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はい、シェアする落語の四家です。
真打昇進披露興行三遊亭わん丈さんが主任の新宿末広亭4月6日、4月上席6日目ですね、のお仲入り以降についてのお話です。
もう落語ファンにとっては見慣れた風景でございますが、初めて見る人にとってはとっても新鮮だと思うのが、新真打披露口上の
幕が上がってこうバーっと上がるとずらっとこう並んでいるところですよね。 この日の真打披露口上の司会は柳家喬太郎師匠。
で、隣が五明楼玉の輔師匠。 で、その隣が
柳家さん喬師匠。 で、わん丈師匠が真ん中にいらっしゃって、
頭を下げている感じですよね。で、 その隣が師匠の
三遊亭天どん師匠。 で、落語協会会長の柳亭市馬師匠というこういう並びです。
で、とにかくね、あの喬太郎師匠の司会が上手すぎる。 昔からですけどね。
あの一之輔師匠の昇進の時なんか本当にお上手だなっていうふうに思いましたけど、またさらに輪をかけてお上手になってるのが
すっごいですねこの人は。
まあいろんなね、
わん丈さんについてのですね、エピソードを ちょっと泣かせるような感じも入れつつ、ちょっと笑わせるような感じも入れつつ、
玉の輔師匠に渡しました。玉の輔師匠の口上は
4分の3ぐらいは鈴本とほぼ一緒で、でも面白かったです。
師匠、今の師匠になる三遊亭天どん師匠は円丈一門においては4番目なんですね。
で、一門の、1番目2番目3番目をなんで選ばなかったのかっていう話で、
1番目はらん丈師匠なんですけど存在感が薄い。 2番目の白鳥師匠は金に汚い。
3番目の丈二師匠は危険であると。なんで危険かは言いませんけれども、
言わなくてもわかりそうなもんだね。 というようなところで落として、後半にですね、
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付け加えたのは、僕も見てきた 鈴本の千秋楽で
カラオケを3曲歌い上がったという話をしてですね。 そこをさらに市馬会長にも絡めるというですね。
歌好きの市馬会長にも絡めちゃうというところで、 思い具合に面白かったですね。
で、さん喬師匠はですね、さん喬師匠はいつも「この人のことをよく知りません」って嘘つくんですよね。
知らないわけないんですよ。 わん丈さんはさん喬師匠によく稽古をつけてもらってますから。
で、知らないわけがなくて、いろんな話をとっとと始めるんですけども 円丈師匠のその晩年に円丈師匠について
もうご自身で袴をつけたりもできなかったので、 わん丈さんが全部やってたと。
この辺はもう泣かせるところなんですけども
そのいい弟子がいるのは いいねっていう話を
司会の喬太郎師匠に聞かせるっていうですね。 師匠弟子で口上でやり合うという見事な茶番を
見せていただきました。 楽しかったですね。はい。で、続いて柳亭市馬師匠はいつもね
オーソドックスな感じの口上でしっかり締めてましたけど
最後に、天どん師匠が、これを育てた、抜擢真打を育てたのはもう師匠円丈の功績であると、
僕は預かっただけですと。 わん丈のこの前に出る姿勢は僕も見習いたい。
まあ、弟子が真打昇進にするのは普通ありえないキャリアの
人ですからそのあたり
ちょっと謙虚な感じも見えて、それでもいつもう天どん師匠は本当にいつも同じ テンションですから
いつもと変わらないテンションで
口上、お話ししてたのがすごく良かったですね。
その天どん師匠を紹介する喬太郎師匠の言葉が良かったなぁ。
師匠が亡くなることは悲しい。だけど自分だって師匠が亡くなって悲しいところで弟弟子を弟子として
引き受けた。だからこいつ偉いんだ。っていうようなですね
そういう紹介を 喬太郎師匠がされてまして、なんかしみじみ良かったですね。
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最後三本締めで綺麗に終わりました 。で、この後のクイツキって結構難しいと思うんですよね。
口上の後、色物っていうのが多いと思うんですけど、ここのね色物が 出ましたよ。
鈴風にゃん子金魚先生の方でございます。
もうなんでしょ、漫才台本でやっても面白い
連続テレビ小説エールなんかの漫才台本であっても面白いんですけど、ただその金魚先生が暴れてにゃんこ先生が突っ込むっていうのをずっとやってるだけでしたね。
それでもお客様爆笑です。これ私初めて見ましたけど 多分まあ結構前からやられてるんでしょうね。
あの最前列のあの補助席 ありますよね末広亭で行った人はわかると思いますけど補助席のパイプ椅子のところから
さっと出てきたお客さんが 舞台にバナナを置いたんですよね。
そのバナナをねー。ちゃんとゴリラ振りをしている。
ゴリラなりきっている金魚先生がね丁寧に食べるんですよね。 で、そこにねにゃんこ先生が「バナナが似合う女だね」っていうのがあって、もうめちゃくちゃ
面白かったですね。 1回こうやって
