1. 小農ラジオ
  2. 89. 都市と森と畑をつなぐ糸状..
2023-07-01 44:36

89. 都市と森と畑をつなぐ糸状菌 Guest:宮沢佳恵さん

東大の宮沢佳恵さんと糸状菌による豊かな土づくりについて話しました。

「菌ちゃん農法」や「大地の再生」の根幹は糸状菌だったのか!面白い。


自然生態系の研究だけでは自然を守ることは難しい、農業の環境負荷を減らす方法について研究を始める。

人が手を入れることで、負荷を減らすだけでなく自然を豊かにする方法=糸状菌を増やす農法について研究。

研究をして論文を出すのに時間もかかるし、難しいテーマなので長期間の取り組みが必要で、あまり取り組まれないテーマになっている。


糸状菌を農業に活かす興味を持ったきっかけは、土を柔らかくする農法から。

未分解の有機物を施与することで、土中で糸状菌が活躍して土を団粒化する。

腐生性の糸状菌が増えることで病気が抑えられる

長崎の吉田さん:菌ちゃん先生の農法を研究する。


C/N比から見た炭素資材を使った農法について。

→表面に施すことで窒素飢餓は出ない。表面で小動物や微生物分解が起きて、窒素固定菌などの活躍で窒素も発現する。


微生物相が変わるのに時間がかかる?

→木質チップだけではなく、中熟堆肥を混ぜたりやり方は色々ある。半年~1年くらいで変えられるやり方を模索している。水分条件やスタート条件が重要。 


・矢野さんの大地の再生は少し手を入れることで、地中の糸状菌を増やして土地を豊かにする方法

・炭を入れることで地中に空気を維持して糸状菌が土の中に住むことができる。

・木質チップ、廃菌床を使った栽培について研究している。 

・空気の好きな糸状菌は表面から増えて、団粒構造を増やしながら徐々に深いところに空気を含みながら降りていって、団粒構造を発達して土を柔らかくする。


【都市と森と畑】

生ごみ→堆肥→森を作る→木質を畑に入れる→農業→食糧→生ごみという循環

団粒化した土地が広がれば、水害を減らすこともできて、海を守ることにもつながる。糸状菌が世界を救う。


糸状菌を生かした栽培のポイント

・チップは細かすぎない方がいい、細かいと空気が詰まりやすい 

・かなり高い畝を立てて(地下水位によるが50cmくらい)十分土の中に空気と水が含まれるようにする。 

・最初に一度雨に当てて濡らしてからマルチをかける。

・団粒化することで畝が柔らかくなるので雑草も抜きやすい畝になる。

 

宮沢 佳恵准教授

https://www.ga.a.u-tokyo.ac.jp/p_miyazawa.html 

畑と森を再生する糸状菌の活性化基金  

https://utf.u-tokyo.ac.jp/project/pjt159


菌ちゃん農法

https://www.town.matsukawa.lg.jp/material/files/group/6/danryuukouzou.pdf

大地の再生 矢野智徳さん

https://daichisaisei.net

炭素循環農法(ブラジルの林さん)

