1. 【10分言語学】志賀十五の壺
  2. #758 言語学と記号学:恣意性..
2025-05-24 11:46

#758 言語学と記号学:恣意性は否定されたか? from Radiotalk

第2回ポッドキャストスターアワード
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主要参考文献
坂本百大・川野洋・磯谷孝・太田幸夫(編)(2002)『記号学大事典』東京: 柏書房.

関連エピソード
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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育

サマリー

記号学の辞典では、恣意性の原理が否定されるという驚くべき主張がなされます。このエピソードでは、記号学の基本概念や言語における恣意性と自然性について深く掘り下げています。

記号学とその基本概念
記号学第一典という本、辞典があります。これは20年ぐらい前に出た本なんですが、最近手に入れましてね、ちょっとパラパラと読んでいました。
記号学の辞典ですので、実に様々なことを扱っています。
その中には当然言語の話もあって、 馴染みがあるっていうかね、よく理解できる話も多いです。
そもそも記号学とは何なのかというと、記号を扱う学問ですね。そのままといえばそのままですけど、我々は記号に囲まれて生活しています。
それはあまり記号とは意識されていないものもたくさんあるんですよね。
この記号学第一典の前書きを見ると、記号学は学問文化を体系付けると、そのヒエラルヒの頂点に立つ学問であるというのが本辞典の根本的主張であるというふうに書いてるんですね。
なかなか大胆というか大きなことを言ってますけど、 僕としてもそれはその通りだと思うんですよね。
記号学で扱われる記号の典型的なものが言語であるし、 その言語の研究から、ソシュールから言語学そして記号学というのが始まったと言われていますので、
この辞典の中でもね、その言語学と重なる部分が多いというか、 言語を扱った項目というのがたくさんあります。
で、その中で恣意性という項目もあってですね。 この恣意性というのは言語学にとって前提となっている考え方です。
記号学でもそうだと思うんですが、その恣意性の項目の中で、 恣意性の原理を疑わせるその他の研究、例えば手話も進みつつあり、
この原理はもはや原理としての地位を喪失したと言い得るであろうというふうに書かれているんですね。
恣意性の再考
つまり言語の恣意性というのが否定されているということで、ちょっとこれはびっくりしましたね。
僕は常々恣意性というのは言語の根本というか大原則だと思っていたので、 この記号学大辞典だとその大原則が否定されちゃってるんですね。
BGMです。 始まりました4月15日のツボ。
握手しましょう。ルロイ修道師です。 忘れないうちにちょっとねお知らせをしておきます。
ポッドキャストスターアワードというのが現在開催中でございます。 2025年5月24日現在開催中でございます。
リンクは概要欄に貼っておきますので、 ぜひポッドキャストを配信されている方は参加してみてはどうでしょうか。
これはポッドキャストをやっている方だったらどなたでも参加できるアワードになっていて、 僕も早速参加いたしました。
一つエピソードを選んで、特にSpotifyで配信されている方はSpotifyのエピソードを実践するとSpotifyのプレイリストに入れてくださるので、
それで普段聞かない方にも聞いていただけるきっかけになると思います。
アワードを狙うというのはもちろんそうなんですけど、 参加することに意味があるオリンピック的なところもあると思いますので、
新しい新規リスナーを獲得するためにも参加してみてはいかがでしょうか。 それと同時に自分が知らない番組に出会える場でもあると思いますので、
そういう他のポッドキャスター、配信者の方とつながるよろしい機会だと思いますので、
ポッドキャストスターアワード、ぜひ配信者の方もリスナーの方もチェックしてみてください。
こちら第2回なんですね。去年第1回があってそちらも僕は参加したんですけど、 素晴らしい企画だと思うのでぜひ皆さんチェックしてみてください。
さて話は戻りまして、記号拡大時点でC性というのが否定されているということですが、 そもそもC性とは何なのかというと、
これは自然性というか、 自然の反対対義語だみたいに考えていただけたらいいんではないかと思います。
自然の反対がC的だというような感じです。 このC性というのを説明するのにシニフィアンとかシニフェとかシーニュとか、
