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2025-02-09 17:25

#10 電柱という森【自然の推しを語るラジオ】

電線にスズメやカラスがよく止まっているのって、よく見かけますよね。彼らはそもそも何で止まってるんでしょうね?普段あまり注目していない、電柱と生物の関係について話します。


【参考図書】

「電柱鳥類学」 三上修

「電柱マニア」 須賀亮行


#自然の推しを語るラジオ #自然科学 #電柱 #鳥

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自然の推しを語るラジオ。このポッドキャストは、自然界で推しているもの、好きなものについて語っていく番組です。よろしくお願いします。
さて、今回のテーマは電柱でございます。
皆さん、電柱ってどんなイメージがありますでしょうか。
僕は好きでも嫌いでもないんですけれども、改めて電柱がある景色というものを見ていると、道路の端に整然と並んでいる姿って結構綺麗かなとは思っています。
みんなが好きなアニメ、ジブリアニメの中で、隣のトトロってあると思うんですけど、あれの終盤でサツキとメイが猫バスに乗って電線の上を走っていくシーンとかあるんですよね。
あれって電線の上を走ることによってすごい印象的なシーンになっているんじゃないかなって思ったりしてます。
他にも、ナルトに出てくる主人公、ナルトが住んでいるこの葉隠れの里っていう場所があるんですけど、この里の風景にも電柱が結構出てきていて、
ナルトがこの電柱の上で生まれ育った里を見渡しているっていうシーンとかがあったりするんですけれども、そういうシーンとかでも印象的で、
この電柱っていうのは日常的だけれども、よく見るとちょっと変わった構造物なんじゃないかなって思います。
こういうアニメに出てくるように電柱っていうのは日常生活の象徴みたいなところがあるんじゃないかなって思ってます。
ただ、普段電柱ってわざわざあんまり気に留めない存在なんじゃないかなって思うんですよね。
ただ、最近電柱に興味を持った出来事、電柱に興味を持ったっていうのはちょっと意味わからないんですけれども、そういうのがありまして、
というのも仕事中に後輩と車に乗って色々外回りをする機会がありまして、
その中でその後輩といろんな話をしていたんですけれども、その話の中で最近彼が悩みがあると。
その悩みというのが飲み会で話すことがないっていう悩みだったんですよね。
どうしたらいいですかっていうことを聞かれて、私も先輩らしく答えないといけないんじゃないかなと思って、
色々考えて思いついたアドバイスが、目の前にあるものについて話が広げられると話の話題に困ることはないんじゃないかということを言ったんですよね。
自分なりにはそれっぽいアドバイスかなって思っていたんですけれども、
試しに目の前にあるもので話を広げてみようということで、たまたま目の前にあったのが電柱で、
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電柱の話を広げてみようということで、色々電柱について話してみたんですよね。
例えば電柱って登るための梯子みたいな棒が横についているけれども、
あれ、登ってみたいねとか、なんで電線に乗っている鳥って感電しないんだろうとか、
電柱に関わる話を色々していたんですけれども、
その話を色々電柱についてしていると、結構電柱についての疑問が湧いてきて、すごい興味が湧いてきたんですよね。
それで電柱の本を色々探してみると、出てきた本が電柱超類学っていう本がありまして、これがすごい面白かったんですよね。
この電柱超類学っていうのは、電柱は今まで出てきた電柱で、超類は鳥類ですね。
要は電柱に色々な鳥が止まっていますけど、その電柱と鳥の関係について扱った内容の本ですね。
今回この本ですごい面白かったんですけれども、気づいたこととかについてしゃべっていこうかなと思います。
まず電柱って一体何なのかって話ですよね。
電柱は電線を支える柱なんですけれども、電線とは電気を通す線の総称のことを言います。
これは家庭の中にあるテレビや冷蔵庫のコードも電線だし、街中の空の上に渡し合って鳥が止まるような線ももちろん電線でございます。
今回お話しする電線は街中の空にあるような電線ですけど、実は2種類の電線があります。
それは電力線というものと通信線というものになります。
この2種類は実は異なる高さに設置されていることが多くてですね。
例えば近くにある電柱、電線をよく見てみると複数の電線がそれぞれ違う高さにあるのがわかるんじゃないかなと思います。