手締めをした真打披露口上の 空気をバンと壊すっていうところですよね。
バンとこう、空気を壊したところで次に上がったのが同時に初真打昇進した 林家つる子師匠ですでつる子師匠ももう
わん丈さん目当てに もう客席が満員でございますから
この満員の客席に向けて、でもねちょっと本当に思うんですけど、つる子師匠はまず泣く。
この日もね満員のお客さんを見て感無量になって泣いてました。でもそれはすぐ収まってものすごいパワフルな客
お客さんのいじりというか協力もね 思いっきり借りた
お客参加型の『反対俥』。
これ今私ね何度か見てますけどいやーもう 熱演ですね
熱演ですものすごい身体使ってまぁ反対車そういう噺ですけど、ただあの時間がなくて、早い方の車しか出てこないんで何も反対じゃないっていうですね。
いうところがまた面白かったりしますけども、でも元気いっぱいの高座でございました。その次がですね
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柳家さん喬師匠ですね。さん喬師匠はですね、
『替り目』なんですけどあの『替り目』ももちろんねあの短く縮めた替り目面白いんですけど
そこに行くまでのまくらのワインのテイスティングの話が面白すぎる 過去見たさん喬賞で一番面白かったかもしれない
あのねここがやっぱ柳家だなと思うんですけどね顔を使うんですよ ワインのテイスティングの話であのあの顔のこのほっぺたをこう
ググッと動かすところを使われちゃうともこれ笑わざるを得ないですよね。もうここがもうほんと見事だなというふうに思いました。
笑わざるを得ないぐらいおかしいんですけど 客を疲れさせない。
この辺が見事ですね 。で、
日坂ですねこの芝居は鏡味仙志郎・仙成の太神楽が入ってるんですがこの日は
ダーク広和先生でしたね
広和先生も見たことあったのかなぁちょっとあんま記憶が定かじゃないんですけど おっしゃれですね
あの 大きなマジック
は あえてやらないけど
ファンカードっていうんですかカードの 開くところの
色の綺麗さをどうやって作っていくかみたいな話で
本当にあの カードを指でこうさっとこう開いていくのがすごい綺麗なんですよね
それをねこう ちょっとずつちょっとずつこう
見せて みんなにおおっていう風に興奮させたところで
最後自分で持ってきたそのなんか音響装置にスイッチをポンと入れて その音響装置の音に合わせてトランプを動かし
さらにそこから BGM が流れて マジックらしいマジックをねポンポンポンポンポンとこう繋げていく
あのやっぱなんですかねあの 江戸の粋というよりは
欧米のおしゃれさ みたいなところをポンと入れていく感じでですね。
かっこいいなぁ。あの先生はかっこいい。
で本当にいい空気を持ってぴったり8時でわん丈さんに わん丈師匠に渡したんですね
で わん丈師匠もですね、まくらからもう面白さ全開でございますよ。
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今ちょっと話せると長くなっちゃうんであれですけども市馬 会長がわん丈さんデザインの
T シャツを T シャツであればトレーナーた長袖ですからを 非売品の T シャツを買ってもらったという話がですねこれはまためちゃめちゃ面白かった
んですけど まああの軽く切り上げたところでちょっと長いものの多分古典だろうなぁと思っ
たら いろんな商売がっていうところが入ってきてリサイクルって言葉が入ってきちゃうんで
あこれだなと思ったのが『井戸の茶碗』でした。でこれはもう『井戸の茶碗』をここでかけてくれるだけで僕はめちゃくちゃ嬉しいです。
なぜなら、えー、何年前ですかね。
わん丈さんがわん丈師匠が 3回出ていただいているんですけど初めて
僕のやってるシェアする落語にご出演いただいた時にトリネタでかけていただいたのがこの井戸の茶碗ですね。
その時はの高木作左衛門の爽やかさが非常に印象的だったんですが まあ当然のことながらまあ全般的にすごくね
レベルアップしてるんですよ。あの単純にね、うまいです。
マジがうまいです 前からまあだったけどうまくなったんでしょうねこの
真打昇進に向けての準備の中で
噺も一個一個磨きをかけて言って、いやここまでかって思うぐらいですね 話の展開を壊さない程度に
入れ事を自分なりにギャグを増やして あのいかにもその
わん丈さんで聴くからこの話は楽しいというところへ 持っていくんですね。ただ全体としては一応こう
人情噺というか、いい話ですからその世界を壊さないところで、ただ、いい話に傾きすぎない
ように ギャグを入れていくっていうところと、あとその円丈師匠が
わん丈さんに 円丈師匠は割とこう
細かく指導をする師匠なので あのおっしゃってたことがその落語はもう2人までだと。全員に力入れるなと。
いうところですよね。でこの『井戸の茶碗』は結構実はいろんな人出てくるんですが 屑屋の正直清兵衛にスポット当たるのは間違いないじゃないですか
でもう一人って言った時に
