1. 【10分言語学】志賀十五の壺
  2. #828 言語はなぜ不均一に分布..
2026-01-24 10:40

#828 言語はなぜ不均一に分布しているのか?自然環境からの説明 from Radiotalk

主要参考文献
Nettle, D and D. L. Payne. (1998). Explaining global patterns of language diversity. Journal of Anthropological Archaeology, 17, 354–374.

おたより▶︎https://bit.ly/33brsWk
X▶︎https://x.com/sigajugo
オリジナルグッズ▶︎https://suzuri.jp/sigajugo
Instagram▶︎https://www.instagram.com/sigajugo/
LINEオープンチャット▶︎https://bit.ly/3rzB6eJ
note▶︎https://note.com/sigajugo
BGM・効果音: MusMus▶︎http://musmus.main.jp/

#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育

サマリー

地球上には多様な言語が存在し、それらは均等ではなく不均一に分布しています。特に赤道付近では言語の多様性が高く、寒冷地や季節変化のある地域では言語の多様性が低下する理由を考察しています。

言語の分布の不均一性
この地球上には、たくさんの言語が話されています。
その数は、おそらく少なく見積もっても6千,7千とか8千と言われることもありますが、
いずれにせよ何千もの言語が話されているんですね。
これら多くの言語が、地球上にランダムに広がっているならば、
この地球儀というかね、地図上の上で均等に言語が分布しているということも考えられるんですが、
実際には不均一に言語は地球上に分布しています。
要は、地図上に言語を点でマッピングしていったときに、
地図全体にドット型になるのではなくて、
一箇所に固まったりとか、ある場所ではかなり分散した形で点が打たれることになるということです。
これは当たり前といえば当たり前で、まず陸地にしか言語の点は打つことできないですね。
海上、海の上に言語の点は打たれることないので、
そういった意味でまず不均一というのがあります。
あとは、そもそも人が住みづらい地域っていうのがあるので、
南極大陸に言語が観察されない。
これは一体どういうことなんだっていうのは、当然そこに話し手がいないからですね。
話し手がいなければ言語もないわけなので、
南極であったりとか、あるいは砂漠のような不毛な地帯にも言語が少ないっていうのは、
当然予想できることです。
今回のエピソードは、そこに人がいないから以外の理由で、
地球上の言語の分布についてお話ししていこうと思います。
赤道付近の言語多様性
言語の多様性というのは、高緯度から低緯度へ、
つまり北極や南極みたいな極地から赤道に近づけば近づくほど増加していくんですね。
赤道付近で最も言語の多様性が観察されて、そこから離れれば離れるほど、
要は寒くなれば寒くなるほど、言語の多様性っていうのは低下していくんですね。
これって一体どういうことなんでしょうか。果たして説明できるものなんでしょうか。
BGMです。
始まりました4月15日のツボ。みなさんいかがお過ごしでしょうか。
めんしきわたるです。
番組宛にお便りギフトいただいております。
粉緑茶さん、そして二丁目こまちさん、ギフトどうもありがとうございます。
言語の多様性は赤道付近で最も認められて、そこから離れれば離れるほど、
北極ないし南極に近づくほど、言語の多様性は観察されなくなっていく。
冒頭お話ししたように、そもそも南極は人が住むには適していない。
氷に覆われているわけなので、食べ物もないしということで、
人がいないから言語もない。多様性ゼロと言っていいと思いますが、
それは容易に想像できますよね。
逆に言語の多様性が観察される赤道付近というのは、
熱帯雨林であったりとか、あるいは湿潤気候というんですかね。
雨が多く降って、気温も高い位置で安定しているような地域です。
具体的には東南アジアとか、アフリカの中部、西アフリカから中央アフリカ、
あるいはパプアニューギニアなんかが、こういった赤道付近の地域に含まれます。
特にパプアニューギニアは、世界の言語の1割以上がそこで話されていると言われています。
つまり800とか900とか、それぐらいの言語が話されている島なんですね。
この世界で最も言語の多様性が観察されるパプアニューギニアも、やはり赤道付近に位置しています。
この赤道付近の地域というのは,さっき言ったように雨が多くて気温もずっと高いのです。
つまり気候が安定している地域ということができます。
そういった地域では年間を通じて食料が安定的に確保することができるのです。
砕けた言い方をすれば,頑張らなくても食料が手に入るような地域ということができます。
そういった地域では,その共同体というか集団が小規模であっても自立していくことができます。
他の近隣の集団と協力関係を築かなくても,自分たちの小規模な集団でやっていけるのです。
そうなっていくと,集団がどんどん細かく分かれることになり,結果として言語も他の集団とは違うように発展していきます。
その結果,暖かい地域では言語の多様性が観察されるという仮説があるのです。
逆に,赤道から離れれば離れるほど,寒くなるというのもそうですが,季節変化があることになります。
そういう季節の変化がある地域は,気候がある意味不安定,安定していません。
そうなると,特に食料を確保するという点において,近隣のコミュニティとネットワークを形成する必要があります。
自分たちのところで食料が取れなくなった時に,近隣の共同体を頼る必要があるということです。
そうなると,近隣の他のコミュニティとコミュニケーションを取るためには,共通の言語が必要であるということで,より大きな言語コミュニティが形成されていくことになります。
そういうシナリオが考えられているのです。
赤道から離れた寒い地域であったりとか,あるいは季節変化があるような地域では,食料というのは安定して手に入るわけではありません。
年間通じて手に入るわけではないので,場合によっては他のコミュニティを頼る必要があります。
そのために同じ言語を話す集団が広く分布するようになる。
結果として言語の多様性は低くなるということです。
気候とコミュニティの関係
ちなみに生物の多様性も地球上で,赤道に近ければ近いほど多様性が高くなって,赤道から離れれば離れるほど低くなるという分布パターンがあるのですが,
生物の多様性も言語の多様性と同じ分布のパターンを示すのですが,
今回の説明は生物多様性とは関係のないものとなっております。
今回のエピソードは言語の多様性の地理的な分布を,気候という観点から説明を試みたものですが,
言うまでもなく,これは非常にスケールの大きな話です。
ジャレドダイヤモンドの10秒元金鉄ぐらいかなり壮大な話ですが,
当然問題点というか課題がないわけではないです。
まず民族というか人というのは移動するものです。
世界史でもゲルマン民族の大移動とか,あるいは大航海時代で新大陸にヨーロッパ人が乗り込んだとか,
そういった移動が今まで何度も起こっているわけですが,
そういったことも考慮する必要があるし,
ある意味で安定した食料供給という,
単純化すれば,その一本やりで説明しようとしているものなので,
もっといろんなものを考慮する必要があるのです。
しかしそれでもかなり魅力的な説ではないかなと思います。
まとめておきますと,気候の変動です。
年間通じての気候の変動,温度であったり,あるいは降水,雨であったりが,
小さければ小さいほど言語の多様性は高いということです。
すなわちそれは,赤道に近ければ近いほどということになります。
逆に赤道から離れた地域では,年間通じての気候変動が大きいので,
そういった地域では安定して食料が得られない可能性があって,
そのために近隣のコミュニティとネットワークを形成するために,
同じ言語を話すようになる,大きな言語ネットワークが形成されるというお話でございました。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローをまだしていない方はよろしくお願いいたします。
お会いしましょう。
またね!
10:40

コメント

スクロール