2025-11-29 43:02

Vol.130 共有地である“海”の自然資本を考える -減りゆく海の資源に国境離島・対馬から挑む- 銭本 慧さん(合同会社フラットアワー)

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サマリー

このエピソードでは、津島の銭本さんが海の自然資本や漁業の現状について話しています。海の資源問題や一本釣り漁業の重要性、地域社会への影響を深く掘り下げています。減少する海の資源を守るために、漁業における持続可能性の重要性と地方の試みを紹介しています。また、温暖化の影響や漁業法の改正についても触れ、国境離島・対馬からの課題に焦点を当てています。このエピソードでは、減少する海の資源と国境離島・対馬の取り組みについて語られ、特に養殖や資源管理の問題が掘り下げられています。水産資源の重要性や持続可能な漁業の方法論についても話題になり、地域の価値を伝える重要性が強調されています。対馬から海の自然資本を考え、持続可能な水産業の取り組みや地域との協力について議論しています。

銭本さんの自己紹介
自然と生きるを考える 自然資本論〜
この番組は森で働くことを愛する高橋と奥田が、マーケティングやデザイン視点を持ちながら、森、海、里など自然資本を巡る話を面白おかしくしていく番組です。
はい、北杢高橋です。 山戸安奥田です。よろしくお願いしまーす。
よろしくお願いしまーす。 はい、今回は前回か前々回に告知をこっそりしてましたけど。
そうそうですね。 海の話を聞けそうだということで。 楽しみですね。
この間、まあいいや、ちょっと入ってきてから、入ってもらってから話したいと思いますけど。
そうです、そうです。 じゃあ早速ですけど、フラットアワーの銭本さん、よろしくお願いします。
はい、よろしくお願いしまーす。
銭本さんとは僕もまだ直接お会いできていなくて、シガの留国大の先生からお声掛けいただいたソーシャルイノベーション学会みたいなやつの文化会で、森、海、農業みたいな、それぞれのプレイヤー3人のパネリストでっていうので、僕と、僕が森で、銭本さんが海でっていうので。
津島なんですよね。
はい、長崎県の津島という離島にいます。
いやー、来てほしかったなー。
奥田さんは現地に行って?
はい、行ったんすよ。
銭本さんだけオンラインってこと?
銭本さんだけオンラインでした。
ああ、そういうことか。
確かに一回島を渡らないといけないのもハードル高いですもんね。
うん、そうなんですよ。
ということで、その時にお話しいただいた話がめちゃくちゃ興味深くて、これはぜひ皆さんにも聞いてほしいし、僕ももっと話したいなと思ったので、お願いをしたところなんですけど。
なので早速ですけど、銭本さんからちょっと簡単、簡単じゃなくてもいいですけど、自己紹介というかいただいてもいいですか。
はい、ありがとうございます。
長崎県の津島という国境離島ですね。福岡と韓国の間に浮かんでる離島で、どちらかというと韓国寄りに浮かんでるんですけども。
そこで一本釣りの漁師をしながら、一本釣り漁師集団をまとめたフラッタワーという会社を経営してます。銭本圭と申します。
津島の漁業の現状
もともとは、生まれがですね、大阪生まれ兵庫育ちの関西人で、
親父がすごい釣りが好きな人で、それにくっついていくようになって、自分自身その海とか魚が好きになっていって、
水産学を学んで、修士号博士号まで取得した。
あと、海とか魚の研究をする研究者をしてたんですけども、
この海が今、日本の海だったり漁業っていうのが衰退していってるっていう問題を、現場から変えていくようなアプローチができたら面白いなということで、
仕事、ビジネスの案を練りながら、どこでその仕事をやろうかっていうことを視察していく中に、
津島があって、ここならできそうみたいな感じですか。
そんなアプローチだったんだ。
そうなんですよ。
その辺って後で出てくるんですか。津島ならできそうってかなり、それこそアクセスが難しい中で、
そうですね。
ビジネスモデルにもよると思いますけど。
