1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2022-11-05 10:28

#492 「ヨーロッパの言語」の死語 from Radiotalk

主要参考文献
『世界の文字の図典 普及版』 (世界の文字研究会編、吉川弘文堂)
“Indo-European Language and Culture: An Introduction” (Benjamin W. Fortson IV, Wiley-Blackwell)

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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始まりました、志賀十五の壺。
みなさんいかがお過ごしでしょうか?
ひょうたん次です。
こないだのエピソードで、
ヨーロッパの言語は大抵親戚同士だっていう話をしました。
インドヨーロッパ語族っていう言語の家族で、
インドヨーロッパ祖母っていう共通の祖先から枝分かれしていってね、
今の状態っていうか、各言語に至っていると、
そういったお話をしたんですよね。
で、その中にはもう死語となってしまった言語も数多くあります。
死語っていうのは日常会話ではね、
なういとかね、そういうものに使われるものですけど、
言語学では、
そのなんていうか、話者、母語話者がいなくなってしまった言語のことを死語と言います。
で、そういったものっていうのは普通、
まあ気づかれないんですよね。
特に記録が残ってなかったら、
まあ当たり前ですけど、気づかれるわけがないんですけど、
インドヨーロッパ語俗の死語の中には、
石碑とかね、
まああるいは文書とか、
そういう文字資料が残っているために、
死語っていうものがどういったものであったかっていうのがわかるものがあります。
で、今回はインドヨーロッパ語俗の中の、
筆体と語っていうのと、
とから語っていうのと、
まあこの2つの言語についてお話ししていこうと思います。
まあもちろんね、その死語っていうのは、
このヨーロッパの言語に限った話ではないんですけど、
さっき言ったように文字資料がないことには、
もう死語っていうことすら認識されないんですよね。
で、そういう資料がヨーロッパの言語は豊富であるということができるかもしれません。
筆体と語にしろ、とから語にしろ、ヨーロッパの言語っていうことは、
長い目で見れば、広い意味では、
英語の親戚ということになります。
まず筆体と語から見ていきますが、
筆体とっていう言葉はね、
高校で世界史やった人なんかは聞いたことあるんじゃないでしょうか。
筆体と王国とか筆体と人とか言って、
03:00
まあ初めて鉄を使った人々と紹介されたりしています。
で、この筆体と人が話していた言語が筆体と語なんですね。
で、チリで言うと、
どこで話されていたかというと、アナトリア半島、
平たく言えば、現在のトルコで話されていたんですね。
トルコって言うと、まあどっちかっていうとアジア、
あるいはアジアとヨーロッパの中間みたいなね、
まあそんなイメージがあると思うんですが、
筆体と語はそこで話されていたんですね。
ただ、現在トルコで話されているトルコ語っていうのは、
筆体と語とは全く関係ありません。
つまりヨーロッパの言語ではなくて、
チュルク語族という、またベッコの語族に属す言語です。
で、この筆体と語っていうのは死語であるわけですけど、
どういった言語であったかっていうのが文字資料。
これはくさび型文字で残ってるんですね。
これもね、くさび型文字聞いたことある人多いと思いますが、
ただくさび型文字っていうのは筆体と人が発明したものではないんですね。
これはシュメール人という人々が発明したもので、
筆体と語はそれを応用したということになっています。
ちなみにシュメール人の話していたシュメール語っていうのは、
これは筆体と語と関係ないんですね。
ヨーロッパの言語ではないと考えられています。
このくさび型文字のシステムとしては、
標語文字もあったし音節文字もあったしということで、
かなり日本語の表記システムに似てるんですよね。
日本語は標語文字として漢字があって、音節文字として仮名があるので、
音節文字っていうのはアルファベットと違って音節を表しているっていうか、
その詩音の情報も母音の情報も一つの文字にあるんですよね。
ハングルなんかも音節文字です。
その標語文字も音節文字もあるっていうのは、
なんていうかね、思わぬ日本語との共通点です。
このくさび型文字っていうのは、さっき言ったようにシュメール人が発明したもので、
シュメール語とヒッタイト語っていうのは、
親戚同士の言語ではないんですけど、同じ文字体系を使っているっていうのも、
日本語と中国語の関係に似てますよね。
中国で発明された漢字を、
全く系統関係にない日本語が用いてるっていうことで、
このことからわかるのは、文字っていうのは割と簡単に応用できるものだし、
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その言語そのものの系統とは関係がないっていうことですね。
あとくさび型文字っていうのは、形っていうのがやっぱり独特ですよね。
足の枝なんかを粘土板に押し付けるようにして書くものなので、ああいった形になっていると。
そういう表記の面でもヒッタイト語っていうのは興味深いんですが、
残念ながらというか、現代では死語となっています。
もう一つヨーロッパの言語の死語の一つとして、
トカラ語のお話をしますが、このトカラ語っていうのはどうですかね?皆さん聞いたことありますかね?
これがどこで話されていたかというと、
中国の新疆ウイグル自治区で話されていた言語なんですね。
ここも現代ではアジアと言っていい地域だと思うんですが、
かつてはヨーロッパの言語が話されていたんですね。
これもトカラ文字っていう文字があって、
それで文字資料があるから、死語ではありますけど、そういう言語があったということが分かっています。
これもヒッタイト語の場合と似てて、
というのが、現在新疆ウイグル自治区で話されているウイグル語っていうのは、
ヨーロッパの言語であるトカラ語とは全く関係のない言語なんですね。
これもトルコ語と同じチュルク語族の言語です。
トカラ語ってよく、トカラ語Aっていうのとトカラ語Bっていうのと、AとBに方言っていうか、
2つの編集が認められて、それなりに差があるんですけど、
いずれにせよヨーロッパの言語と認められています。
でね、このトカラ語の面白いのは、インドヨーロッパ祖語っていうのは格変化が結構豊富だったんですよね。
主語の形、目的語の形、関節目的語の形、
続格と言われる所有者の形みたいに、いちいち面子が変化してたんですけど、
その一部がトカラ語ではなくなって、
日本語の助詞みたいなのがくっついて、
公知詞と言えばいいですかね、がくっついて、でそれがまた一つの単語となって格変化が復活したらしいんですね。
なのでトカラ語のその名詞の格変化っていうのは、
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インドヨーロッパ祖語から受け継いだものと、後から発達したものと2つに分けられるそうです。
そういうふうに後から獲得した格変化っていうのは、周辺のチュルク系の言語やあるいはモンゴル系の言語の影響ではないかっていう、
そういった主張もあるんですね。
ただこのトカラ語という言語も残念ながらというかね、死語となってしまっているので、
限られた資料から限られたことしかわからないということになっています。
というわけで今回のエピソードは、ヨーロッパの言語でありながら、
トルコとかねウイグルとかそういった現在ではアジアと言われるような地域で話されていた筆体と語とトカラ語のお話でした。
で、この2つはどちらも死語ではあるんですけど文字資料が残っていると、そういったお話でしたね。
文字の話も面白いんですけどね、ちょっと音声配信には向いてないところがありますね。
というわけでまた次回のトークでお会いしましょう。
お相手はシガ15でした。
またねー。
10:28

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