改めて、家業である製材所を継いだっていうところの製材所の話ももう少しできたらと思っているんですけど、
今、製材所っていうのはどんな規模感で、それこそ右肩下がりでずっと来ていたっていう中で、
今、製材所も右肩上がりは止まって、右肩下がりになっているのかみたいなあたりも聞いてきたと思ったんですが、
現状の製材所の話聞いてもいいですか。
-製材所は10人ぐらいでやってるんですけど、最初右下がりだったんですよ。
売上もそうですけど、利益もすごく低い状態が続いていて、
すごい利益がたくさん出ることを願ってはいなかったんですけど、
ちゃんと職員の方たちに給与を払って、機械に対しても投資ができるぐらいはお金を残していきたいなって思いがあって、
最初は現場から離れて営業したんですけど、新しい人を捕まえて注文を取ったからみんな喜んでくれるかなと思ったら、
逆で、お前がいなくなったから忙しくなったじゃないかって言われたんですよね。
-人口が減ったからですよね。
-職人さんは願ってないんですよ、そういうことは。
8時に出勤して5時に帰るっていう。
あとは家でちゃんと家族で一緒に過ごすっていう。
あとは農家の方たちは田んぼがありますので、
ちゃんと5時に製材所が終わったら自分の田んぼを見に出かけなきゃいけない。
スケジュールがちゃんと決まってる中で、
自分がこうやって取ってきて残業が1時間増えたとなるとまずいんです。
-そうなんだ、シビア。
-生活のリスクが崩れるから。
-そうです。なので売り上げを上げちゃいけないんだって思ったんですよ。
なので売り上げを上げずにあらりを上げるためにはどうしたらいいかをあの頃考えてました。
-なるほど。
-そのためには直接本当にうちの材料で家を作りたいとか家具を作りたい、建具を作りたいという人たちにお会いして、
本来の価値をちゃんと実感していただいて、その人たちに提案する。
提案するというか木材を提供することをやり始めたんですね。
僕が帰ってきた当初というのは卸に対して9割型卸だったんですよ。
でも今はもう9割への直接です。
なのでほとんど1割もないと思いますね。
-じゃあもともと木材商社みたいなところに買ってもらうのって、
卸すものもそうするとだいたい決まったものになると思うんですけど、
当初はアイテムもそこまで多くなかったっていうことですよね。
-そうですね。アイテムはものすごい多かったんですよ。ロングテールみたいな感じで。
売り上げは小さいけど商品数が多い。
-よくある話ですよね。
-でもそれを卸してやると一番つらいやつ。
-そう、つらいやつなんですよ。
でもアナエさんのところはできるから卸しの人たちも、
例えば細かい寸法のやつを3本今度くださいとか。
普通だったらワンロットで200本とか300本入ってる。
だけど105角の柱が50本が注文じゃなくて、
98ミリ角の柱が3本くださいとか。
-すごい。無駄にプレーナーかけないといけないやつ。
-そうなんですよ。それをやってきたから生き残ってきたんだって言われればそうかもしれないんですけど、
ちょっとそれって違うんじゃないかっていう思いがしていて。
ただその技術は確かにすごいなと思う。
-そうですよね。
-なので一般流通じゃないサイズをいきなり言っても数日で完成させるっていうこの技術はちゃんと残してあげたいなと思ってですね。
だけど売り先が間違ってるなと思った。
そういうことをちゃんと願ってる人って世の中にたくさんいるんじゃないかと思ってですね。
なのでその人たちを見つけようということから始めました最初は。
-じゃあそのさっきおっしゃってた営業されたとかっていうのは多分公務店とかそういうところにされてたのかなっていう気もするんですけど。
-そうですそうです。公務店さんなんですけど、流通木材市場ってのが、
うちがいたら今度木材市場があるんですよね。
木材市場の下に、下って言ったら悪いですけど流通木材市場ってのがあって、
そっから公務店さんたちが応援したりされてるんですよね。
僕が営業したのは虹下ろしだったんです。
-なるほど。
-だから注文をいただいたんですけど、虹下ろしのところに注文いただいたところでやっぱりそういう風になっちゃったから、
これはもう本当に建築をちゃんとやっていきたいっていうような建築材に対しても思いのあるような人を見つけることが最初にやりたい。
やらなきゃいけないなと思ってやり始めたんですね。
-アナリさんがやっていることに対して、一緒に価値を感じてくれる人たちを直接捕まえに行ったってことですね。
-僕らも今そういうのが理想だなという案件が一個あるんですけど、
ご一緒させてもらっている中で、その地域の木材として選んでもらえたらいいなっていうのを感じるんですけど、
でも材木、やっぱり差を出すのは難しいっていうのは思うんですけど、
-クオリティーにね。
-そこはもうアナリさんのある種の人間力になってくるんですか?
