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2025-04-26 11:39

#750 進行形はいつも「進行」を表すか?アクチオンスアルト from Radiotalk

主要参考文献
Vendler, Zeno (1957) Verbs and Times. The Philosophical Review. 66 (2): 143–160.
Smith, Carlota S. (1991). The Parameter of Aspect. Studies in Linguistics and Philosophy. Vol. 43. Dordrecht, The Netherlands: Springer Netherlands.

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育

サマリー

今回のエピソードでは、アクチオンスアルトや語彙的アスペクトの4つの分類、つまり状態動詞、動作動詞、到達動詞、達成動詞について詳しく解説されています。また、セメオファクティブという新たな分類にも触れ、進行形との関連性について考察されています。

アクチオンスアルトの解説
今回のエピソードのテーマは、アクチオンスアルトです。アクチオンスアルト、これはドイツ語で、語彙的アスペクトと言われることもあります。
端的に言えば、その動詞本来の時間的な性質みたいなものです。
過去に似たようなエピソードを配信しております。
シャープ345 動詞分類を学ぼう英語編というのがあります。
よろしかったらそちらもね、これ聞き終わった後で聞いていただけたらと思います。
シャープ345、多分似たような話をしてるんじゃないかと思います。
今回は英語がメインの話になるんですが、英語の語彙的アスペクトないし、アクチオンスアルトというのは4つに分けられて、
状態動詞、動作動詞、到達動詞、達成動詞、この4つに伝統的に分けられます。
僕は到達と達成がよくごっちゃになるんですが、それぞれどういったものかということを見ていこうと思います。
BGMです。始まりました445のツボ。皆さんいかがお過ごしでしょうか。ボノボノです。
状態、動作、到達、達成、英語ではステイト、アクティビティ、アチーブメント、アカンプリシュメントという風に言うんですよね。
さっき言ったように僕は到達と達成、アチーブメントとアカンプリシュメントというのがごっちゃになります。
日本語にしても英語にしてもなんか似てるなという感じがしちゃうんですよね。
まずこの4分類で、この4分類というのはベンドラーという人が提唱したもので伝統的に今でも使われているようなところがあります。
この4分類はまず状態とそれ以外という風に分けるのが最初の分岐点という感じで、
状態動詞というのは結構わかりやすくてその名の通り状態を表します。
今回は英語の話なので、例えばb動詞ですね。
状態を表すb動詞というか、形容詞と一緒に出てくるb動詞というか、形容詞述語文と言ってもいいですが、
he is kind、彼は親切だと言ったときのbe kindというのは状態動詞です。
これが状態を表しているというのはよくわかると思います。
あるいはloveとか愛するとかknowとか知っているというようなこういった動詞も状態を表しているということができます。
状態状態言ってますけども、これは何なのかというと、要は変化しないという感じですね。
その状態動詞で表されている自体のどこを切り取ってもあまり変わらないという感じです。
この状態動詞に比べると他の3つ、動作、到達、達成というのはもっと動詞っぽい動詞という感じで、まさに動きを表すというような動詞です。
動作動詞というのは本当に動作を表しているんですが、それじゃ説明になっていないのでもうちょっと詳しく言うと、
具体的にはダンスとか踊るとか、歌うとか、こういったものが動作動詞です。
この動作動詞の特徴というのは非限界的だというのが挙げられます。
アテリックではない、アテリックだという言い方もされることがあります。
動作動詞が非限界的だというのは、要は明確な、動作の完了点みたいなのがないんですよね、終着点というか。
これが到達動詞や達成動詞と異なるところです。
到達動詞、achievementに含まれるのは、例えばexplodeという爆発するとか、これは爆発するという動作に明確な完了地点みたいなのがあります。
そういった意味で限界的です。
達成動詞というのは、例えばmeltという溶けるとか、dryという乾くという動詞が到達動詞に含まれるんですが、
これらも溶け切るというか、乾き切るという点が想定されるんですよね。
そういう意味で、到達動詞と達成動詞は限界的です。
それに比べると、ダンスとか踊り切るみたいなのが、その動詞に本来的に含まれていません。
そういった意味で非限界的です。
ですので、今までの話をまとめると、動詞というのは状態動詞かそれ以外かで分けられます。
状態的か動態的かで分けられて、まず状態動詞が別項になります。
その後、限界的か非限界的かで分けられて、非限界的なのが動作動詞です。
