枕草子にも登場する謎の生物ワレカラについてお話しました!
・ナナフシのような、エイリアンのような
・チリメンモンスターとは
・和歌やことわざに多数登場!
ワレカラの動画(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=SNPkAE2SgdA
ワレカラ(wiki)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%83%AC%E3%82%AB%E3%83%A9
しらかわみのりさんのホームページ
【お便り&お知らせ&グッズ】
せみやまのX(ツイッター)
セミラジオのグッズ(ステッカー・Tシャツ)
【音声素材】
下記サイトの音声素材を使用させていただきました。
Howling-indicator
https://howlingindicator.net
サマリー
今回のエピソードでは、枕草子に登場する謎の生物ワレカラについて詳しく説明しています。その特徴や魅力を紹介し、リスナーからのコメントも交えながら、ワレカラのユニークな姿や文化的背景について考察しています。平安時代の人々にとってワレカラは身近な存在であり、様々な文化的背景や言葉遊びにも用いられていました。
ワレカラの紹介
みなさんこんにちは。自然を愛するウェブエンジニア、せみやまです。 今日は枕草子にも登場する謎の生物ワレカラについてお話ししたいと思います。
みなさんは何か定期的に無償に食べたくなる食べ物ってありますか? 僕にとってはケンタッキーフライドチキンがそういう食べ物なんですけども、しばらく食べない期間が続くと
うーん、そろそろかな。そろそろケンタッキーかな。
という気が高まってきまして、それが限界点を迎えた時、バクコにちょっとケンタッキー行ってくるねと言って、車を走らせるということを定期的にやっています。
バクコと一緒に行くこともあるんですが、彼女が脂っこいものがあまり得意ではないので、僕一人で行くことが多いですね。
で、最近はもうお店のタッチパネルで注文するメニューの構成もだいたい固まってまして、
オリジナルチキン3ピースにコールスローのMサイズ、これが自分の中で定番になっています。
オリジナルチキンというのはケンタッキーフライドチキンで、土定番のあのチキンのことです。
このオリジナルチキン、名前のついた5つの部位が存在してるんですが、ご存知でしょうか。
まずはキール、鳥の胸肉です。 他の部位に比べると脂身が少なくあっさりしていて、女性に人気の部位です。
続いてドラム、鳥の足ですね。 いわゆるマンガ肉っぽい形をしていて、子供に大人気の部位です。
そしてリブ、鳥のあばらです。 細かい骨が多く味が濃いのが特徴です。
そしてサイ、鳥の腰の部分ですね。 もっとも肉と脂身の量が多く、ケンタッキーが好きな人はこの部位が一番好きという人が多い印象があります。
僕もサイが一番好きですね。 最後にウイング、鳥の手羽の部分です。
量は少なめですが、コラーゲンが多く油分もそれなりに味わえます。 ケンタッキーのオリジナルチキンは以上5種類の部位で構成されています。
ただ、3ピースのチキンを頼んだ時、この5種類からランダムに選ばれるわけではなくて、マニュアルが存在しています。
オリジナルチキン3ピースの注文が入った時、どういう組み合わせで出せば良いかということについてお店用のマニュアルが存在してるんですね。
このマニュアルはサイ、ウイング、ドラム、つまり腰、手羽、足、あるいはサイ、ドラム、リブ、つまり腰、足、
あばらなどの具体的な組み合わせが記載されています。 このマニュアルのおかげで胸肉だけ3つとか
鳥のあばらだけ3つみたいな、僕にとっては悲しむべき事態を回避できているわけなんです。
で、サイという部位、鳥の腰の部分ですが、さっきも言ったように僕はこの部位が一番好きで、
3ピース頼んだら1つは必ず食べたいんですね。 で、3ピース頼んだ場合のほとんどの組み合わせでサイは1つ入ってるんですよ。
ただ、3ピース頼んだ時、サイが2つ入っている組み合わせはマニュアルにはないんです。 非常にうまく考えられたマニュアルだと思うんですよね。
3ピースに関して言うと、ほとんどの組み合わせで主力であるサイを投入しつつも、2つは決して与えない。
適度にじらすことで飽きさせない。 これによりまた食べたいなぁという次への動線、