-そうですね。うちの場合はですね、素材を素材のまま売るというよりは、
フィルもそうですし、北竹の熊もそうなんですけど、
世界観をちゃんと形にしてるんです。
僕たちの木っていうのは、ただ一本いくらですよじゃなくて、
そこの木が生まれた背景とか、私たちとの生活とこの木材っていうのがどう繋がってるのかですね。
それをこちらの私たちの街に来てくれると、それが体感できるし、
ちゃんと正直な真実の現状、現場っていうのをお見せすることによると、
皆さん共感してくださるんですね。
-はい。
-それで一緒に次ちょっとプロジェクトさせてもらいたいですね。
そういう話になってきます。
-なるほど、なるほど。設計師さんとか工房店さんだけじゃなくて、
いろんなデベロッパーさんとかも含めて。
-そうですね。
-いろんな関係あるんですかね。
設計師さんもそうです。
なので、うちがもし今度プロジェクトで賃貸とか店舗を作りたいときには、
ちょっとご一緒させてもらえないかとかですね。
-そういう話。
-捨てたもんじゃないっすね。
-はい。
-そうやってちゃんと思ってくれる人が出てくるって。
-そう、出てくるんですよ。
-ね。
-素晴らしいな。
-それってでも、どこで転換点があったっていうか、
9割卸しだったところから、徐々に変わってはいったと思うんですけど、
例えばフィルをローンチした後なのか、
タケノクマをやった後だったりするのか、
その辺ってきっかけがあったりするもんなんですか、やっぱり。
-そうですね。
でも、キッスタタケノクマも、
でも、もう少しずつですよね。
フィルローンチしてから、どんどん割合が変わっていきました。
やっぱり家具を店舗に置きたいっていう人がいらっしゃって、
その人が設計者さんを連れてきてくださったんですね。
-へー。
-っていうこともありますし、
例えばエッセンシャルオイルのアロマの小さいビニューを、
その奥さん、青春の奥さんが気に入って買いに来てくださったりして、
で、お父さんと盛り上がって、
ちょっと今度家建てるんだけど、一緒にやらないかって。
そういう風になったりする。
だから、アロマで家が売れたりする。
-すごい。
-それはすごいなー。
-でもやっぱり、そうやって伝えていることに対して、
ファンになってくれるっていう言い方が正しいのかわからないんですけど、
やっぱりアダイさんたちと一緒に何かしたいって思ってくださる方が
結構たくさんいらっしゃったっていうことですね。
-そうですね。
なので、共感してくださる人が多いです。
実は俺もそう思ってたとかですね。
あとは、個人の建築家さん、
特に若手の方は多いかもしれないですけど、
建築ってかっこいいし華やかなんですけど、
正直、今環境問題とかすごいじゃないですか。
そんな中、一個の建築を作ると環境に対して
僕たちは逆境してるんじゃないかっていう
葛藤も出てきたりしてる人もいるんですよ。
やっぱりガルバニウムたくさん使ったりとか、鉄骨を使ったりとかね。
そんな中で葛藤するけれども、
大きなハウスメーカーさんにいらっしゃる
インハウスの建築家の人たちといつも戦ってこなくちゃいけない。
時にやっぱり色を出さないとね、個人の建築家さんたちが。
その時に僕たちみたいに山の川上から川島まで
ずっとこうやって温め続けてきたものと一緒に
タイアップすることによって、
その人の建築に対してもカカチをつける。
それが魅力的なのかなと思ったりします。
その材木、川上のところは
地域の森林組合さんとか事業者さんと直接やるんですか?
