関係節の基本概念
始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。ハリソン・フォードです。
今回は関係節のテーマにお話ししていこうと思います。
関係節については結構過去に取り上げたことがあって、
例えば、ボイスと関係節の話とか、
接近可能性階層の話、
家の関係、外の関係、
この辺の話は過去にしたことがあります。
概要欄にリンクは貼らないですが、
ぜひ皆さん探してみて聞いていただけたらと思います。
関係節ってなかなか面白いんですよね。
一種の複文というか、埋め込みというか、
入り組んだ構造になるので、
より複雑になるというか、構造上複雑になっていきますが、
そもそも関係節は何かというと、
連帯節と言い換えられる場面もあります。
今回は関係節と連帯節はあまり区別せずに、
とりあえず関係節という言い方をしますが、
ちっちゃい文で名詞を修飾するみたいなのが関係節です。
例えば、昨日借りた本。
これは本というのを昨日借りたっていうちっちゃい文、
これを関係節と言うんですね。
この関係節が本というのを修飾しています。
昨日借りた。
この関係節がやっていることは、
例えば、この本とか支持詞とか、あるいは分厚い本、
すなわち形容詞ですね。
こういった支持詞や形容詞と同じように名詞を修飾していますよね。
当然英語にも関係節というものはあります。
僕はこれが苦手でした。
苦手っていうかよくわからないまま高校受験に臨んだ記憶があります。
フィーリングでやってましたね。
受かったからいいんですけどね。
昨日借りた本だったら、
a book I borrowed yesterday とかね、なりますね。
英語の場合は、a bookの後にwhichとか、
あるいはthatみたいなのが入って、
I borrowed yesterdayとね、なることもありますが、
いずれにせよこれも、
I borrowed yesterdayという関係節がa bookというのを修飾しています。
ただ日本語と英語の関係節を見比べたときに、
英語の関係節は後ろからかかっていっているんですよね。
でも英語も、支持詞とか形容詞はthis bookとかね、
b bookとかね、何でもいいですけど、
支持詞形容詞は前からかかっていくんですけど、
関係節は後ろからかかっていくんですよね。
日本語は一貫して前からかかっていきます。
この関係節の語順については、ある程度傾向があると言われています。
英語みたいなVO言語、つまり動詞目的語というような語順の言語は、
後ろから関係節が名詞を修飾するという語順がかなり優勢でございます。
収容部内在型関係節の理解
この例外と言われているのが中国語で、
英語と同じVO言語ですが、
日本語と同じように関係節は前からかかっていくんですね。
では逆にOV言語は全部日本語みたいな、
前からかかっていくタイプかというと、
そういうわけでもないみたいなんですね。
OV言語であっても後ろから、
英語と同じように後ろから関係節が名詞を修飾するというパターンもあります。
むしろそっちの方が優勢らしいんですね。
このように考えると、関係節というのは割と後ろに出てきやすいものなのかもしれません。
このように日本語と英語に比べただけでも、
関係節というのは前からかかる場合と後ろからかかる場合があるわけですが、
共通している部分もあります。
それは収容部、
ここだと本、
昨日借りた本の本なり、
a bookなり、
この収容部と言われる名詞、
つまり修飾される名詞が、
関係節の外にあるという点では共通しているんですね。
そんなの当たり前じゃないかと思われるかもしれません。
関係節というのがあって、
それが収容部である名詞を収飾する。
当然関係節と収容部の名詞は別個の存在で、
その前後の関係は言語によるんだと思われるかもしれませんが、
関係節の中に収容部の名詞があるという、
そういったタイプの関係節もあります。
そういうのを収容部内在型関係節と言ったりします。
ちょっとイメージしづらいですよね。
関係節というのはそもそも、
文の中のある要素を取り出して、
それを収飾しているとよく考えられます。
またさっきの例ですけど、
本ですね。
本を昨日借りた。
この本を外に出して、
昨日借りた本。
こうなっているわけですが、
関係節の中にこの本というのが残るということは、
イメージとしてはこんな感じです。
本を昨日借りたの。
この本というのが節の中に残っているんですね。
だから、
昨日借りた本を返さなきゃいけないとかいうのを、
本を昨日借りたのを返さなきゃいけない。
日本語でもなんとなくいける気がするんですよね。
この収容部内在型関係節。
日本語の収容部内在型関係節については、
いろいろ研究があるはずですが、
今回はそこまで踏み込めません。
他にも、
例えばね、
部屋から出てきた犯人を捕まえた。
部屋から出てきた犯人を捕まえた。
これは、収容部の犯人というのが、
関係節によって就職されているわけですが、
収容部内在型でもいけそうな気がするんですよね。
犯人が部屋から出てきたのを捕まえた。
こののというのを使えば、
あるいはところとか、
犯人が部屋から出てきたところを捕まえた。
こういうふうに言うと、
捕まえたのは犯人なわけですが、
その犯人という収容部が、
関係節の中に残ったまま、
移動していないということになります。
関係節の言語的特徴
なかなか面白いですよね。
関係節って言うと、
関係節が収容部を就職するんだと
思われていたかもしれません。
そもそもそんなに関係節について
深く考えたことないと思うんですけど、
意外とバリエーションがあるんですね。
日本語と英語の関係節を見比べたときに、
異なる点。
一つはさっき言ったように語順ですけど、
もう一個違うのは、
日本語には関係代名詞というのがありません。
英語でも省略できる場合がありますが、
他の言語だと、
関係代名詞じゃなくて、
普通の代名詞を関係節に用いる
ということがあるんですね。
つまり、ダブってるような表現になります。
昨日借りた本っていうさっきの例だと、
昨日それを借りた本みたいに、
それをっていうのが関係節の中に
現れるっていうね。
むしろ現れなきゃいけないっていうような言語もあります。
逆に日本語は、
それをみたいなのが出てこないので、
そこはギャップになってるっていうかね、
空所になってるんですよね。
関係節ってね、本当に奥が深いんですよね。
またそのうち、エピソードでも取り上げることがあるでしょう。
そして過去に取り上げたこともございますので、
自力で探して聞いてみてください。
全部聞けたら偉いと思います。
それでは今回はここまでということで、
番組フォローがまだなかったら、
フォローよろしくお願いいたします。
お会いしましょう。
またねー!