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  2. #1 すごいぞ!!日本の工作機械..
2022-11-02 17:00

#1 すごいぞ!!日本の工作機械業界

「日本の代表的なものづくり産業といえば!?」

と聞かれたとき、あなたは何を思い浮かべますか。

まず思い浮かぶのは、おそらく自動車業界でしょう。

しかーし、その他にも日本が世界をリードする業界があるんです。

それが工作機械業界です。工作業界の溢れんばかりの魅力をお伝えします!


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元記事: すごいぞ!!日本の工作機械業界

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どうも、しぶちょーと申します。今回からこの、ものづくりのラジオというものを始めました。
こちらはですね、ものづくりに関する話題を、私の主観を交えながら、ザックバランに紹介していくというラジオです。
特に、この堅苦しい技術の話をするわけではないので、気軽に聞いていただければ幸いです。
なんか、ながらでね、作業しながら聞けるものづくりの話と思っていただければいいかなと思います。
今回は第1回目なんで、自己紹介も兼ねて、いろいろ話していけたらなと思います。
まず私、どんな仕事をしているかというと、産業機械業界で機械設計者として働いていました。
働いていましたというのは、10年間機械の設計の仕事をしていて、昨年からですね、流行りのAIとかIoT関連の部署に移動して、
そこらへんのIT技術の勉強を今しているという感じです。
個人的な活動としては、支部長というハンドル内部でブログやツイッターなどで技術情報の発信を行っています。
ツイッターは今、フォロワーが8400人ぐらいいまして、今1万人を目指して頑張っているという感じです。
今までブログとかツイッターとか文字媒体で技術情報とかものづくりの発信をしてきたんですけど、
今回から音声を活用して、聞いてわかるものづくりの楽しさとか面白さとか、そういうものを伝えていけたらなと思っています。よろしくお願いします。
さてさて、記念すべき第1回目のテーマなんですけど、「すごいぞ!日本の工作機械業界!」というテーマにしました。
これは私が工作機械業界で働いているんで、その業界の説明も兼ねつつ、自己紹介も兼ねつつ、そういう話をしていけたらなと思っています。
まず前提として皆さん、工作機械って何かわかります?
これね、ものづくりに携わっている人ならよっぽどわかると思うんですけど、やっぱ工作機械というのは産業機械なんで、一般認知ってあんまりされてないですよね。
で、だいたいこう友達に、これ工作機械業界あるあるだと思うんですけど、友達に、あ、工作機械作ってるんだよっていうと、だいたい、あ、畑耕すやつでしょって言われます。トラクターとかって。
違うんですね。字が。あの工作っていう、工作機械って言ったらみんなやっぱ畑耕す方の工作を思い浮かべちゃうんですけど、違います。
これ図画工作とかね。小学校の時に多分あったと思うんですけど、その図画工作とかの工作っていう漢字で工作機械と書きます。
じゃあその工作機械って、じゃあ何してるのっていうと、一言で言うと材料を加工して製品や部品を作り出す機械と。
まあちょっとこれだけだと説明不足してるんですけど、加工っていうのはわかりやすく言ったら、一番わかりやすいのはドリルで穴開けますよとか。
そんな感じですね。あとはこう、なんだろうな、面を削りますとか、溝を掘りますとか、そうやってこうガリガリ削って形を作っていくというイメージでいいかなと思います。
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まあその他にもね、加工っていうと例えば曲げるとか、溶かすとか、他には最近で言うと3Dプリンターとかあって積層を積み重ねていくなんていうのも一応加工に含まれるんですけど、
ここで言う工作機械っていうのは基本的には削る、あるものをゴリゴリ削って形を作っていくという機械を一般的に工作機械と呼んでます。