http://www.ultraman.gr.jp/perma/tansojyunkannouhou.pdf 

00:02
おいしい野菜と勇気を君に
はい、どうも。有機農業系ポッドキャスト、小農ラジオです。
僕はですね、有機農業をやってるんですけども、
この番組でも何回もお話ししてますけど、主に大皮を作って、それを使って有機栽培をやってるんですけども、
いつも気になるのはですね、自然栽培とか、炭素循環農法とか、そういったのが、
ちょっと自分のやってるのとはだいぶ違ってて、なんであれが成り立っているのかな、とかいう疑問というかですね、
知りたいなと思って、いつもいろいろ本を読んだりしてたんですけども、
今回ですね、そこら辺について研究されている東大の先生に来てもらっております。
宮沢佳恵、準教授です。今日よろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
はい。
この小農ラジオでまさか東大の先生をお呼びするなんて、大変恐縮なんですけども。
はい、じゃあまず、宮沢さんの方から簡単に自己紹介してもらっていいですか。
はい、いいとですね、私もともと森林生態学をやってまして、というのも自然が好きで、本当にその頃は地球を守りたいっていうそういう思いで研究をやろうとしてたんですけど、
でも森林生態とか自然生態学を学んでも、
自然ってもう別に人間が手を加えなくても上手く回ってるよね、みたいなことが、いろんな数理モデルだったりで、もう本当に最適解が出てるっていう、
そういうことがわかるばっかりで、それをやっても守るっていうのとは繋がらないなっていうふうに思ってきて、
であれば、人間が一番地球環境で大きな負荷をかけている、
一番大きな生産活動っていうのがやっぱり一番大きいところなので、陸地の面積の半分くらいを農業で使っている、農林業で使っているので、そこをもっと自然生態圏に近い形、あるいはその自然を豊かにする形にできないかなっていうのがあって、
農学に転校したので、なんとなくバリバリの農学からちょっと外れたところにいるんですけど、
そんな感じで今研究をしていて、いろいろやっているうちにも、それこそ有機農業とか自然農法とか大秘とかもずっとやってきたんですけど、
今興味があるのが、人が手を加えることで、
保全型とか、そんなに負荷をかけないよって消極的な話ではなくて、さらに自然を豊かにするっていう、普通に放っておいた自然よりも豊かになるっていう、そういう農法に興味があって、
03:17
そこで市場金を増やすっていうのをやっている方々にあって、これ面白そう、なんかいけそうっていう感みたいなのがあって、
それで始めているところです。
東大で、ある意味、自然農法の延長みたいなところで、こういった農法を研究されているということで、非常に興味深いなと思ったんですけども、
なんかそれって、割とメインストリームではないような気もするんですけど。
全然違うと思いまして。
そうですよね。
なのですごく難しくて、やっぱり研究をして論文をどんどん出していく場合に、やっぱりやりやすいテーマっていうのがあって、それは例えば微生物をやるにしたら、もう特定のものにフォーカスを当てて、それの機能を見たりだったりとかいうのは、もう割とできると思うんですけど、
そうじゃなくて、市場金というざっくりした話で、しかも農法だったり、地域によって違ったり、材料によっても違ったり、人によっても違うみたいな話を、どうやって研究にまとめて論文を書くかっていうのは結構難しいところなので、あんまり手をつけたからないと思うんですね、普通の研究者の方。
ただ、でもそういうところで誰かがやっていかないとと思っていて、特に私はもう準教授というポジションでパーマネントで雇われているので、それだからこそじゃないとできないと思うんですよ。
そうじゃない研究者の方で、本当にもうどんどん論文を出さないと、その次の職がないみたいなことをやっている人たちがそういうことはできないし、あとは国の研究所でもきちんとやることが決まっていて、出口が一般的な農家向けっていうふうに決まっているところでもなかなかできない話なので、やるとするとやっぱり大学でかなっていうふうに私は思っているので、
あえてとかそこにしか興味がないというところもあるんですけど。
パーマカルチャーとか自然農法って、実際にパーマカルチャーって結構だいぶ前からある農法っていうのかな、考え方だと思うんですけども、そこら辺って成り立っているというか、それで回っている人たちもいるけども、何でそれが本当にできているのかっていう科学的な裏付けみたいなのがあんまりない中で、
そこら辺を論文とかになっていくっていうのはすごく面白いなと思ってて。
06:02
はい、ありがとうございます。
で、最初から市場金とかいろんなそんな話が出てきたんですけども、
僕のリスナーさんの方で聞いててもなかなか市場金と言われてもピンとこない方もいると思うので、