ビジネスモデル的に、インターネットを活用して、エンドユーザーとつながりながら物を輸送しようみたいなところがあったので、
インターネットさえつながれば大丈夫だっていうのが一つと、より難しそうなところで成立させると、
沿岸漁師全体に対して結構ポジティブな影響があるんじゃないのかなっていうのもあって、
今は人口が15名の県海集落でやっております。
15名しかいないんですか。
はい、9個15名です。
えー、そうなんだ。
大和はより小さい。
ちょっと信じられないな。
はい。
そこで、スタッフ何名が15名中何名のスタッフになるんですか。
最初はフラットワーク立ち上げたのが2016年なんですけども、私と、あともう一人研究時代の後輩で須崎っていうものを駆動機を落として、
通信班に移住させ、2人でスタートさせたんですね。
その時は、今事務所で使っている小民家に2人で住んで漁業をしながら仕事を作っていったんですけども、
そこから、それぞれに家族ができて、パートさんとか社員さんとかが入ってくれて、今5名でやってるんですが、
5名とも、よその集落に住んでいて、仕事のためにこの集落に集まってきているという感じです。
なるほど。津島自体は結構大きい島ですよね。
そうですね。今、島民が2万7千人ぐらいいるんですが、僕が移住した10年前は3万2千人ぐらいいたので、ものすごい勢いで減ってるんですよね。
5千人?
結構減ってるね。
そういう島に、韓国と津島、ジェットホイールがつながってるんですけど、韓国からの観光のお客様が年間で30万人とか40万人。
日本人の観光客は少ないんですか?
それに比べれば少ないですが、いないことはないですけれども、やはりそのボリュームで来られるので、スナップショットで見たときに、すごいここは韓国かって思うような場所もたくさんあるって感じですね。
面白い。
面白いです。
今は仕事としてはどんな内容なんですか?
仕事としては漁業そのものと、獲った魚を販売するっていう直販と、津島に観光で来られたお客様に対して体験事業ですね。
と宿泊みたいなところをどんどん拡充していってやっているという感じですかね。
その一本釣り漁師、うんうんって言ってましたけど、一本釣りでっていうことですか?
そうですね。もともと、私もその後入ってくれた社員も釣りが好きみたいな背景があるので、一本釣りにこだわって。
津島を選んだもう一つの理由としては、そういった生産性が低い漁業であったとしても成立する豊かな漁場がまだ残っているっていうところは非常に大きかったと思います。
その辺ちょっと詳しく聞きたい。
海が豊かっていうのは、場所によって違いが、魚種?魚の種類が違うとかはわかるんですけど、海が豊かか豊かじゃないかっていうのの感覚がまだ捉えきりづらいんですけど、その辺はどんなイメージなんですか?
えーとですね、もともと関西で釣りをしてた時は瀬戸内海で釣りをしてたんですけども、その時にお年を召した釣りをしてる釣人に行こうと話をしてたら、昔はこんなもんじゃなかったみたいな感じで、もっとたくさん釣れたんだみたいな話をするんですよね。
で、その後僕はもっと釣れる場所で過ごしたいなと思って、長崎大学の水産学部に行くんですけど。
そうなんですね。
長崎で大学生活を過ごしながら釣りをしてたら、やっぱり長崎の人たちが昔はもっとたくさん釣れたっていう。
みんな同じこと言うな。
僕にとっては瀬戸内から長崎に引っ越してそこで釣りをしてるので、体感的にはよく釣れてるなと思うんですけど、その定点で観測をしてる人に言わせると長期的に減少してるっていうのを実感しながら釣りをされていて、
津島の方もそうなんですけど、ただ、やっぱり離島っていう自然環境がまだ残っていて、津島暖流があたりながら大陸からの栄養がたくさん入ってくるので植物プランクトンが発生しやすくて、それに伴って生態系が豊かっていうところがあって、
津島沿岸は資源が豊富だなっていうのは視察したときにもう明らかに違いを感じましたね。
さっきの一本釣りでも大丈夫っていうのは資源が豊富じゃないとむしろ一本釣りは成り立たない?