ではですね、この工作機械の特徴、産業機械の中でもこの工作機械っていうのがどういった特徴を持っているのって話をちょっとしたいと思います。
これねすごくて、工作機械っていうのは広さ、とにかく影響が広いんですけど、影響の広さと深さが両方兼ね添わった機械なんですよね。
これちょっと説明していくとですね、まず工作機械っていうのは機械を作る機械っていう意味でマザーマシンと呼ばれているんですよ。
これどういうことかというと、この世に存在するすべてのものは原理をたどっていくと必ず工作機械から生み出されているんですね。
なんで母なる機械だと、ということでマザーマシンと呼ばれています。
このパッと周りを見まして、なんか色々皆さんの周りに物があると思うんですけど、それの製造工程をですね、たどっていくと必ず例外なく工作機械が関わっていると。
これもうめちゃくちゃものすごい影響範囲で、もう皆さんも工作機械の恩恵から逃げることができない。
知らず知らずのうちに絶対に影響を受けているんですよ。
だからもしも、工作機械の恩恵なんて俺は受けたくないんだって人がいたら、その人はもう全裸でジャングルで走り回るしか手がない。
その人は誰なんだって話なんですけど、それは置いといて、そのぐらい生活を支えている重要な機械ということですね。
これで大体影響の広さがわかっていただけたかなと思います。
広さの次にさらに深さ、これ影響の度合いですね。かなり深く我々の生活に影響していると。
その深さもあるんですね。
これをですね、これ1個その工作機械の特性の原理があって、工作機械の母性原理というものがあります。
これ何かというと、工作機械によって生み出される製品とか部品というのは、それを作り出す工作機械の精度によって決まるというものです。
ちょっと小難しい言い方をしたんですけど、結局作り出されるものというのは、工作機械の性能に依存しますよと。
工作機械が悪いと、それだけ良いものはできませんという話ですね。
この部品の精度というのは、その国の製造業のレベルそのものを表すんです。
なんで、良い部品があれば当然良いものを作れますし、悪い部品しか作れないだったら当然物の質も悪くなると。
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言い換えると結局工作機械の性能というのが、その国の製造業のレベルそのものになるんですよね。
なんで、製造の良い機械がある、工作機械があるかどうかで、その国の製造業のレベルが決まっちゃうんで、
みんな国ぐるみでこの工作機械のレベルを高めようといって、いろいろ取り組んでいるという、そのぐらい非常に影響度の深い機械なんですね。
国家レベルで、こうした機械をサポートしていくと。
中国とか特にそうですね。そういうことをやっている国もあるよということです。
それだけ影響度の深い、そして広い機械だと。それが工作機械の特徴だよと覚えていただければなと思います。
ここまではこう、工作機械の概要を説明したんですけど、ここからですね、じゃあ日本の工作機械ってすごいんですかっていう話をしたいと思います。
例えば、日本の代表的なものづくり産業といえばと聞かれたら、何を思い浮かべます?
っていうのは、多分まず最初に思い浮かぶのは自動車業界なんですよね。
これってやっぱ誰もが思いつく、確かに日本が世界に誇れる業界の一つなんですよね。
ただ、実は工作機械業界も日本が世界をリードする業界なんです。
これどのぐらいリードするかというと、日本は1982年に工作機械の生産額でなんと世界一位になっているんですね。
そこから26年間世界一位に君臨し続けて、工作機械といえば日本というイメージを世界に植え付けたと。
そのぐらい世界をリードするという感じです。
残念ながら2008年に生産額で中国に追い抜かれて、今は世界一位は中国なんですけど、現在もドイツと二位争いをしているという話です。
これよく勘違いされるのが、じゃあ世界一の工作機械大国は中国なのかってなるんですけど、
これあくまでも生産額の話なんで、技術レベルという意味で言ったら、ドイツと日本で今争っているというイメージですね。
ここまですごく、なんかもう工作機械すごいんだみたいな話をしてきたんですけど、
