1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2022-07-30 10:12

#464 映画『アバター』のナヴィ語ってどんな言語? from Radiotalk

放出音のエピソード
https://radiotalk.jp/talk/644837
能格言語のエピソード
https://radiotalk.jp/talk/450848

参考URL
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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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鏡よ鏡、鏡さん。みんなに会わせてくださいな。 そーっと会わせてくださいな。
みどり先生です。 皆さん、アバターっていう映画はご存知でしょうか?
アクセントがどうなんだ?アバター?アバター?
いずれにせよ、すごく流行った映画で 2009年公開のジェームズ・キャメロン監督の
SF映画ですかね。 この続編にあたる映画が2022年
今年の12月年末に公開されるということだそうです。 見たことある人も多いと思うし、見たことない人でも
なんとなくストーリーは知ってるかもしれません。 ものすごい平たく言うと、異星人と交流するんですよね。
その異星人っていうのがナヴィっていう、 まあ宇宙人って言っていいと思うんですけど
で、このナヴィっていう 人々とは言わないのか、異星人が使う言語っていうのが映画の中でちゃんとあるんですね。
英語を喋るわけではないんですね。 まあその辺が
なんというかな、しっかりしているSF映画と言えるかもしれません。 まあナヴィ語とか言ったりするみたいです。
で、このナヴィ語っていうのはポール・フロマーっていう 言語学の先生が考えたもので
自然言語っていうか人間言語にかなり近いというか 不自然なとこはあんまり見当たらないような言語になっています。
こういうSFをはじめとしてね、 そういう創作物に出てくる
創作言語、人工言語っていうのは 世界中にたくさんあるんですよね。
僕自身も自分で人工言語は作ってたりするんですけど このナヴィ語っていうのは
結構ね面白い特徴があるんですよね。 例えば数詞、数ですね1234とかいうやつは
発信法っていうのを使っているそうです。 日本語母語化者にとっては
12345678910 1112っていう風に10で位が変わるので、こういうの実信法っていうわけですよね。
でナヴィ語は発信法。なぜかというと片手に指が4本だからっていう風に ちゃんとしっかりした理由付けがあるんですよね。
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で音の面でも面白いです。 日本語の
かーとがー みたいな、たーとだーみたいな声音と濁音の対立ではなく
かーとかー、だーとたーみたいに 放出音と
まあ破裂音の対立ということになっています。 こういった放出音、かーみたいな音については関連エピソードがあるので
そちらも聞いていただけたらと思います。 ちょっとね不思議に聞こえるかもしれませんけど
世界中の実際の言語で用いられている音です。 こういう風に数字とか音とかいろんな面でナヴィ語っていうのは面白いんですけど
今回取り上げようと思うのはナヴィ語の各配列です。 各配列
簡単に言うと主語や目的語をどうやって表すかっていうことですね。 日本語の場合は主語だったらが
目的語だったらを 私がパンを食べる
こういう風になっているわけですけどナヴィ語のこの主語や目的語の表し方っていうのは ちょっと違って
主語は主語でも自動詞の主語と 他動詞の主語っていうのを
別個の表し方をするんですね。 より具体的に言うと
自動詞の主語には何もつかなくて 他動詞の主語には l で書かれるような音
る 目的語には t というものがつくそうです
だから無理やりナヴィ語風の日本語にすると 自動詞の主語には何もつかないので私歩く
みたいな言い方になると 他動詞の場合は主語にる、目的語にtがつくので私る
本t読むみたいな言い方になるんですね これはなかなか面白いですよね
日本語母語話者あるいは英語母語話者もそうだと思うんですけど 主語だったら主語でまとめてしまえばいいじゃないかっていうのが
まあ率直な感想じゃないかなと思います 実際日本語はさっき言ったように私が歩く私が本を読むっていう風にがっていうのを
つけてるし 英語だとまあこれも自動詞だろうが他動詞だろうが
主語だったら動詞の前に出てくるとこういうことになっています で実際ね
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自然言語を見てみてもこういうふうに主語と目的語のために3つも
標識を用意しているっていうのは珍しいみたいなんですね 普通は日本語みたいに
自動詞の主語も他動詞の主語もがっていうのをつけて 他動詞の目的語だけ
をみたいなのをつけるっていうパターンあるいは 自動詞の主語と他動詞の目的語を同じように扱って
他動詞の主語だけ仲間外れというパターンもあります これも日本語風に考えると
自動詞の主語の場合は私歩くっていう風に何もつかない 多動詞になると他動詞の主語だけ
例えば ぽーみたいなのがついて私ぽ本読むみたいな言い方になると
こういった 主語や目的語の表し方を能格型表示といったりします
あるいは能格絶対格型表示といったりするんですね この辺については関連エピソードを聞いていただけたらと思うんですが
日本語みたいなタイプにしろ 能格型表示の言語にしろ
主語や目的語を表すのに 標識が2つだけということになっています
これが 最も自然なんですよね
ナビ語みたいに3つあるのは 自然言語ではかなり珍しいことです
まあこの辺がね人工言語といえどナビ語の面白いとこではないかなと思います
音声の話をした時に言おうと思ってて忘れてたんですけど このナビっていう発音も
本当はナビっていう風に 正門閉鎖音っていう音が入るので
日本語だと小さいツーみたいな音が聞こえるんですねナビ まあこの正門閉鎖音っていう音自体はそんなに珍しいものではないと思うんですけど
ハワイ語とかにあるので まあひとまずナビ語にはこういう正門閉鎖音とか
放出音とか言われる音があります そうそうこの話をしようと思っててちょっと忘れてたんですよね
でメインでお話ししたのは 主語や目的語を表すのに
自動詞の主語と他動詞の主語と他動詞の目的語と それぞれに標識を用意している珍しい言語であるっていうお話をしました
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ちなみにね僕が作ってる言語は 能格型表示の言語なんですよね
だから自動詞の主語と他動詞の目的語が同じように扱われて 他動詞の主語だけ別語っていうタイプの言語にしています
こういったタイプの 格表示というか主語や目的語の表し方っていうのは
日本人が触れるようなメジャーな言語ではあんまり見られないものなんですけど 特別珍しいというものでもありません
というわけで今回は映画アバターに出てくるナビ語っていうね 人工言語についてのお話でした
詳しく知りたい方はこのナビ語のウェブサイトがあるのでぜひ見てみてください URL貼っつけておこうと思います
それではまた次回お会いいたしましょう お相手はしがじゅうごでした
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