僕の方でちょっとざっくり、一般的な有機農法の中で市場金っていうのがどういう位置づけというか、かなり特殊な研究されていると思うんですよ。
そこら辺ちょっと僕の方でお話するんで違っているとか補足をお願いしたいんですけども。
はい、もちろんです。
観光農法っていうのが一つあって、これは化学肥料とか農薬とかそういったものを使用して、
なるべく安定してたくさん作るようなのがあるのに対して有機農法があって、
一般的には大体堆肥だったり、ぼかしだったりとかそういった肥料分とかを含むような微生物がたくさんいるような肥料を使うんですけども、
一般的に市場金と言われるのは、イコールカビでいいんですよね。
カビってどっちかというと割と厄介物で、
あんまりこのカビは病気の元に病原菌も多かったりというので、
堆肥なんかも最初はカビがうわーっと出るんですけども、
それをそのまま入れちゃうとちょっと、結構暴走してしまったりもするんで、
しっかり発酵させるとだんだん市場金がいなくなっているっていうようなものが堆肥だったりする中で、
宮澤さんのやってらっしゃるのは市場金を活かすっていう考え方なんですよね。
これがなんか僕にとってはすごく意外というか、
え、なんで市場金でそういうことになるのかなっていうところが面白いなと思ったんですけども、
ちょっと今の僕の話に補足とかあればお願いします。
えっと、私はもともとなんでそこに興味を持ったのかっていうと、
私がまだ大学院にいた時に、
寮に住んでたんですけど、寮で学部生の農学部の女の子がいて、
なんかこういう農法やってるところがあるんだけどみたいな話を教えてくれて、
竹を、竹だったか何か棒を刺したらスルスル、下までズブズブ入るぐらい土が柔らかくなる、
みたいな話をして、えーってその時に思ってたんですけど、
それがどうも市場金をたくさん生やして柔らかくするっていうことらしいっていうのに気づいたのが、
その後しばらく経ってからだったんですが、
なので普通の、例えば肥料を入れたり、
それから完熟したものを入れる場合っていうのはもうなんか出来上がっているというか、
その養分として植物に供給されるものがもう整っている形で供給されるんですけど、
そうするとそこに市場金がバーってまた生えるなんてことはあまりないわけですよね。
09:04
それがまだ分解される前のものを畑に入れて、そこの場所で市場金を生やすことによって、
もちろんその有機物の中でも増えるんですけど、土の方まで菌糸が入っていって、
断粒化が起こって土が柔らかくなるんじゃないかというふうに言われていて、
そこも誰もまだ確かめてはいないんですが、
それで柔らかくなるのではないかというふうに考えているので、
それを起こすためにはやっぱり完熟してしまうとそんなに増えないので、
ということがあります。
もう一つはカビが増えるとどうっていう話なんですけど、
カビだけではなくてキノコだったり、木質のチップを入れたりするのでキノコが生えたりもするんですが、
最近の研究だと不生性の菌、カビっていうのが増えることによって、
例えば他の病原菌が抑えられたりだとか、
あとは養分の溶脱、
余分なものが系の外に出ることが抑えられたりとか、
あとは断粒化が起こったりとか、いろんな良いことがあるっていうことは分かってきているので、
あまがちそんなものすごく変なことをやっているわけではなくて、
学術的にも良いことはあるよねっていうのが分かっている不生性の子状菌を増やすっていう手法なので、
面白いなというふうに思っています。
ただそれが本当に生産に結びつくかっていうところが、
まだちょっと難しい、メカニズムを解明するのが難しいところですね。
今そういったチップとか、カリクサなんかをそのまま使って農業をやるっていうのは、
長崎の吉田さん、金ちゃん仙、長崎ですよね。
がすごく有名で、僕もいろいろYouTubeとか見たりもしてるんですけども、
吉田さんなんかのやり方だと、ちょっと詳しく違うかもしれないけど、
ウネを作って、そのウネの上にカリクサとかチップを敷いて、
上にクロマルチか何かかけて、保湿しながらそこに苗とか種をまいたりして栽培するみたいな農法で、
めちゃくちゃ立派な野菜を実際作ってるんですけども、
そこら辺の農法と近いんですかね、今研究されてるのは。
はい。研究者としては市場金が生えて、野菜ができたらすごいなと思ってやってるわけなんですけど、
農家のプロではないので、本当に農家さんに対してはすごいリスペクトがあって、
もう職人というか技術者というか、経験と流れの経験に基づいたすごい知見を、
体に染み付いていらっしゃって、見ただけで今こうすればいいみたいなことがすごいなと思うんですけど、
12:04
本当に吉田さんもそうですし、他の農家の生産者の方でそういう農法をされている方に聞いて、
あるいは実際に来てもらって指導してもらいながらやってるところなんですけど、
そうじゃないとそんな蓄積も何もない、知識しかない、体験のない私たちがウネを作ってみたところで、