渇望を作ってるんじゃないかと思うんです。 まあ、3ピースを2人で分け合って食べるとか、6ピースを複数人とか、今言ったことに当てはまらないパターンも多々あるので、
たまたま僕がそのマニュアルにガチガチに囲い込まれているということかもしれません。 なのでいつも僕がケンタッキーに行って、
オリジナルチキン3ピースを頼んで、 イートインで食べるとき、いつも
さ、今日もちゃんとサイは1つ入っているんだろうね。 マニュアル上、3ピース頼んだ場合でもサイが含まれないケースがあることは
重々承知してはいるけど、経験上これまでにそういう 外れの3ピースを引いたことはないし、今日も大丈夫って信じてる。
よし! サイ・ウィング・ドラムの3位一体、文句のつけようがない取り合わせだ。
こうでなくっちゃな。 というようなことを考えながら、僕はいつもケンタッキーを美味しくいただいています。
リスナーとの交流
今回はそんな僕のちょっとした日常スケッチから導入したんですが、 前回のハッピードリンクショップ会にコメントやお便りをいただいてますので、
今回は3つご紹介させていただきます。 1つ目は白川みのりさんからXでコメントをいただきました。
めちゃくちゃ笑わせていただきました。 車から
あ、ここにもあるんだ。 って地味に発見する感じや、普段特にお世話になってない感じ、すごく共感しました。
笑い。 この大変マニアックな写真集もとても気になります。とのコメントをいただきました。
白川さんありがとうございます。 白川さんは僕が前回お話ししたHDS館に共感し楽しんでいただけたということで嬉しいですね。
これ白川さんのホームページのプロフィールに書かれているので、行っても大丈夫かと思うんですが、
白川さんって僕と同じ山梨県出身なんですよね。 あのサッカーの中田秀俊を輩出した
にらさき高校がある山梨県にらさき市のご出身ということで、 白川さんとポッドキャストのイベントでお会いした時にそれを伺ったんですが、
やっぱり山梨県出身者っていう時点でかなりの少数民族あるいは絶滅危惧種なのですごく嬉しくなっちゃいました。
白川さん、白川さんも気になっているこのハッピードリンクショップの写真集。 白川さんのご出身であるにらさきが店名に入った店舗も網羅されてますよ。
にらさき店、にらさき本庁店、にらさき朝日町店、 にらさき藤見が丘店など計11店舗が掲載されています。
掲載店舗数が多いということで、一つ一つの店舗写真は小さいんですが、非常に快機な写真集で一見の価値ありかなと思います。
よかったらぜひ。ちなみに先日にらさき市を経由して北斗市に行ったんですけども、 目的地に着くまでの間に5軒ぐらいのハッピードリンクショップを目撃しまして、なかなかの数だなぁと思いましたね。
白川さんはグラフィックデザイナー、イラストレーターをされていて、 ホームページにこれまで手がけた作品の画像を掲載されてるんですが、
イラストもすごくおしゃれですし、色使いがとても心地よいデザインをされる方なんですよね。
ポッドキャスト関連のイベントのロゴデザインなんかも手がけられていて、 本当にプロのお仕事だなぁと思います。
白川さんのホームページのリンクも概要欄に貼っておきますので、皆さんよかったらチェックしてみてくださいね。
というところで白川さん、コメントありがとうございました。 続いて、こうしゅうさんにXでコメントをいただきました。
ハッピードリンクショップ、親木県にもたくさんあります。 私の家の近くはミニでした。
ちなみに看板の後ろにあるカーブミラーにバックした時に衝突したことがあります。 後日三角コーンが設置されてました。
意外に止めにくいところもあるのでご安全に。 とのコメントをいただきました。
こうしゅうさんありがとうございます。 そう、こうしゅうさんは親木県山梨県のお隣の県のお住まいということで、
親木県にもハッピードリンクショップたくさんありますよね。 僕もそちらに足を伸ばした際に多数目撃しております。
こちらのコメントにはこうしゅうさんのお住まいの近くにある ハッピードリンクショップミニの写真も一緒に貼っていただいてまして、
このハッピードリンクショップミニが何かというと、 写真集を作った吉村さんがご自身のブログに書かれていたところによると、
