今年9月、全米最大の学区であるニューヨーク市が、およそ60万人の子どもを対象に生成AIの利用を止めると発表しました。6月にはノルウェーも、国として「小学校では原則使わない」方針を打ち出しました。第30回は、この2つの事例をベースに、海外のAI禁止の実態を読み解きます。
実は、どちらもAIの全面禁止ではありません。止めているのは一部の学年で、ルールの見直しの時期も決まっています。なぜ下の学年だけなのか。いつまでなのか。ノルウェーはなぜ、国として動いたのか。
ニューヨーク市やノルウェーが禁止しているのは、子どもが「AIを使って学ぶ」ことです。「AIについて学ぶ」ことまで止めたわけではありません。むしろ、小学生のうちから学んでほしいことなのです。この2つを分けて考えると、海外の判断も、日本の次の学習指導要領に向けた審議まとめも読みやすくなります。これは「海外が禁止したから日本も」と短絡的に考えないための見方でもあります。
止めているのが下の学年なら、日本の小学校はどうするのか。この夏、あきお先生が研修で出会った小学校の先生たちは、ほとんどが教育専用のAIを使っていました。なぜ小学校では、汎用のAIではなく教育専用のAIなのか。心配な点を抑えながら使う、小学校ならではの工夫も、番組の終わりにお話しします。
「海外ではAIを禁止したんですよね」と聞かれたとき、「それ、実はね」と一歩踏み込んで話せる材料を番組で持ち帰ってください。
海外のAI禁止 / ニューヨーク市 / ノルウェー / 小学校の生成AI / 次期学習指導要領 / 審議まとめ / 教育専用AI
🎙 パーソナリティ
福原将之(AI教育コンサルタント。明治図書よりAI教育の関連書3冊を出版。全国の学校・教育委員会で研修・コンサルティングを実施。守谷市「生成AI活用推進プロジェクト」外部アドバイザー)
あきお先生(中高一貫校の現職教員)
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カバーアート:きいす(SOZO studio)
音声編集:でんすけ(Office Scene8)
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サマリー
ニューヨーク市とノルウェーの「AI禁止」は、すべての学年・用途を止めるものではなく、主に低学年の子どもがAIを使って学ぶことを期限付きまたは勧告として制限するものだと説明します。ニューヨーク市は中学2年生までを1年間モラトリアムとし、高校では審査済みの教育用AIを条件付きで使っています。ノルウェーも読み書き計算や人間関係を優先し、認知的オフロードへの懸念から小学校での利用を原則控えますが、中高では条件付き利用や高校での活用を認めています。日本の次期学習指導要領では、「AIを使って学ぶ」と「AIについて学ぶ」を分け、小学校3・4年生で仕組みを学び、5年生以降で体験・利用する方向が示されています。小学校では教育用AIを使ったり、1人1台ではなくグループで使ったりする工夫も紹介されました。
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