1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #559 言語の創造性:二重分節 ..
2023-06-27 09:56

#559 言語の創造性:二重分節 from Radiotalk

関連エピソード
https://radiotalk.jp/talk/340209

主要参考文献
『一般言語学要理』 (アンドレ・マルティネ、三宅徳嘉訳、岩波書店)

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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始まりました。志賀十五の壺。淡路島のここら辺。淡路ワールドパーク小野コロです。
今回は、言語の二重分節という特徴についてね、お話ししていこうと思います。
英語だとダブルアーティキュレーションという言い方をするんですよね。
過去のエピソードで、どうやらこの二重分節についてはテーマとして取り上げてて、
ちょっと聞き直してみたんですよね。
意外とうまくまとまってたなぁと思うので、そちらも合わせて聞いていただけたらと思います。
かなりね、採録に近い形になるんじゃないかなと思うんですが、
この二重分節という言語の特徴は、アンドレ・マルティネという先生が発見したというか、提唱したもので、
人間の言語に見られる共通した特徴と言ってよく言って、
動物もね、人間以外の動物も言語みたいなものを使っているように見えることもあるんですが、
そういったものと人間の言語を隔てているものがこの二重分節と言われるものです。
どういうことかというとですね、
人間の発話っていうのは二重に分節できる、
2つの段階に分けられるみたいなね、まあそういった考え方で、
まず第一次分節として人間の発話、まあ文と言ってもいいかもしれないですけど、
は形態層に分けられます。
これはマルティネ自身は記号層という言い方を知っているんですが、
まあこれは言語によっては単語ごとに分けられるって考えてもいいんですけど、
まあここではね、形態層っていう言い方で統一したいと思います。
例えば、映画を見たっていう発話は、
映画っていう単位と、をっていう単位と、
見っていう単位と、たっていう単位とっていう、
4つですかね、まあ4つの要素に分けられるというふうに考えられます。
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これが第一次分節です。
でさっき言ったように、形態層としたのは、
見たっていうのは、やっぱり見とたっていうのを分けた方が都合が良くって、
見っていうのはその動詞の本体部分で、
たっていうのは過去を表しているっていうふうに、
やっぱりね、そこで別個の要素として分けられると思います。
こういうふうに形態層という単位に分けられるというのが第一次分節。
でさらにそこから小さい単位に分けるのが第二次分節と言われるもので、
それが音素に分けられるんですね。
さっきの見ただと、むっていうようなmで書くようなシーン、
いっていう母音、つっていう破裂音のシーン、
そしてあっていう母音という、4つの音素に分けられるということになっています。
でどんな言語でも、こういう二重分節性というか、
二重分節という特徴は持っていると考えられるんですね。
まあこれが何だんだと思われるかもしれませんが、これが非常に重要で、
この二重分節という特徴を言語が有しているおかげで、
我々は無限のことを表現することができるんですね。
例えばこの、映画を見たっていう意味内容を一つの音で表すとしたら、
これはものすごい大変なことになります。
いいっていうのが映画を見ただとしたら、
じゃあ映画を見るっていう、まあ現在形はあっていう母音にしてとかっていうふうに考えると、
じゃあ映画じゃなくってテレビにした場合どうなるんだみたいに、
いくら音があっても足りないということになるんですね。
でそれに対して、現実の言語は二重分節という特徴を持っていて、
さっきのだと、見たのターの部分だけルーに変えればいいし、
つまり形態層をそこで変えればいいわけですよね。
あるいは映画っていうのをテレビっていうのに特化入ればいいし、
かなり経済的なんですよね。
こういうふうに入れ替え可能な形態層の関係のことを連合関係と言います。
まあこれ反列関係と言われることもあるんですけど、
なんていうかな、その発話の中には現れていないけど、
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潜在的に現れ得る、交換し得るもの、そういったものは連合関係にあるというんですね。
さっきのだと、ターに対してルーっていうのは連合関係にあるし、
もっと広く見て、見たに対して盗んだっていうのも連合関係にあると言うんですね。
この連合関係に対して、実際に現れている形態層の並びのことをレンジ関係というふうに言います。
映画を見ただと、映画っていうのと、をっていうのと、みっていうのと、たっていうのとっていうのが直線上に並んでるんですよね。
そういうのをレンジ関係と言います。
このレンジ関係によって直線上に並んでいることを線上性という言い方をして、
これも言語の一つ大きな特徴なんですね。
というのが、2つ以上の形態層を同時に発話するっていうことは物理的に不可能なので、
形態層っていうのはこういうふうにレンジ関係で並べていくしかないんですよね。
そういったわけで第一次分節で区切られた形態層っていうのは、
連合関係という潜在的な関係と、レンジ関係という顕在的な関係とがあるということなんですね。
第一次分節で区切られた形態層っていうのは、さっきも言ったように音層と言われるさらに細かい単位に分けられます。
で、これが第二次分節と言われるもので、
この分けられた音層というものは、それ自体に意味はないんですね。
で、これも人間の言語に非常に大事なことで、
例えば見たっていう単語の最初のむっていうようなね、このmで書かれるようなシーンに、
見るっていう意味はないんですね。
この第二次分節で分けられた音層自体には意味がないからこそ、
その組み合わせで様々な形態層を作り上げることができるんですね。
だから第一次分節っていうのは、発話を意味のある単位に分けたものと考えることができて、
その次の第二次分節っていうのは意味のない単位、
音層と言われるものに分けているということができると思います。
で、その出来上がった形態層を組み合わせることによって、
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人間っていうのはいろんな表現ができるんですね。
この二次分節っていうのは、人間の創造性というか言語の創造性の根本みたいなところがあるんですね。
というわけで今回は、二次分節と言われる言語の特徴、本質のお話でした。
関連エピソードもね、合わせてぜひ聞いていただけたらと思います。
多分似たような話をしてるんじゃないかなと思います。
というわけで今回はここまでということで、最後まで聞いてくださってありがとうございました。
また次回お会いいたしましょう。
番組フォローも忘れずよろしくお願いします。
お相手はシガ15でした。
またねー!
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