4から5機の集合体がハッピードリンクショップで、 2から3機はミニまたはウィズです。
今回ミニとウィズは除外していますということなんですね。 つまり自販機4台以上がハッピードリンクショップ、
3台以下だとハッピードリンクショップミニや ハッピードリンクショップウィズという店舗名になる。
そして写真集にはハッピードリンクショップのみを掲載しているということだと思うんですけど、
ただ実際写真集に掲載されている店舗写真の中には、 自販機3台とか2台の店舗、さらに1台の店舗とかも掲載されてるんですよ。
先ほどの定義に沿えば3台以下の店舗はミニとかウィズになるんじゃないかと思うんですけど、
もうよくわからないんですよね。 結構適当なんじゃないかと思います。
そんなハッピードリンクショップミニ付近のカーブミラーに 公衆さんは一度ガツンと行ってしまわれたということで、
その時はお体は大丈夫だったんでしょうか? こうしてコメントを書いてくださったということは、
お体には大事なかったということだと思うんですが、 後日三角コーンが設置されたということで何かしら痕跡は残ってたのかなぁと想像するんですが、
ミニということで駐車場の面積もちょっと狭かったりするんですかね。 何にせよお互いご安全に行きたいですね。
というところで公衆さんコメントありがとうございました。 続いてロンドンさんにメールフォームでお便りをいただきました。
ハッピードリンクショップ界親木県民として大変興味深く拝聴しました。 山梨県の企業が経営されていたのですね。
すべてのショップをめぐって写真集まで出版されてしまう方がいらっしゃるとは脱望です。 興味を覚えて amazon のリンクを踏んでみたのですが、
トップで紹介されている写真を見て言い知れない懐かしさを覚えました。 ショップの背景に水田と里山が広がるロケーション。
以前ロードバイクで走り込んでいた頃によく見ていた長野市松城の光景にそっくりです。
まあ私が知っている場所でなくても長野や山梨なら同じような光景はあるような気がしますが、
今回のお話を聞かせてもらったことで今までとは違う視点からハッピードリンクショップを見ることができそうです。
ありがとうございました。それでは次回も楽しみにしています。 とのお便りをいただきました。
ロンドンさんありがとうございます。 そう、ロンドンさんも山梨県のお隣、親木県のお住まいということで、
ハッピードリンクショップ写真集のメインビジュアルがロンドンさんが以前ロードバイクで走り込まれていた時に見た長野市松城の光景にそっくりで言い知れない懐かしさを覚えた
ということなんですね。これすごくいい写真ですよね。 そう、山梨県でも都市部を離れたエリアにある
ハッピードリンクショップに立ち寄ると近い雰囲気の光景に出会えます。 お便りに書いていただいた長野市の松城もきっと心地よい里山が広がる場所なのかなぁと思います。
いろんな国に自販機ってあるんですが、比較的治安の良いエリアに置かれることがほとんどみたいで、日本みたいに人里離れたところにポツンと自販機が置かれて、それが破壊されて中のお金を奪われることもなく、平和的に運用されている国ってそんなに多くないみたいですね。
なので至る所に自販機が置いてある光景って、そもそもものすごく日本的なのかなぁと思います。 その自販機文化の何かしらの到達点がハッピードリンクショップなのかなぁと、そんな風にも思いますね。
ちなみに最近山梨県内の自宅から別のある地点まで片道20分くらいの距離を車で往復したんですけど、ハッピードリンクショップの運営会社である株式会社フローレンのトラックを2回見ました。
1回目は交差点で信号待ちの時にふと路肩に目を向けたら、そこに自販機が置いてあって、隣にトラックが止まっていて、ちょうど飲み物の補充作業を行ってたんですよ。
そのトラックにフローレンって書いてあったんですよね。 えーって思ったんですけども、今までフローレンのトラックって認識したことなかったのに、先日ハッピードリンクショップの話をしたことによって、これまで背景として見過ごしていたものに目が行くようになったのかもしれません。
目的地で用事を済ませた後、自宅に向けて車を走らせてたんですけど、さっきとは別の地点でまたそういう自販機の隣に止まっているトラックがいて、補充作業を行っているのが見えたんですよ。
