1. シェアする落語のスタンドエフエム
  2. 【#264】第435回 圓橘の会 乳..
2025-08-31 06:47

【#264】第435回 圓橘の会 乳房榎 25/8/30

spotify
#三遊亭圓橘 #三遊亭萬丸
名人芸だからこそ、ここまでミニマムな表現でここまで客を没入させることができるわけです。他の落語家がやるときはまた違うアプローチが必要でしょうね。そんな事を考えました。
---
stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。
https://stand.fm/channels/614acca39ccb419e5f1db0cc

サマリー

このエピソードでは、圓橘の会におけるシェアする落語の一環として、三遊亭萬丸が「花筏」を演じます。また、圓朝作の「乳房榎 重信殺し」についての詳細な解説や、物語の巧妙な描写にも触れられています。

圓橘の会の概要
シェアする落語の四家です。8月30日土曜日深川東京モダン館で第435回圓橘の会行ってまいりました。開口一番はいつもの三遊亭萬丸さん。ネタは『花筏』でした。
珍しくちょっととっちらかった感じがちょこちょこありましたが、全体的にはすごい面白かったのと、十分笑えたのと、あとやっぱり、あれは萬丸さんの工夫なんだろうなと思うんですけど、相撲取りの職業というか生き方、職業は相撲取りか。
こういう相撲取りの生き方があるんだっていうのをですね、ポコッと入れてきて、それがすっごい面白かったですね。やっぱりなんだかんだ言って萬丸さんはどっかでいつも一歩ずつ前進してる感じがあって、僕はそこがすごいいいなっていうふうに思いますね。
で、この日のですね、圓橘師匠は前回に引き続きですね、三遊亭圓朝作『怪談 乳房榎』の3話4話になるのかな。
重信殺しというところですね。菱川重信という元武士の画家がいて、その妻がおきせ。で、ここに弟子として入った浪人磯貝浪江が、おきせをどけようとしていい仲になり、邪魔になったしである重信を殺すという、そういう噺でございます。
で、ここでですね、重信の下男である正介という男を、磯貝浪江は巧みに懐柔し脅迫し、重信殺しを手伝わせるというところですね。
で、ここの早稲田の料亭のですね、この描写がね、もうやっぱりすごいなーって。まあこれ圓朝の作品としてもやっぱりすごいんですけど、ぶっちゃけ、それで主殺しに至るかなっていうのって、納得度は筋だけ見たら低いんですよ、実は。
だって逃げちゃえばいいとか、主人にチクっちゃって逆襲すればいいとかっていういろんな手が考えられるわけですよね。ところがこの磯貝浪江という男のこの蛇のようなですね、
巧みな懐柔脅迫ですね、のテクニックによって落とされてしまうという、ここですね、ここに説得力を持たせるというのは、やっぱりこの磯貝浪江の波なりならぬ悪をね、ボソッボソッという重い語り口で聴かせる、
これはもう、圓橘師匠の腕だなというふうに私は思いました。圓橘師匠ほどの腕がないとやっぱりもうちょっと、特に正介の人物を描かないと、ここ説得力出ないですよね。
ただ、主人殺しに加担して良いのかどうかっていう、この昇輔の迷いが、田舎者らしい、ちょっと間抜けな感じの、何ですかね、キャラクターがセリフに出てくるところがあって、そこがちょいちょい受けちゃってましたね。
なんかみんなが笑うっていうんじゃなくて、半分ぐらいが笑っている感じがあって、それがなんか微妙で面白かったですね。
で、ここまでが前半で、後半が実際の殺人に移るわけなんですが、『落合の蛍狩り』とも呼ばれるシーンですけども、極めて陰惨な殺人の場面であるにもかかわらず、描写が美しいんですよ。
落合で蛍狩りやってみたいですよ。落合は無理でもいいわ。どこに行ったらいいかわかりませんけども、蛍見ながらね、お酒飲みたいですよ私。大粒の蛍ね。
そういうね、美しさを背景に置いておいて、進行していく殺人事件というね、あたりのこの匠さは、もう圓朝の匠さであり、演じられる圓橘師匠の匠さがね、相乗効果でもうすごいことになるということですね。
やっぱりこの話のこのラストシーンが、あえて言いませんけども、よくできてるんですよね。こういうのは圓朝は本当にうまい。ここだけなんていうか、本当の意味の怪談、つまり、ファンタジックなんですよ。ダークファンタジーですけども。
この一瞬の描写なんですけどもね。言いませんよ、私は。これがやっぱり鮮やかで、前も圓橘師匠で聴いたんですよね。だいぶ前ですけど、その時の鮮やかさが忘れられずに、もう一回聴きたいなと思ったら、今回聴けたのでとても嬉しかったです。
いやー本当にね、暑いですから皆さん、こういう怪談でヒヤッとするのはね、いいですよ。ということで、今回も圓橘の回、大満足でございました。シェアする落語の四家でした。ではまた。
06:47

コメント

スクロール