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おいしい野菜と勇気を君に
こんにちは、小農ラジオです。毎月1日は農系ポッドキャストの日ということで、毎月1日に定期配信をしようということでやっております。
小農ラジオでは、この毎月1日の配信で何かシリーズ化しようと思って、せっかくですね、僕が前職で種苗会社という
タネの会社に勤めていましたので、タネの話をしようかなと思っています。 ということでですね、毎月1日の農系ポッドキャストの日の配信はタネの話シリーズ
今日は第1回となります。 今日の第1回では、種苗会社とは何かということについてお話ししたいと思います。
農業をやっている方だったらわかると思うんですけども、種苗ってそもそも字わかりますかね? これね、タネ苗って書いて種苗なんですけども
皆さんが食べている野菜だったり、家庭菜園で作っているその野菜のタネは、もともとこの種苗会社が開発したタネなんですね。
野菜はね、ほぼ芋類とかイチゴとかみたいな、栄養繁殖と呼ばれる芋だったり、株を植えたりするもの以外はですね
ほとんどの野菜がタネからできているんですよ。 実際その人参のタネとかレタスのタネとか多分ね
農家以外だと見たことないという人も多いと思うんですけども、そういったタネを開発しているのが種苗会社になります。
この種苗会社の作っているタネっていうのは、全国の産地のすごく細かい
条件に合わせてですね、たくさんの品種があるんですよ。 だから野菜のタネのカタログを見ると、一社でキャベツが10種類とか
人参が何十種類とかたくさんあったりするんですよね。 微妙に違うんですよ。本当に8月の下旬からまくやつと9月の第1週からまくのと
収穫期間も早いものだと、例えばもう11月ぐらいから取れるのだったり、 12月の上旬からじゃないと取れないものだったりとかですね。
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本当に種まきから生育期間の長さから収穫期の長さからいろいろ違うんですよね。
日本って南北に長くて高低差も結構あるので、その産地ごとに全然その好みの品種っていうのが違ったりするんですけども、
農家の住んでいる土地の気候、土の条件、出荷したい時期とかこだわりとかで品種を選ぶのに対応した
かなり細かい品種開発をしています。
海外のメーカーのカタログを見てもここまで細かいのはあまりないんじゃないのかなと思うので、
結構日本独自の細分化しているんじゃないのかなというふうに思います。
この野菜の種なんですけども、今皆さんが食べている野菜はですね、ほとんどがF1というお父さんとお母さんの品種を組み合わせて作った品種になります。
これに追記語になるのが固定種と呼ばれるんですけども、OPと言ったりもするんですけども固定種になりますね。
家庭菜園で自家採取しようみたいなのはですね、これは固定種なんですけども、プロの農家が使っているのはほぼF1ですね。
レタスとかね、大豆とか枝豆とかああいうのはF1がそもそもないので、まだ固定種なんですけども、
ほとんどの野菜がですね、F1の品種になります。
これを開発している種苗会社なんですけども、日本にはたくさん種苗会社があるんですよ。
それはもともとこの種苗会社というのは始まりがですね、その土地の特性に合わせて良い品種を作ったり、選抜したりとかですね、組み合わせたりして品種の開発をしていたので、
すごく小さな種苗会社というか、個人で育種家だったのかもしれないですけども、そういうのを作っている人が会社を作ったりして、全国各地にたくさんの種苗会社があるんですけども、
すごく大きい会社がですね、横浜にあるサカタの種だったりですね、京都にある滝市苗だったり、すごい大きな会社もあります。
これらの会社は世界でも野菜種子のシェアで言ったらですね、5番目6番目ぐらいに入るぐらい非常に大きな会社でですね、
国内だけではなく海外でもかなりたくさん野菜の種を売っています。
他にも日本にはですね、すごい中規模な会社から、品目が1種類2種類しかないようなすごく尖った種苗会社があったりしてですね、
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かなりたくさんの種苗会社があります。それもやっぱりこの地域の風土に合わせた品種の開発から始まっているんでね、
やっぱそのこの点については譲れないというか、他者も勝てないぐらいの蓄積した