全然多分吉田さんが思っているウネとは違うし、地形だったりとか気候条件とか土質だったりとか、
それを見ただけでここはこれぐらいのウネを立てた方がいいとか、
今ここ斜めだからここを掘った方がいいとか、そんなこと全然思いつかなかったみたいなことをその場で教えてくださるので、
すごいなと思って一緒にやらせていただいてます。
じゃあ実際に一緒に来てもらって畑の方で一緒に作業したりとか、そういう感じでやってるんですか?
私は2回来ていただきました。
それは灯台の方にですか?
灯台の補助は使えないんですけど、なかなか特殊な農法すぎて、たくさん木質チップを入れるとその後誰も使えなくなってしまうので、
2箇所、農家さん、生産者の方のところと工作法基地のところを借りてやっているので、それ2箇所に来ていただいてウネを作っています。
実際それで指導してもらって、やって、陳原菜か何かの写真がありましたけど、すごく立派なのができてましたよね。
工作法基地の方は色々な処理をしたんですけど、どれもすごくうまくできていて、すごく大きくなりました。
僕は耐費を使ってやっているので、どちらかというとCAの費とかをすごく気にしていて、
あんまり炭素分ばっかりが多いと、結構窒素危害になっちゃうんじゃないかなというのが心配で、
炭素をぶっこむみたいなのに対してはすごく抵抗があるというか、生のもみがらを入れたいというような話をよく相談というかどうかなと聞かれるんですけども、
そうすると窒素危害が起きるかもしれないからというんですけども、
チップなんかもっとCAの費が、炭素分が非常に多いので、そういったことにならないのかなと思うんですけども、
そこら辺についてはどういうふうに考えていますか。
やり方、いろんな方がいろんなやり方でやっているので違いには言えないんですけど、
例えば吉田さんの場合だとチップを入れたとしても混ぜないので、上に置いてあるだけなので、そういう意味では窒素危害が起きにくいと思うんですね。
もちろんその後試乗金が入ってくれば、菌糸がやがてそのいろんな線柱とかに食べられて、
そこからちょっとずつ窒素が出ていくのでうまく供給されるんだろうなと思っています。
15:05
はい。
じゃあ窒素分を入れなくても、少ないながらも木質なり土の中にもともとある有機物とかを分化していく中で、窒素も出てくるということなんですか。
はい。あとはやっぱり木質のチップを分解するために、カビも窒素が足りないとやっぱり空気中から窒素固定菌を利用して取ってきたものを利用するので、
そうすると経営の中に窒素が増えていくので、それがどれぐらいの寄与があるのかというのは本当にデータがないところではあるんですけど、
そういうこともあるんだろうなというふうに思っています。
なるほど。この間ですね、ここまでわかった自然栽培という本があって、それを読んでいたら、
自然栽培って何故全然投入しないのにできるのかみたいなお話だったので、すごく興味があって読んだんですけども、やっぱり時間はかかると。
数年かかって低窒素で空気中の窒素を固定するような菌が増えることによって、それができるようになるみたいなので、
なるほどなと思ったんですけども、やっぱりチップとかを使った今のお話されたようなやり方も、
そういう低窒素状態になると空気中の窒素を固定するような菌が増えてというような予想なんですか。
はい。あるいは低窒素とは限らなくて、本当に大量に入れるので、木質チップだけとも限らないので、
いろんな方によっては中熟大比を混ぜたりとか、少し窒素の高いものを一緒に混ぜたりするので、
そうすると量的には実は十分な量の窒素が供給されていて、だけど普通の化学肥料とか、
あとは柑橘でそんなにたくさんあげてしまうとやっぱり普通に良くないというか、化学肥料と同じように窒素型になってしまうわけなんですけれども、
そうじゃない、炭素がたくさんあることによってうまくそれがドッと出ないというか、
一気に効かない。
茎の中で徐々にゆっくり放出されるような仕組みになっているのではないかなというふうに。
そうすると省力的といえば省力的で、例えば数年に1回だけボンと入れれば、
あとずっと肥料をあげなくても徐々に徐々に出てくる中で何作もできるみたいなことがあったらいいなと思っています。
そうか。やらなきゃできないみたいな感じが染み付いちゃってるんで、
どっちかというと肥料を入れないで、しかもその肥料を窒素、リスナーの方でもし分からなければ。
窒素飢餓というのは、土の中の窒素が少ないと微生物と植物が取り合ったときに、
18:01
微生物が植物も欲しい肥料分を全部使っちゃって、植物の方が窒素が足りなくなっちゃうというような現象なんですけど、
それがすごく心配でつい入れちゃうんですけども、
それが長年その状態が続いていくと、だんだん微生物の層が変わっていくのかなっていうところですよね。
それってどれぐらい時間がかかるとかっていうのはまだ分かってないんですか。
