1. 【10分言語学】志賀十五の壺
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2026-01-20 10:09

#827 文法は意味から独立している?言語と脳科学 from Radiotalk

主要参考文献
酒井邦嘉 (2019)『チョムスキーと脳科学』東京: 集英社インターナショナル.

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育

サマリー

このエピソードでは、文法が意味から独立しているという理論について述べられています。脳科学の進展によって、文法、語彙、音韻が脳内で明確に異なる場所で処理されていることが示されており、特にチョムスキーの理論が言及されています。

言語の構成要素
言語というものは、いろんな要素で成り立っているというか、いろんな側面があります。
音声言語であれば音声、そして語彙、文法、こういったものが一色たになったものと理解されているというか、
逆に母語であれば、そういったことはむしろ理解されません。
語彙とか文法とか音韻とか、そういったものを意識しなくても話すことができます。
で、実際に我々の頭の中、もっと言うと脳。脳も語彙、文法、音韻で働いているところが違うんですね。
よくね、右脳と左脳に脳みそは分けられますけど、言語は左脳が働いています。
で、大まかに言うと、左脳の前の方で文法を責っていて、後ろの方で語彙、やや真ん中あたりで音韻というものを扱っているんですね。
まあそういったことがMRIとかでわかるんですよね。
その生きた人間の脳みそを観察できるという画期的な発明ですね。
で、この脳科学とかの分野は僕は疎いですけど、この脳科学の発展のおかげで、文法、語彙、音韻が脳の別々のところで処理されているということがわかったんですね。
BGM、行けい。
始まりました4月15日のツボ。皆さんいかがお過ごしでしょうか。トムとジェリーです。
文法が意味から独立しているということは、言語学者はよく言っていました。
例えばチョムスキーはそういったことを言っております。
有名なチョムスキーの挙げている例として、Colorless green ideas sleep furiouslyというのがあります。
色のない緑の観念が呆然と眠るという、そういった文です。
これはある意味で間違った英文ではあるんですけど、文法的には正しいんですよね。
Colorlessとかgreenという形容詞がideasという名詞を収束していて、動詞はsleepで、副詞としてfuriously、呆然とというのが出てきています。
語順としては英語のSVとなっているし、単語の並べ方自体に変なところはないです。
主語は複数形ideasなので、動詞はsleepになっているという風に、動詞の位置もちゃんとしているんですよね。
この英文は英語母語話者であれば、文法的であるということはわかります。
おかしな文ですけど、文法としては間違っていない。
母語話者でなくても英語を勉強したものであれば、文法的には正しい。
組み合わせがなんか変なだけで、colorlessとgreenというのは合いでないし、
眠るっていうのは普通、生き物が眠るので、関連ideasが眠るっていうのは変。
眠ると呆然とっていうのはこれもちぐはぐだとかね。
そういったことはあるんですけど、文法的には正しいということがわかります。
このように、文法的に正しいかどうかっていうのは、意味からは独立しているんですね。
意味がちぐはぐだからといって、イコールそれが文法的に間違っているということにはなりません。
そういったことで、チョムスキーは文法は意味から独立していると考えたんですね。
そのことが、脳科学によって明らかにされました。
脳における文法処理
さっきお話ししたMRIなどを使って、文法は意味から独立しているということがわかったんですね。
ただ脳の、もっと言うと左脳のどこの部分が文法を処理しているかっていうのを調べるのは結構大変と言えば大変で、
言葉の中から文法だけをある意味抽出しなきゃいけないんですよね。
つまり、文法の独立性を調べるための実験で、タスクで、
そのタスクの成功っていうのが文法以外のものに依存してたらダメなんですよね。
それを排除する必要があります。
例えば何か文が理解できたとしても、それはもしかしたら語彙によって推測できたのかもしれないし、
あるいは認知能力、記憶とか、そういったものの助けによってタスクが成功したかもしれません。
なのでそういったものを排除するっていうのが、この脳科学の実験で難しいし面白いところなんですよね。
例えば、能動文と受動文をうまく理解できているかっていうのを確かめる実験をするのに、
警察が泥棒を捕まえるみたいな例文、さらにその受動体の泥棒が警察に捕まえられるみたいな、
こういう2つの例文を用意してしまうと、語彙というか、あるいは一般常識というか、
文法以外の助けを借りて、警察は泥棒を捕まえるもんだという知識が働いて、
文法に頼らずに正解を出してしまうという可能性があるんですね。
ですのでこういう実験では、丸の顔の某人間と四角の顔の某人間を見せて、
丸が四角を押している、その受動体、四角が丸に押される、そういうイラストと例文を見せて実験するんですね。
さらに押していると押されるみたいに文字数を合わせることで、条件を揃えるということもなされます。
この辺はかなり科学的なやり方ですよね。
さて、そのようなタスクをするのに、頭の脳みそのこの辺りが文法に関わっているんだろうなと思って、
そこを例えば傷つけたりとか取り外して、文法の理解度に差が出るかどうかというのを実験することはできません。
当たり前ですけど、人道的に倫理的にそういったことは許されません。
ですのでこういう実験に参加するのは、脳主要がある患者さんなんですよね。
特にこの場合は左脳に主要がある患者さんに協力してもらって、タスクをしてもらって、
それで左脳のどの部分が文法あるいは語彙や音韻に関わっているかということを調べます。
その結果、冒頭にもちょっと言いましたけど、左脳の前の方が文法に関わっているということがわかったんですね。
左脳の前の方に主要がある患者さんは、さっき言った丸が四角を押しているどうのこうのみたいなタスクで生徒率が下がるという結果になったんですね。
同じ左脳でも別のところに主要がある患者さんは、文法には問題はないけど別の言語障害があったりとかそういったことも明らかになったんですね。
先ほど例に挙げたタスクは受動文、四角が丸に押されるみたいなものをチェックしたわけですけど、
それとは別に書き混ぜ文というものもタスクに使われることがあります。
書き混ぜ文というのは要は語順が変わるというもので、丸が四角を押しているから四角を丸が押しているというふうに、
動詞の形は一緒ですけど主語と目的語の位置が変わっています。
これもイラストから四角を丸が押しているというのをうまくマッチさせるようなタスクなわけですけど、
その脳のどこに主要があるかによって、受動文については平気だけど書き混ぜ文については誤答が増えるというようなケースもあるようです。
これはどういうことかというと、一言で文法に関わる脳の部分と言っても、
さらにその中で受動文を処理している部分もあれば書き混ぜ文を処理している部分もあって、
その部分部分が主要みたいに損傷を受けると、それが処理できなくなるということがわかったんですね。
というわけで今回は、脳みそには文法をつかさどる部分というのがあって、
それは語彙とか音韻から独立しているもので、これはすなわち文法というのは意味から独立しているということを科学的に裏付けるものだという、そういったお話でございました。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローも忘れずよろしくお願いいたします。
お相手はシガジューゴでした。
10:09

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