じゃあ実際、市場規模ってどうなのって話になってくると、ちょっとまた話が違ってきて、
で、これなんでこんな言い方をしたかというと、小っちゃいんですよ業界が。
非常に市場規模としては小さい。影響も広いし、深いけど市場規模小っちゃい。
そんなに工作機械でいっぱい車みたいに売れるものではないんで当たり前なんですけど、
どれくらい小っちゃいかっていうと、日本の機械工業全体の生産額、これ2020年のデータですけど、53兆円ですね。
53兆円に対して、工作機械っていうのはどのくらいかというと、7000億円ぐらいなんですね。
だから全体で見たら1.4%ぐらい。だから日本の工業界の1.4%ぐらいが工作機械ですよっていう感じなんで、非常にニッチだと言えると思いますね。
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これ世界規模で見ても、やっぱりそんなに大きくなくて、2019年のデータと世界市場っていうのは大体年間で770億ドルって言われてます。
で、そのうちの20%、日本は世界シェアと言ってるんで、世界2位を誇ってます。
で、これじゃあ他の業界と比べてみたら時ですけど、例えば航空産業とかね、ちょっと今ちょっと落ちちゃってますけど、市場規模って大体約年間9兆ドルなんですよね。
で、工作機械規模は770億ドルなんで、2桁違うんです。
だから世界規模から見ても、やっぱ他の業種と比較すると全然見劣りしちゃうと。
今話した細かい数字っていうのは覚えなくてもいいんですけど、影響広いし深いんですけど、そのメジャーじゃないとか非常にニッチな業界でもあるよという、そういうイメージを持っていただければいいかなと思います。
ここら辺までは非常に業界によった話をしたんですけど、ここから主観の話をさせてください。
私、工作機械業界で10年働いてるんで、その酸いも甘いもというか魅力を非常に理解してます。
で、どんな良いことがあったか、どんな素晴らしいことがあるのかなっていうのをちょっと話させていただければなと思います。
まず1個目、すごく面白い特性が工作機械にあって、これが工作機械の技術的修練っていうんですけど、どんなことかっていうと、
多業界で生まれた技術が工作機械を通じて違う業界に伝わるという特性です。
これどういうことかっていうと、例えば飛行機のエンジンとかって非常に複雑な部品多いんですけど、そういうところで生まれた特殊な加工方法ですね。
それが、工作機械に技術がフィードバックされて、工作機械メーカーがそういう加工の技として機械に埋め込むわけですよ。
そうすると、違う業界の人が工作機械を通じてその機能を使うんで、他の業界で生まれた技術っていうのが工作機械を通じて違う業界に伝わるんですよね。
これが技術的修練という特性で、なのである意味、工作機械が他の製造業を繋げるハブの役割をしているというものです。
これ非常に面白くて、やっぱりお客さんってすごい多岐に渡るんですよ。
自動車業界、航空業界、あと研技業界とか、すごく広くて、そういう人たちが使っている技術が工作機械に集まってくる。
そういう特性があるんで、非常に勉強になるし、やっぱりお客さんの話聞いてても楽しいと。
これ非常に魅力の一つです。
もう一個面白い特性、これたまらなく面白いんですけど、工作機械メーカーって工作機械ユーザーでもあるんですよ。
自分たちは工作機械を商品として売り出しますけど、でも工作機械を作るために、工作機械を使うんでユーザーでもあると。
この構図ってね、すげえ面白いんですよね。
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で、自分たちが使ったものを、作っているものを使っているよっていうメーカーって、いろいろな業界であると思うんですけど、
工作機械、特にコアの部分ですね。
その、工作機械の命って精度なんですけど、その精度を作り出すのって工作機械なんで、
自身のコアの部分を自身の機械で作っていると。
これ非常に面白い構図だと思います。
なんで、ここがね、やっぱ、だから難しいんですよ、すごく。
自分たちの製品を良くすれば、自分たちの製品が良くなるっていう、わけわかんないこのループ、謎のループですね。