そうですね。もう一本釣りで成り立つ場所っていうのは年々減っていってると思います。
その一本釣りで成り立つ条件みたいなのって、その魚のサイズとかそういうところもっていうことですか?
ありがとうございます。魚の資源が減るときって、その平均体長が小さくなってくることがシグナルになることが結構あって。
へー。
なので津島の資源が豊富だと思えるのは大きな魚がまだ釣れるっていうことがあります。
特にウキウオっていうサバとかイワシとかアジとかそういうたくさんボリュームがいるような魚はそういう傾向があって、
特に弊社の場合よく売れるのが秋のサバなんですけども、一本で釣ったサバで、
多分皆さんがスーパーで目にするサバのフィレとかってノルウェー産のことが多いと思うんですけど、
へー、そうなんですね。
ノルウェーで巻き網っていう取り方で、魚群を一気に巻いて一網打尽にするような漁獲方法なんですけど、
それで取れた450から500グラムぐらいのサバを3枚おろしにしてフィレにして塩漬けにしたものが日本に輸入されている。
で、スーパーの小売に並ぶっていうことが普通なんですが、1キロとか1.5キロみたいな、それははるかに大きなサバが取れるのと、
一本釣りなので1匹ずつ丁寧な処理ができるんですよね。鮮度を保持するための処理。
これがやっぱり網で取ってしまうと、全ての魚に適切な処理を施すのが難しいので、
そういう処理を徹底的に行って、マーケットニーズに合う魚に仕立てて出荷する。
その代わり負荷価値はちゃんと付けさせてもらうみたいな戦略を取れるのが一本釣りのメリットですね。
共有地としての海
今までの話で、博士まで行かれて、その後一本釣り漁の漁をすると、
それができるのは津島みたいな豊かな漁場じゃないとみたいなところで、
僕ら海の素人、ど素人なんですけど、からすると、
前荷本さんの問題意識というか、どう線につながっていくのかなっていうのがすごい気になるんですけど、
海がどうなっているっていうことに対して、
その一本釣り漁をやっていくことが大事だなって思われて、
その今の活動されているかみたいなところをぜひ聞きたいです。
ありがとうございます。
そうですね。林業とか農業との違いかもしれないんですけど、
海は共有地なんですよね。
みんなのものなので、そこにある資源っていうのは、
日本の場合は漁業権を持っている人が比較的自由に漁獲して、
漁業共同組合を通して市場に流していいっていうことになってるんですよね。
共有地なので、取りたいだけ取るみたいなことができちゃうし、
資源が減っていると思っていて、自分が取り控えたとしても、隣の漁師がたくさん取ったら意味がないみたいなことになるので、
共有地の悲劇みたいに言いますけども、資源が枯渇してしまうんですよね。
そういうことがつい最近まで日本の漁業では起こっていて、
それに伴って過剰な漁獲によって資源が減っているっていうのが、
漁獲の前提というか、そういう問題意識がありましたというところです。
そういうことに対して、世界では一人の漁師だったり、一つの船がワンシーズンに取れる量を割り当てて、
持続可能な漁業の重要性
それ以上取っちゃいけないっていうルールを行政がしっかりとルール作りをしたんですよね。
取っていい量を決められたら、手取りを増やすためには、単価が取れるおいしい旬の時期に漁獲するようになるんですよね、漁師は。
そういうふうにして、おいしい魚がちゃんと守られた量を流通するっていうことが徹底されている国は、
資源をちゃんとその後増やしながら量をすることができて、
さっきの話にもつながるんですけど、資源が増えるとやはり大きい魚が増えてきて、より大きくて単価が取れる魚が取れるようになるので、
さらに見入りが良くなるみたいな状況が生まれるんですけど、ただ日本がそれをなかなか導入できてないっていう状況でどんどん資源が減っていって、
