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みなさん、おはようございます。野菜大好き野菜農家です。
私は岡山県の県北、標高500メートルの山の中で野菜を作る農家をしています。
今日はですね、散歩しながら収録してるんですけど、
雪がね、すごい分厚い雪が降って、その中を長靴を履いて歩きながら配信をしていますので、
長靴で雪を踏む音が少し入っているかもしれないですけれども、ご了承ください。
今日の内容なんですけれども、気候変動を肌で感じたことということをお話ししたいと思います。
私が中学生ぐらいの時かな、気候変動、地球の二酸化炭素の量が増えて、
北極だったか南極だったかの氷が溶けて気温の上昇が見られていますと、地球の環境問題が起きていますということを初めて知って、
それから20年以上経ったわけですけれども、
当時、中学生だった私は恋愛なんてほとんど興味がなくて、なぜかそういう社会問題の方に目が向いてしまう中学生活だったんですよ。
その頃に、そういう気候変動というものが起きているということを知りましたが、
自分たちの生活に実感として地球の気温が上がっているとか、そういうことが今ほどあまりなかったので、
実感というものはほとんどないから、やっぱり興味を持つ人も少なかったんですよね。
それがですね、だんだんと近年になるにしたがって、野菜の価格が上がったりとか、夏の気温がびっくりするぐらい上がったりとか、
そういう実感を皆さんは受けていらっしゃると思うので、今は興味のある方が増えていると思うんですけど、
当時は実感がないので、あまりそういうことを興味を持つ方が少なかったと思います。
なぜ今日この話をしようかなと思ったかというと、私がよく聞いているスタイフ配信されている方の中で、
元気心臓内科医のワイスタイルさんという方がいらっしゃるんですよ。
その方がサステナブルフード革命という本を読まれて、それを配信されている、結構長尺の本の紹介なんですけれども、
それがすごく面白くて、難しい問題に対してユーモラスに解説してくださっているので、私は最近それをよく聞いていて、
サステナブルフード革命というものの中に気候変動の話とかも出てくるんですよ。
今の農業とか食料の問題について、そういう気候変動のことも絡めて本の中に出てくるわけですけれども、
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それを聞いて、そういえば私、農業に従事し始めて、特に10年ぐらい前から気候変動に関する肌で感じたことというのが、農業従事者の視点からあるなと思って、
それで今日それを話そうと思いました。
坂道なのでちょっと息が上がっております。すみません。続けます。
私が最初に気候変動を日本に見ながら肌で感じた瞬間というのは、農業大学校にいた時の話なんですよ。
農業大学校の2年でインターンシップというのがあって、J.A.にインターンシップ行ったわけですが、
その時に農協の職員の方と、いろんな農家もあるわけですが、その中に米を作られている米の農家さんがいらっしゃって、
その農家さんのところで、J.A.と農家さんが協力して試験をしているという話を聞いたんですよ。
その試験の内容というのが、今まで岡山県で採れていた米の、岡山県でよく作られている米の品種が、
気候変動の気温の上昇とともに、ちょっと作りにくくなっていると味とか変わってくるので、
ということで、新しい品種を検討しているということで、その試験をそこの農家の土地でされていました。
農協なのでやっぱり先進的にそういうことを、もう10年以上も前にそういうことをされて始めていたっていうのね。
そこで私の問題意識の感覚と、その試験をしているということが、すごい興味深かったんですよ。
そういうことに取り組まれているんだなと、農業共同組合の農協がそういうことをしているんだなと思って、
その時そう思っていました。
その同じ年ぐらいに、実は鳥取県の農業大学高生と交流することがありまして、
その時に、卒業研究である男の子が、鳥取県は梨の産地なんですけれども、
梨も気候変動によって作れる品種が、今まで通りにはいかないという話を聞きました。
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だから、やっぱり品種を検討して気候変動に対応しているというやり方が、そういう試験を今はかなりしているんだなという実感がありましたね。
それからですね、もう一つ農業大学高生の時に肌で感じたことがあって、
岡山県はピオネというブドウの品種が盛んなんですけれども、
それは黒っぽい紫色のブドウなんですよ。
それは色が付く時に、気温の寒暖差がなければ色が付かないんです。
その綺麗な黒紫色にならない。
黒と紫がかかった色にならないということで、気候変動の影響もろに受けていまして、
