談四楼首相独演会の初講座
はい、シェアする落語のshikeです。
今日、たった今ですね、下北沢、北沢八幡神社三宗殿でですね、立川談四楼首相独演会、伺ってまいりました。
談四楼首相の独演会は独演会と言いつつ、禅座さんがいっぱい出ることが通例になっておりまして、
かつては、談春四楽もここで腕を磨いたという、まあそういう会でございます。
で、今日ですね、談四楼首相の7番目かな、のお弟子さんが初講座、
談、談四の談ですね。談四、談四楼の談に、声と書いて男性という女性落語家です。
ややこしいですね。でも面白いです。
この男性さん、声、声という字がついている通り、声優、またボイストレーナーでご活躍されていたそうでございまして、
最初からね、初講座から非常に張りのある、インパクトのある声を出していて、
うん、いい感じでございました。
そして、それだけだとね、ちょっとね、ういぶいしさがないんですけども、ちゃんと話が飛ぶというですね、初講座らしいハプニングもあって、
そういえば、私、初講座というと、たてかわすんしさんの初講座も聞いてるんですが、
あのすんしさんの初講座もですね、ちょっと話がぐるぐる回っちゃったというですね、ハプニングがあったことを、
同じ北沢八幡のですね、三周年で聞いたらというなってことを思い出しました。
2番目の前座が、たてかわののいちさん。
この方はですね、僕は勝ってます。今日の講座も素晴らしかったですね。
あの、いや、前座時代の小春さんを思い出す古春実生ですね、を思い出すところもありますが、
このね、歌い上司の心地よさったらないですね。
もちろん、あの拙い部分はまだまだいっぱいあるんですが、この調子で伸びていったらこの人は面白いと思いますね。
3人目の前座がですね、たてかわはんしろうさん。
近盟地区でしたが、あの正直、前に聞いた時とそんなに変わってないかなというところでしたね。
なんかやっぱり、そろそろ前座でやり尽くしてる感もあるのかなという気がします。
2つ目の準備に入らないといけないのかもしれませんね。
男子老子賞の一席目「ぼんぼんふた」
と、前座が3人並んだところでですね、男子老子賞、一席目がですね、
ぼんぼん唄という、これは立川談四楼師匠が、今日8月15日ですからお盆にかけることが多いお話で、
お盆の季節というのはこの8月15日に必ず男子老子賞のこの独演会が北沢八幡でありますので、北沢八幡でよく聞かれる話です。
非常に珍しい話で、古今亭の話だと思うんですが、男子老子賞がかなり改作をしてるんですね。
で、私はこれ久しぶりに男子老子賞で聞いたんですが、また変えてましたね。
男子老子賞は作家ですから、ここはリライトというべきかなというふうに思いますが、
イントロダクション的な語りをちょっと入れた後に入っていく、この辺りがですね、巧みですね。
で、やっぱりね、泣けるんですよね、この話は。
本当に誠実な人しか出てこない話なんですけども、非常に泣けるなというふうに思います。
特にね、柴浜がお好きな方なんかは、一回聞いてみていただきたいですね。
こういう話、なんかもっと多くの人に聞いてほしいし、男子老子賞から習って、他の人がやってほしいなというですね、気がしております。
仲入りを挟んでゲスト、毎回この読演会はゲストが豪華なんですが、今回は薩摩美和奏者の川島信子さん。
薩摩美和は平家物語を語るために、美和という楽器は普及したというお話も聞いたことがありますが、最初ギオン少女から始まりました。
あくまで日語で節がつくんですね。ですからちょっと老曲を思わせるところもあって、老曲って明治時代にいろんな芸能が混ざってできたということも聞いたことがありますが、
老曲の源流の一つがこの辺りの美和なのかなというふうにも思いましたが、ギオン少女はすごい有名ですよね。
で、2曲目が「クズの葉」という、安倍政明の生誕にまつわる話で、これは歌舞伎が有名なのかな、あんまり詳しくないんですが、非常にドラマチックな展開があり、
また3曲ともそうなんですけど、この美和の音というのが、私生で聞いたのは初めてですし、生じゃなくてもそんなに聞いたことはないわけですが、シタールのようなドローン音、ドローンという通天音みたいなものが聞こえる中に非常にパーカッシブなとかパチンと入ってきたり、
双方がバラエティに富んでいて巧みなんですね。大きな三角形の鉢で弦を叩くだけじゃなくて擦り上げるような音も出しますし、それがこの描写にピタッと合ってくるあたりというのはすごいなぁと。
で、3曲目がですね、こういった古典の手法を生かして、本日8月15日、また大生まれが広島ということで、原爆ゆるすま時。
これもその美和が持っているこの鋭さ、激しさ、壮言さみたいなものが、この曲に非常にこの力を持たせるというのがね、すごいなぁと思いましたね。なかなか落語界でこういうものを伺うことってないと思うんですけど、非常にいいものを聞かせていただきました。
男子老子賞の作品「一回こっくり」
そして3席目がですね、男子老子賞の作品、一回こっくりです。一回こっくりは小説一回こっくりというのがあって、これは本当に名作で、いつか誰かが映画化してほしいと僕はずっと思っているんですが、
この小説一回こっくりの中に出てくる新作落語です。男子老子賞のお作りになる新作落語というのは、江戸川舞台、義古典という言い方になりますか、なんですけども、
そのですね、主項として落語ではなぜか出てこなかったある自然現象が扱われているんですね。ここに子供を失った夫婦の愛情、そしてこの子供が、ちょっとネタバレしちゃいますけど、
帰ってくるんですね。最初、この話、僕小説で、あ、違う、話を聞いた後に小説を読んで、本当に感銘を受けたんですが、さらに感銘を受けたのは、何年か前のこの回で、やり方をまた変えていったんですね。
江戸川舞台という子供が、永遠にもう年は取らないわけですけども、育ってるんだっていうことに感銘を受けました。そしてまた今日もですね、変わってるんですよ。リライトされてるんです。
このリライトの方向性が、
やっぱりこの、男子狼師匠ぐらいのベテラン大御所が目指していくと、洗練を目指していくと、やはり通好みになってしまうっていう危険性ってあると思うんですね。
それが男子狼師匠の場合、やはり小説家でもいらっしゃるので、
わかりやすい方向に話を進化させているんですよ。それで野暮ったくならずに、以前よりさらにもう一段洗練された話になっているっていうところが、
やはり男子狼師匠すごいなぁというですね、ふうに改めて感銘を受けました。これは本当に僕の好きな話ですね。
8月15日、今日は鎮魂の日だと思います。
その鎮魂の先にあるのは、我々自身が失った上で、改めて生み直す、再生を目指していく、その希望を持つという日なんじゃないかなというふうに思うんですよ。
で、ボンボン歌も一回こっくりも決して戦争なんか出てきません。
けども、そこには鎮魂と再生というですね、流れが、まあ一回こっくりは本当に鎮魂と再生ですね。
鎮魂と希望と言い換えましょうか、が込められている。こういう落語をリライトして、さらに多くの人の心に届くような形で進化している、それを確認できるということの幸せを僕は感じています。
ただ一言言いたい。もっと多くの人に聞いてほしい。北沢八幡の8月15日に閉じ込めておいてはいけない話なのではないでしょうか。この話をもっと多くの人に聞いていただく場を作れるようなプロデューサーよ、いでよ。そんなことを考えました。
というわけで、シェアする落語の式でした。ではまた。