私も自然の方、本当に時間がかかるっていうのを見てきたので、
それをちょっとみんなでやるのは大変かなと思ったので、
半年とか1年以内に土を変えられるのがいいなと思っていて、
自然の方ってやっぱり10年とかそういう話になっちゃうので、そうじゃなくて、
できれば1年以内、できれば数ヶ月っていうふうにやっています。
実際にそうやってらっしゃる方がいるので。
そんなに短期間でそういうように変えるためのやり方はどういうやり方があるんですか。
とにかく脂状菌が入る状況をきちんと整えてあげるということで、
ただの木質チープもそのままで何にも分解している気配もないみたいなのを混ぜ込んでしまっても何も起きないんですけど、
そこが難しいところですね。
それで多分吉田さんなんかはうまく水分条件を整えるためにマルチで囲ったりしてるし、
そうじゃないところでは他の中熟体育を入れてバッとまずはカビを生やすっていうことをやったりとか。
その状態で入れるとか。
それで一旦暖流構造が本当にうまくできてしまえば、
あとはもう植物の根がどんどん下の方まで生えていって、
そこからも炭素がたくさん供給されて、また微生物が増えて、
どんどんいい循環に進んで、土の深いところまでふかふかになっていくんですけど。
じゃああれですね、無肥料自然栽培というのは基本的に炭素も入れないという考え方ですけども、
それだと時間がかかるけども、ある程度脂肪菌の生えやすいような状態の炭素、
チップとかを入れることによって、それを早めることもできるし、
チップからの脂肪菌を増やすことによって、
窒素分を吸収するようなものを促進するということですか。
自然のほうもそうなんですけど、例えば山、森林のほうもそうで、
手をかけなければゆっくりゆっくり自然のリズムで大きくなっていくわけなんですけども、
大地の再生という活動をされているフィッシャル動物館の皆さん、
いらっしゃいますけど、やっぱりあれは手を入れないわけではなくて、
21:01
ちょっと手を加えることによって脂肪菌がどんどん生えていって、土が良くなっていくっていう。
例えば炭を入れたりとか、穴を開けたりとか、空気を通したりとかするわけなので、
そういう意味で人が手を加えることで、自然の状態よりもずっと良くなるっていう、
豊かに循環するようになるっていうのがすごく魅力的だなと思っていると思うんです。
両方とても共通しているので、その部分が。
なるほど。僕も矢野さんのお話は色々聞くんですけど、
この穴を開けるっていうのは土の中に空気を入れて、やっぱり脂肪菌は酸素がないとダメなんですよね。
そのためっていうのもあるのか。
僕てっきりあれ、そういう穴の意味があんまりわかってなかったけども。
なるほど。炭を入れるっていうのは、炭によってどういった効果って飲み込んでるんですか。
どうしても日本は雨が多かったり、しかも長雨が続いたりするので、
その時にどうしても空気がなくなってしまうっていう。
土の構造がうまくできてないと水がかぶってしまうんですけど、
そこに炭があることによって、炭の中の微細な構造の中にはちゃんと空気が保たれるので、
そういう場合でも空気がちゃんとそこにあるっていう状態が作りやすいんだと思います。
今、炭を土の中に入れることで、カーボンオフセット的なのもあるし、
微生物の炭化にもなるしとかいろいろ話がありますけども、
さらにこの穴の中に空気が蓄えられることによって、
そこに空気の好きな微生物が増えるっていうことなんですね。
いや面白いですね。
今は具体的にどんなテーマというか、
もうちょっと具体的にどんな研究をされているのかお話しできる範囲で聞かせてもらえますか。
一つは本当に木質チップみたいな肥料の窒素分の少ないものだけで野菜が作れるのかっていう試験が一つと、
いいですね。
あと一つは胚菌症を使ってやった場合に、
胚菌症で生きている菌糸があることが大事なのか、
それとも胚菌症を堆肥化しても、
胚菌症に含まれている養分が効いているのかっていうものを見ていたりとか、
胚菌症を使われる方が多いのですごく。
そうですね。胚菌症は僕もちょっと堆肥に混ぜたりとかはしているんですけども、
すごい良い資材ですよね。
ただ僕は堆肥化してますけども、
あれをじゃあそのまま生というか、
24:03
キノコが出なくなった胚菌症をそのまま畑に入れるというのがやるんですか。
はい。
それ入れた後に菌の種類を見たんですけど、
椎茸の胚菌症だったので、椎茸が多いのかなと思ったらそんなことはなくて、
ほとんど椎茸菌はもういなくて、他のものがバーって増えていて、
やっぱり畑だからまあそれはそうだよねと思うんですけど、
あんなにあった椎茸菌がこんな少なくなっちゃうんだなというぐらい、
別の菌が増え始めるというのは面白いですね。
それはやっぱり腫瘍菌なんですか。
はい。別の。
腫瘍菌ってすごく大きいんですよね。細菌とかに比べると。
そうですね。多細胞になるものが多いので、菌種を伸ばして大きくなるので。