下にあるものが通信線ですね。
通信線は電話とかインターネットとかケーブルテレビとかに関わる通信で利用される電線です。
一方で上側にあるもう一つの線が電力線ですね。
こちらは強い電気が流れていて触るととても危険なので、触らないように地上から高いところに通すように定められているという電線でございます。
この説明を聞いてから改めて電線を見てみると、確かに電線は2種類に分かれているんだなというのはなんとなくわかるかと思います。
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もちろん片方だけの種類の電線もあったりはするんですけれども、ちょっといろいろ注目してみていただければなと思います。
こんな電柱、電線ですけれども、電線の上によく鳥が止まっているのって見ることありますよね。
スズメとかカラスが止まっているイメージがあるかと思うんですけれども、まずそもそもなんで鳥は電線に乗っていて感電しないのかっていう話ですよね。
改めて電線をよく見てみるとわかるんですけど、電線は表面黒っぽくなってないですかね。
あれは電線はゴムとかプラスチックによってカバーされているので、金属の部分はむき出しじゃないんですよね。
我々の家の中のコードも電気はもちろん流れていますけど、カバーされているから触っても大丈夫だと思うんですよね。
それと同じように電線に触ってもそれは大丈夫というのが一つあります。
あと電気というのは抵抗の大きいところと小さいところがあれば抵抗の小さいところに流れるという性質があるんですよね。
逆に電線というのは抵抗を限りなく小さくしてそこに電気が通るように仕向けている道筋というふうに言えます。
なので雀が止まったとしても電流は抵抗の大きい雀の方にはいかなくて、電力線の方に通っていくので雀とか鳥はめったに寒電しないということみたいです。
ところで電線によく止まる鳥ランキングというものがありまして、季節によるんですけれども、
繁殖期は1位から言うとスズメ、ムクドリ、ツバメ、ハシボソウガラス、キジバトみたいな順番で順位がありまして、
冬の越冬期ですとスズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ハシボソウガラス、ヒオドリみたいな感じのランキングになっていました。
このように電線に止まる鳥というのは季節の違いによっても種類が若干変わりますけれども、繁殖期しか見られない有名なのはツバメですよね。
ただ1年を通して特に多いのはスズメとかムクドリ、カラスといった種類の鳥だと思います。
あとこの本を読んでいてすごい面白いなって思ったのは、鳥によって電線の止まる位置っていうのは変わるみたいっていうところなんですよね。
というのも電線は上の段と中段と最下段みたいな感じで分かれていると思うんですけれども、スズメは最上段から最下段まで割とまんべんなく止まっているみたいなんですよね。
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一方でカラスみたいな大きな鳥はどうも半分以上が一番上の電線のところに止まっているというデータがあります。
なので種類によって止まる場所は変わっているみたいなんですよね。
さらに電線を水平方向に見たときに種類によって止まりやすい場所というのは変わっていまして、
例えばスズメは電線の真ん中らへんに止まっていることが多いんですけど、カラスは中央の方にはほとんど止まっていなくて、電線の端っこの方に止まっているらしいんですよね。
実際、僕も家の近くの電線にカラスがたくさん止まっているときによくよく見てみると、確かに電線の真ん中のたわんでいるところにはほとんどカラスがいなくて、端っこの方に止まっている感じでして、まさにこの本の通りだなというふうに思いましたね。
カラスが電線の端っこや上にいる理由というのはいろんな説があるんですけど、カラスってまずスズメより体が大きいんですよね。
なので電線の真ん中に止まると自分の体の重さで揺れやすいということがまず考えられます。
あとは遠くを見渡すために端っこの方が都合がいいという説もありましたね。
ただこれはあくまで説なので、詳しい理由については分かっていないですけれども、鳥の種類によって止まる場所は違うんだなということは言えるかなと思います。
それはそうと、そもそも鳥ってなんで電線の上に止まるんでしょうね。
もちろん空を飛び続けるわけにはいかないので、どこかに止まる時間も必要で、そのために電線を利用しているというのは言えると思うんですけど、
ただわざわざいろんな止まる場所があるのにかかわらず、電線に止まる理由って何かあるのかなというと、一応説はあるみたいです。