で、そのトラックにはやっぱりフローレンって書いてあるんですよね。 え、また?と思ってびっくりしちゃいました。同じトラックのドライバーさんがルートを巡回してたのかもしれませんね。
ちなみにその2つの地点の自販機はハッピードリンクショップではなかったんですよ。 フローレンさん、ハッピードリンクショップ以外の自販機も手広くやってるんですね。
夏場は自販機の利用率も1.5倍くらいになるということで、飲み物を補充する頻度も上がると思うので、遭遇しやすくなっているということかもしれませんね。
というところでロンドンさん、お便りありがとうございました。 今回ご紹介させていただいたお便り、コメント以外にもありがたいことにいくつかお便りをいただいてますので、そちらは次回以降ご紹介できればと思っております。
ワレカラの特徴
それではそろそろ本編に行こうと思います。 今回はワレカラーという生き物についてお話ししたいんですが、このワレカラー、なかなかマイナーな生き物じゃないかと思います。
僕自身も最近まであまりよく知らなかったんですよね。 ワレカラーは昆虫で言えばナナフシなどの細い木の枝のような姿をしています。
ただナナフシと違うのは短いカマのような先端部のあるイツイの前足があるんですよね。 ワレカラーはこの前足で海藻などを手繰り寄せて食べています。
そう、海に住んでいる生き物なんですよね。 大きさは1センチから2センチ程度のものがほとんどで、最大サイズが5センチくらいという割と小さな生き物です。
このワレカラー、言葉だけでは見た目の全体像を伝えるのが難しいので概要欄から動画を見ていただけたらと思うんですが、
非常に奇妙な姿をしています。 節足動物で足がたくさんあるんですが、ムカデみたいに均等に生えているわけじゃなくて、なんというか、生えている位置が偏っているんですよ。
さっきお話した、いわゆる前足が体の前の方にあるんですが、他の足については体の後端部、体のかなり後ろの方に密集していて、後端部には三対合計6本の足が生えています。
その後端部の足で足場に捕まって、体全体をくねらせて海に浮遊する海藻のかけらとかプランクトンとかを捕まえて食べてるんですよね。
言葉を選ばずに言うと、結構異様な動きをしているように見えるんですよ。 他にそういう動きをする生き物ってあまりいないんじゃないかと思います。
強いて言えばシャクトリムシとかが近いですね。 サイズは小さいんですけど、その見た目と動きの組み合わせでエイリアンみたいに見えるなぁって思います。
また体の後端部で海藻などをしっかりつかんで直立するので、どことなく人っぽい仕草を思わせる生き物でもあります。
節足動物というのは頭部、胸部、腹部の3つの体節に分かれているというのが基本の体の構造になっています。
クワガタムシなんかはわかりやすくそうなってますね。 エビカニ系なんかだと頭部と胸部が融合した頭胸部という構造になっていたりして、
生き物によっていろいろなんですが、我からは頭部、胸部、腹部のうち体のほとんどが胸部になっていて、
腹部は体の後端部にちょこんと痕跡的に残っているだけなんです。 そうなったらもう腹部は完全に退化させちゃってもいいんじゃないかとか思うんですが、
腹部には肛門がありまして、これをなくすわけにはいかないんですね。 目立たない腹部ではあるんですが、
肛門を通じて体の中の不要なものを排出する重要な役目があるわけです。 この我から、海から引き上げた海藻なんかをじっくり見てみると、
表面にわさわさと動く我からを観察することができます。 あと、実はご自宅でも我からを観察するチャンスがあるかもしれません。
チリメンモンスター、略してチリモンというジャンルがありまして、 これは何かというとチリメンジャコ、別名シラスボシという食べ物がありますよね。
海に住んでいる魚の稚魚を食塩水で煮た後で天日干しにしたものなんですが、 このチリメンジャコに混入している生き物全般のことを
チリメンモンスターと呼んでいるんですね。 このチリモンの一種として我からもラインナップされています。
チリメンジャコを生産されている方としても、本来は魚の稚魚だけをパッキングしたいところではあるんですが、
何せ小さな海の生き物のことなので、たまにそういう別の海の小動物が混入してしまうんですね。 つまりチリメンジャコをスーパーとかで買ってよく観察すると、そこに天日干しになった我からが入っている可能性があるということなんですね。