これが構成されているっていう、不思議な業界なんですよ。
だからこれやっぱね、ガチユーザーとガチメーカーが合体しちゃってるっていうのが、
非常に他の業界にはない構図なのかなと思ってて、そこに僕強い魅力を感じてます。
あとは、やっぱね、ちょっとこれ機械設計者目線になるんですけど、
機械設計者が担当する機械のアイテムとしては、もうたまらなく良いですね、これ、工作機械。
これね、言うならば、機械要素欲張りパックですよ。もう詰め合わせなんですよね。
ボールネジでしょ、リニアガイドでしょ、ベアリング、サーボ、油圧、空圧、
加工品で言ったら、鉄鋼、アルミ、芋の板金、製缶。
唯一、プラ部品と、射出成形系のプラスチック部品とか、あんまり設計したことないんですけど、
それ以外はね、全部あると。
で、シーケンス制御はもちろん、あとフィードバック制御もあるし、
いろいろね、もう技術がギュッて集まってる、パッケージング化されてる機械だと。
一応、量産機というか、いっぱいね、1個1個の特徴じゃなくて、
量産機の型がバンってある機械なんで、非常に面白いし、
さらに、この工作機械1台って、そんなに何百人も関わらないですよ、開発に。
基本的に10人いたらかなり多いけど、僕の経験上5、6人作るんで、1台。
1年ぐらいかけてね。
だから、すごい細かい部分だけじゃなくて、全体、機械全体を見れるし、
機械要素がギュッと詰まってるんで、もう機械マニアにはたまらん。
構成になってます。
これね、やっぱ僕も10年機械設計やってきて、楽しい、本当に。
機械好きだったらたまらないです。
逆に、めっちゃ忙しいんですけど、少ない人数でそんだけやらなきゃいけないから、
体力勝負になるんですけど、やっぱね、メカ好きだったら間違いない機械だなと思ってます。
それ非常に魅力的です。
最後、最後ね、伸びしろ。
これね、めちゃくちゃあります。
さっき機械の話をしたんですけど、正直な話ね。
機械の性能の追求っていうのは、90点を100点にするような仕事になっちゃってます。
なので、このイノベーションがそこにあるかって言われると、非常に微妙なところで、
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機械自体の追求っていうのは、本当にもう職人というか、
設計職人たちが突き詰めていくような分野になるのかなと思うんですけど、
一方でIoTとかAIとかね、DX関連ですね。
デジタル技術の関連は、やっぱ伸び盛りなんですよ。
というか、まだ各メーカーが試行錯誤の段階で、クリティカルな提案というか答えが出てないと。
なので、すごくね、自由が利くし、やりたいことをいっぱいできるよっていう構図があります。
なので、デジタル技術は伸びしろがあるし、メカ的にはかなり完成されてるし、要素も盛りだくさんと。
かなり魅力的な機械かなと僕は思ってます。
伝えたいのは、働きがいのある素敵な業界ですよと。
別にその工作機械業界に皆さん来ていただいたからって、僕にフィーが入るわけではないんですけど、
それだけ魅力的ですよってことを伝えたいというお話です。
というわけで、本日はこんな感じで終わりにしたいかなと思います。
ちょっと熱が入ってとっちらかっちゃった部分があるんですけど、
こういう感じで主観と情報を交えながら、
楽しく聞けるようなものづくりの話を定期的に配信していけたらなと思ってますので、
今後もよろしくお願いします。
僕は毎日Twitterで技術情報を発信してますし、
週一目標で、事務長技術研究所というブログを更新してます。
そちらもぜひご覧いただければ幸いです。
このポッドキャストの更新はTwitterでも宣伝しますので、
ぜひともそちらもチェックをお願いします。
また今日の話は、実はブログ記事をもとにして話してますので、
文字で読めたいよって人はリンク貼ってます。
そちら違う情報も、別の情報も書いてますので、
合わせて読んでいただけると、より工作機械業界の理解が深まるかなと思うので、
そちらも合わせて読んでいただければ幸いです。
それでは、事務長でした。ではでは。
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