そこは市場から?
そこはですね、うちは森林組合は2つあるんですけど
南小国町森林組合、東小国町森林組合。
そこから市場から取ってきます。
で、磨き丸太とか特注丸太材の注文は
自分の山から引っ張ってますね。
そうなんですか?
自分たちでも山も持たれています。
山は20個ぐらい。
20個?
すごい。
20個っていうのは20箇所に展開してるってことですか?
そうですね、20箇所ぐらい。
結構大きいんですか?小さい山が。
普通ですね、普通って言うとスターテイスト。
でかいです。
じゃあほんとやっぱ三代、おじいさんの代。
そうです、ずっと植林してやってますんで。
林業チームがいるわけではないんですよね?
林業チームはいないです。
個人のフリーの協力さんたちがお願いします。
なるほど、なるほど。
それで切ってもらって引っ張ってくるってことですね。
お客さんは、そういう共感してくださる方は
九州県内が多いんです?
九州が多いですね。
そうですよね、あんまり木材を大きく移動するのも大変だから。
そうですね。
それでじゃあかなり最初は売り上げじゃなくて利益を上げていくっていうことで
今はみんな5時に帰って田んぼの水の直角にはできるけど
利益は上がってきたっていう感じなんですか?
すげえ。
売り方が変わったらそれはそうなるか。
いやーでもみんな本当はそうしたいけど
まだ難しいよね結構ね。
っていうところをちゃんと立ったって言ったらいいですけど
本当そのフィルが出されてから10年ぐらいの中でそこまで変革されてるっていうのはすごいことですよね本当に。
そうだね。
さっきの話の中でも少し本来の価値をっていうようなキーワードも出してもらってましたけど
その前回の打ち合わせの時にも不可価値ではなくて本来価値っていう言い方をしていますっていうのも
すごいグッとくるというかなるほどなって思ったんですけど
それもご自身の発見というか感覚の中から出されている?
そうですね。家具もですねやっぱり客当たりが20万超えるんですよね。
でも自分がここでもう買いたいから20万にしたとかそうじゃなくて
ちゃんと減価を積み重ねていったときにこの金額なんです。
この金額じゃないと回らない。
わかります。
なのでそれはもう高負荷価値。
よく地方総裁って高負荷価値をつけてなんとかよく言うじゃないですか。
高負荷価値って深く負荷を無理やりつけたような感じじゃなくて本来の価値なんですね。
うちの小国の時もずっと代々続けてきたものが
3代で育てたものがチップ工場がチップンするために
木があるわけじゃないと思っていて
本来の価値をちゃんと提供できる仕組みをこちら側も作らなくちゃいけないんですけど
買い手側もですねやっぱりそれを理解する。
本来の里山の価値とか資源っていうのはどれぐらいなのかっていうのを
ちゃんとこうやってマッチさせる。
僕はその山と人の中間に製材所があると思っているので
この使命が僕にはあるなと思っているんですけど
なので皆さんには本来価値って言ってますね。
いやほんとそうですよね。
高負荷価値って馴染みすぎてあんまり言わない。
確かにちょっと持ってる感じあるもんね。
いやそうだよね。意味合いをちょっと付与した的な感じだよね。
かっこいいですけどね。高価が付きますから。
そうですね。そっか。
何さんが最初にあまり自然にも家業にも興味がない中から
その製材業に今聞いているとハマるじゃないですけど
ちゃんとその製材所とか地域を背負う経営者として
存在しているなっていうのはすごく感じるんですが
そういうのも自分がやっていく中で
気づいたらそうなってたみたいな感じなんですか?
