1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #637 日本語の自他交替 from R..
2024-03-26 11:04

#637 日本語の自他交替 from Radiotalk

関連エピソード
https://radiotalk.jp/talk/272717
https://radiotalk.jp/talk/656580

X▶︎https://x.com/sigajugo
Instagram▶︎https://bit.ly/3oxGTiK
LINEオープンチャット▶︎https://bit.ly/3rzB6eJ
オリジナルグッズ▶︎https://suzuri.jp/sigajugo
note▶︎https://note.com/sigajugo
おたより▶︎https://bit.ly/33brsWk
BGM・効果音: MusMus▶︎http://musmus.main.jp/

#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育

サマリー

今回は、日本語の自他交替について話しています。自他交替には、規則的な形の対応や多動化・自動化の要素など、さまざまなパターンがあります。

日本語の自他交替
始まりました、志賀十五の壺。みなさんいかがお過ごしでしょうか。黄金バットです。
今回は、日本語の自他交替というのをテーマにお話ししていきます。
自他というとね、自他ともに認める、みたいな言い方しますけど、
言語学で自他といった場合は、動詞の自他、すなわち自動詞と他動詞ということでね、そういった使われ方をします。
自動詞っていうのは、主語だけが必要な動詞で、それに対して他動詞っていうのは、主語と目的語、2つ名詞が必要になるような動詞と、大雑把に言うことができると思います。
まあね、自動詞と他動詞っていうのがきっちり分けられるものなのか、日本語に限らず、その辺は難しい問題はありますけど、
今回その辺は置いといて、ひとまず自動詞っていうのは主語だけ、他動詞っていうのは主語だけではなくて、目的語も出てこられる動詞、大雑把にそのように考えていこうと思います。
日本語の自動詞と他動詞、動詞の自他が面白いのは、形の対応っていうのが結構規則的だからなんですね。
今回の話は過去に1回はやったことあって、相当初期の方にやった覚えはあるんですよね。
それ以降にやったことあるかどうかちょっとわかんないんですけど、ひとまず1個は関連エピソードございますので、そこでもたぶん似たような話してますけど、
一応概要欄にリンクは貼っておこうと思います。内容としてはかなりかぶると思うので、
まあ採録に近い感じになるんではないかなと思います。
さて先ほど申し上げました通り、日本語の自動詞と他動詞っていうのは形の上で結構規則的な対応があるんですけど、
まあ大まかにね、その2通りの対応の仕方っていうのがあって、
1つは自動詞が元で、そこから他動詞が派生、作られているように見えるもの。
まあ他動詞と言っていいようなものです。それに対して逆に他動詞が元で、
自動詞が派生されているような、まあそういった自動詞と他動詞のペアっていうのもあるんですね。
でそういうのは自動化と言っていいようなものです。でまずは他動化から考えていきますけど、
例えば乾くっていう動詞はこれ自動詞です。Tシャツが乾く。
それに対して他動詞はどうなるかというと、TシャツがではなくてTシャツをという風に考えればいいので、
Tシャツをとくれば、乾かすになりますよね。
でこの乾くと乾かすっていうのを見比べたときに、 乾くの方が元で、乾かすの方が
より、 まあ専門的にはね、形態的には複雑なものとなっています。
つまり自動詞が元で多動化して、 乾かすというね、ものが派生されているということで、
これはさらにね、ローマ字で書くとわかりやすいと思います。 乾くと乾かすをローマ字で書いて見比べたときに、
まあ相当音としては似ているわけですけど、 多動詞の乾かすの方は
あすっていうのが、 まあローマ字で言うとASっていうのが余分に加わっているんですね。
でこういったペアっていうのは、乾く乾かす以外にもございます。 動くに対して動かす、減るに対して減らす、
湧くに対して湧かす、 こういったものは全部、自動詞っていうのが形としては単純で、それにASっていうかね、