例えば、安全確認のために電線に止まっているんじゃないかというふうに言われています。
例えば、スズメとかが街中で子育てをするような鳥ですと、巣に餌を探すときに巣から10メートルくらい離れた電線に止まって、周囲の様子をうかがってから水に入ったりするらしいんですよね。
こういったことから周辺が安全かどうかを確認しているという説も確かにもっともらしいなと思いますね。
ここまで電線の話が多めでしゃべってきたんですけれども、電柱についても少し話してみると、電柱って鳥が結構巣を作っているんですよね。
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鳥の巣って聞くと、枝か何かで作られたオワン型の巣をイメージするんじゃないかなって思うんですけれども、鳥の種類によって作る巣っていうのは形がバラバラで、間違いには言えないんですが、空いている穴があれば巣を作っちゃうっていうタイプの鳥もいます。
例えばスズメなんかは穴があると巣を作るタイプなんですけれども、電柱の腕金っていうパイプみたいなところに穴があるんですが、そこに入って巣を作ったりします。
もちろん電力会社さんたちはスズメが巣は作らないように穴を塞いだりもしていたりはするんですけれども、これがない場合にはかなりの場合でスズメの巣というのができるみたいですね。
スズメが巣を電柱に作ること自体はそこまで困ったことではないんですけれども、この巣を狙って蛇が電柱に登ってくると結構な割合で感電するらしくて、それが停電の原因になるらしいんですよね。
なので電力会社は巣ができないように対策をしているみたいですね。
例えば鳥の巣を見つけると、特にカラスの巣とかがあると電力会社の方は交渉作業者を使って巣を頑張って取り除く撤去作業を行っているらしくて、ある文献によりますと日本全体で1年に17.5万個ぐらいの鳥の巣が撤去されているというような推計もあります。
このように電柱というのは我々の生活に欠かせないインフラであると同時にメンテナンスも欠かせないものなんだなというところですね。
ところで今回この電柱の貝を作るにあたって電柱について色々調べてみたんですけれども、電柱ってすごい森とか木に似てるなって思ったんですよね。
例えば電柱の形は先端が細くなっていく構造になっていて、なおかつ電柱って上に出ているところだけを想像すると思うんですけど、その電柱の6分の1以上は地面に埋まっていて、この形は風とかが吹いても倒れないようにそういう風な形になっているみたいなんですよね。
一方で木とかも似たようなところがあって、木の先端も細くなっていて、これは倒れにくくなるからそういう形をしているんだということも言われていますし、木の根っこは全体の植物の体の4分の1程度だということも言われていて、そういう体のバランスとか構造も似ているなと思うんですよね。
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あと最近はあんまり見ないですけれども、電柱ってコンクリートでできているものだけじゃなくて、木でできている電柱ってたまにあるじゃないですか。
木柱っていうらしいんですけれども、杉とかヒノキとかでできている古い電柱なんですが、木つつきとかによって穴が開けられることも多いみたいなんですよね。
場合によっては木つつきによって開けられた穴によって倒れてしまった電柱も報告されているんですけれども、とにかく雀とかカラスだけじゃなくて、電柱を利用して生きている生物も他にもいろいろいるんだなというふうに思うと、電柱が森みたいに見えてきますよね。
電柱も森もそれを利用して生きている生物っていうのはたくさんいますし、メンテナンスが必要なインフラで人間が作った電柱も今や自然の一つになっているんじゃないかなというふうに思っています。
ところで、僕の感覚なんですけれども、昔子供だったら20年前とかそれぐらいに比べて電線に止まっているスズメの数って減っているような気がするんですよね。
それがいいとも悪いとも言わないし、何とも言わないですけれども、電柱とか電線を見るとその近くに住んでいる生物の指標みたいなものになるんじゃないかなというふうに思うんですよね。
なので、近くの電線とか電柱をちょっと観察してみて、この辺でどんな生き物がいるか、今どんな感じなのかというのを観察してみてはいかがでしょうか。
以上、自然の推しを語るラジオ、電柱という森についてでした。
お聞きいただきありがとうございます。
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