先ほどからおっしゃっている弾流構造というのは、
土のいろんな粒をくっつけることによって土をふかふかにする作用ですけれども、
腫瘍菌が弾流構造を作るんですか。
腫瘍菌が、はいそうですね。
腫瘍菌の菌種が弾流構造を作ったりもしますし、
腫瘍菌の菌種が死んだ後の有機物が糊みたいになって使われたりとか、いろいろだと思います。
基本的に腫瘍菌というのは空気がないとダメなんですけれども、
上の方にやっぱりやって空気があるところで腫瘍菌に活躍してもらって、
弾流構造が発達して空気が入るようになってくると、
どんどんどんどん深いところに腫瘍菌も降りていけるみたいなイメージなんですかね。
そのイメージでいます。
じゃないと説明がつかないですよね。棒がスルスル入ってくる。
私も現場で見てるんですけど。
いやーそうなんですよね。
それはちなみに、その時はチップとかでやってた畑だったんですか。
それが刺さるようになった場所。
一つ見たところでは、チップと黒甲磁菌を一緒に混ぜてやっているところが一つと、
あとはチップと中熟大品のところと、
あとはチップを、溝をものすごく深く掘ってチップを埋め込んで排出をすごく良くしたら、
うねの中もすごく柔らかくなったというところがありました。
丸太を入れてるっていうのも見たことがありますけど。
こんなの埋めちゃったら。
僕の中ではもう全然、これはもうダメだろうと思ったら、すごくよくできるみたいになって。
なんでなのかなと思ってたんですけど、少しわかったし。
それでできるんだったら全然。
僕もそれでやりたいなとかちょっと思うんですけど。
27:00
実際に、今1,2年でそういった結果が出てるっておっしゃってましたけども。
僕もいろんな大品の種類を変えてうねを作って比較とかやってる中に、
それもまだ間に合えばやってみたいなと思うんですけども。
ポイントはチップが細かいプレーナーのカスみたいな細かいクズみたいなのがいいか。
太い枝みたいなのがいいかとかいうと、なんかあるんですか?
あんまり細かすぎると空気が入らない。
雨が降った時とか濡れた時にビチャって固まってしまって空気が入りにくいので、
ある程度隙間ができるぐらいのものが良いです。
そんなにボロボロじゃなくて、ある程度大きいので重なって空間できるような感じの方がいいんですね。
ある程度水分があった方がいいんですか?
どのやり方を採用するかによるんですけれども、
うねを立てる場合には、これも吉田さんのやり方ですけど、
かなり高くうねを立てて、上の方にチップなり木質材を置いて、
その上に少し土をかけて、一旦水をかけて十分に湿らせてから、
あるいは一回雨に当ててからマルチで覆うということをするんです。
かなり高くというのは何センチぐらいですか?
50センチとか。
それはなんで高くするんですか?排水とかじゃないですよね?
排水ですね。どうしても梅雨の時期とかに雨が降って、
見た目そんなにびちゃびちゃじゃないと思っても、実は掘ってみると結構土の中がかなり湿っていることがあるので、
そうするともし蒸気がそこで一回止まってしまうので、
そうならないように十分に空気と水が常に常にある状態にするために高うねにされています。
排水のためなんだ。50センチ。
うちはかなり雨も多くて、土も固く湿りやすいところなので、
たぶん本当に50センチぐらいやらないと全然ダメなんでしょう。
もともと木質チップをたくさん入れるという方法がブラジルの林さんという方がおっしゃっていて、
それを取り入れた農家の方ほとんど皆さん失敗したんですけど最初。
それはなんでかというとブラジルは本当に雨が少なくてそんなに空気がなくなるみたいなことはないんですが、
日本の場合はそれがあるので、うまくいき始めたという農家さんの話を聞くと、
うねをものすごく高くしたりとか水はけを改善したりとか、
本当にすごく溝を何十センチで下まで切ってそこにチップを埋めたりとか、
30:01
あとはハウスでうまくいったりとかそういう話を聞いていたので、
この水分ってけっこう肝なんだなというふうに思っています。
なるほど。
四条菌ってそんな水ちょっとでも浸かると死んじゃうんですか?
ものによるとは思うんですけど、ただその土の中まで柔らかくしようとすれば、
そこにいる菌が死んでしまったらあまり意味がないので、
もちろんキノコみたいなのは長雨で入ると思うんですけど、
土の中がやっぱり空気がある状態っていうのが必要なんだと思います。
水に弱いというよりも、空気の入る場所が水に置き換えられちゃうと、
もう空気がなくて死んじゃう。
なるほど。
実際に今リジェネラティブ農法とか、いろいろいろんな不幸期とかのがありますけども、
この木質を使った栽培っていうのもすごく可能性があるのかなと思うんですけども、
宮沢さん今の時点で実際にこれ農業に活用するとか、
農業じゃなくて森林とか、今研究されていることは、
そういったことに活かされるようなイメージって何かありますか。
