大和田落語会の魅力
はい、シェアする落語の四家です。
この前の日曜日が3月16日、
京成線の大和田という駅ですね、千葉県で開催されました大和田落語会第247回
三遊亭萬橘、三遊亭萬次郎の会、行って参りました。
いや247回も落語会をやる、毎月やってらっしゃる、すごいですよね、素晴らしいと思います。
私は何回目かな、久しぶりに行きました。
あのね、京成の大和田という駅から歩いてすぐのとこにある丸花さんというですね、ところでやっと、丸花は天ぷら屋さんなのかな。
でもまあ居酒屋的にいろんなメニューがあって、今回行かなかったんですけど、打ち上げやってて、安くてすごく美味しかったのをよく覚えています。
というような大和田落語会。
トップバッター開口一番いきなり三遊亭萬橘師匠ですよ、これがまたまくらが面白くてね、
もうね萬橘節ですよね、楽しいんだこれが。
もう萬橘師匠の個性100%ですね。
で、そこからね、どこに噺に入るのかなと思って。『花見小僧』季節って言えば季節ですかね。
『おせつ徳三郎』の前半部分でございますね。
萬橘師匠はいつもそうなんですけども、なんか古典落語をきちっと丁寧に分解をして、
一つ一つの部品に磨きをかけて入れ替えたりして、また新しく落語を作り直す、そういう作業が本当に
お上手で、しっかりとやってらっしゃるんですよね。だから落語としてのその芯の部分は全然ブレてないんだけども、
萬橘節というか、萬橘落語になっている、非常に個性的な落語になっている。そしてそれが今落語を聴いている僕らにとても近いところにあるっていうのが本当素敵だなというふうに思います。
非常に楽しい『花見小僧』でした。でもここまでね、完璧にもうガンガン爆笑をさせる、こんな落語、他じゃ聴けないっていう感じの落語で爆笑を取った後にですね、
弟子が出ていく。どういう気持ちなのかなっていうふうに思いますけど、お弟子さんである三遊亭萬次郎さん、
動じないですね。もうまくらから、全然動じない。で、もう落語をやるの楽しいっていう気持ちに溢れている。
ネタは『家見舞』でした。家見舞、そんな好きなネタではありません。けどね、
明朗快活に「僕が落語をやるのが楽しいです。この落語ってこんなに面白いんですよ」っていうのをね、笑顔で
持ってきてくれるっていう萬次郎さんはね、やっぱすごいなというふうに思います。仲入りを挟みまして3席目も萬次郎さん。
これがまたびっくりなんですね。
満満足の抽選会
地噺です『袈裟御前』おそらく林家たけ平師匠からだと思います。
もう本当に地噺で、本当にお客さんを巻き込む参加型だって自分で言ってましたけども、もうそういう感じの噺の運びでしたね。
ただやっぱりね、ここがまあちょっとこれからどうなっていくかなっていうところなんですが、あのギャグがね、
地噺のギャグが古いギャグが入ってきた時に、いくらなんでも君の歳で、それはわかんないって喋ってるよねっていう
とこがあるんですよね。例えばブルーシャトーとかね。あのブルーシャトーっていう曲は、還暦手前の僕でもリアルタイムでは聴いてない、それぐらい古い曲なんですよ。
で、例えばそれをたけ平師匠がやるのであれば、あの人はもう夏メロ研究家みたいな感じですから、うまく持ってこれるんですけども、
ちょっとね、君のその歳でそれはちょっと違わないっていうようなところがね、なくはない。なくはないけど、やってるうちにまたそれもね、また味わいになっていくのかなっていう気がしますし、
まあこれだけその楽しそうに、地噺をやる若手っていうのも、まあそんなに見る機会もないので、
なんかね、萬次郎さんを見てて楽しいのは、やっぱ可能性の塊っていう感じですよね。 非常にいいなと思います。
そして鳥を飾るのがまた萬橘師匠なんですが、いやーこのネタで来ましたか『包丁』です。
6代目圓生師匠の得意ネタであり、難しすぎて立川談志がネタ出しをしてたのに圓生師匠にやってもらったみたいな話でもあり。
今は談春師匠、立川談春師匠であるとか、春風亭一朝師匠とそのお弟子さん一蔵師匠であるとかね。
やる人がね限られちゃってる噺で、立川寸志さんで聴いたこともありますけども、なかなかみんなが手を出さない話なんですよね。
で三遊亭萬橘師匠の師匠でやるところの、三遊亭圓橘師匠の包丁も実に見事で、
僕は大好きです。ただね萬橘師匠がこのネタをかけるかっていうのはね、びっくりしました。
やっぱりね、一つ一つの部品をバラバラにして、磨きをかけて、いろんなものを入れ替えていって、新しい包丁を作り上げるんですね。
でこの新しい『包丁』では、色仕掛け、ドジなくせに色仕掛けをする虎の方は、バカバカしくなってその色仕掛けをやめるというよりは、もう与太郎に近いぐらい何も分かってないんですね。
で、おかみさんの方は、圓生の系譜の流れでいくと、やっぱりちょっと計算高いっていうか、被害者なんですけど、計算高さがあって虎を巻き込んでいくっていう、そういう流れなんですけど、
萬橘師匠のこのおかみさんは、
感情的に動くんですよね。感情的に動いてくる。そこにちょっとリアリティがあって、虎を巻き込んでいくのは同じなんですけど、虎が表に立たないんですよね。
おかみさんがどんどん表に立って、悪役である夫であった久次と相対していく。この構図にした時にね、これは萬橘師匠のギャグが爆発している上での話だと思うんですけど、とっても面白くて聴きやすい。
見事に包丁になっている。見事に『包丁』っていう名作落語になっているっていうところが、たまんなくいいですね。もう一回聴きたいですわ、この包丁は。さすが三遊亭萬橘。素晴らしいなと思いました。
大和田落語会、終わった後に抽選会がありまして、いろんなものがサインとか当たったりとかして、それでお開きということになったわけでございますが、本当にね、満足です。非常に満足。ちょっとね、予定があって打ち上げには参加しませんでしたけども、満足でございます。
まあね、ちょっと東京から行く分には若干ね、京成電車に乗っていくっていうのはありますけども、たまにね、こういう落語会行くといいと思いますよ。なんと次回はですね、三遊亭遊雀師匠と立川寸志さんというまあ贅沢な、こういう贅沢が楽しめるというのが、この老舗の地域寄席の魅力なんじゃないかなというふうに思います。
非常に楽しかったです。ということで、シェアする落語の四家でした。ではまた。