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スピーカー 1
高校か?
スピーカー 2
高校か中学ぐらいで出てきた気がするね。
スピーカー 1
ちょっとどっちか覚えてないな、俺も。
あ、そもそもボイルの法則っていうのは、温度が一定のとき、機体の体積は圧力に反比例しますっていうやつね。
スピーカー 2
温度が一定のとき、機体の体積は圧力に反比例します。
スピーカー 1
だから、体積が小さい方が圧力が大きくなる。機体のね。
うんうん。
っていう法則が、これ、このボイルさんが発見した法則で。
うんうんうん。
で、そのあと、これ温度を変えた場合には、温度が変えた場合にも一般化できますよっていうのを見つけたのがシャルルさんで、ボイルシャルルの法則ってなったんですけど。
スピーカー 2
なんか、あの式あったよね、なんか。今、ちょっと思い出した。
シャルルの法則が表せる式あったなって思い出したわ。
スピーカー 1
そう。で、このボイルさんなんですけど、こういう機体に関する研究とかを結構やった人で。
で、今回もこの人がちょっとどんな感じで成長していったかみたいなとこから。
スピーカー 2
幼少期から。
スピーカー 1
幼少期から入りたいんだけど。
まず、この時代的に、さっき1600年ぐらいって言ったけど、日本だと江戸時代ぐらいって言ったけど、この背景としては、いまだに錬金術の時代ではあるんですよ。
うんうんうん。
前にパラケルススさんっていう錬金術を医学とかに持ち込んで薬を作ろうとしたっていう人がいたんですけど、その人が死んでから150年ぐらいは、いまだに別に世界変わんないんですよ。
ずっと、アリストテレスが言ってた元素の世界。
まず原子っていうものがまだない世界。だから酸素とか二酸化炭素みたいな概念は一切ない世界ですね。
これって、要するに分析する仕組みがないんですよね。
うんうん。
分析っていう単語もまだないぐらいな感じじゃないかな。
スピーカー 2
そもそも分析する必要がないと思ったのかな。
もう空気は空気だからみたいな。
スピーカー 1
別にその空気の重さを測ろうなんてまず考える人もいないし。
スピーカー 2
でもさ、当時からさ、きっと一酸化炭素中毒みたいなのはさ、わかってたはずなんじゃない?
スピーカー 1
なんで?
スピーカー 2
わかんないかな。だってそういう事故とか起きるじゃん。火災でさ、事故起きたりしたらさ、空気は空気でもさ、人を殺す空気があるみたいな、そういうことはわかってたはずだよね。
スピーカー 1
わかってないんじゃない?
スピーカー 2
わかってないんかな。
スピーカー 1
原因はわかってない。少なくとも。
なんか死んじゃうっていうのはあったかもしれないけどね。
スピーカー 2
でも空気は空気だけど、同じ空気でちょっと危険になったみたいな。そんな考え方だったのかもしれないね。
スピーカー 1
だからその空気の中身みたいな話は全然してないんですよね。
で、そんな時代にボイルさん生まれるんですけど、この時代に科学者になるというか、科学をめっちゃやるのに重要なことって2つある。
スピーカー 2
科学は化学のほう?それともサイエンティスト?
スピーカー 1
いや、もうサイエンティスト。これ何だと思います?
スピーカー 2
重要なこと?なんか大学かなんかに行くってことかな。
スピーカー 1
ああ、そう。1つは大学のまず教員になるっていうのが最初のステップね。
もう1つ重要なことがある。
スピーカー 2
論文出す?
スピーカー 1
いや、違う。もっとシンプル。
スピーカー 2
もっとシンプル?いい成績をとる?
スピーカー 1
いや、もっとね、頭の良さとかじゃない、もはや。
スピーカー 2
いい家に生まれるみたいな?
スピーカー 1
ああ、そう。そうです。
スピーカー 2
貴族みたいな?
スピーカー 1
お金がいっぱいある。
っていうのがこの時代の、もう研究とかをやる大前提の条件。
スピーカー 2
前提なんだね。
スピーカー 1
まずね、実験室とか作んなきゃいけない。実験室を作れるぐらいお金持ちじゃないといけない。
スピーカー 2
なんかさ、今だったらさ、すでにある実験室に所属するみたいな感じじゃん。
当時はそういうことがなく、まず1から作らなきゃいけないの?科学者になろうと思ったら。
スピーカー 1
まあ、なんか設備とか大学とかはあったから、あったかもしれないけど、そんな整ってもないし、
自前でいろんな器具とかも作んなきゃいけないとか。
この時代ね、結構ポンプ作るとか、そういうのももうそれ作るとこからやるみたいな感じだよね。
で、このボイルさんの家はイギリスで結構トップレベルにお金持ちだったとまず。
で、15人兄弟の14番目。
7なん。
7なん?
7なんだよ。
7なんか。
ホンダケイスキーみたいな。
ホンダケイスキーのやつなんだっけ?
スピーカー 2
ホンダケイスキーって7なの?
スピーカー 1
違う、あれワールドカップのやつなんだっけ?
