1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #518 「大人買い」は大人を買..
2023-02-04 10:45

#518 「大人買い」は大人を買うわけではない from Radiotalk

関連エピソード
https://radiotalk.jp/talk/386914
https://radiotalk.jp/talk/881148
関連note
https://note.com/sigajugo/n/n08e4eca7fb73

主要参考文献
佐藤大和(1989)「複合語におけるアクセント規則と連濁規則」『講座 日本語と日本語教育2 日本語の音声・音韻(上)』
『言語』 (ブルームフィールド、大修館)

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
00:07
始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。宇宙戦艦ヤマトです。 お便りいただいております。お便りっていうか、ギフトですね。
ザボさんとジュンさんからギフトいただいております。 それと読み上げ不要っていうことなので、お名前読み上げませんけどもね。
ギフトいただいております。どうもありがとうございます。 さて、今回のエピソードテーマは複合語ということでやっていこうと思います。
複合、英語だとコンパウンド。 要は単語と単語の足し算で
新しい単語を作るみたいな プロセスっていうかね、そういったものなんですが
まあどんな言語でもあることではないかなと思います。 で、これも詳しく見ていくと結構面白くってですね
例えば 今回のエピソードタイトルの大人買いっていうのも
複合語ということができます。 大人っていう名詞と買うっていう名詞の連用形ですね。
この足し算で大人買いという新しい名詞がここでは出来上がっています。 ただこの大人と買いっていう
この2つの要素の関係を 考えてみると
大人を買うわけではないですよね。 というよりは大人のように買うというのが
正しい解釈というかね、一番あり得る解釈というか そういうふうに使われています。
一方、ドル買いとかいった場合はドルを買うなので この場合はドルっていうのが目的語に相当しているっていうことになります。
まあ複合語のパターンとしてはこの目的語 プラス動詞みたいなパターンが非常に多くて
川下りとか川を下るから川下り 本を読むから本読み
塵を取るから塵取りみたいに まあやっぱり大がつくような目的語が
動詞と組み合わさって複合語になるっていうのが多いです。 これがね
特に他動詞の主語になっている、他動詞の主語が 複合名詞の前の要素になるっていうのは結構珍しくて
これはね関連エピソードがあるので聞いてほしいんですけど 極限られていて、一つは紙隠しですね
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これは紙を隠すではなくて紙が隠すなので まあ他動詞の主語に相当するものが
複合されています あとは虫食いですね有名なとこはね虫食いっていうのも虫が食う
なのでやっぱり主語相当のものが現れています こういった少数の例を除いて
やっぱりチリトリとかね 酒飲みとか目的語相当の名詞が動詞と組み合わさるというパターンが多い
ようです
ただ冒頭言ったように別に目的語じゃなくってもいいんですよね 大人がいいっていうのがまさにそうで
まあこれは主語とも目的語とも言えないようなものです そういったものでも複合語になることはあります
で面白いのは 目的語相当のものが複合語になるときは連濁が起こりづらいそうです
この話はね収録では多分やってないんですけど ノートっていうその書き文の方で書いているのでそちらも合わせて読んでほしい
ですが 例えば
チリトリとかアヤトリとか まあこういったものはチリを取るし
アヤを取るっていうことで目的語相当のものが まあ複合語になっているこういった場合は
ドリとならずにトリとなります 一方
何があるんだろう 総取りとか
横取りとかこういったものは総を取るとか横を取るとか言えないのでそういった 場合は連濁が起こってドリとなるそうです
まあ他にもね命取りとか あとは尻取りとか虫取りとかこういったものは全部取りになってますけど
そういった場合は目的語相当だからということなんですね でそう考えると冒頭の大人外が連濁するのは
大人っていうのが目的語じゃないからっていうことでいいんですが ドル外っていうのがこれどっちですかね
当然漢字で書いてある場合はこれが連濁しているかどうかわかんないんですけど ドル外っていう風に連濁しない場合もあるみたいですけど
ドル外っていう言い方もあるみたいなので まあすべて当てはまるわけではないのかもしれないんですけど
もう一回言っとくと大まかに言って 何々をっていうのに相当する名詞の場合は
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虫取り尻取りみたいに連濁が起こらないというような傾向があるそうです それと複合語で連濁が起こらないのは並列関係にあるときは起こんないっていう
ふうに言われています 例えば親子とかですねこれは親子とはなりません
親と子っていうのが なんていうかな並列して並べてあるようなそういった場合は連濁が起こりません
こういう並列関係の複合語を 並列関係とかも言ったりするんですけど
サンスクリットでドゥバンドゥバっていう言い方をすることもあるんですね でこのサンスクリットのドゥバンドゥバっていう言い方は結構ね複合語の話になると
言語学の歴史とした用語として使われるんですね
複合語を分類するときに なんていうかな使われる基準として内心的か外心的かっていうような基準があります
まあ何のこっちゃっていうことだと思うんですが 例えば
内心的っていうのは大型書店みたいなものです どういうことかというと大型書店っていうのは書店の
買い分類であるっていうか あるいは限定しているっていうふうに言い換えてもいいと思います
書店っていうのを大型っていうのが限定している つまり複合語の中に
その頭となっている 実際ヘッドとか言ったりもするんですけど
あるいは主要部となっている名詞が含まれているようなものです まあ動物園とかもそうかな
植物園とかもどんな園かっていうのを動物とか植物っていうのが限定しています どちらも園の買い分類ということになります
一方外心的っていうのはそれと逆で 複合語に
その中身に元となる頭みたいなのが存在しなくって つまりその足し算からは
完成品っていうのがある意味で予測できないようなものです 例えばねこれ関連エピソードにもあるんで聞いてほしいんですけど
この番組が配信されているとされるラジオトークっていうアプリがあるんですが これはラジオプラストーク
ですが出来上がったものはラジオでもないし トークでもないんですよね
ラジオトークっていう アプリの名前になっているわけですけど
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まあこういったものが外心的複合語です facebook とかもそうですよね
facebook っていうのはフェイスでもないし もちろんブックでもない
フェイスプラスブックで全く新しい概念を指しているというか そういったものを外心的複合語と言います
さっきのサンスクリットだと 内心的な方は
タトプルシャって言って外心的な方は バフブリーヒっていう言い方をするんですね
なので まあ複合って結構何でもありなんですよね
某といった大人買いみたいなのもよくよく考えたら大人を買うわけじゃないのに そういった言い方ができるし
あとは facebook っていうのも意味わかんないですよね 例えばアニマルブックっていうのが
動物についての本だとしたら facebook っていうのは 顔についての本じゃないと本当は変なはずなんですけど
そんなことはお構いなしに複合語として成り立っています まあその辺は結構面白いですよね言語の面白いところではないかなと思います
というわけで今回はここまでということでぜひ関連エピソードと あとノートもね合わせて読んでいただけたらと思います
というわけで最後まで聞いてくださってありがとうございました 番組フォローも忘れずよろしくお願いします
お相手はシガ15でした
10:45

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