1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2022-11-01 10:06

#491 「ヨーロッパの言語」の祖語 from Radiotalk

バスク語のエピソード
https://radiotalk.jp/talk/285476

関連エピソード(必聴)
https://radiotalk.jp/talk/643392
https://radiotalk.jp/talk/669661

主要参考文献

“Indo-European Language and Culture: An Introduction” (Benjamin W. Fortson IV, Wiley-Blackwell)

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
00:06
始まりました、志賀十五の壺。 飛べない鳥、泳げない魚、半魚鳥の二郎です。
今回は、ヨーロッパの言語についてお話ししていこうと思います。
知っている人も多いと思うんですが、 ヨーロッパの言語って、大抵親戚同士なんですよね。
どういうことかというと、一つの共通の祖先。 こういうのを祖語って言うんですけど、祖語からそれぞれの言語が派生していったと考えられています。
実はこれヨーロッパの言語だけじゃなくて、もっと東の方まで広がってるんですよね。 そういった言語の集まりのこと、
共通の祖先の言語、祖語から派生した言語のグループをインドヨーロッパ語族というふうに言います。
インドっていうのが入っていることからわかるようにですね、 東の方だと
インドイラン語派と言われるヒンディ語とか、 あるいはペルシャ語とか、古くはサンスクリットとか、こういった言語もヨーロッパの言語の親戚ということになっています。
ただ全部が全部ではなくて、ヨーロッパにありながら インドヨーロッパ語族ではない言語というものもあります。
一つはウラル語族という言語で、
ここに含まれるのはフィンランド語とか、 エストニア語とか、ハンガリー語とかです。
でもう一個はバスク語と言われる言語で、 これはチリで言うとスペインとフランスの国境で話されている言語です。
バスク語については関連エピソードがあるのでそちら聞いていただけたらと思います。 でこのウラル語族と
バスク語を除いてヨーロッパの言語はすべて親戚同士なんですね。 で今言ったようにヨーロッパだけでなくもっと東の方の言語も含まれています。
東語の都合
インドヨーロッパ祖語からいきなり英語、フランス語、 ロシア語みたいにそれぞれの言語に分かれていったというわけではなくて、
その中間段階みたいなものが想定されるんですよね。 例えば
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英語っていうのは ごくごく簡単に言うとインドヨーロッパ祖語から
ゲルマン祖語っていうのを経て英語というのに至っています。 もっと細かく言えるんですけどざっくり言うとこういうことになっています。
だから何て言うんですかね。 おばあちゃんお母さん娘みたいな感じですよね。
よく家系図に例えられることもあるし、実際語俗っていう言い方をしています。 でこのゲルマン祖語っていうのは
他にドイツ語とかオランダ語とか北欧の ノルウェー西電デンマークとかこの辺りの言語もゲルマン祖語から分かれていったっていうことで
母親が同じっていうことで姉妹言語という言い方をするんですね。 他の母親の言語にあたるものとして
ラテン語っていうのがそういった言語で 現在のフランス語ポルトガル語スペイン語イタリア語
あとは地理的にちょっと離れているんですけどルーマニア語っていうのはすべて 母親がラテン語である言語です。
言い方を変えると話し言葉のラテン語がそれぞれの言語になっていったんですね。 なので英語とフランス語っていうのは親戚は親戚なんですけど
なんだろうな、いとこぐらいですかね。母親が 姉妹同士って感じなので
親戚時差の度合いっていうのを考えると 英語とドイツ語っていうのは非常に近いですけど
英語とフランス語っていうのはそれと比べるとやや遠いという感じですね ただ英語とフランス語の場合はちょっと釈要とかもあって
特にフランス語から英語にたくさん単語が入っていった時期があるんですよね そのせいでちょっと似てる単語があるなということはあります
でね、この釈要っていうのが言語の親戚関係を 系統関係を調べるのに非常に厄介で
真実をちょっと見えづらくしているようなとこはあるんですよね 例えば日本語と
韓国朝鮮語を見比べて 単語が似てるってなるのは大抵これは中国語というか漢語のせいなんですよね
なので 言語が親戚同士だって言うためには
この単語の類似性っていうのはそれほど重要ではなくって むしろ単語が似てるとそれは釈要かあるいは偶然の可能性を疑った方がいいです
ここが結構誤解されているところで 例えば
韓国朝鮮語で国のことを奈良って言うんですよね で日本の昔の都は奈良
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あー同じ奈良だやっぱり 地理的に近い日本と朝鮮半島は同じ言語を話してたんだってなりそうなんですけど
これだけ音が似ているんだったら偶然と考えた方がいいです 繰り返しですけどそうではなくって言語が同系統である
親戚同士であるっていうのを証明するためには 規則的な音対応っていうのを見つける必要があります
これについてはね関連エピソードがあるのでぜひそちら聞いてください ある言語でこういう音で現れるものが
また別の言語ではこういう音で規則的に現れるっていう風なものがないと 親戚関係であるっていうのを証明したことにはならないんですよね
例えばラテン語で父親のことをパテルっていう言い方をします で英語はご存知の通りファーザーですよね
でこのパテルとファーザーっていうのは同語言で ラテン語でパっていう p の音で現れるものが
英語では規則的にファーっていう f の音で現れます っていうふうにそういう音対応を見つけないといけないんですよね
ヨーロッパの言語が大抵親戚同士だっていうことが言えるのはそういう音対応を 証明しているからなんですね
ではインドヨーロッパ祖語 という
ヨーロッパの様々な言語の祖先の言語っていうのはどういった言語だったのかっていうのは まあもちろんね実際の言語が残ってるわけではないので想像でしかないですけど
まあいろんな研究が進んでるんですね まずインドヨーロッパ祖語っていうのは非常に
単語の変化が激しい言語だったと考えられています 伝統的に屈折的な言語と言われたりするんですけど
要は 主語とか目的語を表すために名詞の形がいちいち変わったりとか
今の英語だと前置詞を使うような時に to とかfrom とか そういう前置詞を使う代わりに名詞の形をいちいち変えてたと考えられています
名詞だけじゃなくって動詞の方の変化もかなり豊富で 主語によっていちいち動詞の形を変えてたみたいなんですね
主語が私1人称なのかあなた2人称なのかそれ以外3人称なのか あるいは主語が単数なのか複数なのか
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さらには2人2つ総数なのかによっていちいち動詞の形が変わってたみたいです まあ英語っていうのはそういったものとある意味真逆の言語になってて
変化がだいぶ少なくなっちゃってるんですよね まあ3単元のsっていうのが本当に化石的に一部だけ残ってるっていう感じで
そういう名詞にしろ動詞にしろ変化形がだいぶなくなってるんですけど ロシア語みたいなスラブ系の言語はそういった古い特徴
複雑な語形変化を まあまだ残している言語と言われてるんですね
というわけで今回のエピソードは ヨーロッパの言語は親戚同士だぞっていうね
まあそういったお話でございました 最後まで聞いてくださってありがとうございましたまた次回お会いいたしましょう
お相手はシガ15でした
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