あ、7分かあれ。ロスタイムのさ。
分かんない。
知らなかった。
7なんなんだけど。
スピーカー 2
7なん。
スピーカー 1
まあ、なんかすごい生まれてすぐに、もうベビーシッターみたいな人に預けられて、宿付きの学校に入れられて、全然なんか親に育てられてない感じなんだけど。
だけど、すごい真面目だったらしいんだよね。
で、これ残ってるエピソードが、14歳の時に、夜めちゃくちゃ雷がすごい日があったらしいの。雨降ってて。
怖すぎて、ボイル少年は、もしこれで生きて助かったら、神に人生を捧げるって思いながら、ブルブル震えて、雷の夜をやり過ごしていたらしいんだけど。
スピーカー 2
君みたいだな。
スピーカー 1
え?
スピーカー 2
雷、すごく怖いじゃん。
スピーカー 1
雷めっちゃ怖いけど、こんなさ、これで生きて助かったら、神に人生捧げるとは思ったことないけどね。
そっかそっか。
ちょっと、プチカミングアウトみたいなのやめてもらっていいですか?
雷怖いじゃん、だって。
スピーカー 2
怖くない怖くない。
スピーカー 1
怖くないの?
うん。
スピーカー 2
マジかよ。めちゃめちゃ怖いんだけど、雷。すごい嫌いだな。
スピーカー 1
そんなことどうでもよくて、実際生き残ったんで、神に人生捧げると誓うっていう、そこでまず。
だから、めちゃめちゃ金持ちなんだけど、すごい金欲的な生活を送るんだよね、ここから。
なんかちょっと不思議な人ですよね。
そうだね。
で、めちゃめちゃ勉強熱心で、当時、ガリレオ・ガリレーとかが本出してたぐらいの、同じ時代に生きてた人で。
で、化学とか、その時は物理かな、的なことにすごい夢中になってたらしくて。
ずっと、どうやったら神に使えることができるのかっていうのを考えてたらしくて。
これはまだ正確な記録はないんだけど、それが化け学だったっていう、そこに行き着いたらしい。
スピーカー 2
そこに行き着いたんだ。
スピーカー 1
化け学とか、当時錬金術だね。
神に誓って錬金術を頑張ろうみたいな、そういう感じになったらしい。
スピーカー 1
今でいう学会みたいな感じだよね。
これは結構重要なんだけど、そういう機関に所属したと。
その時の王立教会のキャッチコピーというか、みんなの目標みたいなやつがあって。
スピーカー 2
いかなるものの言葉も鵜呑みにするなっていう。
スピーカー 1
当時、この人たちにとっては、イコール、アリストテレスの言葉を鵜呑みにするなっていう意味として、みんな捉えてたらしい。
スピーカー 2
なるほどね。結構、すでにアリストテレス会議派みたいな人がいっぱいいたんかな。
スピーカー 1
そうそう。みんなやってて、なんか説明合わなくね?みたいなことがポロポロポロポロいっぱい出てきてるわけよね、当時。
スピーカー 2
もっとデータ信じようみたいな。
スピーカー 1
そう。だからアリストテレスが言ってるからこうなんだって信じるのはやめようみたいな。
スピーカー 2
それは重要な一歩ですね。
スピーカー 1
これだいぶでかい一歩なんですよ。
そういうところで、ボイルは本を出すんだけど。
スケプティカルケミストっていう本を出すんだよ、一番最初。会議的科学者っていう。
これでアリストテレスをボロクソに批判するっていう本を出すんだね。
例えば、木材が燃えて灰になるっていう過程。
アリストテレスの説明だと、木材燃えて発生してくる煙って、幻想的には空気になってってるわけだから。
空気じゃないですか、言ったら。
だけど実際それを集めて冷やすと油とか塩みたいな塩みたいなのが出てくるから、これは空気じゃねえって。
スピーカー 2
空気っていう全く違うものになったんじゃなくて、丸太は丸太のままだよってこと?
スピーカー 1
そうそう。丸太の中の成分的なものが取り出されただけだみたいな。
今でいう原始っぽい考え方なんだぞっていうのをボイルは考えたよね、当時。
それも上流みたいなことじゃないですか、言ったら。
そういう実験によってアリストテレスは違うぞっていうのをずっと言ってて。
一方で、金とか銀とか金属はさらに細かくすることって難しいわけじゃないですか。
だからこれは幻想なんじゃないって言ってた。
スピーカー 2
金属みたいに、より細かくできないものは幻想だって言って、
木炭みたいに、いろんな個体だとか、液体だとか、気体だとかになるのは原始だって言ったってこと?