アスという音が追加されて多動詞が作られているというようなものです。 でこのアスとよく似たオスというものもあります。
自動詞と他動詞のペアの規則性
これは起きるに対して起こすみたいなもので、 まあ実質アスとオスっていうのは同じものと考えていいと思いますね。
ただその母音調和と言って、 乾かすだとアの母音が含まれているのでアスっていう音が出てきていて、
起こすだとオっていう母音があるからオスっていう音が出ているというふうに考えて いいんではないかと思います。
こういうふうに日本語にはまず多動化として、 アスオスというものがあるんですね。
続きまして自動化、今のとは逆で多動詞が単純で、 自動詞が複雑みたいなものを見ていきます。
例えば挟むというのは、 これは多動詞です。指を挟む。
これに対して自動詞を考えるということは、 さっきと逆で指をじゃなくて指がと考えればいいので、
指が挟まるですよね。 これもさっきと同様にローマ字で書いてみるとわかるんですけど、
挟むに対して挟まるっていうのはある。 ローマ字でいうとARというのが余分に加わっています。
このAR、あるっていうのが 自動化の要素となっているんですね。
このような動詞は、 挙げるに対して上がる、下げるに対して下がる、
曲げるに対して曲がるみたいに、 まあまあ見つかると思います。
このように日本語の自他、動詞の自動詞と多動詞のペアっていうのは、
あす、おすみたいな多動化もあれば、 あるみたいな自動化もあるわけですが、
数は少ないんですけど、両極化みたいなものもあります。 これは直ると直すみたいなもので、
これはね、どっちからどっちができているとも言えないんですね。 直るから直すとも言えないし、直すから直るとも言えないようなもので、
それぞれ均等にというか、平等に複雑なものというものもあります。
さらにこれもあんまり数は多くないと思うんですけど、 自他動形というものもあります。
自動詞と多動詞が同じ形だということですけど、 これは開くっていうのがそうで、扉が開く。
これ自動詞ですけど、扉を開く。 多動詞としても同じ形を使うんですよね。
英語はこういった動詞が多いと思います。 オープンとかね、あるいはドロップっていうのも、
落ちる落とす、自動詞多動詞両方、両方がございます。 で、ここまでの話は割と比較的、
日本語の自動詞と多動詞は、 規則的な対応になっているっていうことなんですけど、
ちょっとね、ややこしいところもあって、それは、え?という音です。 どういうことかというと、
焼くっていうのは、これは多動詞です。肉を焼く。 で、これの自動詞は肉が焼けるなので、
焼くに対して焼けるという自動詞があるわけですね。 さっきと同じように考えると、焼くっていう多動詞から自動化して焼ける。
そこにえ?という自動化の要素があるわけなんですが、 このえ?っていうのが、
逆のこともしてるんですね。 例えば、届くっていうのは、これは荷物が届くなので自動詞です。
で、多動詞は荷物を届けるなので、 これがね、焼く焼けると逆なんですね。
届くからえ?という要素によって届けるという多動詞ができているので、
焼く焼けるでは自動化だったものが、届く届けるでは多動化になっているので、
ここがね少々ややこしいところなんですね。 まあややこしいと言っても、我々日本語母語話者にとっては
多動化と自動化の要素のある動詞
まあどうでもいいことで正しい形しか口から出てこないのでいいんですけど、 例えば日本語学習者にとっては、届くは自動詞で届けるは多動詞。
逆に焼くは多動詞で焼けるは自動詞っていうのは、なんていうかな、うまく公式化できないので、
まあ結構ねややこしいところではないかと思います。 さらにね、この
英について言うと、 まあ我々が学校で習う公文の時代まで遡ると
さらに面白いことはあるんですけど、 つまりこの字多交代っていうのは歴史的に見ても面白いんですよね。
そのあたりの話はこちらも関連エピソードがございますので、ぜひそちらを聞いていただけたらと思います。
というわけで今回は日本語の動詞の字多についてのお話でございました。 もちろん日本語以外の言語のこの動詞の字多のペアですね。
多動化なのか自動化なのかっていうのもいろんな研究がございます。 日本語は一応両方あるということですね。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。 番組フォローも忘れずよろしくお願いします。
お相手はシガ15でした。 またねー!
11:04

コメント

スクロール