1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #708 鼻濁音は音声か音素か? ..
2024-11-30 11:37

#708 鼻濁音は音声か音素か? from Radiotalk

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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番組宛にお便り頂いております。
ショコラさんから頂きました。ありがとうございます。
初めまして。しばらく前からお名前は存じ上げていたのですが、今週初めて志賀さんのラジオ&歌を聞きました。
どれもものすごく面白いです。
言語学関連ではゆる言語学ラジオしか知らなかったので、志賀さんのコンテンツを知って楽しみが増えました。
ありがとうございます。こちらこそどうもありがとうございます。
歌についてはスタンドFMないし、YouTubeで聞くことができます。
一つ質問があります。志賀さんは何々がなどのガギングゲン語の発音を綺麗な鼻濁音でされていますよね。
これは意識してやっているのでしょうか。聞いていて綺麗な日本語だなぁと感心しています。
ということでショコラスさんお便りどうもありがとうございます。
BGM目覚めなさい。
始まりました志賀十五のツボ。皆さんいかがお過ごしでしょうか。アクツマヤです。
そもそも美濁音とは何なのかというと、ガギングゲン語、歌行の濁音ですね。
歌行の発音のバリエーションみたいなもので、鼻に抜けるんですよね。
鼻にごる音と書いて美濁音なので。
マミムメモとかナニヌネノと同じように鼻に抜いてガギングゲンゴという発音になると、これは美濁音ということになります。
音声学的には南郊外美音ということになります。
で、この美濁音が何のこっちゃっていう方もそれなりにいらっしゃるんではないかと思います。
というのが、この日本語における美濁音の位置づけっていうのは、まずその地域差っていうのがあるので、美濁音を持ってない方言というのもたくさんあります。
僕の出身地である岡山県も美濁音はないので、
ですので僕は美濁音を後天的に、言語って全部後天的ですけど、より後天的に大人になってから身につけました。
どちらかというと東日本的な特徴と言われてますね。
東京方言もそうだし、東北の方はかなりこの美濁音というのが特徴的だと言われております。
ですので僕の美濁音は後から作ったものなので、意識か無意識かと言われると半々ぐらいじゃないかなと思いますね。
気を抜いてたらとか、あるいは地元に帰ったりとかしたら美濁音というのは全く出なくなると思いますが、
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こういうポッドキャストみたいにある程度改まった時とかは出やすくなってるかもしれません。
それが美しいかどうかを置いておいてね、まあ意識すれば美濁音は使えるかなっていうぐらいのレベルじゃないかなと思います。
お便り中にあったのは、女子のがーですね。私がーって言った時のこのがーっていうのが美濁音っていうことでしたが、
大まかに言って美濁音っていうのは現れることのできる音の環境っていうのが限られてるんですね。
端的に言えば誤答には現れないと言われています。今言ったまさに誤答の誤っていうのは美濁音で誤答とは言わずに破裂音で誤答というふうに言うんですよね。
ただ同じ誤という単語でも、今言ったように単語みたいに語中に出てきた場合は美濁音で単語というふうに言うということになってるんですよね。
同じような例は学校とかがそうですね。学校は誤答だと破裂音ですが、小学校とか中学校って言った場合は美濁音になるとかいうふうに言われています。
で私がーとか言った場合のこの女子のがーっていうのは必然的に前に何かしらのね単語が出てきてそれにくっつくので原則的に美濁音で発音されることになるんですよね。
美濁音については過去のエピソードで扱ったことがあって、どうやらシャープ156で扱っています。
これ随分前ですね。2020年のエピソードなので、シャープ156美濁音について学ぼうというエピソードがあるので、そっちもよかったら聞いていただけたらと思います。
そのシャープ156でも同じ話をしているかもしれないんですが、この美濁音っていうのが音声なのか音素なのかっていうのは非常に面白い問題で、
音声と音素っていうのは言葉の響きとして似てますが、言語音楽においては非常に重要な区別です。
もっと言うと、言語によってより本質的なのは音装で、
端的に言えば意味の区別に関わる、専門的には弁別的とか言いますけど、その意味の区別に関わる音のことを音装という言い方をするんですよね。
