1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #517 アルメニア語がかなり面..
2023-01-31 10:02

#517 アルメニア語がかなり面白い! from Radiotalk

比較言語学のエピソード
https://radiotalk.jp/talk/669661
無生物のエピソード
https://radiotalk.jp/talk/780039

主要参考文献
「アルメニア語」 (千野栄一、『言語学大辞典』 所収、亀井孝・河野六郎・千野栄一(編)、三省堂)

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
00:06
始まりました、志賀十五の壺。
みなさんいかがお過ごしでしょうか。
たこ焼きマントマンです。
みなさんはアルメニアという国ご存知でしょうか。
聞いたことあるぞっていう方はね、たくさんいらっしゃると思うんですけど、
どこにあるかって言われると、結構ピンとこない方多いんじゃないかなと思います。
アルメニアという国は、コーカサスあるいはカフカースと言われる地方にある国で、
コッカイとカスピカイに挟まれた、この地域のことをコーカサスって言うんですよね。
そこにある国ということになっています。
他にもジョージアとかね、もともとグルジアって言われてたとこですけど、
ジョージアとかアゼルバイジャンとかこういった国があるところです。
今日は当然アルメニア語のお話をするんですけど、
アルメニアっていう国自体がね、結構右右曲折っていうか、どんな国家でもそうだと思うんですけど、
近隣の大国の影響を受けているというか、振り回されているような国家ではあるんですけど、
その自らのアイデンティティを保っているというか、
何はともあれこのアルメニア語っていうのはね、非常に面白いんですね。
まず、歴史言語学上というか、比較言語学という視点からアルメニア語っていうのは非常に重要で、
系統で言うとインドヨーロッパ語族の言語です。
ヨーロッパと言われるね、地方からはやや離れているような印象を受けるかもしれないんですけど、
アルメニア語はインドヨーロッパ語族の言語です。
アルメニア語で数詞の2っていうのはエルクって言うんですね。
これは英語のtoと語源が同じらしいんですね。
全然違うじゃないかと思われるかもしれませんが、
インドヨーロッパ祖語、ヨーロッパの言語の祖先の言語のドゥっていうような音は、
英語ではトゥっていう音に変わったんですけど、アルメニア語では規則的にエルクっていう音に変わってるんですね。
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ラテン語だとドゥオ、フランス語だとアンドゥトロアのドゥですけど、
このドゥっていう音が英語ではトゥっていう音に変わってしまいました。
これは濁音から声音に変わってるようなものなので、なんとなくあり得るかなっていう感じがするかもしれません。
ドゥがエルクになるっていうのはなかなかイメージしづらいかもしれませんけど、でもそうなんですね。
このニーっていう単語以外にも、インドヨーロッパ祖語でドゥっていう音だったと考えられるものが、
アルメニア語では規則的にエルクという音で出てくるんですね。
言語の歴史を考える上で、その系統が同じかどうかっていうのは、
その音が似ているというよりも、規則的に音が対応しているかどうかっていうことの方が大事なんですね。
もちろん音が似ていることはあります。
インドヨーロッパ祖語のドゥっていう音が英語だとトゥっていう音に変わってるのは、
さっき言ったように濁音か声音かぐらいの違いしかないので、
こういうふうに似ている場合もありますけど、
アルメニア語みたいにドゥとエルクみたいに全然違っても、
規則的に音が対応してるんだったら、それは同系統の言語だと言えるんですね。
このドゥとエルクの音対応をメイエが発見したことにより、
アルメニア語もインドヨーロッパ語族であるっていうことが証明されたんですね。
アルメニア語を語る上で、今の歴史言語学的な話っていうのは欠かせないんですけど、
アルメニア文字っていうのも欠かすことができない話じゃないかなと思います。
アルメニア語は独自の表記というか文字体系を持ってるんですね。
これはラテンアルファベットやキリル文字とは見た目の上でも全然違う文字です。
いつ頃できたかっていうのがはっきりわかっていて、
アルメニアっていう国は、そもそもキリスト教を国教とした世界で最初の国と言われています。
それが301年のことです。
その100年後、メスロプマシトツという人物によってアルメニア文字というのが発明されたんですね。
このメスロプマシトツっていう人は大司教だったらしいんですね。
なので、西暦400年頃から現代に至るまで脈々とアルメニア文字というのが受け継がれているんですね。
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こういう風に文字っていうのは突然作られることが時々ありますね。
有名なのはハングルとかかな。
このアルメニア文字っていうのは見てるだけでもなかなか面白い文字なんですけど、
特徴として、我々に馴染みがない特徴として、
ピリオドの代わりにコロンのような記号を使います。
点を2つ打つっていうことですね。
それとクエスチョンマークを文末に使うんじゃなくて、
その確認したいところ、疑問の焦点となる単語に疑問のマークをつけるっていう、
そういった表し方をするんですね。
なので、その表記上はどの部分を聞きたいかっていうのが、
その疑問譜でわかるという仕組みになっています。
今日、あなたは学校に行くんですか?
こういった場合、今日というとこを確かめたいのか、
あなたっていうとこを確かめたいのか、
学校なのか、行くかどうかっていうことなのかっていうのを、
その単語の上にマークをつけるっていう仕組みなんですね。
なかなか便利かなっていう気もしますよね。
アルメニア語は文法的にも面白い特徴があって、
まずヨーロッパの言語としては珍しく名詞の性というものがありません。
英語もないんですけど、
大抵男性名詞、女性名詞、あるいは中性名詞があったりして、
名詞がグループ分けされてるんですけど、
アルメニア語にはありません。
ただし、格変化は非常に豊富なんですね。
主語なのか目的語なのか間接目的語なのか、
道具なのか場所なのかによって、
名詞の形がいちいち変わります。
面白いのは、無生物名詞、あるいは不活動体名詞といわれる名詞では、
主語の形、主格と目的語の形、対格が同じ形なんですね。
これはある意味で理にかなっていて、
無生物の名詞っていうのは多動詞の主語になることはないんですよね、普通は。
やっぱり多動詞の主語っていうのは生物名詞、あるいは人間名詞がなりやすいものなので、
無生物名詞は主語と目的語の区別をしなくてもやっていけるということになっています。
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この辺の話は関連エピソードがあるので、ぜひ聞いていただけたらと思います。
時々ありますね、この無生物名詞で主語と目的語の形が一緒っていうのはね。
というわけで今回はアルメニア語という、
皆さんがあんまり馴染みがないんじゃないかなという言語についてお話ししました。
その歴史や表記や文法っていうのはかなり面白いものがあるっていうのがわかっていただけたらなと思います。
というわけで最後まで聞いてくださってありがとうございました。
番組フォローや、あとはなんだ、ツイッターとかね、LINEのオープンチャットとかもやってるので、
気になった方はチェックしてみてください。
それではまた次回お会いいたしましょう。
お相手はしがじゅうごでした。
またね。
10:02

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