これは、なので共有地を使った漁業である以上、トップダウンの行政のルール作りっていうのが何よりも大事だっていうことがありながら、
でも現場サイドで、ボトムアップで小さくてもいいから、何かポジティブな施策っていうのを作っていけるんじゃないのかなっていうところと、
あと研究時代に一緒に仕事をしてた同僚なんかが水産庁とか試験場みたいなルール作りに関わるところに入庁していってて、
彼らの時代になった時にトップダウンで多分いろんなことが変わるから、現場で調整する役割っていうのが絶対に必要になるなと思っていて、
そっち側を作っていった方が僕らしいというか楽しいなって。
めちゃくちゃかっこよい。
それで現場で仕事を作りたいっていうのが何よりも先にあって、
じゃあどうやってそれと収益性というか経済性を伴った事業として作り込めていくかなって考えたときに、
趣味の延長ではあるんですけど一本ずり料っていうのをしながら、
でもそれだけだとどうしてもそれを単純に市場に流してしまうと難しいので、
インターネットを活用しながらその価値を価値と感じてもらえる人に対してしっかりした価格で販売していこうっていうのが直反の基本的な考え方になりますね。
それはめちゃくちゃありますよね。
よく言われるやつで牡蠣。牡蠣の養殖でも結局なんか量をたくさん取ろうと思ってたくさん種をつけて、
そうすると海の栄養に対して量が多すぎて身の入りがちっちゃくなって、
だから重労働かつ低単価になっちゃうところをむしろ量を減らして、
その手間を減らして単価を上げていくみたいなことができましたみたいな話は僕も読んだことがあるんですけど、
海でも多分同じで、その育っていると取るのバランスを本来はちょうどよくしといた方が全体最適のはずなんだけど、
自分が休んでる間に隣が取っちゃう恐怖感でそれができないみたいなかなりバグっぽいエラーだって思うんですよ。
でも流通の構造的な問題みたいなのもあるっていうことですよね。
温暖化と資源の変化
中抜きっていうふうに言っちゃうとちょっと良くないかもしれないんですけど、
やっぱり消費者に届くまでに中卸の業者さんとかも含めて、
競りが行われてっていうのが多分すごく一般的というか、逆にそれ以外でやってる方がそんなにたくさんいるとはあんまり思えてないんですけど、
そのあたりはどういう形になっているんですか。
そうですね、中抜きが行われるのは当然その多段階の率になるとそうなるんですが、
実際にその販売をすると魚の特性上、漁獲してから品質っていうのはどんどん劣化していくわけですよね。
鮮度が悪くなっていくので、それをちゃんと適切な場所に適切な量を渡していくみたいな機能でいうと、
やっぱり彼らがいないと基本的なその水産の流通っていうのは難しい。
一方で、エンドユーザー側がいろんな顧客が出現して、いろんなニーズが多様化している中で、
いろんなこだわりを持った魚が欲しいって思った人に対しては直販みたいな、
そんなにスケールは求められないけどニーズに刺していくみたいな流通っていうのも全然正気があるなと思ってまして、
それはだから、どっちが良い悪いっていう話よりはどっちも必要だっていう状況になってきているのかなと思いますね。
さっきのその海の豊かさみたいな話の中では、取りすぎて資源が劣化しちゃっているのか、もっと大きなトレンドで、
例えば温暖化みたいなことも含めて、世界全体の海がそもそも悪くなっている。
サンゴの話とか、磯焼けの話とかも、愛護みたいな話もいろいろあると思うんですけど、
海の豊かさみたいなのが何基準、何規点で考えていくことが重要なのかなっていうのを聞きたかったです。
やはり温暖化みたいなコントロールすることが難しい要因によってかなり変化しているなっていうのはすごく感じていて、
津島に来て、今10年目なんですけども、フラッター立ち上げて、この10年間の間でも感じるし、
その1年前に、2016年に立ち上げたんですけど、2015年に移住してるんですよね。
