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2025-10-05 06:09

#28 グラウンドに生えるワカメ?謎の生物イシクラゲの話【草とか石とかのラジオ】

雨上がりの地面に現れる「ぬるぬるワカメ」、それが実は食べられる!?イシクラゲという名の藻類は、87年の乾燥からも復活する生命力の持ち主。沖縄では食用にされ、今では蕎麦やサプリにも。知られざる「イシクラゲ」の話。


【参考】

宮古毎日新聞「イシクラゲ(オカノリ)栽培に成功」 

https://www.miyakomainichi.com/news/news-186573/

「失われた食材をよみがえらせたい!「姉川クラゲ」を練り込んだコシの強い蕎麦を開発」https://mog-lab.com/2020/03/post-141.html

「おいしいワカメを守るため。味噌汁からはじまる藻類ストーリー」https://2025-japan-pavilion.go.jp/magazine/backissues/issue07/feature01/


#草とか石とかのラジオ #自然 #イシクラゲ

サマリー

今回のエピソードでは、イシクラゲについて詳しく解説されています。イシクラゲは、特に梅雨の時期に見られる生物で、食用としての可能性も紹介されています。

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はい、今回も始まりました。草とか石とかのラジオ。このポッドキャストは自然界で好きなもの、気になるものについて深掘りしていく番組です。よろしくお願いします。
イシクラゲの正体
さて今回のテーマはイシクラゲでございます。 イシクラゲって皆さん多分知らないんじゃないかって思うんですけれども、
あの梅雨の時期とかに庭にワカメみたいなものが大量にいるなーとか、あと小学校の時にグラウンドに気づいたらヌルヌルした
キクラゲかワカメみたいなものがたくさんあって足をヌルッと滑らしてしまった、みたいなそういう記憶ってないですかね。
あれがイシクラゲです。 今回このイシクラゲをわざわざ調べようと思った理由は
この間地異類の会をやっていたんですけど、地異類のことを詳しく調べていて、身の回りにその苔でも完全な菌でもない
地異類がたくさんいるんだなーっていうことを気づいて、世の中にそういう変わった生物いないかなーっていろいろ考えていたんですね。
で、それをふとこのグラウンドにいるワカメみたいなやつって何なんだろうって思って調べてみたんですよね。
それで調べてみるとこのイシクラゲという生物だったんですけれども、このイシクラゲって何なのかっていうと
リクセーランソウルイの一種で、ソウルイの仲間ですね。 なので残念ながら地異類ではなかったんですけれども、このイシクラゲを調べてみると面白かったので
今回はこのイシクラゲの話をしようかと思います。 まずイシクラゲってそもそもどんな形をしているかって
あまりちゃんと観察したことはないかと思うんですけれども、どんな形をしているかと言いますと寒天のような物質に埋没した
乱層の塊が体になっていて、丈夫なゼラチン状の体をしています。 この体がですね、水を吸うと膨らんで青というか緑というか
糊のような色になって、乾くと黒い昆布みたいになるっていう性質があります。 こんな風に乾いた状態でもこのイシクラゲは死んではいなくて
化死状態で生存していて、非常に乾燥耐性が強い生物なのかなと思います。
イシクラゲのことをいろいろ調べていくと、過去に87年間乾燥状態で保存されていたイシクラゲに水を与えたら復活したっていう話もあるので
相当乾燥に強いんでしょうね。 このイシクラゲは日本では特に梅雨の時期に多く出てきて
イシクラゲの食用利用
わかめみたいっていうふうに言われることが多いんですけど、みんなこのイシクラゲ食べられないと思っているんじゃないかと
思うんですが、実はこのイシクラゲ食べられるんですよね。 このイシクラゲ、日本を含むいろんなところで食用とされていまして
例えば沖縄県の宮古島では、オカノリとかリクノリとかそういう名前でスーパーで販売されていまして
1パック200円ぐらいで売られていて、炒め物とか汁物の中に入って食べられているそうです。
それ以外にも日本では戦時中とか戦後には天ぷらや酢の物をお味噌汁に入れてよく食べられていたそうで
食材としては味が無味無臭みたいな感じなんですけれども、結構コリコリして食感としては面白いみたいですね。
じゃあその辺の空き地とかグラウンドに生えているイシクラゲ食べたらいいじゃんって思うかもしれないですけれども
このイシクラゲって実は有害な物質を体の中に溜め込む性質があるんですよね。
例えば以前福島県の原発事故の後、放射性物質を蓄積できるイシクラゲが汚染土壌の浄化に役立つっていうことが示された研究もあります。
なので空き地とか駐車場に生えているイシクラゲはあんまり食べない方がいいんじゃないかなと思います。
そうは言ってもYouTuberさんがイシクラゲを食べている動画を出していることも結構あって、結構美味しそうに味噌汁にわかめのように入れて食べたりしていたので美味しいは美味しいんだろうなと思いますね。
実際にこのイシクラゲを食べられるようにもっと頑張ろうという取り組みがあって、
例えば留国大学の農学部においてはイシクラゲを食用にできないかということで、イシクラゲを混ぜた蕎麦を作ってみるという研究をしてましたね。
このイシクラゲを蕎麦に添加することで、蕎麦の色合いも濃くなって見た目もより蕎麦らしくなるということで、イシクラゲが食品の新しい可能性を切り開いているのかなというふうに思います。
あとはサプリメントとかを販売している健康食品メーカーのマイクロアルジェコーポレーションという会社があるんですけれども、そこがイシクラゲの栽培に成功したというニュースが最近あったりしたので、このイシクラゲ関係の製品が世の中に商品として出ていく未来がもしかしたらあるのかなと思います。
今回こんな実は食べられる生物イシクラゲについて紹介していたんですけれども、このイシクラゲはワカメと似ているんですが、最近はワカメ自体は地球温暖化によって減っていく危機にあるという話もあったりするんですよね。
ワカメが減っていくっていう話は良い話だとは思わないんですけれども、もしかしたらこういうイシクラゲみたいなものに我々の食卓が徐々に置き換わっていくんじゃないかということを考えたりしました。
以上、草とか石とかのラジオ、イシクラゲについてでした。お聞きいただきありがとうございます。
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