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はい、シェアする落語の四家です。 423回目の圓橘の会に行ってまいりました。
7月26日でございますね。 いつもの深川東京モダン館でございます。
開口一番がいつもの三遊亭萬丸さんネタは夢の酒。 枕でですね、コンビニのコピープリンター機で
怒ったいざこざというあたりをですね。 萬丸さんとしては珍しく怒っている感じで
喋ってました。面白かったですね。で、ここからスルッと『夢の酒』に入っていって、うまいっすね。
なんだろう、やっぱり萬丸さんやっぱり毎月のこの会があってなのか、他の何かがあるのか知りませんが、腕上げてます。
で、後半のですね、そのくすぐりのですね、面白さが
ジャブ的なね、ポンポンポンと入って軽く笑いを稼いでいく感じの面白さなんですけど、非常にいい感じだな、これは習ったのか自分で考えたのかどっちなんだろうと思ったらですね
圓橘師匠が、三遊亭圓橘師匠が1席目『百川』の枕で
あの夢の酒は私が教えたが、あの部分はまんまるが自分で工夫をしていて
なかなかいいセンスだなと思ったというふうにおっしゃいました。 まああの孫弟子に甘い、弟子に辛いというのは
よく聞くお話でございますが、圓橘師匠は、なんかそういうですね、あの単純なお話ではなくて、孫弟子であろうが弟子であろうが、ここはいいというところはきちっといいと言うんですね。
というのはこの百川のですね枕で圓橘師匠がどういうお話をされたかというと、昔はよくお神輿を担いでいたと、まあ深川ですからね。
まあ深川だけじゃないお祭りでもおみこしを担いでいたというお話をされていて、それでまあ、萬橘師匠、朝橘師匠ですね、一緒におみこしを担いでいたが
彼らは全くサボらないと。 だいたい神輿というのはずーっと担いでいなきゃいけないんで
どっかでこうサボるもんなんだと。自分もサボってたと。ところが彼らはもうずーっとしっかり担ぎ続けているという、いい弟子を持ったのかな、というふうに思ったなんてことをおっしゃるんですよ。
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なかなかこういうことってね、ベテランの師匠ってね、自分の弟子についてね、言えなかったりすることが多いもんですよ。
まあこのあたりが非常に僕は圓橘師匠らしいなーって思ったんですが、まあこのいろんなお祭りのお話を枕で振ったところで百川ですよ。
いやー今日はね、やっぱり後で百川は勢いで持っていく噺というふうにおっしゃってましたけど、勢いがありましたねー。楽しかったなぁ。
あのやっぱりね、あのー 河岸の若い衆がね、いい感じにドス効いててるのがいいですよね。
あのいい感じにドス効くっていうのはですね、低音なんですよ。で、これに対して百兵衛は「うっひっ」の人ですから、あの高音なんですね。
このね、低音と高音のこのダイナミックレンジの広さ、そのコントロールの巧みさっていうのがね、ものすごくね、いい感じで味わえる。
あとでね、あのー ちょっと調子が良すぎたので後半ちょっと落としたみたいなことをおっしゃってました。喉がね、あんまり良くないとかいうお話で。
いやそんなことはね、みじんも感じることなくですね、ただひたすらもうお客さんも今日ね、いいお客さんでいい感じで笑ってましたんで。
楽しかったでございます。中入りを挟んで、今度はまた岡本綺堂シリーズでございます。
岡本綺堂シリーズ『三浦老人昔話』より、今日は『下屋敷』というですね。
いやー、なんつーかね、話自体はね、非常に不可解というか、
不可解というか不条理というか
まぁ、綺譚ですよね。珍しい話、変な話です。
ただここでね、やっぱりこの地語りで、地語りのリズムでじわじわじわと聞かせて、セリフでバタッと行くところのね、
圓橘師匠のこのかっこよさがね、際立つんでございますよ。
いやあまりにも変な話なので、あの後で青空文庫で確認したんですけど、いやでも基本岡本綺堂が書いたそのまんまですね。
ただそのそのまんまからプラスしたりマイナスしたりしているところってのは当然ございまして、ここをですね、一個一個たどっていくところでですね、圓橘師匠のそのクシーンの後と言いますか、
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まああのー、なんでしょうね。
まあ凄みですね。小説を落語家にする名人落語家のね、この凄みを感じることができる。
まあ、あのー、岡本綺堂はだいたいね、青空文庫にありますので、これを追いかけていくと、まあこれはね、よくね、講談の楽しみとして、その史実と実際に語られることの差っていうのを見ると、その工夫がわかるっていうのがあるんですけど、
これはテキストが小説としてちゃんとあるのを、どのようにこの落語に変えていくのかっていうところですね。
たどるとまあ、言ってみればわかるね。1回で2回美味しいみたいなところがあるんじゃないかなというふうに思いました。
ということで、今日も楽しかった圓橘の会でございました。シェアする落語の四家でした。ではまた。