その時にこの集落で、アスファルトにヒジキを干している様子を見ることができたんですけど、
実はそれを最後に今まで一度もヒジキを収穫できてなくて。
その時、だから昔たくさんヒジキがあって、収穫してたのがどんどん温暖化によって、
もしくは温暖化に伴う海藻を食べる魚がたくさん射つけるようになったことに伴って、
ヒジキがどんどん減ってきて、ヒジキだけじゃなくて他の海藻もそうですけども、
どんどん減ってきて、一番最後の収穫の時期が2015年で、それ以降一度も獲れてないっていうような状況なんです。
食べ尽くされちゃったっていうことなんですね、それは。
そうです。やっぱり海水温も上がったことによって、
ヒジキの生育の適水温帯から外れてきてしまってるっていうことも要因だと思うんですけど、
一方で南方系の魚は増えてきてるなっていう印象もありまして、
例えばアカハタっていうハタの仲間だったりとか、スジアラっていうこれもハタの仲間なんですけど、
沖縄でミーバイって言ったりするすごい高級魚なんですが、
それが僕が移住した時にはまだ津島にはほとんどいなかったんですが、
今はすごく増えてきている。
10年でそんな変わるんですね。
そうですね。最近だとあれですよね、
ヒミとかでヒミブリって言ってブリがブランド化されますけども、
北海道でも漁獲があったりとか、
いろんな魚の分布の北源がどんどん北上していってるっていうのはあると思いますね。
そうか。じゃあそういう大きい変化みたいなのはありつつ、
日本ではやっぱり資源管理みたいなのがうまくいかない、うまくいってないみたいなのが結構大きい問題意識としてはあるんですかね。
そうですね。まずはそれがしっかりできないと復活はないかなと思ってまして、
ただ2020年にその漁業法が改正されて、
水産庁も段階的にそういう漁獲枠を作って守らせていってるんですよ。
国際的視点からの資源管理
そういう効果って最初って現れにくいんですよね。
他の資源管理を今成功させてる国も、
それを導入した時には漁師はめちゃめちゃ反対したんですよ。
ただでさえ資源が減ってるのに、まだ規制かけるんかってことになるんですけど、
たしかに。
我慢しろって言われてるようなもんですよね。
でも数年すると目に見えてその資源が増えてくるので、
だから数年後とか5年後10年後にアンケートを取ったら、
絶対にあれはやってよかったってみんな言う。
今まさに日本がそういう段階でものすごく苦しかった時期をちょっと乗り越えつつあって、
黒マグロの30キロ未満のことを横輪って呼ぶんですけど、
その横輪について水産庁がしっかりと資源管理を最初に進めたんですよね。
取れる量が本当に1回の創業で取れてしまうんじゃないかっていうぐらいの量しか、
1人の漁師が1年間に取っていい量として割り当てられてなかったんですよ。
これは食っていけんなと思ったんですけど、
みんなそれを守りながら他の漁師に漁業をスイッチすることで何とか耐えた結果として、
今すごく横輪が増えてきていて、
それが増えたってことが国際機関にも認められて、
漁獲枠をちょっとずつ上げていきましょうっていうようなモードに今入ってるんですよね。
それが1つの成功例だと思うので、
これを他の漁師についても割り当てていくっていうような形にこれからなっていくんだろうと思いますね。
そういう資源管理の先進国、資源管理上手いなーって国ってどこ?
よく言われるのはノルウェーとかニュージーランドですね。
ノルウェーなんかはタラとか、あとさっき言ったサバですね。
何かをうまく管理しながら獲ってますね。
それってあるなんですか?
ある一定の漁種に限ってやられてるっていう、
それをコントロールがしやすいとか、
コントロールすると資源量があんまり増減しなくなってくるとかっていうのがいて、
そこに対して管理を行うみたいな形でやってるんですか?