技術、技術というよりはですね、品種の種類を多分たくさん持っているというのが強みなんだと思いますけども、
未だにね、この大きい会社だけになるというわけではなく、中小いろんな会社がたくさんありますね。
で、じゃあちょっと種苗会社とは何をやっているところなのかということなんですけれども、ちょっと部門別にお話しすると、
まずですね、種苗会社。花形とも言われるのがですね、
育種ですね。花形なんだけどやってることはすげー地味なんですけども、まず開発部門である育種という部門があります。
犬のブリーダーというと聞いたことがあると思うんですけども、組み合わせたり、いろんな品種を掛け合わせたりして、
新しい品種を作り出すのがブリーダーですね。これが育種担当。
でね、この育種はですね、なんかかっこよくないですか?自分の作り出した品種が日本中で作られるとか。
やっぱね、なんか憧れますよね。僕はあの種苗会社に入るときは、やっぱ希望は育種だったんですよ。
なんですが、
僕が入社のとき、応募が育種が1人、この後お話する生産が1人、あと営業が2人みたいな、
そういう募集だったんですけども、
僕はですね、面接の最中にですね、その面接の担当の方から、なんか生産が向いてるんじゃないかって言われて、
その面接の中で、やっぱり僕は生産にしますって言ったんですよ。
でもよくよく考えてみたら、面接の最中にしぼどきというか、そのやりたいことが変わるなんて、すごいいい加減な感じがしますよね。
その変わり身の速さが逆に受けたのかわからないんですけど、無事内定をもらって入社したときは生産担当でした。
でもね、やっぱり育種はね、修行会社を志す農学部、農学系の人の憧れだと思うんですよね。
ただやってることはめちゃくちゃ地味なんですよ、育種は。
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でも当たったら、まあもう超ヒーローですよね。育種はやっぱり憧れますね。
そんなですね、まあ育種担当がいて、で、まあ育種で品種ができたと。
そしたらですね、次に生産ですね。それを僕がやってた生産なんですけども、生産の担当者がいます。
で、生産といってもですね、あの家庭菜園でちょちょっと種を取るようなレベルではないので、もう種だけで何十トンっていう、あの小さい種で何十トンですからね。
すごい量なんですけども、そういうのを生産するのがですね、生産部門っていうところになるんですけども、
今、あの皆さん野菜の種のパッケージを見るとですね、裏にこう、発芽が何パーセントとかいろいろこう、書いてあるところに、
原産地っていうのが書いてあると思うんですけど、それはほとんど今海外なんですね。
チリとかアルゼンチン、オーストラリア、アメリカ、ニュージーランド、イタリア、フランス、オランダ、中国、台湾、ベトナム、カンボジアとか。
全世界中で種を取ってるんですよ。ただね、これ傾向があるんですよね。
例えばスイカとかメロンとか、そういうのはアジアの方が多かったりとか、ニンジンとかはチリの方が多かったりとかですね。
これが何でかというとですね、野菜はそれぞれ出身地があるんですよ。
それは原産地と言うんですけども、例えばニンジンはアフガニスタンの方だったりとか、トマトとかジャガイモとかは南米だったりとかですね。
オクラはアフリカだったり、ナスはインドだったり、そうやってそれぞれもともとの出身地があるんですけども、
やっぱりその出身地の気候がその品目、例えばナスだったらナスにとって、トマトだったらトマトにとって一番生育しやすい環境なんですね。
それに対してですね、そういったものを日本に持ってきて今栽培しているんですが、日本はですね、本当に高温多湿で、しかも梅雨にすごく雨が多いと。
ということでですね、種取りにはことのほか向いてないんですね。 特に梅雨の時期は非常に、例えばニンジンとかネギの開花期にあたるんですけども、その期間非常に雨が多いとですね、種の品質が著しく悪くなってしまう。
ということで、今ほとんどの種はその原産地の気候に近いようなところで採取するということが多くてですね、ほとんどの種が海外産となっています。
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昔ね、国会の質問か何かで、この日本の野菜の種がほとんど海外なのに、これは問題じゃないかみたいなこともあったんですけども、いやこれは問題じゃなくてですね、
海外で取るのが、まあその種にとっても植物にとっても一番ベストであるということで海外で採取しているんですね。