生ゴミの大秘化って今されてますよね。
やってます。
それってすごく必要だと私は思ってて、
思ってるんですけど、ただそれを、
例えば私の方の学部生が研究した時に、
地方自治体が生ゴミの大秘化をして、それを循環するっていうこと。
いろんなところでやってらっしゃるんですけど、
それをアンケート調査で全部見たんですけど、日本全国の。
ただやっぱり、履け口がないっていう悩みを皆さん持ってらっしゃって、
農家の方が必ずしもそれを喜んで使うわけではないっていう現状があって、
前回国際学会に行った時にもやっぱりパリで同じような話があって、
パリでも生ゴミで大秘化するんだみたいな話が始まろうとしてるんですけど、
やっぱり研究者がアンケート調査を取ったところ、
農家は使いたくないって言っているっていう話で、
なので、そうであればそれで大秘を作ったもので森を作ったらどうかなと思っているんですね。
森に施肥するってあんまり聞かないと思うんですけど、
でも施肥をしたらもちろん木は植物なので喜んで育つはずなんですよ。
なのでそういう再生のものすごく早い森を作って、
そこで木材を取ったり木材チップを取ったり、
それこそバイオタンを作ったりっていうことをして、
そこで回していって、そこで取れた木質チップを畑の方に持っていくのであれば、
そういう抵抗感っていうのは多分なくていいんじゃないかなと思っていて。
33:06
面白い。
そうすると都市と森と畑がセットになってあったら、
もちろん都市でできた生ゴミ対してこの森が育ってっていうことになると、
自分たちが出すものっていうのにもやっぱり関心がいくと思うし、
その森が遊べる森であり、フードフォレストみたいに食べれる実がたくさんなっている森であり、
もちろん木質の生産が行われていてみたいな、そういうのができたらいいなって思っています。
面白いですね。
僕は生ゴミをどちらかというとそのまま大品にして使おうっていう方で考えてましたけども、
あれもやっぱり品質も結構ピンキリというかいろんなものがあるし、
イメージ的に使いたくないという人も中にはいるのかな。
そんな中で森に1回返して、そこでまた市場金のために木をまた畑に入れるという、
全然今までない発想だったので、すごい面白そうだなと思いました。
本当にこれから循環して資源を使っていかないと立ち行かないので、
どうやってそれを豊かに、しかもみんなが幸せな形で回していけるのかというところだと思うんですよね。
そうですよね。
そこに森が入ると結構広がりがあっていいんじゃないかなと思っていて。
全然なかった。森は挟みようがなかったというか、森は森としてあるけども、
あまり自分の中でつながってなかったですけども、そういったやり方もあるんですね。
やっぱり森も、それこそ市場金がもっと増えて乱流化が進めば、
日本の山って結構植林が、ここ岐阜県はすごく植林が多いんですけども、
根っこの梁がわりと浅くて、土壌の流房とかも多いし、
あと紅葉樹が少ないことで、ミネラルとかが少ないと言われたりもしてるんですけども、
森の豊かにすることで、水が豊かになってっていうのは本当にすごい大事ですよね。
だから森の土壌も再生されて、そして畑も本当に深くまで根が張って乱流化されて柔らかくなってということだと、
雨が降った時に何が良いかっていうと、やっぱり土壌が流されないでちゃんと雨が下に浸透していくっていう。
山でもちゃんと浸透するし、里の畑でも浸透して、
風流水がうまく海とか川に流れていくと、ミネラルを十分に含んで、かつ土砂を含んでいない水が海と川に行くので、
36:10
そこでまた海と川の生物の豊かさを支えるっていう。
そうなんですよね。だから全部繋がってるんですよね。
そういう意味で市場金が再生して世界を救うんじゃないかなというふうに思ってやってるわけなんですけど、
何しろデータを取らなければいけないので、そこを頑張っています。
海外の方ではこういった研究っていうのは進んでたりするんですか?
海外もやっぱり研究者っていうよりも実践者の人が多くて、
それこそパーマカルチャーなんかでは木質チップを使うっていうのはよくやられている話なので、
やられてはいるんですけれども、
学術的にその効果を見ているとか、そういう農法として確立しているかというとそうではないので。
ものすごい具体的な話なんですけれども、
そんな背の高いウネを作ったら、できればもう壊したくないんですよ。
ずっと使いたいんですけども。
木質やってるとあんまり雑草がウネに生えないとかそういうことはありますか?
草は生えるんですかね?
草は生えますが、土ががっちりしていないのですぐ抜ける。
結構抜けやすいんだ。
じゃあ、福岡で高ウネを一回バチッと作ったら、もうそれを使い回してみたいなやり方でやるの?
はい、もう動かさないです。
それだったらいいな。
やっぱり50センチのウネ立てるって言ったら、もう本当に数日かかる作業になっちゃうんですけども。
で、やっていくともっと年々良くなっていくんでしょうね。