そう。そっちの方が大きいと思いますね。
ずっと必死だったんですよ。
最初は妻がいきなり杉って食べられるんじゃないかって言って
味噌汁の中に杉の葉を入れて出してくれたりとか
バーベキューの杉板を置いて肉を上に乗せて食べたら美味しいんじゃないかって
でも何かトゲが刺さっただけ。喉に刺さったから
それを粉末にしてまたふりかけにしてくれたり
すごいな。日々が実験みたいになってる。
そう。日々ずっと実験。フィルの前はそういうことばかりやってたんですよ。3年間。
泥臭いってわけではないかもしれないけどすごいですね。
奥さんもすごい前のみじに。
妻も最初はエッセンシャルオイルを抽出するじゃないですか。
段差で出る油を抜き取った葉っぱは今度農家さんが肥料にするんですね。
枝が残るんですね。枝は今度製剤所で燃やして熱源にして次の木材を乾燥してるんですけど
乾燥させた後、このボイラーの中に燃え切った灰が残る。白い灰が。
その灰を使って今度器を作ったんですよ。
そんなことできるんですね。
器に作ったのと残砂を地熱の蒸す地域があって
地熱がもくもくいつも上がってるところですけど
そこに蒸し器があるんですけど
誰でも使えるんですけどそこの蒸し器の中に杉の葉を入れて
しっかり蒸して乾かして
今度それを凍じて
今、喫茶宅の奥までお国の杉茶って出してるんですよね。
あの頃は食べられるんじゃないか一生懸命やってて結局形にならなかったんですけど
ようやく今形になって
全然できてるんですよ。
蒸すのがポイントというか温泉の蒸気で蒸されるっていうのが
むしろその確かに地域の歴史とか
積み重ねた文化みたいなの
そこに注入するような感じはありますね。
そうですね。油を取った後の杉の葉ってまだ甘いんですよね香りが。
だからこれなんか絶対できるなっていう話はしてたんですけど
実際にそうやってお国の杉茶とか
今なんかその洋菓子、杉と洋菓子をくっつけたりして
今ちょっと開発してますね。
すごいね。
羨ましい。楽しそう。
そういう、例えば洋菓子とかも竹の熊ができて
その表現できる場ができたからこそみたいなところもあるんですか
なんかやっぱり僕らもお菓子とか作りたいなと思うけど
常に賞味期限とかそういうものとの関連が難しかったりするんですけど
それはあります。場を先に作らないといけないなっていうのがあるんですね。
確かにそうですね。そこで出してて
すごい評判良ければじゃあ頑張って菓子に持ち帰れるものにするかみたいなとかも
そうだよね。
ありそうだから。
さっき聞いててすごい気になったのは灰で器を作るってことだったんですけど
灰をこねて土みたいにするってことですか?
いや、熊本は甘草っていう場所があるんですけど
甘草の土って結構全国的に器を作られてる人が使ってるんですよ
甘草の白地用の土をですね
ちゃんと器を形成した後に釉薬として塗ります
釉薬に使うんですね。そっかそっか
すると製材所のボイラーの温度で多分400℃から500℃ぐらいなんですよ
結構いったとして
その中で燃えたところで真っ白な灰にしか残らないんですけど
器を焼く炉の中ってやっぱ1400℃とか1200℃から1500℃ぐらい
結構桁が違う、一桁
すると灰の中の不純物が全部溶け出して
本来の色がまた戻るんですね
それを一回試作で作ったときめちゃくちゃ感動したんです
何か新しいことをしようと思って型を立てて振ってしまうと
葛藤や矛盾もたくさん出てくるし
でもそれでも突き進まなくちゃいけないときに
突き進んだ先に真っ白に燃え尽きてしまうこともよくあったんです
めちゃくちゃいいですね
灰の中からまた不死鳥のごとくも蘇ることができるんじゃないかと思って
これを人生の支障だと思ってこの灰は
なるほど
これは絶対世の中に出したいと思って今年出したんです
そうですか
そしたら家庭画法とかに載せていただきました
すごいな
やっぱり作るものが
本当に世界を向いてるじゃないですけど
文化の上に立ち上がってくるビジネス、経済みたいなものが
すごくちゃんと評価されるものっていうとあれですけど
ちゃんとした形にするっていうところまで消化できるのが
なんか真似できないなっていう感じが
どういうことなんだろうって思っちゃうんですけど
それはなんか出会いとか
多分穴井さんご夫妻の研究熱心さみたいなのは裏付けされる感じはめちゃめちゃあると思うんですけど
そういう地域の中に甘草の土がいいとか
そこに焼き物をやる人たちがいるっていうような
むしろプロフェッショナルと積極的に組むとか
組める自分たちであるっていうのが大事な姿勢な気がしますよね