゃあこうなってきた
友達仲いいから
それがすごい辛い
結局自分のために
洋服買っとうし
もちろん相方
パートナーが嫌っていうのは
わかるけど
じゃあこの服をどうしても
せっかく買ってないしどうしても着たいけど
24:00
どうしたらいいって相談して
どうにか着れるように
したらいいと思うよね
僕は
でもなんかブリブリ言われても
せっかく買ったんやったら
ガンガン着て
諦めてくれるまで着たらいいと
そうですか
向こうが寝上げるまでってことですか
なんかそこがね
それで着たり
着んかったりっていう
大きなジャッジが下されるんだったら
ほんま常に奥さんとかと
一緒に買い物来たらいいと思うよね
でもそれがなかなかね
やっぱり難しいから
一人で来て一人で買いよう
人多いし
だったら
頑張って堂々と来たらいい
ちゃうかなと思う
割と衝撃的な話やった
言葉が出てこない
いつも以上に
いやいや
まあね
僕はそう思うわ
結局
とどのつまり
自己満足
絶対
自己満足やけど
自己投資っていうか
それ
ナンセスっていう話もあって
昔は洋服って
自己投資に入るよっていう
自分を磨くためのツールやし
いい洋服を着ていい感性を磨けば
仕事も出世するし
みたいな自己投資っていう
中で語られてきたことが多かったけど
今は
いやそれ違うだろ
っていう人も多くて
浪費だったりとか
それで結局そうやって
投資だ投資だって言って
いろんな洋服買うから
無駄な物が多くてみたいな
捨てられて
捨てられてみたいな話にもなってきて
なんかそれも
いろいろ人それぞれあるんやけど
ほんまに心
触れる洋服をちゃんと
自分で探して買っていけば
間違いなく多分
人としては成長するような気はするけどな
僕もこれからやけど
いや何の話また
もう
出た出た出た
出ましたよ
副反応ね
いやそこじゃないです
そこじゃなかったくない
バックヤードで喋ったら
こういう副反応
スロー&ステディプレゼンツポッドキャスト
バックヤードトゥクローゼット
話はまだまだつきませんが
そろそろ閉店のお時間です
聞いた後
クローゼットの洋服たちが今よりきっと好きになる
来週もあなたのご来店
お待ちしております
28:33

コメント

スクロール