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始まりました、志賀十五の壺。みなさんいかがお過ごしでしょうか。 城之内克也です。お便りいただいております。
りょうすけさんからギフトと一緒にいただきました。ありがとうございます。 志賀さん、毎朝ありがとうございます。メキシコオリンピック
8歳だったので。では、 テレビ報道の様子も含めて、日本の社会がオリンピック選手に向ける眼差しを感じていました。
つぶらや選手の自殺の時は、親となぜ自殺しなければならなかったのか、
自殺しなければならなかったのか、話し合ったことを覚えています。 女子バレーが負けたことへの反応を含め、世間というものを知らされた年でした。
コメントが見られない状況どんまいです。もう一回、毎朝本当にありがとうございます。 ということで、りょうすけさん、お便りありがとうございます。
これは、この間も話したラジオトークでやっている朝ライブについてのお便りですね。
今、オリンピックを振り返っていて、 りょうすけさんにとってはメキシコオリンピックが印象的だったということで、
これを見ると、 あんまり状況変わってない感じはしますよね。
選手に対するプレッシャー、 よく言えば期待、
あるいは負けた時のバッシングとかね。 まあそういったことは、
メキシコオリンピックの時から変わってないのかもしれません。
つぶらや選手の自殺もね、かなり当時はショッキングな出来事だったんだと思います。
この朝ライブは、 毎朝7時からやっておりますので、興味のある方ぜひ来ていただけたらと思います。
アーカイブも残してるんでね、後から聞けますので、 ラジオトークのアプリが必要なんですけど、興味のある方は聞いてみてください。
お便りにあるようにね、コメントが見られないみたいな不具合が結構あるんですけど、
ぜひ興味のある方は来てみてください。 というわけで凌介さん、お便りありがとうございます。
さて、前回のエピソードでレビストロースの人類学についてのお話をね、少ししました。
レビストロースは言語学で生まれた構造主義的な考え方を親族にも当てはめて、 つまり親族というのを一つの構造とみなしてですね、
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分析していったということなんですね。 原則として、
親族というのは自分のとこの女性を 他の集団に与えることで、別の集団からその見返りとして、
女性を嫁として迎えると、 そのために謹慎相関っていうのが禁止されているみたいなね話をしました。
謹慎相関が許されるんだったら自分のとこの家族だけで 完結しちゃうっていうかね、まあそういうことになります。
そうならないように、 嫁に出して、嫁に迎えるために謹慎相関が
タブーになっているということなんですね。 ただこの謹慎相関っていうのがどこまで含まれるかっていうのは民族社会によってまちまちですけど、
興味深いのはいとこ婚です。いとことの結婚です。 このね、いとこについて考えるときに、まずいとこを2つに分けて考える必要があって、
一つは平行いとこ、もう一つは交差いとこです。 日本ではあんまり意識されていないと思います。
平行いとこっていうのは、 自分の
父親の男兄弟の子供、あるいは母親の女兄弟の子供、これが平行いとこです。
父親にしろ母親にしろそれと同性のものの子供ということですね。 交差いとこはこれと逆で、自分の父親の女兄弟の子供、
自分の母親の男兄弟の子供、 これが交差いとこです。
で、面白いのは、 平行いとことの結婚は禁止相関にあたってタブーなんですけど、
交差いとこの結婚、交差いとことの結婚は、 むしろ推奨されているっていうような社会が多くあるんですね。
今回ちょっとね、父兄社会、 つまり父親の苗字をこう受け継いでいくみたいなね、
父兄制の社会について考えていきますが、 平行いとこが禁止されているのは、
例えば、父親の男兄弟の娘と結婚するということですね。
これもすいません、男中心でちょっと考えていきますけど、 父親の男兄弟の娘と結婚するということは、
まあ苗字が一緒っていうことで、 同じ親族にいるということになります。
で、これはさっき言ったレビストロースの原則に違反して、 自分とこの親族だけでこう完結してしまうことになるので、
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つまり同じ親族での結婚、 まあ平たく言えば同じ苗字同士のものの結婚になってしまうので、
これはタブーだということなんですね。 一方、交差いとこっていうのは同じいとこですが、むしろ推奨されていたり、
あるいは制度化しているっていうようなところもあるんですね。 でさらにね、この交差いとこっていうのは2つに分けて考える必要があります。
一つは父方交差いとこ、もう一つは母方交差いとこです。 父方交差いとこっていうのは、つまり父親の女兄弟の娘と結婚するということです。
まあこれも男中心で考えてますけど、 一方、母方交差いとこっていうのは、母親の男兄弟の娘と結婚すると、
この2つのパターンが考えられるんですが、 この交差いとこ婚を見たときに、
母方交差いとこの方が圧倒的に多いそうなんですね。 同じいとことの結婚でも、
並行いとこの方はタブーになっている。 さらに交差いとことの結婚の中でも、母方交差いとこ、
母親の男兄弟の娘との結婚の方が圧倒的に多いのはなぜか。
レビストロースはこれについても考えたんですね。
今回のエピソードのサムネイル画像がその説明なんですけど、 ものによってはねサムネ見られないと思うので、
ノートかどっかに画像を貼っとくというかね、 何らかの方法で見られるようにしておくので、
概要欄のリンクを飛んでみてください。 サムネ見られる方は見てください。
これがねなかなか難しいんですよね。 まず図の中で三角っていうのが男で、丸っていうのが女です。
赤い三角が自分で、男で、 F が father, S が自分の息子さんだと思ってください。
でまず父方後妻徒子の場合は、 自分赤い三角は父親の女兄弟の
娘と結婚することになります。 でこれが自分が B という家族に属しているとしたら、
C という家族から嫁をもらうということになってるんですね。 でこれが自分の1個上の世代だと、
父親の世代だと、 逆に C の家族に嫁を出すことになっています。
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で自分の息子の世代でも C に嫁を出してるんですね。 一方自分の女兄弟、妹か姉は A というところに嫁に行くんですけど、
自分の父親あるいは息子の代では、 その A という家族から嫁をもらっています。
っていうふうに、この父方後妻徒子婚っていうのは、 隣り合ったところと、
隣り合った親族と、 嫁を行き来している、交換しているみたいなシステムなんですね。
一方、母方後妻徒子だとどうなるかというと、 自分も父親も息子も全部 C というところから嫁をもらっていて、
A というところに嫁を出しています。 つまり嫁をもらう親族と嫁を出す親族っていうのが、
固定されてるんですね。 世代ごとに逆になるということはありません。
で、この嫁を出すという流れがぐるっとひと回りして自分のとこに帰ってくる。 大きな循環、輪を作るっていうのがレビストロスの考えなんですね。
今回ね、音声配信だけではちっともわからないと思うので、 ぜひサムネを見たりとかリンク飛んでみてください。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。 お相手は志賀十五でした。