今まで産地だった岡山県の少し真ん中ぐらいの土地で作りにくくなっているんですよ。
それで、農業協同組合や農業試験所を協力してですね、また別の品種を打って出るということで、
オーロラブラックというね、ピオネに非常によく見た目の似た品種を作ることを、
ブドウの農家の人たちが勉強会をされていたのを見たんですけれども、
やっぱり味がピオネの方がいいんですよね。
だからね、岡山県の特産品としてブドウ、ピオネを打って出ていたのを、
オーロラブラックに少し変遷していくっていうのはね、
やっぱりちょっとその岡山県ブランドを下げるような、
今では良いオーロラブラックの味も出ているかもしれないんですけどね、
当時はやっぱりピオネより味が落ちるということを聞いていたので、
これは大変なことだなって思いました。
ここまで品種を変えることによって気候変動に対応しているということを感じた話でありました。
次に私が社会人になってサラリーマン農業を始めたときにね、
実感した話なんですけれども、
私が5、6年前に人参大有機物農薬で作る会社で働いていまして、
それが岡山県の倉敷市というところだったんですよ。
で、岡山県倉敷市はその当時、私が勤めていたときにちょうど西日本豪雨の影響を受けまして、
畑がどっぷりね、大雨に浸かったりとか、
あと家に浸水被害があったりとかして、
これはね、もう西日本豪雨が来る前から少し予兆がありまして、
普通に畑とかに出ていたときにいきなりゲリラ豪雨が来るようになって、
ゲリラ豪雨が来るとどうなるかっていうと、
そのいっぺんに畑に水が来ることによって人参が使ってしまうんですよ、水によって使ってしまって、
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人参が使ってしまうと、人参を栽培してからにあたって腐れやすくなるんですよね。
なので水を抜くという作業をしなきゃいけなくなったりとか、
なかなか大雨が突然たくさん来るというのは、
しとしとふる雨に比べてすごく農業的にはしんどいことでした。
なので私たちは排水を良くするためにエンジンポンプで畑から水を抜いたりだとか、
うねとうねの間に水を掘ってできるだけ水を逃がすようなこととか、
土壌改良、土を改良する施策をいろいろとったりしていました。
ある日、大雨が降って水路の水があふれだして、
これ以上作業すると危ないということで帰った日もあります。
倉庫をしていたら西日本豪雨が訪れて、
ちょうど人参自体は7月には全部収穫が終わっていたので、
畑が使ってしまっても経済的被害はなかったんですよ。
なんですが、その時に気候変動って本当にこういう自然を相手にする仕事だから、
余計に自分たちの身近にまで迫っているなということをひしひしと感じました。
それから最後に身近に感じたことの最後なんですが、
最近は皆さんも感じていらっしゃると思うんですけど、
夏の暑さが異常ですよね。
その夏の暑さによってトマトとか花が咲いても受粉がうまくいかなかったり、
花自体が暑すぎて咲かなかったりとか、
植物の生育が適した環境以上のものになって暑すぎて生殖がうまくいかないということになっていたりだとか、
野菜の暑さに対する体制が今までの作物の育て方では対応しきれなくなってきているんですよ。
ということはやっぱり農家の方は大変でいろいろな施策を打つわけですが、
うまくそれでいけばいいですけど、うまく取れなかったら収量、品質が落ちるので、
市場に出回る野菜の量が少なくなって市場価格が上がるということになってきていて、
農家以外の方も価格高騰によって大変な事態になっていると思います。
こういった自然を相手に仕事をしている職業に就いていたからこそ、
少し早めに気候変動の実感を得ていたなと自分ながら思うんですけれども、
気候変動が起きているということで、嘆いてばかりもいられないので、
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何かしら解決をしていかないといけないということを皆さん農家も考えられていますので、
品種を工夫してみたり、国や農協と共同して品種を検討したり、
それからお雨に対する対策を行ったりだとか、
あとこの暑さに対する対応を行ったりだとか、皆さんいろいろな工夫をされていると思うんですよ。
私も勉強をしっかりして、これからいい野菜を安定的に届けられる農家になりたいと思っています。
今日とても長くなりましたが、いかがだったでしょうか。
ちょっと難しい話を柔らかく伝えようとしたんですが、なかなか難しいものですね。
冒頭に紹介したワイスタイルさんの本、
ワイスタイルさんが紹介してくださっているサステナブルフード革命という本の紹介のリンクを概要欄に貼っておきますので、
よかったら皆さん聞いてみてください。
それでは今日も配信ここまで聞いてくださりありがとうございました。
じゃあねー。