おそらく水揚げ額のインパクトが高いものから順番にやってるんだと思いますね。
なるほど。経済的な合理性も含めて考えた上でっていうことなんですね、そこに関しては。
なので日本も黒マグロみたいなよく食べる魚、高値で取引される魚から着手してるって感じですね。
なるほど。面白いな。
割とそこをちゃんと管理しながら、見ていければ資源量自体は回復してくんじゃないかっていう感じで見てらっしゃるんですね。
そうですね。
なんか1個気になるところがあって、海本当に繋がって、世界的に見て繋がってるじゃないですか。
日本がすごく水産業に携わる方が減っているっていうところももちろん一つあって、
その漁獲量が減っているっていうふうなところあると思うんですけど、
逆に中国とかすごく上がってるっていうふうな話を見たことがあるんですけど、
それくらい離れていればそんなに影響はないものなんですか?
いや、めちゃくちゃあって、
中国で水揚げ額がすごい上がってるのは、養殖がめちゃめちゃ増えてるんですよ。
天然は横ばいか、むしろ減るモードに入ってると思います。
そうなんですね。
特に日本で養殖って言ったら、黒マグロとかマダイとかヒラメみたいな魚を食べる魚を養殖することが多いんですけど、
中国は草魚みたいな草を食べる魚がたくさんある。
賢いじゃないですか。
そうなんですよ。
なるほど。
養殖の挑戦と環境
日本、よくスイさんの話したときに、養殖したら全部解決するんじゃないの?みたいに言われることがあるんですけど、
そうやって肉食性の魚を養殖する場合、餌資源は天然に依存してるんで、
なるほど。
1キロマグロを太らせるのに20キロのサバが必要なんですよ。
すごいね。
牛とかの話、ちょっと間違えてる。
水。
それで、餌としての需要が生まれてしまって、サバを小さいうちから巻き網で餌用として取って、資源を崩壊させてるみたいなところがあるんで。
なるほど。
なので、養殖すればOKっていう話ではないんですけど、草食べさせてるのは賢いなと思います。
確かに。それは太陽があれば育ってくれるもので作ってるってことか。
絶対、確かにその方が培養、例えば毛とかも増えやすいから、ああいうものを食べる系だとすごい循環しやすいのは明らかですよね。
やっぱり日本の場合はマーケット先行というか、人気のある魚種から養殖になっていくっていうことで。
稼げる、稼ぐためにやるっていうことだよね、それは。
そうですね、それ確かに大事な視点ですよね。
あとはやっぱり日本、その行政、水産庁もマーケットの動向とか、ちょっと考えすぎるところがあってですね。
だから日本国内で生活史が完結している魚種については、なかなか資源管理をうまく進めることができてないなという印象なんですよ。
一方で黒マグロは生活史がいろんな国のイーゼットをまたぎながら回遊する魚なので、国際的に管理をする必要があって、
最初に国際会議で日本がとって医療というのを割り当てられるんですよね。
それを水産庁が都道府県に割り当てるみたいな方式なので、国からの強制があるものについてはうまくできるんだけど、
自国内で完結する魚種については業界の動向とかを気にしすぎてあまりうまくできてないなと思うので。
強く乗り越えないといけないのはそこかなっていう。
そうっすよね。怖そうだもんな。通達に行くのめっちゃ嫌ですよね。説明会とかが。
やっぱりですね、戦時中とか戦後ですね、日本がタンパク質を生産するのに苦労したときに、やっぱり水産資源ってすごい大事なタンパク源だったので、
官民がすごく協力して進めてきたっていうことがあって、今になったらちょっと癒着しちゃってるみたいなところがあるんですよね。
今もそういうフェーズではないので、ちゃんとやらんといかんなという感じです。
そうっすよね。僕この間秋田に鮭の租場を見に行ったんですけど、
今年鮭の漁獲量もすごい減ってるっていうのはその漁協の人が言ってたんですが、
なんかああいう年々どんどん減っちゃってるみたいなのは、ゼニモスさんの感覚でいくとやっぱり獲りすぎっていうのが大きな原因なんじゃないだろうかっていう感じなんですかね。
ちょっとそこは慎重に見ないといけないなと思ってましたね。
分布が移動してるだけっていう可能性もありますし、