最近はメーカーによる選別の精度が上がって、 チリモンが混入したチリメンジャコというのは少なくなってきてるんですが、
海が近い地域で地元向けに生産されている チリメンジャコの中にはまだまだチリモンが混入したものがあるということみたいです。
平安時代のワレカラ
このチリメンモンスター、チリモンなんですが、これは大阪の岸和田自然友の会という団体が考案したもので、
チリモンを通じて海の豊かな生態系を知るというお子様向けのワークショップなんかも開催されています。
子供に一番人気なのがタツノオトシゴのチリモンみたいですね。
僕も子供の頃にチリメンジャコ、地元のスーパーではシラスボシとして売られていたそういうのをよくご飯にかけて食べてました。
その商品は小魚ばかりでチリモン的な生き物が混入していた記憶はないんですが、
もしタツノオトシゴやカニの妖精なんかのチリモンが混入していたらめちゃくちゃテンション上がってたんじゃないかと思います。
そんなチリモンの一種でもあるワレカラーなんですが、とはいえやはりほとんどの方にとって馴染みの薄い生き物なんじゃないかと思います。
ただそんなワレカラーがとても馴染み深かった時代というのがあるんですね。
それはいつの時代かというと平安時代です。
清少納言の書いた枕草詩、皆さん国語や古文の授業で習ったんじゃないかと思うんですが、
この枕草詩にワレカラーが登場するんですね。
枕草詩の虫はという章の冒頭にこういう下りがあります。
虫はスズムシ、ヒグラシ、蝶、マツムシ、キリギリス、ハタオリ、ワレカラ、ヒオムシ、ホタル。
平安時代の高貴な人たちにとって馴染み深く美意識をそそられる虫をあげた文章だと思うんですが、
蝶やホタルというのはまあわかるなぁという感じなんですけど、
ここにワレカラがぬるっと入ってるんですよね。
かつて、海藻は食用や使用を取るために盛んに採取されていて、
みやびな方々の食卓に登った海藻にワレカラがくっついていたことも珍しくなかったんだと思います。
昔の人たちにとってワレカラは今よりも遥かに身近な存在だったんですね。
それを示す、ワレカラ食わぬ商人なしということわざもあります。
商人とは仏教を治めるお坊さんのことですね。
仏教の教えでは生き物の摂取を禁じていますが、
そんな仏教に忌えするお坊さんでも、
海藻にくっついたワレカラはうっかり食べてしまう。
転じて、どんなに完璧に見える人物にも欠点はあるというような意味のことわざになります。
ワレカラが登場する和歌はかなりの数があるんですが、
一つご紹介すると、こんな句があります。
天の狩る、もに棲む虫のワレカラと、
根をこそ仲め、要は恨みじ。
意味としては、天が狩り取る海藻に棲む虫の名前のワレカラではないけど、
今回のことは私自身のせいだと声を上げて泣こう。
あの人との仲を決して恨むつもりはない、という比練の歌なんですが、
ワレカラという生き物の名前と、
ワレから、つまり自分からという言葉遊びなんですね。
ワレカラが読まれている他の句も、
こういうワレからという言葉遊びの効果を狙ったものが多いです。
もともとのワレカラの語源としては、
海の生き物であるワレカラを海藻と一緒に陸地に引き上げると、
外骨格が乾燥して割れてしまうことから、
ワレカラと名付けられたのではないかと言われています。
このワレカラ、現代人にとっては割と素縁になってはしまったんですが、
春から夏、浅い海に生えている海藻を摘み取ると、
その海藻にくっついているワレカラを観察できることがあります。
海無し圏に生息している僕なんですが、
いずれそういう場所を訪れる際には、
海藻をチェックしてワレカラを観察してみたいなと思っています。
皆さんもよろしければ、この大昔から日本人と語源のあるワレカラという生き物のことを、
頭の片隅に置いていただいて、
チャンスがあればぜひ観察してみてくださいね。
セミラジオではお便りを募集しています。
Xのハッシュタグセミラジオや概要欄のフォームからお送りいただけると嬉しいです。
今日は枕草子にも登場する謎の生物ワレカラについてお話しさせていただきました。
ご視聴ありがとうございました。
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