ちょっと似たような専門用語を使うことがよくあるんですけど、 ちょっとそういったことを一旦無視してC性というのを考えてみると、
このC性というのは二面性あって、つまり2つのC性というのがよく指摘されていて、
一つは音と意味の間のC性です。 ひらたく言えば音と意味の間の関係はC的である。
つまり自然的ではないということです。 日本語で水は水という音で表されるんですよね。
我々日本語母語話者にとって水っていうのはいかにも水という感じがして、 水々しい感じがして、音と意味がきっちり合っていると
そういうふうに感じる方もいらっしゃると思うんですよね。 ただそれは日本語母語話者だからそのように感じるんであって、
日本語が理解できない人にとって水という音を聞いたとしても、 あの液体H2Oを思い浮かべることはないと思います。
つまりそこに自然的な関係はないということですね。 もし音と意味の関係がC的ではなかったら、
つまり自然的であったとしたら、 あらゆる言語であの水のことを水みたいな音で表しているはずなんですよね。
そしてどんな言語の話し手であっても、水という音を聞けば、 あの液体H2Oのことを思い出すみたいな、そんな状況になっているはずです。
がそのようにはなっていません。つまりあの液体を水という音で表さなきゃいけない 義理とか理由みたいなものはないんですね。
この義理とか理由がないというのがC的であるということです。 でもう一つのC性の側面は
単語同士のその関係、 横のつながりのC性で、また水の例で考えると日本語では水とお湯というのを区別します。
しかし英語みたいな言語ではこの2つは区別されません。両方ウォーターです。
お湯と言いたいんだったらホットウォーターみたいにちょっと二次的に言う必要があります。 このように現実世界をどのように切り分けるかというのもC的に決まっているんですね。
日本語みたいに水とお湯で切ってもいいし、 英語みたいに切らなくても別にかまわないんですよね。
英語では水とお湯を区別しない。 だからといって困っているわけでもなくて、
そのウォーターっていうのがその日本語でいう水とお湯をカバーしているので、 それはそれで問題ないんですよね。
こういうふうに考えると言語っていうのはその全体あっての部分であるっていうふうに考えなくてはダメで、
水とかお湯っていうのが客観的事実としてあって、 それを
日本語では水お湯と名付けてますとかそういうことではなくて、 日本語では水とお湯と名付けることによって水とお湯という区別、
切り分けができています。 個々の要素に名前をつけるんじゃなくて、全体を切り分けるのが言語のやっていることで、
その切り分け方が恣意的であるというのが言語学の大原則なんですね。 一旦CMです。
さて、この2つの側面を持つシーセー、言語のシーセーが、 記号学大辞典では否定されているわけですが、
この2つの側面を持つシーセー、言語のシーセーが、 記号学大辞典では否定されているわけです。
さて、この2つの側面を持つシーセー、言語のシーセーが、 記号学大辞典では否定されていたんですが、
もちろんその理由も書いてるんですね。 その主な理由の一つが類造性です。
この類造性については過去にエピソードを撮ったことがあります。 シーセー vs 類造性みたいな、まさに今回のエピソードと関係したようなエピソードが
確かあったはずなので、ぜひそちらもリンクを貼っておきますので聞いてください。
類造性というのはシーセーの反対みたいな感じで、 自然的だというふうに考えてもいいと思うんですよね。
イメージとしてはシーセーの反対で、類造性というのはその言語が
客観的事実というか、現実世界の状況を真似てるっていうような、そんな感じですね。
真似てるのでそこに自然的な関係がある、それが類造性という、そんなイメージです。 わかりやすいのはオノマトペですね。
犬がワンワン、猫がニャーニャー、こういったものは 結構各言語に似てくるとか、そういったことが言われています。
まさに現実世界の音を言語が真似ている。 ですのでそれらはシー的というよりは類造的、自然的な関係があるということです。
オノマトペ以外にも類造性が観察されるという主張があります。 例えば文法の側面で類造性があるというね、そういった説もあるんですね。
これについてはまさに関連エピソードでお話ししてますので、気になる方はぜひ聞いてみてください。
エピソードのまとめ
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。 番組フォローまだの方はよろしくお願い致します。
お相手はシガ15でした。 またねー!
11:46

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