ちなみにこの採取の採取という字はですね、あの採は
手辺にちょんちょんちょんの採ですけども、採取の種は種ですからね。よく採取という字でこの種を取るという字になってますけども、その度に僕は突っ込んでますけども、採取は取る種ですから。
何の話でしたっけ。
なんだっけ。わかんなくなっちゃった。
そうそう海外で採取してるんですよ。
95%ぐらいが多分海外採取だと思うんですけども、この生産の担当者はですね、現地に住んでずっとその生産の仕事をする会社だったりとか、
サードパーティーの会社に頼んでそこと連絡を取り合って、必要な時期には現場を見に行ったりとか、おかしな株がないかをチェックしてですね、親の株に変なのがあると、そこから取れた種もいろいろ違う品種になってしまう恐れもあるので、そういうのを確認したりとかですね、そういった仕事を生産は担当しています。
育種が開発して生産が取った種、これがですね、日本に輸入されてきます。
この際もね、植物検疫とかね、いろんな乗り越えなければならないところがあるんですけども、無事日本に入ってきた種はですね、販売前に品質管理という部門でチェックします。
ここではまず、病気がないかとか、種子伝染性病害といってですね、種が含んでいる病気があるんですね。
そういった病気に感染していないかとか、発芽率は問題ないかとか、発芽率は今本当にもう農家シビアですから、昔はいっぱいまえて間引きをしてましたけども、今間引きなんかしないですからね。
発芽率はすごい大事なんですよ。
発芽のチェックだったり、あとはですね、純度ですね。
おかしな品種が混じっていないかとか、交配ミスがないかとか、そういうのを調べたりするのが品質管理部門ですね。
かなり、それこそPCRとかですね、そういったのをやっているところもあります。
で、無事この品質管理もクリアするとですね、最後は営業がこの種を売るということなんですよ。
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この営業というのがですね、なんか僕は就職する前はですね、営業というものはあまり魅力的に感じてなかったんですけども、
ちょっと会社を辞める前に1年ぐらいだけなんですけども、営業も少しやったんですが、この営業が非常に面白いんですよね。
まず地元の修行店だったりとか、プロの農家、特に特農家と言われる人たちと付き合うんですけども、こういう人たちとの話がすごく面白いんですよ。
で、もちろんね、ただ売るだけではなくて、営業は誰もみんなそうなんですけども、
やっぱりその自分の売る商品の特徴も本当によく知らないとならないし、その産地の歴史だったりとか、病気の問題とか、気候、雨とか、気温とかですね。
ありとあらゆる情報感が見た上で、この商品、この品種がいいですと。
で、巻く時期はこっからここの1週間の間ですとか、そういうのをすごく戦略的にやるんですけども、これがね、結構楽しいと思うんですよね。
だから本当に、同じ品種でも場所によって全然発信時期も違ってくるし、で、その途中経過を見に行ったりとか、育種の人が開発している品種の試作みたいなのをやっぱり現場で見たいんですよね。
そうすると現場で試験したら、やっぱり営業が見に行ったりとかして、ほんと育種と二人三脚でやったりするところもあったりして、
結構ね、この営業って楽しそうだなと、今は思いますね。
はい、そういった感じでですね、育種、生産、品質管理、営業というこの4つの部門が種を販売することで、農家は野菜を作って、で、僕らが安定しておいしい野菜を食べられるというふうになっております。
はい、ソロは難しいですね。なんか一人で喋って、なかなかテンションをどうやっていけばいいのかよくわからないんですけども、とりあえず今日はですね、第1回、種苗会社はどんなことをやっているのかということでお話ししました。
これはですね、シリーズでこれから12月まで一応計画も立てておりますので、お話ししていきたいと思います。
そこでですね、種のことについて質問とかがあったらね、ぜひメールで教えてほしいので、この概要欄の方にですね、リンクツリーのアドレスがありますので、そこをポチッとするとですね、各種SNSとかホームページの方に飛べますので、
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ぜひ種のこんな話が聞きたいというのをですね、送っていただけると嬉しいです。
ということで、2月の農系ポッドキャストの日、種の話第1回、これで終わりたいと思います。
ありがとうございました。さよなら。