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#896 「現実世界」はどこまで言語に干渉するか?part 2 from Radiotalk
2026-09-19 11:01

#896 「現実世界」はどこまで言語に干渉するか?part 2 from Radiotalk

関連エピソード
https://radiotalk.jp/talk/1042623

主要参考文献
ドイッチャー, G 椋田直子訳 (2022)『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』東京: 早川書房.
ウィルソン, E. O. 斉藤隆央訳 (2025)『人類はどこから来て、どこへ行くのか』東京: 筑摩書房.

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育

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00:00
前回のエピソード、シャープ895で 現実世界はどこまで言語に干渉するのかというような話をしております。
そこで例に挙げたのは、四字詞で、 要はこれそれあれみたいなものですね。
山勝な地域で話されている言語では、 そういった四字詞、これそれあれみたいなものに高さの区別がある、みたいなお話をしました。
これそれあれっていうのは、基本的に自分との話し手、 一人称との距離によって使い分けられるものです。
場合によってはそこに聞き手、二人称も加わって、 その自分と相手との相対的な距離でもって、これそれあれっていうのが使われるんですが、
山勝な地域では、目線が上になるか下になるか、 上方向か下方向かという情報も四字詞に含まれているっていうようなお話をしました。
こういった例は、地理的な情報が言語に反映されているということですよね。
地理的な情報、地形が言語に影響を与えると、 そのように言えそうです。
今回は現実世界が言語に与える影響として、 コミュニティ、社会の複雑さっていうのと、気候、暖かいか寒いか、
そういったものを取り上げようと思います。 果たして社会の複雑さや住んでいるところの寒暖、暖かいとか寒いとか、
そういったものがどのように言語に影響するのでしょうか。 BGMです。
始まりました。4月15日のツボ。油断大敵、苦断した最寄り行きです。 まずは社会の複雑さと言語がどのように関わっているか、
というのを見ていこうと思います。 実はこれ関連エピソードがございまして、ぜひ余裕のある方は遡って聞いていただけたらと思います。
社会の複雑さと 言語の複雑さっていうのはある程度相関があるという説があります。
まず一つ目は ヘッドマーキングの言語は
単純な社会で観察されがちというものです。 逆に言うとヘッドマーキングの言語は複雑な社会では見られないということで、
一言で言えばヘッドマーキングの言語は少数言語に限られるということでもあるんですが、
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このヘッドマーキングの言語というのは 動詞の情報量が多い言語と言えます。
動詞ないし述語。 典型的には動詞に主語の情報や目的語の情報が
表されているような言語のことをヘッドマーキングと言うんですね。 このヘッドマーキングの対義語がディペンデントマーキングで
これは日本語みたいなものがよくねディペンデントマーキングと言われて 私が魚を食べるみたいに主語にはが目的語にはを
こういった主語とか目的語とか文法関係と言われるものは 名詞側に表されるんですよね。日本語だったら各助詞です。
でこういうのはディペンデントマーキングと言われます。反対にヘッドマーキング 日本語だと主要部表示型言語と言われるものですけど
ではそういった主語や目的語の情報が 全部動詞につくんですね。
ですので動詞の変化形というのがすごく大変なことになります。 私が彼を見たっていうのと彼が私を見たっていうのと
日本語だったら同じ見たという動詞を使いますがヘッドマーキングの言語であれば 主語目的語に応じて見たという動詞の形がいちいち変わります。
逆に名詞の方、 私とか彼とかもっと普通の名詞犬とか猫とかでもいいんですけど
そういったものには何もつかないっていうこともあるんですね。 なぜなら動詞を見れば何が主語で目的語かわかるので名詞の方ではいちいち各助詞
みたいなのは使わない。こういったタイプの言語がヘッドマーキングの言語です。 こういったヘッドマーキングの言語は
メジャーな言語ではあんまりないんですよね。 公用語とか国語と言われるような国家の言語におそらくあんまりヘッドマーキングの言語はないと思います。
逆に話者数の少ない言語でヘッドマーキングっていうのはよく観察されて、 特に北米のネイティブアメリカンの言語であるとか
あるいはアイヌ語もヘッドマーキングの言語とよく言われます。 このように話者の数が少ないコミュニティあるいは単純な社会で
ヘッドマーキングの言語っていうのはよく観察されるんですが、それはなぜかというと 小さなコミュニティの中だと
登場人物っていうのはかなり限られるんですね。 彼と言ったら大抵誰のことを指すかっていうのがすぐわかるし
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代名詞だけで会話が成り立つこともよくあります。 ヘッドマーキングの言語っていうのは要は動詞に小さい代名詞がくっついているようなものなんですよね。
登場人物が限られている、会話に出てくる人物が全部代名詞で済んでしまうような そういった小さな社会においてはもう代名詞と動詞が一緒くたになっちゃって
で動詞一言で発話が終わってしまうんですね。 それに対して複雑な社会になると
登場人物は顔見知りだけでは済まなくなります。 見知らぬ人や物について語る機会も多くなっていくんですね。
そうなると動詞にそういった情報を載せるわけにはいかないので、 つまり代名詞で話は終わらないので
複雑な社会ではヘッドマーキングの言語はあまり見られないという、そういった説もあるんですね。
これは現実社会、ここでは社会の規模みたいなものが言語に影響していると言えるかもしれません。
さて次は、気候が言語に影響を与えているんじゃないかというお話をします。
端的に言うと、温かい地域で話されている言語は音節構造が単純になりがちなんですね。
音節っていうのは要はシーンと母音の組み合わせのことですけど、単純っていうのはシーン一つにつき母音一つみたいなものです。
これが単純の音節構造と言えます。
そう考えると日本語も音節構造は比較的単純で、サーという音節ですね。
日本語だったらカナ一文字で書くわけですけど、このサーという音節であればスというシーンプラスアーという母音なのでシーン1プラス母音1となっています。
逆に英語は複雑な音節構造を持っていて、ストライクという単語について言うと、これ一つの音節なわけですが、
母音の前にシーンが3つも連続していて、さらに音節の最後にもストライクのクというシーンが出てきているので、母音1個に対してシーンが山ほどついてるんですね。
この英語のようなシーンがいくつも出てくるような複雑な音節構造は暖かい地域ではあまり観察されません。
特に赤道付近の地帯では、日本語みたいなシーン1個母音1個みたいな単純な音節構造がよく観察されるんですね。
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これの説明として、温暖な気候であれば外に出て活動することが多い。そうなると外で話すことが当然多くなる。
家の中と違って屋外だと風の音とかノイズがあるわけなので、聞き取りやすい母音が中心に使われることになり、
実際母音というのは非常に聞こえやすい言語音なので、屋外での聞こえやすさを重視した結果、音節構造が単純になったという説があるんですね。
僕自身これはどうかなと思うところもあるんですけど、ただ事実として確かに温暖な気候なところでは音節構造は単純なんですよね。
その説明を言語外の現実世界に求めていいかどうかっていうのは慎重になる必要があると思うんですが、一つの説明として今言ったようなものがあるんですね。
そうなると日本語の音節構造も母音を中心とした単純なものなので、日本語は南の方から、暖かいところからやってきたんじゃないかと考える人もいるんですね。
日本語の起源についてはまだまだ謎なところが多いわけですけど、南の方からやってきたんじゃないかという説の根拠として単純な音節構造というのがあるんですね。
というわけで今回のエピソードはここまでということで、また次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローまだの方はよろしくお願いいたします。
お相手はシガ15でした。
またねー。
11:01

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