あとやっぱり水産物っていうのはそもそも自然変動をすごくするものでもあるんですよ。
そうなんですか。
魚ってたくさんの卵を産んで原毛をしながら最後また2匹残れば資源が維持されるみたいな生活を送るので、
初期における原毛が少なければ爆発的に増えるしっていうことが起きるんですよね。
初期の原毛が少ないのは餌環境がいいときなので、
太陽がたくさん当たって栄養がその時にあって植物プランクトンが爆発的に増えるみたいなタイミングと、
地魚だったり地魚の時に同じ空間を拭いて餌環境が良ければすごく生き残りが良くて、
爆発的にその世代の資源量が多くなるみたいなことが起きるんですよね。
なので取りすぎだけが資源を減少させる要因ではなくて、
逆にその餌環境が悪かったからその年代の生き残りが悪かったっていうことも全然あるんですよね。
そうですよね。水揚げ量がすごく、話しする前にちょっと今どうなってんだろうと思って調べたら、
国際的な資源管理
1984年から3分の1ぐらいに水揚げ量が減ってるってなると、
取りすぎってどういうことだろうみたいなことが、
数字だけ見ると結構はてらが浮かんでしまうみたいなところもあったんで、
その辺は海の状況とかとも相まってっていうことですよね。
そうですね。かつ1980年代にすごく放漁だったのは、
マイワシがすごく獲れたんですよ。
それは1970年代、80年代ぐらいにかけて、
マイワシの生き残りが良くなるような環境が偶然立て続けに起きたんですよね。
それで爆発的にマイワシが増えたんで、
だからマイワシの漁獲量を全部さっぴいてみると、
そこのピークは消えるんですよ。
すごい、そんなに違うんだ。
じゃあやっぱり一概にも、
数字だけ見いっていればいいわけじゃ全然ないですね、海。
そうなんです。
さすがジェニモトさんがサクッと検討している。
すごいですね。
じゃあジェニモトさんとしては、
さっき何でしたか、津島のような地でもできれば、
他のところでもできるんじゃないか、
ビジネスとして成り立つ可能性があるということで、
広めたいビジネスとしては、
一本釣り的な、
漁獲制限の話とはちょっと別で、
魚一つ一つに付加価値付けをしていくような、
その量じゃなくて価値で売るような漁業っていうのをもっと広めたいぜっていう感じですか。
最終的にはなんか漁村での生活とか、
漁村の提供価値っていうのがめっちゃあるなと思ってるので、
そういう価値をお客さんに伝えられるような浜が増えてきたらいいなっていうのがあって、
それの一つの手段として、
顧客接点を作る手段としての直販みたいな感じなんですね。
そうなんですね。
売って情報を伝えて売ることによって、
逆にその津島にも来てもらってっていう言葉で考えてるってことですよね。
そうです。
なるほど、そうか。
ツーリズムとかはやられてるっていう風な話されてたんだけど、
結構海との接点って釣り好きな方ってすごい多いと思ってて、
漁船で釣っている人とか、友人とかでもやっぱりいるんですけど、
それ以外での接点とかを作っていくっていうイメージなんですか?
そうですね、接点がいろんな場所にあったらいいなと思っていて、
それの一つっていう感じなのと、
僕自身が釣りをしてた時に離島に、
僕がまだ長崎とか兵庫にいた時に、
遠征で離島に行くっていう機会はあったんですよね。
その時、やっぱり釣った魚を持って帰るために、
クーラーボックスだったり、現地で氷を調達してめちゃめちゃ重いものを持って、
持って帰らないといけないんだ。
するんですけど、あれすごい大変だなと思ったり、
釣りで疲れてる体で魚捌かないといけないわけです。
そういうペインがあったので、
今だったら釣りのお客さんが釣った魚をこちらで預かっておいて、
うちの適切な処理で3枚おろしまでして、
直販の仕組みでご自宅まで届けるみたいなことが多いですね。
一般的な漁師の方のやり方だと、
それができないっていうことなんですね。
できないです。
僕がコンセプトとしては、
漁村の価値と直販
研究者やってた時に、
光合成ってあるじゃないですか。
そちらの方が詳しいと思いますが、
無機物と光を使って有機物を作るみたいな。
それって陸域で年間100作ってるとしたら、
海洋でどれくらい作ってると思います?