というふうに言われています。
ちょっと我々に興味があります。やってみようかな。
市場菌が大地を再生していくっていう活動に関わっている人たちがたくさんいると思うんですけど、
本当に草の根的に広がっていると思うんですが、
そういう人たちを対象にした研究もすごく面白いなと思っていて、
なんでそこに惹かれて、それはその作業をすることでどんなことを得ているのかとか、
そのあたりもすごく面白いテーマだなというふうに思っています。
理系というか、ちょっと文系的な部分もありそうな感じですね。
やっぱり人がやる作業なので、
どれだけそれが人にとって満足感をもたらすものであり、
っていうところがやっぱり広がっていくのがキーになると思うので、
そのあたりもすごく重要だなと思っています。
今、吉田さんのあの人気もそうですし、矢野さんの大地の再生とか、
39:04
すごく興味のある人が今増えているなと思います。
それって何なのかな。
僕は対比を作ってやってるんですけども、また全然違う考え方というか。
なんか対比でもやっぱり対比によって全然味が違ったりとか品質が違ったり。
全然違いますよね。
多分そういうところが効いてるんじゃないかなと思うんですけど、
やっぱり今までうまくいってる農家さんのところで食べた野菜と本当においしくて。
一度、そこはハウスの農家さんだったんですけど、
小松菜をハウスの中で食べさせてもらって、すごいおいしいと思って。
でもこれは採った場所で食べてるし、新鮮だし、
こういう農法だってわかって食べてるから、プラシーボ効果っていうかおいしいと思うのかなと思ってたんですけど、
たまたまその日止まったホテルの翌朝の朝食でサラダが出ていて、
他の人と喋りながら食べてたので、普段はそんな箸を止めるなんてことないんですけど、
あまりにサラダが大きくて箸が止まったんですよ。なんだこれはと思って。
念のためそのホテルの人に聞いたら前日行った農家さんのお野菜だったっていうぐらいおいしかったので、
全然違うんだなっていうふうに思うんですけど、
そのものだったりとか、やっぱりその大地の再生だったり、そういう整備をされていた山の中に行くと、
気分が全然すがすがしい気分になるっていうの。野菜もすがすがしい味っていうふうに。
分かります。
表現するしかないんですけど、おいしいもおいしいけど、さわやかですがすがしいっていうエネルギーが通る感じがするみたいな。
全然科学的じゃないんですけど、そういう表現をするしかないような体験をするので、なんかがあるんだとは思うんですよね。
そこら辺って結構みんな感じてることなんですけども、
あんまりにもそれこそ科学的じゃないというか、それを東大とかで数値化したりとか、そこら辺解明していくのすごく面白いなと思うので、すごく楽しみですね。
多分なんかこう、僕は何か一つの微生物とかっていう、あんまり一つのことで全てを解決とかってできないと思うんですよ。
大きな毛とか、うねだったり、この菌剤をやったらできるとかではないと思ってるんですよ。すごく複雑なものだから。
そこら辺が解明されていって、うまいことそれが利用できるようになったら、もっと有機農業というか、新しい農法というのが出てくるんじゃないかなと思うので、楽しみにしています。
42:16
じゃあ最後に、今やられている畑と森を再生する市場菌の活性化基金というのをやってらっしゃるんですけども、これについてちょっとお話ししてもらえますか。
はい。最初にお話しした通り、結構特殊な研究、大学のしかも東京大学でやる研究として特殊な研究で、なので予算がつきにくいという問題があります。
例えば1,2年で実験室でやって結果が出るような話ではなくて、本当に栽培だと一歩間違うともうデータ取れないっていう世界なので、数年帯の話になってしまうので、ただもちろん育てるというだけでもそこまで行って管理をして畑を借りてというのでお金がかかるんですが、
さらに微生物ってなるとその解析の費用がすごくかかるので、もうこれはみんなにお願いするしかないと思って東大基金というクラウドファンディングを東大でやってるんですけど、そこで持ち上げさせていただいて、そこで今寄付を募っているところです。
なるほど。これは東京大学基金という形なんですね。
はい。
じゃあホームページの方から申し込みができるという。
はい、そうです。
では概要欄の方にリンクも入れておきますので、そこでいろんなコラムとかもあってですね、とても面白いのでぜひ皆さん見て、ぜひ寄付して応援してあげてください。
ありがとうございます。
僕もちょっと小学ですが寄付させていただきます。
ありがとうございます。
じゃあそんなところで、またぜひいろいろわかったらお話を聞かせてください。
はい、ありがとうございます。
今日は東京大学の宮沢かえさんに来てもらいました。どうもありがとうございました。
はい、ありがとうございました。
はい、じゃあさよなら。
44:36

コメント

スクロール