では最後の到達動詞と達成動詞はどうやって分けられるかというと、これが瞬間的かどうかです。
もう一回さっきのエクスプロードとメルトというのを比べた時に、爆発するエクスプロードの方がまさに瞬間的に起こります。
が、メルトの方は徐々に溶けていくというような意味で瞬間的ではないんですよね。
どちらも限界的である、つまり動作の明確な終了点があるという点では、到達動詞と達成動詞というのは共通しています。
このことは言い換えると、その動詞で表される自体の前後で状態が変わっている、爆発前と爆発後で状態が変わっているし、溶ける前と溶けた後で状態が変わっている、そういう言い方もできます。
それに比べると動作動詞は非限界的なので、踊る前と踊った後というのは普通、状態があまり変わっていないとみなされるんですよね。
もちろん体力的に疲れたとか怪我したとかそういうことはあるかもしれませんが、それはダンスという動詞に本来的に含まれているものではありません。
以上お話しした状態動作・到達・達成の4分類というのはベンドラという学者によって提唱されたのですが、後にまた別の分類が追加されました。
それはスミスという言語学者によって提唱されたもので、それをセメオファクティブと言います。
定訳があるかもしれませんが、英語ではセメオファクティブという言い方をするんですよね。
これは例えばCoughみたいな咳をするとか、Flashピカッと光るとかこういったものが含まれるんですが、
このセメオファクティブの何が面白いかというと、まず瞬間的です。
爆発するというエクスプロードの到達動詞と同じように瞬間的に起こるというのはよくわかると思います。
特に咳をするCoughみたいなのは瞬間的に起こるものですよね。
ただ、到達動詞と異なるのはテリックではない、つまり非限界的だというところで、
爆発するの場合はさっきも言ったように爆発する前とした後で状態がガラッと変わっちゃいますが、
咳をするというのは咳をする前とした後で別に状態の変化というのが起こらないんですよね。
そういった意味で非限界です。
瞬間的で非限界な動詞がセメオファクティブということができます。
今、大まかに5つの動詞分類、ベンドラーの4分類プラスセメオファクティブの5つの分類をご紹介しましたが、
進行形の考察
これが何なのかというと、意味的に違うというのもそうなんですけど、
それが文法的に異なる振る舞いを見せるというのが面白いところです。
例えば進行形になったときにどうなるかということを考えると、
まず状態動詞というのは進行形になりづらいです。
やろうと思えばできます。
You are being rude とか言うと、お前は今失礼なことをしているという、
そういう行いをしているというような意味になるので、
B動詞であっても進行形を作ろうと思えば作れるんですが、
状態動詞は進行形と相性が悪いと言われています。
一方、動作動詞、ダンスみたいなものが、
He is dancing とかになると、彼が今まさに踊っているという、
我々がイメージする進行形になるわけですが、
達成も一緒ですかね。
The ice is melting とか言うと、
The ice is melting とか言うと、
氷が溶けているという、これも我々がイメージする進行形です。
それに比べると、セメンファクティブの進行形というのは変わっていて、
Cough というのは coughing という言い方ができます。
He is coughing と言えば、彼は咳をしている進行形が作れているわけですが、
その意味するところというのは、
He is dancing と微妙に違って、
咳を何回もしているという解釈になります。
その咳をするという動作が、進行していますよというのではなくて、
咳という動作を何回もしているということです。
あるいは、The light is flashing とか言うと、
ライトがピカピカ光っているという、反復したような解釈になります。
ただ、おそらくやろうと思えば、
The light is flashing も The ice is melting と同じような意味になって、
つまり、ライトが光る瞬間を動画で撮って、
それをスローモーションで見たときに、それを描写するときに、
The light is flashing と言えば、
The ice is melting と同じように、
まさに、光りつつあるというような進行形になると思うんですが、
そうでもしないと、
The light is flashing と言ったら、
ライトが何度も光っている、ピカピカしているという意味になります。
ですので、一口に進行形と言っても、
動詞の性質によってその意味が異なるというか、
まさに進行らしい進行の言葉もあれば、
何度もその動作が行われるということもあるというようなお話でございました。
関連エピソードもぜひ聞いていただけたらと思います。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローもよろしくお願いします。
お会いしましょう。
またねー!
11:39

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