ビワの収穫と天候の影響
この放送は、農業の常識を超越する、メタグリをキーワードに活動する、
メタグリ研究所がお届けする、Metagri Voicesです。
畑に1本ビワの木があるんですよ。
ビワの木があるって言っても、その、育てているわけじゃなくて、
どこかから種が落ちて、えっと、本当に変なところ、
水路の隅にビワの木があって、
結構大きな木で、毎年ビワがたくさん採れるんですけれど、
採れるって言っても、ほとんど鳥にやられてしまって、
今年は、何とかもうちょっと採ろうかなと思って、
先週、色が来てるやつをいくつか収穫して、
まだ来てないやつは、袋掛けしたんですよね。
で、昨日その袋を掛けたビワを収穫しようと思いました。
天気予報は曇りだったので、
普通に色々作業をして、やりたい作業もいっぱいあったので、
で、最後にビワを収穫しようかなと思っていたんですけれど、
結構早くに雨が降ってきましたね。
雨降ってきたんで、ちょっと天気予報、スマホの天気予報を見たら、
すぐ止むみたいな感じだったんで、
普通に作業してたら、まあまあ降ってきてびしょ濡れになって、
ちくしょう!って思いながら作業は中断してしまいまして、
で、もう今日からずっと雨みたいで、
ビワを収穫するタイミングを逃してしまいました。
せっかく袋掛けしたのに。
というわけで、ファーマーズボーシスみかん、始まりよ。
イオウの重要性とみかんの香り
毎回同じ始まり方だと味気ないので、
84回目にして、ちょっとやり方を変えてみました。
なかなかこの天気予報アプリも、
精度はね、だいぶ上がっているとは思うんですけれど、
それでもね、もうちょっと作業できるかなと思ってたんですけれど、
残念ながらね、作業できなくて悔しい思いをしました。
ほんともっといっぱいやりたいことあったんですけどね、
でもですね、先週お話ししたバイオスティーミラント資材のグルタチオン。
これはね、昨日なんとか散布できまして、
どういった効果があるのかなということがすごくワクワクしています。
もしかしたら効果が見られないかもしれません。
今日のテーマに入りたいと思います。
今回のテーマは、イオウがいいみたいというテーマでお送りしたいと思います。
肥料成分にイオウがあるのご存知でしょうか。
あまり注目されていない成分なのですが、
昔はですね、空気が結構汚れていて、
だから空気中から普通にイオウを摂取できたんですよ、植物は。
今は空気がきれいにありすぎて、イオウ分がないんですよね。
なので肥料からなんとかイオウを摂取しないといけなくて、
このイオウが不足していると、
例えばニンニクの匂い、香りが弱くなったりするらしいんですよ。
よく昔のみかんは美味しくて、今のみかんは美味しくないと言われるんですけれど、
多分糖度や酸度はそんなに変わっていないんですよね。
変わっているとしたら、空気がきれいになりすぎて、
みかんにイオウが不足しているのではないかという仮説を立てて、
今年は意識してイオウが入っている、
リューアンとかリュー酸アモニアとかリュー酸マグネシウムを散布しています。
先週、肥料屋さんの営業を受けまして、その中でいろいろ喋ってて、
生育の後期にイオウが結構必要なんじゃないかということを肥料屋さんがおっしゃっていまして、
なるほどと思って。
イオウといえば、昔は収穫前の貯蔵病害の亡女に石灰硫黄剤という農薬を散布したんですよ。
石灰硫黄剤は、みかんに石灰なのでカルシウムが付いてしまって、
消費者にとっては農薬であまり良くないという印象を持たれてしまうから、
最近は石灰硫黄剤が散布されないんですけど、この石灰硫黄剤のイオウが良かったんじゃないかという説を唱える人もいます。
ここからですね、さらに一段階マニアックな話になります。
イオウは植物内に入るとシステインというアミノ酸になります。
このシステインがメチオニンだったりグルタチオンになります。
このイオウを含むアミノ酸のことをガンリューアミノ酸と言います。
このガンリューアミノ酸、それからグルタチオンは抗酸化物質なんですけれど、
このガンリューアミノ酸や抗酸化物質が間接的にガン酸素化合物の生成に関わります。
ガン酸素化合物というのは、簡単に言ってしまうとミカンの甘い香りの元なんですよね。
なのですごく簡単に言ってしまうと、イオウはミカンの甘い香りの生成に寄与している可能性が高いと、
まだエビデンス的にはそこまで言えないらしいんですけれど、
確か今年の初めだったか去年だったか忘れましたけれど、
ちょっと香りが味に関係しているんじゃないかなということで、
一生懸命調べついた結果、イオウにたどり着いたということです。
イオウってそこまで重要な肥料成分ではなく、意識してあげている人もすごく少ないと思いますし、
働きとしても植物の生理機能を調整するとかそういった役割があるので、そんなに注目されていないですし、
加生肥料であれば、先ほど言った硫磺、硫酸マグネシウム、硫酸カリ、硫酸系というか硫酸と付くものはイオウを含んでいますし、
有機肥料も結構、有機肥料であればほとんどイオウが含まれているらしいんですけれど、
魚カスもたくさん含まれていますし、大肥、牛糞とか系糞とかにも含まれているらしいんですけど、
そっちは本当にちょっと含まれているぐらいで、動物の大肥の方にはあまり多くは含まれていないそうです。
というわけでですね、今年はちょっと意識してイオウ系の肥料を与えているので、
もしかしたらちょっと今年のみかんは香りが違うんじゃないかという期待を込めて栽培をしております。
はい、今回は以上になります。
今日もメタグリボーシーズを最後までお聞きいただきありがとうございました。
あなたと一緒に新しい農業の世界を創造する旅を続けていけることに感謝しています。
次回もお楽しみに。
みんな、みかん食べてね。牛乳飲んでね。
ばいばーい。