音声の方はもっと物理的というか具体的な音の現れ方のことを音声と言います。ざっくり言うとそんな感じです。
わかりやすいのは英語でLとRの区別があって日本語にはないって言った場合、英語は音装としてLとRは持ってるんですよね。
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だからプレイとプレイっていうのが区別される。遊ぶと祈るっていうのが区別されるので、LとRは別の音装ということになります。
一方日本語において、LとRっていうのはもしかしたら音声としては存在しているかもしれないです。
個人差的に、例えばラーメンのラっていうのをLでラーメンって言っても、Rでラーメンって言っても、あるいは巻き舌でラーメンって言っても別にいいんですよね。
ここで重要なのは、LだろうがRだろうが巻き舌だろうが、全部ラーメンという単語を表してるんですよね。
つまり意味の区別に関わってません。LとRと巻き舌っていうのは意味の区別に関わっていません。
ですので音装として日本語にはLとRの区別はないです。音声として実現することはあるかもしれないけど、
それが意味の区別に絡んでこないので、それは音装ではないということになるんですね。
で、微濁音に話を戻すと、少なくともいわゆる共通語においては、
微濁音は弁別的ではないんじゃないかなと思います。 方言は一旦置いといてですが、
私がーって微濁音で言っても、私がーっていう風に普通の破裂音で言ったとしても、それは音色が違うだけであって、
意味には何の影響も与えませんよね。 さらに、
さっきお話ししたように語頭では破裂音、学校と言って、 語頭以外では中学校とか小学校みたいに微濁音で出るっていうふうに考えると、
こういうのを言語学では双方分布しているという言い方をします。
ごく平たく言えば、片方出てくる時に片方は出てこなくて、もう片方が出る時に片方は出てこないみたいな、
そういう分布のことを双方分布って言うんですよね。 ジキルとハイド的な感じに考えてもいいと思いますが、
そういうふうに双方分布している場合は、 言語学というか音声学では単一の音素であるというふうに考えます。
つまり潜在的には一つの音で、それが語頭に現れる時は破裂音で、 語頭以外の時は微濁音で現れるっていうね。
そういう分布をしているっていうことですが、ただ、 微濁音の場合はそんなに話が単純ではなくて、
というのが、 微濁音が現れないのは語頭っていう話を一個しましたけど、
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もう一つ大きい規則として、釈用には現れないっていうのがあります。 例えばガラスっていうのはこれ釈用なので、
このガっていうのはいつでも破裂音です。 ガラス単体だとこれ語頭なので当然破裂音なわけですが、
例えばすりガラスとかね、すりガラスっていうのはこれは微濁音ですりガラスとはならずすりガラス。
破裂音で発音されると言われています。 そうなるとこれは意味の区別に役立ってるというか関わってるということができて、
大ガラスと大ガラスといった場合、 前者の微濁音で大ガラスって言った場合は大きいガラスで、
微濁音を使わずただの破裂音で言った場合は大ガラス。 これは大きいガラスだっていうことになって、
大ガラスと大ガラスで意味の区別に関わっている、つまり弁別的だってことになって、
ガギグゲ語とガギングゲ語っていうのは別の音素ということになるんですね。 冒頭お話ししたように僕はその母語としては微濁音を持ってないので、
大ガラスと大ガラスが区別できるのかされるのかっていうのはその感覚としてわかりません。
もし大ガラスと大ガラスを区別する方言であればそれは別の音素ということになりますが、
ただ単に音色の違いというか意味の区別には役に立たない、 私がーと言っても私がーと言ってもどっちでもいいよみたいな方言にとっては、
それは音声的な違いで、もっと専門的に言うと異音ということになります。 正直僕にとって微濁音っていうのは
画業の異音に過ぎない、つまり音素ではないんですが、 基本的な日本語ではそんなものがあるかどうかわかりませんが、
基本的な日本語では微濁音というのは音素ということになってるんですね。 ぜひ関連エピソードも合わせて聞いていただけたらと思います。
もしかしたら似たような話をしているかもしれません。 それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。番組フォローもよろしくお願いします。
お相手はシンガージュウゴでした。 またねー
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