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2025-11-30 08:15

【#295】圓橘の会25/11/29

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#三遊亭圓橘 #三遊亭萬丸
毎月、上質の名人芸を至近で味あわせていただいています。
『黄八丈の小袖』のような噺は、圓橘師匠ならでは。.

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サマリー

三遊亭圓橘師匠の圓橘の会では、三遊亭萬丸が『厩火事』を披露し、そのダメなキャラクターに焦点を当てている。また、岡本綺堂の『黄八丈の小袖』が演じられ、複雑な人間関係とドラマの深さを感じさせている。

三遊亭萬丸の『厩火事』
はい、シェアする落語の四家です。
11月29日土曜日、毎月のお楽しみでございます、三遊亭圓橘師匠の圓橘の会、深川東京モダン館行って参りました。
開口一番はいつもの三遊亭萬丸さん、今日は『厩火事』でした。
いいです。
あのー、お崎さんだっけ、『厩火事』のおかみさんは。
お崎さんのね、あのー、まあこれお崎さんがいじらしいっていう話ではありますけども、お崎さんも相当ダメな人でしょ、あの前半のところで。
人の話、自分が相談しに来てるのに人の話ちゃんと聞かないってそれダメな人じゃないですか。
そのダメな人のダメな部分がね、ただ騒ぎ立てて「牛が馬に乗るんですか」みたいな余計なことを言う。
そのダメな感じがすごくいいんですよ。
まあもちろんね、伸び代もまだずっと感じるところですけども、やっぱりね、萬丸さんは自分に似合ってるネタを拾ってきて、自分の口調に噺を合わせていくっていう感じがすごいうまいなって思いますね。
で、圓橘師匠1席目がですね、『ねずみ』です。
好きな噺ですね。
9月だったかな、ご本人が高座でおっしゃってましたけども、
『三井の大黒』をかけられて、これなかなか結構だったんですけども、『三井の大黒』が圓生師匠から、6代目三遊亭圓生から習ってるということで、
左甚五郎が上方言葉なんですね。
『ねずみ』っていうのはその後、政五郎が二代目の政五郎を連れて仙台に行くというシーンがあるわけで、
これが三代目桂三木助かららしいんですよ。
で、そうするとですね、左甚五郎が江戸言葉になってるっていう、この面白さがありまして、
本当に甚五郎っていろんなところに出てきて、いろんなところに出てくる人がね、なんか同一人物と思えないぐらいバラエティに富んだ描かれ方をされる人だなと思うんですけども、
『三井の大黒』はやっぱり、九月に圓橘師匠がやったみたいな上方言葉で、ちょっと人をバカにしながらね、ニヤニヤしながらやってるような感じの方が似合ってて、
『ねずみ』はね、もっと後年の方になるわけですよね、多分ね。
なんかね、そっちの方が江戸言葉になるんですね。だから『ねずみ』は江戸言葉の方がなんかいいなって思うんですよ。こういうキャラクターってなかなかいないと思うんですけど、不思議な感じですよね。
で、まあね、もういつもの名人芸でございます。
何だろうな、この抑制の効いた、抑えに抑えた感じのね、中にちゃんと終わられるところをしっかり終わらせておいて、フワッと、この噺はやっぱりサゲがいいですから、サゲまでをフワッと持っていくっていうね、
岡本綺堂の『黄八丈の小袖』
結構な名人芸を見せていただいたわけでございますが、仲入りを挟んで2席目が、こちらが岡本綺堂シリーズということで、これ一度か二度は聴いたかな。
『黄八丈の小袖』という噺。まあね、やっぱ救いのない話ですよ。だってね、
脅されて、主殺しの真似事をさせられる娘も、やっぱり極刑に課せられるわけですからね。
この綺麗な余白を圓橘師匠はいつも作られるんですね。特に岡本綺堂物についてはそうですよね。
本当に最小限の言葉でもってじわりとある種のリアリティを感じさせてくれて、なんか人間というものの複雑さっていうのをこれだけ少ない言葉で語れる芸があるんだなっていうのをね、いつも感じますけど、特にこの『黄八丈の小袖』という話はそれを感じますね。
ドラマチックではないし、感情をむき出しにして語っているわけでもないけど、じわりじわりと心に突き刺さってくるものがあるっていうのが、特に圓橘師匠のこの岡本綺堂シリーズでは目立ったのを感じられるところですね。
非常に聴いたその満足感というかね、充実感がありますよね。非常にこんな救いのない話を聴いて、やっぱり充実を感じるっていうところですね。
というところで、著名な弁護士であります園尾先生をまた呼び出して、当時の裁判制度の在り方。『黄八丈の小袖』は大岡越前物でもあるわけですが、
お裁きの、在刑法廷主義ではなくて裁量がかなりあったと。ただその裁量がまたどういうプロセスで最終的に認められたかみたいなところも話をね。
結構高度なお話をされてたなというふうには思いますが、なかなかありがたかったですね。園尾先生のご本を次回の圓橘師匠の会でプレゼントしますよと、次回ぜひお見えにになってくださいという宣伝が入っておしまいでございました。
次回ねちょっとね僕行けないんですよね。ぜひ行ける方は行っていただきたいなというふうに思います。ということでシェアする落語の四家でした。ではまた。
08:15

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