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高木に当たってるんですよね で高木に当たってでじゃあ千代田朴斎はどうするかというと
同じセリフを繰り返させるっていうところでキャラを固定する。 で、あとはまあそこそこ軽めに
描写するっていうことで、客がすんなり頭の中に話をこう 想像できる創造の世界を作れるような
構成にしている。これは円丈師匠の指導 をそのまま生かしている感じだと思います。
で『井戸の茶碗』というのは僕はちょっとそ 軽くノートに書きましたけども講談と落語で話が変わっていると。
で落語の方は講談とどこが一番違うかっていうと、
高木と千代田朴斎という2人の侍が 直接交渉しないんですよね。間に
屑屋・正直清兵衛を入れてあっち行ったこっち行ったりさせるっていう。お前金返してこないと斬るぞっていう風な話をするという。そういう構図なんですよね。
実際に、もともとの講談の『細川茶碗屋敷の由来』では直接対面します
だから結構違うんですよね。だからやっぱ落語にした時に落語ぽくしている。つまり、僕の考え方ですけど、落語ってダメ人間を愛でる芸能ですから、
高木も千代田も欲のないまっすぐな侍というふうにも捉えられますけども 実はその武士のプライド
を 守ろうとするのに
自分で動かずに 町人使っちゃってるっていう時点でこの人たちダメな侍なんですよ。
特に、150両になったら自分で行きゃいいじゃないですか。 茶碗売れた時に、自分では行かないというところがですね
実はダメな侍だと。それがあの落語っぽさなんで面白いんだっていうふうに僕は言ってて、
でこれはわん丈さんがやっているスタンドFMに僕は井戸の茶碗が嫌いですっていう当初があって まあそれに対して、
これはやっぱ落語っぽさなんですよっていうような話を僕がちょっとそのメールをお 送りしたんですよね
で、わん丈さんはそのメールを読んで、ああそうですねっていう話で、やっぱりその 正直清兵衛が行ったり来たりする
あたりで落語らしくなりますね。みたいな話をされていったんですよね でもちろんその方は今回の
末広亭のトリの『井戸の茶碗』でもしっかり守られているわけですが、
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ここでねいってね、わん丈さんがまた一つこの井戸の茶碗に 新しい解釈を入れていました
でこれは素晴らしいんですがでつい10秒前ぐらいまでそれを喋ろうと思ってたん ですが
あえて喋らずにおきます 最後の最後の方の正直性米の
セリフ は
僕のその想像を上回る 落語、井戸の茶碗の新解釈
だなというふうに思いました 落語井戸の茶碗の
新しい演出としてはあの 喬太郎師匠のですね
歌う井戸の茶はまたちょっと別に置いといて喬太郎師匠が、清兵衛が千代田朴斎に「150両で娘を売るんですね」っていう
すごいセリフがあるんですけど、これは要するに、いいひと、いい 話しすぎるところ、ちゃんと壊しに行くっていうところですね。
で、それに対して、わん丈さんの新しいセリフ まあわん丈さんが作った
わん丈師匠が作ったかどうかわかりませんけど、作ったんじゃないかな。
もっといい噺にしてます。そこがこの すごいなっていうふうに思いました。
あえて伏せますさっきまで喋ろうと思ってましたけどあえて伏せます。僕はもう本当にここに三遊亭わん丈の凄みを見ました
完璧な『井戸の茶碗』でしょ。まあ完璧じゃないと、もし言うのだとすれば、時間5分 こぼした。
まあいいよねそれぐらい。ところでですね
まあ本当にあの末広亭のあの 木造の音空間に似合う、
で今の時代にをしっかり捉えながらちゃんと懐かしさもある 古典落語を持ってくるというあたりに、
わん丈師匠の 心意気とポリシーと力量をしっかり感じることができた
でもできましたやっぱりね2回続けてこう披露目に行くと思うのは、やっぱり披露目のこの オールスター興行っていうのは豪華ですね。
こんな浅いところにこんな人が上がっている!みたいなところがもうとっても とてつもなく楽しい。
ならまあ僕も今回もあの 落語そんなに聴いたことのないうちの落語会のお客さん一人を
お連れしたんですけど、まあ楽しい楽しいと
絶賛されてましたね。ただこれオールスターゲームですから
いつもはここまで楽しくないですというのも
ちょっと知っておいていただきたいなというふうに思います。ただ、今はもう寄席面白いですよね。
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寄席面白くなきゃお客さん来ないから。当然面白くなっちゃうんだろうなというですね 感じはありますけども、
披露興行が終わって 多分こんだけお客さんよるん呼んでるんで、割とほどなくわん丈師匠どっかで取り取ると思うん
ですよ。そこを見に行くっていうのが
またいいですよね。
今からそれを楽しみにしたいなと思っています。改めて三遊亭わん丈真打昇進おめでとうございます。シェアする落語の四家でした。