柳家一琴師匠の会の魅力
はい、シェアする落語の四家です。4月20日、日曜日。日曜日ということで行きたい回はいろいろあったんですが、僕はらくごカフェ柳家一琴師匠の会に行ってまいりました。
柳家一琴の会は今年に関しては寄席で書けられるような話をネタ出しでやっていくということで、チラシ、いしかわじゅん先生がね、一琴師匠の顔のイラストを描かれています。
このチラシの方に全部ネタが出ているというようなことになっております。今日はですね、トリネタが『崇徳院』ですね。ここに向けて『崇徳院』を含めて、なんと5席の大盤振る舞いです。
ということでですね、しばらくちょっと間が来ましたかね。一琴師匠の会に来てみたわけでございますが、客席もなかなか盛況と言いますかね。後から補助椅子を出したりしてましたね。
で、一琴師匠、体調があまり良くないというのは高座では全くわからなかったですけども、今ツイキャスの放送をずっと続けられていますが、今ちょっと体調の都合でお休みということになってますが、
先ほど申し上げた通り、高座はもうですね、フルスロットルというか元気いっぱいでございました。まあね、面白い。面白いんですよ。さあ順番に行きましょうか。1席目が『つる』。
5席やるということを考えるとですね、1席目から飛ばすのもどうみたいな話もあったんですけども、この『つる』がね、特に何か作り変えたっていうわけでもないのに、めっちゃくちゃ面白いですね。
で、これはもう毎回同じこと言ってますけど、
口調をね、喋りのリズムやや高めの声の心地よさが、一琴師匠のこの表情の豊かさ、表情の豊かさっていうのは自然といい笑顔の一琴師匠というのもあるんですが、
セリフに合わせて顔中のいろんな筋肉を非常に緻密に使い分けるというあたりがもう爆笑を生みますね。
ほんと瞬き一つ、口の横の筋肉の置き方一つでもってもドカーン、ドカーンと受けるっていうのがね、やっぱすごいなぁと思います。
いやぁ、この『つる』で大笑いしたのは久しぶりだなぁ。
2席目が『近日息子』。
これもね、あの馬鹿なせがれのバカっぷりとですね、
死んだと勘違いされて、自分の悔やみを自分に聞かされるというあたりのね、親父さんのこの表情ね、これがね、絶妙なセリフ回しと相まってね、最高の滑稽噺になってます。
で、残念ながら、お客としてはそんなに気にしない程度なんですけど、残念ながら、サゲのね、ところのセリフがほんのちょっと入れ違えちゃったみたいなところがあって、
それをね、引きずってしまったみたいな話を一気に後でおっしゃってましたけども、
まあ滑稽噺なので滑稽な人が言い間違えるってそれは普通にあり得ることなんで、聴いてる方はそんな気にならないんですよね。
3席目は『三人無筆』でしたね。あんまり聞かないかなぁ。
いやでも面白いですよね。
基本的にはあれです。それまでの2席と一緒で表情の豊かさ、心地良い声とリズムが、もう最後まで滑稽噺として軽妙に突っ走っていくっていう感じですかね。
ここで前半4席目までやるんですよ。これが『壺算』でした。
いやー、この『壺算』もね、大した入れ事してないし、また多分、その、滑稽の時間はそんなに伸びてるわけではないですから、
1席あたりのかける時間を縮めてコンパクトにやるっていうのが多分一気に一緒の狙いなんだと思うんですけど、
これがね、見事に収まるっていうね。
ところがね、やっぱりあの『つる』と一緒なんですけど、これはまあ、『壺算』はやっぱり、瀬戸物屋かな?の、
あの親父がね、パニックになっていく。 ならなくてもいいのにパニックになっていくあたりがね、
面白いね。やっぱりその表情でもって伝えることができる部分っていうのがね、大きいんでしょうね。
この話はね、本当に良かった。 うん。
で、仲入りを挟んで、
トリネタが『崇徳院』ということで、 こっちもね、
何でしょうね。 まあ『崇徳院』ってやっぱりプロット的にもよくできている、筋がよくできている話ではあるんですが、
なんか割ともうそれはどうでもよくて、誰と誰の会話かっていうことだけでね、笑えちゃうっていう。
つまりまあ、大棚のご主人と主人公、 その息子と主人公、
その主人公とそのおかみさんとかね、 まあこの2人の会話っていうのがすごい多い話だと思うんですけど、
それがね、それぞれに面白いんですよね。
で、「瀬をはやみ」の流れでもって乗っかっていって、
床屋のシーンに来て、サゲで何の解決もつかないっていう、もう典型的な落語の滑稽噺。
これが本当にもう一琴師匠が似合いますね。
いやー大笑いさせていただきました。もうすっきりしちゃいます。 本当にね、
まあ僕はずっと一琴師匠をお勧めしていますけど、 今年のこのプログラムはかなりいいですよね。
切り絵展の案内
一席一席がそれほど長くないということは、 おそらく初心者にとっても聴きやすいです。
ですから、あまりこの初心者が最初からマニアックな企画に行かない方がいいし、
寄席も寄席で結構ひと芝居が長いので、 あんまり寄席を初めての落語っていうところであんまり寄席を僕は薦めてはいないんですけど、
まあ番組によっては薦めますけどね。 まあまあそんなところはあったりするわけですけど、
今ね、結構落語を聞く人が落語初心者を連れてくるのに『柳家一琴の会』ちょうどいいんじゃないでしょうか。
それぐらい芸が充実してるし、改めて落語の面白さを教えてくれる、 そういう落語界になっていると思います。
日曜開催なんでね。 日曜開催だっていうこともあって、皆さんぜひ足をお運びいただきたいなっていうのと、
あともう一個ね、4月の24日からだったかな。 4月のいわゆるゴールデンウィーク、4月5月に
国立のですね、後でリンクでも貼っておきましょうかね。 国立にある画廊でですね、
柳家一琴師匠の切り絵の個展があります。 落語家で個展を広げられる人ってそんなにいないよ。
いますけどね、古今亭志ん五師匠とかね。でも切り絵でやる人はね、まあいないでしょうね。
見る人もみんなもうすぐ唸っちゃうっていうか、 その見てパッと見てわかる、もう
わかりやすい匠の技ですよね。 私はこれを去年『二次元の彫刻』というふうに申し上げたんですけどもね。
この切り絵展の方なんですが、
この国立の画廊でですね、行われますので、 こちらもですね、ぜひチェックしていただきたい。
落語家を中心に他の様々な人たちのことを 切り絵で表現してますので。
非常に素敵でございます。 中で落語会も開催される日が1日あるんですが、そこはもう
満員でキャンセル待ちみたいな話でしたね。 5月5日だったかな。
そんな感じでございますよ。 いやー今本当にこの切り絵も素晴らしいですし、
らくごカフェの柳家一琴の会、これはね、 月1回やってますから、どっかでぜひ足を運びいただきたいなというふうに
繰り返し申し上げる次第でございます。 シェアする落語の四家でした。ではまた。