海洋の方が多くないですか?
多くはない。
ブルーカーボンみたいなやつとかもそうだよね。
海の方が広いから、
全体でいうと海の方が作ってるんじゃないかっていう気はするんだけど。
どこで作ってると思います?
深海とか絶対光届かないエリアじゃないから、
浅瀬の辺りっていうことですよね。
ざっくり同じくらい作ってるんですよね。
陸域と海洋で。
海洋の中でどこで作られてるかっていうと、
海藻とか沿岸域というよりは、
外洋も含めてごくごく表層の部分ですよね。
植物プランクトンによって作られてるんですよね。
植物プランクトン。メインが植物プランクトン。
植物プランクトンってなかなか目視で見えるものではないので、
認知されにくいんですけど、
すごく小さなものが、
一つのユニットとしては作る量は大したことないんですけど、
莫大な量いることによって、
それを植物プランクトンが主に有機物にしたものを、
動物プランクトンが食べて、
小魚が食べて、
大きい魚が食べて、
哺乳類が食べてっていうような。
それが死骸になって、
分解者が分解して、
またその無機物を使って、
植物プランクトンが有機物にしてるっていう循環が、
古典的な植物連鎖なんですよね。海の中での。
それだけで回ってると思われてたところが、
実は違ったっていうのが、
分かってきたのが2000年代なんですけど、
顕微鏡の解像度がどんどん高くなって、
より小さなものが見えるようになったときに、
その死骸を有機物として活用しながら、
無機物にせずにですね、
そのまま動物プランクトンに取り込まれるみたいな、
微生物ループっていう、
2つの系があるってことが分かってきたんですよね。
有機物を完全にリサイクルして回す植物連鎖と、
リユースするような形で、
動物プランクトンに取り込まれる微生物ループっていう、
2つの系があるってことが分かったのと、
その微生物ループっていう系が、
実はその植物連鎖と同じぐらいの有機物量を、
動物プランクトンにもたらしてるってことが分かってきて、
要するに、古典的な植物連鎖っていうのは、
大量生産、大量消費みたいな形に似たような、
割と大きく循環させるものに対して、
微生物ループって小さい循環なんですけど、
1つのユニットが小さいんですけど、
それが植物プランクトンの比じゃないぐらい膨大にあるんですよね。
で、それを全部足し合わせると、
同じぐらいのインパクトがあるっていうものなので、
海の自然資本の考察
言いたかったのは、今の水産業っていうのは、
大きくまとめて大きく流通させるっていうやり方だけど、
小さいやり方みたいなのを、
無数の人が実装することによって、
同じぐらいのインパクト作れるんじゃないかなと思ってまして、
そのユニットを今、ここで作り出してるっていう。
先行事例として、実践をゼリモツさんがしているっていうイメージですね。
そうですね。
なんとなく浜の人たちは、暗黙地的にやってることを、
可能な限り形式地にして、
シェアしやすい形としてまとめるみたいなことを、
今、せこせことやっております。
いやーかっこいい。
いやーすごい。
でも僕ら、山とはかなり似ているというか、
近い発想だなっていうところはすごい感じますし、
さっきの漁村の可能性みたいな話は、
僕らも森の近くというか森全体で、
どういう暮らしを提案できるのかみたいなことを考えていたので、
まさに一緒にやりたいぐらいなんですけど。
片側では森でやってね。
そうそう。山村と漁村の連携をやりたいぐらいなんですけど。
ちょっと一回前半この辺にして、また後半にいけたらと思います。
リスナーへのメッセージ
ゼリモツさんありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
最後までお聞きいただきありがとうございました。
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それではまた次回、お会いしましょう。
43:02

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