スピーカー 1
原始とはまだ言ってないんだけど、混合物ってやつだ。
スピーカー 2
木炭が混合物だって。
スピーカー 1
加熱したら、木炭はそもそも何かが混ざってるもので、それがバラバラになって出てきて、
それを冷やすと、その成分ごとに分けれるみたいな。
そういう混ざったものだっていうこと。
金属は混ざってない、純粋に幻想だっていうふうに言ってたっていうね。
スピーカー 2
なるほどね。
スピーカー 1
当時それ分析することだったら、これ以上できなかったんで、
おそらくこの幻想って言ってるやつも、さらに細かい微粒子で構成されてるんじゃないかっていうのは言ってたらしいんだけど、
技術的にそれ確認できなかったんで、ボイルさんがわかったのはここまでって感じ。
こういう化学の方法で、何か構成要素があるんじゃないかっていう物質の成分を調べるっていう方法に、
アナリシスって名前をつけたのはこの人だ。
スピーカー 2
すごい。
スピーカー 1
すごいですよね、これ。
初めて分析みたいなことやってるね。
スピーカー 2
科学の基礎だね。
スピーカー 1
そう。これないと始まらないんで。
逆に今まで何だったのっていう感じだよね。
スピーカー 2
今まではそれこそさ、特に事実にもたずかず、自分で考えた理論をいろいろみんなが考えてただけみたいな感じで、分析とかしてなかった。
スピーカー 1
結果的にやってたことは分析なのかもしれないけど、いろいろ加熱したり蒸留したりはしてたから、それは体系化したというか。
スピーカー 2
いろんな実験はしてたけど分析してなかったってこと?
スピーカー 1
分析してたけど、分析って言ってなかったみたいな感じかもしれない。
スピーカー 2
ここで言う分析とは?
スピーカー 1
空気って1個のものって言われてたけど、2種類以上ないと今の説明ってできないの。
吸ったものと吐いたものが違うってならないと説明がつかない現象。
っていうのを初めて見つけたのがこれ。
スピーカー 2
面白いね。
食べ物とかだったらないと死ぬっていうのは明らかだけど、空気を吸ったり吐いたりって無意識にやってるから、
体にとってはすごく重要なものだけど、そういう実験とかしなきゃ気づかないよね。
スピーカー 1
ただこの実験、結構残酷なことをやってるんだけど、優しい性格だったため解剖にまで組み込めなかったっていうふうに言われてる。
スピーカー 2
そこで優しさを発揮してもねえって。
スピーカー 1
どこで発揮してんだって感じだけど、助手にやらせればよかったんじゃねえとか思うけど、やらなかったらしいんだよね。
その代わりにロウソクに火つけて入れてみるみたいなことをやってるね。
スピーカー 2
そしたら早くなるのか、死ぬのか。
スピーカー 1
違う違う、ロウソクだけ入れるのは。
密閉してる容器にロウソクを入れると火も消えちゃう。
動物が死ぬみたいにっていうふうに見えてたと思うけど、
ロウソクに火をつけてこの密閉容器からポンプで空気を抜いてみると、
そしたらそれでも消える。
ってことは、火が燃えるっていうことは空気中にある何かが必要だっていうのをこれで初めてわかる。
スピーカー 2
そうだね。
スピーカー 1
これだから重要な発見で、ただそれが何かっていうところまではこの時まだわかったよね、ボイルさんは。
調べる方法がないからね。
これすごい実験だと思うんだよね。
だって使ってるのは容器とポンプぐらい。
それだけでアリストテレスが間違ってるっていう証明ができちゃった。
スピーカー 2
衝撃ですよ、当時の人はこれで。
逆にそんな何百年もそれが誰も思いつかないっていうのも衝撃だけどね。
スピーカー 1
何百年っていうか何千年ですよね、多分。
だって今から400年前ぐらいよ。
スピーカー 2
それだけアリストテレスの説がすごく広まっちゃってて、誰も疑ってなかった。
あと当時研究しようって言ってた人たち、錬金術師とかもそうだけど、みんな物を扱うんですよね、金属とかさ。
個体?
スピーカー 1
個体とか、液体とかも扱ってる人いたと思うんだけど、空気を扱った人が全然いなかった。
だからこれすごい偉大な発見っていうことで言われてるんですよね、ボイルさん。
スピーカー 2
すごいね。
スピーカー 1
ここまでなんだけどボイルさんができたことは。
ちょっと面白いのが、ボイルさんって発明したいものリストって作ってて。
例えば永久照明とか。
スピーカー 2
永久に光ってるってこと?
スピーカー 1
そう、光ってるものとか。
スピーカー 2
鎧を極めて軽く硬くする方法とか。
すごいな。
スピーカー 1
だからそういう発明したいものリストみたいなのを作ってて、今の時代それほとんど全部実現されてるっていう。
結構すごいよね。
スピーカー 2
永久照明は?
電気ですよ。
電気のこと?
そうそう。
電気も電池無くなったら消えちゃうけど。
スピーカー 1
当時ランプとかあったんじゃないかな。
スピーカー 2
ランプとかの時代からしたら確かに火だもんね。
スピーカー 1
じゃないかな。
スピーカー 2
すごい。
スピーカー 1
結構具体的。想像力や記憶などの能力を高める薬や、苦痛を和らげる薬とか。
スピーカー 2
悪夢を見ない安らかな眠りをもたらす薬ができるだろうとか。
それできてんのかな。
スピーカー 1
でもこれ睡眠薬じゃないですか。
スピーカー 2
そうだね。
スピーカー 1
そんなに薬の概念もたぶんできてない時代だからさ。
スピーカー 2
ちゃんと実現可能なことをリストにしてるね。
不死の薬とかじゃなくて。